ゲスト
(ka0000)
【交酒】狐狸相打つ
マスター:近藤豊

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/05/31 19:00
- リプレイ完成予定
- 2017/06/09 19:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
九代目詩天の三条真美(kz0198)がハンターと共にリゼリオの街を探索している間、三条家軍師の水野 武徳(kz0196)はリゼリオを離れていた。
武徳の向かう先は、要塞『ノアーラ・クンタウ』――。
東西交流祭を前に準備に勤しむゴルドゲイルのノールド・セッテントリオーネを労う為であった。
「……ふぅ。あの狸め。交易路の構築でかかった費用を三条家につけ回そうとしておったな」
「それはそうでしょう。今回の祭りでどれだけの出費か……考えるだけでも恐ろしいです」
ノールドの執務室を後にした武徳は、家臣からそう言い返されていた。
今回、ノールドが主軸となって始めた東西交流祭であったが、武徳から思わぬ条件が付与されていた。
その条件の一つに交流祭が開催される為に必要な交易をノールドが負担する事が決められていた。家臣は費用だけを気にしているが、おそらく連合軍や各国の要人を説得して回ったのだろう。時には騙すも同然のやり方で協力を要請したのかもしれない。
その苦労を考えるだけでも家臣は胃が痛くなる。
だが、その苦労を前にしても武徳は涼しい顔でノールドの懇願を聞き流していた。
「まあ、やると言い出したのはあの狸だ。わしは知らんぞ」
「ノールド殿が聞けば、きっと泣きますぞ」
家臣は、思わずノールドを労らずには居られなかった。
だが、既に武徳は別の事を考えていた。
「それより今回ここを訪れた理由は、あの狸に会うだけではない。もう一匹の狐と交渉に来たのよ」
「狐?」
「おるであろう。この要塞を守る厄介な狐が」
その一言で、家臣は狐の正体に気付いた。
ノアーラ・クンタウ要塞管理者にして帝国軍第一師団所属の兵長――ヴェルナー・ブロスフェルトだ。
「ああ、あの御仁でございますか。あの御仁が何故狐なのでしょう?」
「お前の目は節穴か? あの同盟の狸を腹に飼い慣らしておるのだぞ? 何の思惑もなく抱え込むはずがあるまい」
武徳の脳裏には、真美と共に西方へ初めてやってきた日の事を思い出す。
あの時、ヴェルナーは武徳達を明らかに待ち受けていた。
ノールド抜きで真美と武徳に顔を売り、こちらを品定めをする為か。
もし役立つと分かれば、どんな無理難題をふっかけてくるか分かったものではない。
そんな状況とは知らない家臣。
暢気に武徳へ質問をぶつける。
「なら、会わなければ良いのではありませんか? ノールド殿と歩調を合わせれば良いではありませんか」
「たわけ。東方には幕府もおる。詩天としては西方になるべく強いパイプを持っておく必要があるのじゃ。
それにな。もう既に先手を打たれておる」
そう言った武徳は、懐から一枚の手紙を取り出した。
「これは?」
「先日紅茶を紹介した時にわしが興味を示したので茶会の誘いを出してきたのだ。
あの狐め、わしと直接交渉を狙ってきおったわ。どうやら軍人として肝も据わっておるようじゃな」
ヴェルナーからの茶会。
無論、断る事もできる。だが、ここで断れば祭りの雰囲気に水を差す事になる。それ以上に武徳としてはヴェルナーから逃げた形になる。
詩天でも老練な武将として知られる武徳とって、それは絶対に避けるべき展開であった。
「なるほど。その茶会でどんな提案をされるか分かりませんな。
武徳殿、そのまま茶会へ行かれるのですか?」
「そのまま行くつもりはないわ。悪いが、一足先にあの狐の所へ行け。急遽ハンターが数名同席する事になったので、準備を頼むと伝えるのじゃ」
●
「急遽ハンターが、ですか。ふふっ、一対一の交渉を避ける為でしょうかね」
詩天の家臣からの報告を受けたヴェルナーは、思わず笑みが溢れた。
こちらの狙いが何処まで見透かされたのかは分からない。だが、武徳が最初から警戒して茶会に臨む事は間違いない。
「しかし、困りましたねぇ。純粋に茶会を楽しんでいただきたのですが……あの狸さんはとても警戒心がお強いようで」
帝国軍人と東方の武将。
剣を握っての戦いとは異なる、まったく別種の戦いが始まろうとしていた。
九代目詩天の三条真美(kz0198)がハンターと共にリゼリオの街を探索している間、三条家軍師の水野 武徳(kz0196)はリゼリオを離れていた。
武徳の向かう先は、要塞『ノアーラ・クンタウ』――。
東西交流祭を前に準備に勤しむゴルドゲイルのノールド・セッテントリオーネを労う為であった。
「……ふぅ。あの狸め。交易路の構築でかかった費用を三条家につけ回そうとしておったな」
「それはそうでしょう。今回の祭りでどれだけの出費か……考えるだけでも恐ろしいです」
ノールドの執務室を後にした武徳は、家臣からそう言い返されていた。
今回、ノールドが主軸となって始めた東西交流祭であったが、武徳から思わぬ条件が付与されていた。
その条件の一つに交流祭が開催される為に必要な交易をノールドが負担する事が決められていた。家臣は費用だけを気にしているが、おそらく連合軍や各国の要人を説得して回ったのだろう。時には騙すも同然のやり方で協力を要請したのかもしれない。
その苦労を考えるだけでも家臣は胃が痛くなる。
だが、その苦労を前にしても武徳は涼しい顔でノールドの懇願を聞き流していた。
「まあ、やると言い出したのはあの狸だ。わしは知らんぞ」
「ノールド殿が聞けば、きっと泣きますぞ」
家臣は、思わずノールドを労らずには居られなかった。
だが、既に武徳は別の事を考えていた。
「それより今回ここを訪れた理由は、あの狸に会うだけではない。もう一匹の狐と交渉に来たのよ」
「狐?」
「おるであろう。この要塞を守る厄介な狐が」
その一言で、家臣は狐の正体に気付いた。
ノアーラ・クンタウ要塞管理者にして帝国軍第一師団所属の兵長――ヴェルナー・ブロスフェルトだ。
「ああ、あの御仁でございますか。あの御仁が何故狐なのでしょう?」
「お前の目は節穴か? あの同盟の狸を腹に飼い慣らしておるのだぞ? 何の思惑もなく抱え込むはずがあるまい」
武徳の脳裏には、真美と共に西方へ初めてやってきた日の事を思い出す。
あの時、ヴェルナーは武徳達を明らかに待ち受けていた。
ノールド抜きで真美と武徳に顔を売り、こちらを品定めをする為か。
もし役立つと分かれば、どんな無理難題をふっかけてくるか分かったものではない。
そんな状況とは知らない家臣。
暢気に武徳へ質問をぶつける。
「なら、会わなければ良いのではありませんか? ノールド殿と歩調を合わせれば良いではありませんか」
「たわけ。東方には幕府もおる。詩天としては西方になるべく強いパイプを持っておく必要があるのじゃ。
それにな。もう既に先手を打たれておる」
そう言った武徳は、懐から一枚の手紙を取り出した。
「これは?」
「先日紅茶を紹介した時にわしが興味を示したので茶会の誘いを出してきたのだ。
あの狐め、わしと直接交渉を狙ってきおったわ。どうやら軍人として肝も据わっておるようじゃな」
ヴェルナーからの茶会。
無論、断る事もできる。だが、ここで断れば祭りの雰囲気に水を差す事になる。それ以上に武徳としてはヴェルナーから逃げた形になる。
詩天でも老練な武将として知られる武徳とって、それは絶対に避けるべき展開であった。
「なるほど。その茶会でどんな提案をされるか分かりませんな。
武徳殿、そのまま茶会へ行かれるのですか?」
「そのまま行くつもりはないわ。悪いが、一足先にあの狐の所へ行け。急遽ハンターが数名同席する事になったので、準備を頼むと伝えるのじゃ」
●
「急遽ハンターが、ですか。ふふっ、一対一の交渉を避ける為でしょうかね」
詩天の家臣からの報告を受けたヴェルナーは、思わず笑みが溢れた。
こちらの狙いが何処まで見透かされたのかは分からない。だが、武徳が最初から警戒して茶会に臨む事は間違いない。
「しかし、困りましたねぇ。純粋に茶会を楽しんでいただきたのですが……あの狸さんはとても警戒心がお強いようで」
帝国軍人と東方の武将。
剣を握っての戦いとは異なる、まったく別種の戦いが始まろうとしていた。
解説
目的:ヴェルナーと武徳の茶会を成功させる。
場所:ノアーラ・クンタウの執務室。丸テーブルを囲む形で、ハンターと共に武徳とヴェルナーが顔を合わせます。ヴェルナーの執務室へ入る際には武器を預ける形を取りますので、茶会に所有したまま参加する事はできません。なお、ヴェルナーは武徳に紅茶を振る舞う予定です。
備考:
ハンターはこの茶会に同席する事ができます。
普通に茶会として参加して美味しい紅茶と持ち込んだ菓子を食べて満喫する事ができます。
ですが、この茶会には別の意味もあります。
帝国軍人であるヴェルナーは詩天での商売保証。更に連合軍への協力要請を打診します。幕府は既に連合軍へ手を貸していますが、幕府とは別に詩天からも戦力の貸与を依頼してきます。
武徳としてはお金のかかる事はしたくない上、商売も一国独占ではなく各国と距離を測りながら貿易する事を考えています。ヴェルナーの提案を何とか煙に巻きたいというのが本音でしょう。
この交渉においてハンターは口添えや説得を行う事ができます。
楽しい茶会を演出するフリをして、帝国と詩天のいずれかへ利益を誘導可能です。
それ以外にもヴェルナーや武徳へ質問や陳情も可能です。
今回の茶会の結果によって西方の辺境地域や詩天で何らかの影響が発生する可能性もがあります。
不穏な空気を出さず、上手に茶会をコントロールしてみては如何でしょうか。
場所:ノアーラ・クンタウの執務室。丸テーブルを囲む形で、ハンターと共に武徳とヴェルナーが顔を合わせます。ヴェルナーの執務室へ入る際には武器を預ける形を取りますので、茶会に所有したまま参加する事はできません。なお、ヴェルナーは武徳に紅茶を振る舞う予定です。
備考:
ハンターはこの茶会に同席する事ができます。
普通に茶会として参加して美味しい紅茶と持ち込んだ菓子を食べて満喫する事ができます。
ですが、この茶会には別の意味もあります。
帝国軍人であるヴェルナーは詩天での商売保証。更に連合軍への協力要請を打診します。幕府は既に連合軍へ手を貸していますが、幕府とは別に詩天からも戦力の貸与を依頼してきます。
武徳としてはお金のかかる事はしたくない上、商売も一国独占ではなく各国と距離を測りながら貿易する事を考えています。ヴェルナーの提案を何とか煙に巻きたいというのが本音でしょう。
この交渉においてハンターは口添えや説得を行う事ができます。
楽しい茶会を演出するフリをして、帝国と詩天のいずれかへ利益を誘導可能です。
それ以外にもヴェルナーや武徳へ質問や陳情も可能です。
今回の茶会の結果によって西方の辺境地域や詩天で何らかの影響が発生する可能性もがあります。
不穏な空気を出さず、上手に茶会をコントロールしてみては如何でしょうか。
マスターより
近藤豊です。
解説にいろいろ怪しい事を書いていますが、普通に茶会を楽しんで頂く事も可能です。その場合は茶会を演出するためにお菓子の持参も歓迎です。依頼すれば要塞の厨房を借りる事も可能です。ですが、あくまでも『茶会』である事を忘れずに。
それでは、アップルパイを肴にお待ちしています。
解説にいろいろ怪しい事を書いていますが、普通に茶会を楽しんで頂く事も可能です。その場合は茶会を演出するためにお菓子の持参も歓迎です。依頼すれば要塞の厨房を借りる事も可能です。ですが、あくまでも『茶会』である事を忘れずに。
それでは、アップルパイを肴にお待ちしています。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/06/02 08:05
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/05/28 12:08:10 |
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茶会の準備を(相談卓) 悠里(ka6368) 人間(リアルブルー)|15才|男性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2017/05/29 23:26:07 |