ゲスト
(ka0000)
少女の嘘と真実と
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/10/30 15:00
- リプレイ完成予定
- 2014/11/08 15:00
オープニング
●森番小屋の炎
「大変なの! うちが、うちに! オ、オオカミが! オ、オオカミじゃなくてっ!」
森番小屋の少女は農作業をする村人にすがった。走ってきたために肩で息をし、しきりに森の方を振り返り気にしている。
村人は少女を見て、またかと思い、うなずいて話を聞いてやった。演技がだんだんうまくなり、今回は真っ青で目には涙も浮かべ真に迫っている。
森番も小屋は村から離れているため、少女が寂しいのは村の人々も理解している。森番の小屋は村から大人の足で一時間半離れているところにあるし、周りに人家があるわけではない。
少女は日中、村に遊びに来て、似たような年頃の子らと一緒に過ごしている。しかし、村の子たちも仕事があるから、なかなか少女に付き合ってばかりはいられない。ましてや、年齢が十歳を超えてしまえば、大人に近づき遊んでばかりはいられない。
一年半くらい前からだ、少女が嘘をつくようになったのは。
「お願い、父さんだけじゃ、ダメなんだよ。母さんと弟、まだ小屋にいるの! 助けて!」
農作業の手をとめ、村人は少女を見る。まだ嘘をかさねるのかといぶかしむ。必死過ぎて本当ではないかと考えるが、これまでの少女の言動から村人は心を動かされないように自分を戒めた。
「お願い! あ、あのままじゃ、だって、オオカミなのに、すごく大きくて棍棒みたいな腕してた、オオカミなのかなって。クマかもしれないし。でも、オオカミの群れもいたから」
少女の言葉は混乱している。
「おい、森から煙が上がっているぞ」
別の村人が指を差した。
農作業していた者たちは手をとめ、一大事だと知る。延焼すれば森だけではなく、離れている村にも影響があるかもしれない。
「あ、あああ! お母さん! ジョン!」
少女は悲鳴を上げる。少女はなだめる村人を振り切って、必要なものを手にする。手にした水の入ったバケツを引きずりながら少女は森に向かっていく。
村人たちは村のために、そして森番のために急いで消火と狼退治に動き出した。
●村と森番と
ハンターオフィスにやってきた親子は、森で起こった事件を語った。沈痛な面持ちで、奥歯に物が詰まったような言い方をしていた。些細なことでも解決の糸口になるかもしれないので、職員はしゃべってもらいたいと思う。
「村から北西に一時間ほど行ったところにある森に、雑魔が出たということですね?」
職員の確認に親子はうなずいた。
「森番の妻子が殺害されているのが、小屋の焼け跡から見つかったんです。足跡からオオカミと思われるものとクマか何か大きめのものもありました。森番自身は妻子を放って逃げるような男ではないので、森の奥に追いかけて入ってしまっているのかもしれません」
村人たちは森番小屋の消火を行い、遺体を収容して村に戻って警戒をしていたという。雑魔が出たと判断したのは、生命力に欠ける植物が目立ったためだった。
「あと、そこの女の子もいないんだ」
少年が付け加える。村に助けを求めに行った後、そのまま保護されていた。その間ずっと少年は一緒にいたのだが、母と弟の遺体に対面した後、少年が寝ている間に小さな弓を持って姿を消したという。
「たぶん、森にいるんだと思う。あの子、自分のせいで母親と小さい弟が死んだって思っているから」
父親の方は少年を止めようとしたが、少年はその手を振り払い職員に向かう。
「最初は本当だったんだよ、村に遊びにくるとき何かに追いかけられたって言ったのは。僕もその時いたから追いかける黒い影みたもの。ウサギだったかもしれないけど、十歳になったくらいじゃ、見えないと怖いじゃん。あの子が騒いだら、村の人が寄ってきて声をかけてくれるから、あの子嬉しかったんだ。弟生まれて母さんとられて寂しかったんだ、きっと」
嘘をつくようになった。オオカミを見たかもしれない、雑魔だったかもしれないとすぐには影響のない範囲で、少し危機をあおるようなことを言う。
「一年半前だったな。年離れた弟できたって喜んではいたが寂しそうではあったから、森番と相談してあの子を村に置くのも考えたな」
「うん。でも、家族がいいって言ったんだよね。僕は村にいるなら嬉しいなってちょっと思った。ちょっとだけだけど。結局、天気が良かったら毎日遊びに来るけどね」
少年も父親も、森番との付き合いは悪くないようだ。
「僕ももっと一緒に遊んであげれば良かったのかな。そうしたら嘘言わなかったかもしれない。あ、あの子が付く嘘はそれだけだったし、みんな、あの子嫌いじゃなかったよ。それに、僕は……あ、えっと……僕だって嫌いじゃなかったよ!」
少年は少し頬を赤らめたのを、職員はほほえましく眺めていた。少年がどう思っていても、事件が起こったのは事実であり、村人が少女の言葉を虚言と判断して助けに行けなかったことも事実である。
「だから、今回も、嘘だと思って、火事が起こるまで誰も……。雑魔が森を出ないのは、森番が頑張っているからかもしれない」
「あの子も、だよ、父さん。あの子も森の中にいるはずだから。お願いします、あの子も見つけてください。僕……ぼ、僕……」
少年は顔を真っ赤にして職員からそむけた。
「大変なの! うちが、うちに! オ、オオカミが! オ、オオカミじゃなくてっ!」
森番小屋の少女は農作業をする村人にすがった。走ってきたために肩で息をし、しきりに森の方を振り返り気にしている。
村人は少女を見て、またかと思い、うなずいて話を聞いてやった。演技がだんだんうまくなり、今回は真っ青で目には涙も浮かべ真に迫っている。
森番も小屋は村から離れているため、少女が寂しいのは村の人々も理解している。森番の小屋は村から大人の足で一時間半離れているところにあるし、周りに人家があるわけではない。
少女は日中、村に遊びに来て、似たような年頃の子らと一緒に過ごしている。しかし、村の子たちも仕事があるから、なかなか少女に付き合ってばかりはいられない。ましてや、年齢が十歳を超えてしまえば、大人に近づき遊んでばかりはいられない。
一年半くらい前からだ、少女が嘘をつくようになったのは。
「お願い、父さんだけじゃ、ダメなんだよ。母さんと弟、まだ小屋にいるの! 助けて!」
農作業の手をとめ、村人は少女を見る。まだ嘘をかさねるのかといぶかしむ。必死過ぎて本当ではないかと考えるが、これまでの少女の言動から村人は心を動かされないように自分を戒めた。
「お願い! あ、あのままじゃ、だって、オオカミなのに、すごく大きくて棍棒みたいな腕してた、オオカミなのかなって。クマかもしれないし。でも、オオカミの群れもいたから」
少女の言葉は混乱している。
「おい、森から煙が上がっているぞ」
別の村人が指を差した。
農作業していた者たちは手をとめ、一大事だと知る。延焼すれば森だけではなく、離れている村にも影響があるかもしれない。
「あ、あああ! お母さん! ジョン!」
少女は悲鳴を上げる。少女はなだめる村人を振り切って、必要なものを手にする。手にした水の入ったバケツを引きずりながら少女は森に向かっていく。
村人たちは村のために、そして森番のために急いで消火と狼退治に動き出した。
●村と森番と
ハンターオフィスにやってきた親子は、森で起こった事件を語った。沈痛な面持ちで、奥歯に物が詰まったような言い方をしていた。些細なことでも解決の糸口になるかもしれないので、職員はしゃべってもらいたいと思う。
「村から北西に一時間ほど行ったところにある森に、雑魔が出たということですね?」
職員の確認に親子はうなずいた。
「森番の妻子が殺害されているのが、小屋の焼け跡から見つかったんです。足跡からオオカミと思われるものとクマか何か大きめのものもありました。森番自身は妻子を放って逃げるような男ではないので、森の奥に追いかけて入ってしまっているのかもしれません」
村人たちは森番小屋の消火を行い、遺体を収容して村に戻って警戒をしていたという。雑魔が出たと判断したのは、生命力に欠ける植物が目立ったためだった。
「あと、そこの女の子もいないんだ」
少年が付け加える。村に助けを求めに行った後、そのまま保護されていた。その間ずっと少年は一緒にいたのだが、母と弟の遺体に対面した後、少年が寝ている間に小さな弓を持って姿を消したという。
「たぶん、森にいるんだと思う。あの子、自分のせいで母親と小さい弟が死んだって思っているから」
父親の方は少年を止めようとしたが、少年はその手を振り払い職員に向かう。
「最初は本当だったんだよ、村に遊びにくるとき何かに追いかけられたって言ったのは。僕もその時いたから追いかける黒い影みたもの。ウサギだったかもしれないけど、十歳になったくらいじゃ、見えないと怖いじゃん。あの子が騒いだら、村の人が寄ってきて声をかけてくれるから、あの子嬉しかったんだ。弟生まれて母さんとられて寂しかったんだ、きっと」
嘘をつくようになった。オオカミを見たかもしれない、雑魔だったかもしれないとすぐには影響のない範囲で、少し危機をあおるようなことを言う。
「一年半前だったな。年離れた弟できたって喜んではいたが寂しそうではあったから、森番と相談してあの子を村に置くのも考えたな」
「うん。でも、家族がいいって言ったんだよね。僕は村にいるなら嬉しいなってちょっと思った。ちょっとだけだけど。結局、天気が良かったら毎日遊びに来るけどね」
少年も父親も、森番との付き合いは悪くないようだ。
「僕ももっと一緒に遊んであげれば良かったのかな。そうしたら嘘言わなかったかもしれない。あ、あの子が付く嘘はそれだけだったし、みんな、あの子嫌いじゃなかったよ。それに、僕は……あ、えっと……僕だって嫌いじゃなかったよ!」
少年は少し頬を赤らめたのを、職員はほほえましく眺めていた。少年がどう思っていても、事件が起こったのは事実であり、村人が少女の言葉を虚言と判断して助けに行けなかったことも事実である。
「だから、今回も、嘘だと思って、火事が起こるまで誰も……。雑魔が森を出ないのは、森番が頑張っているからかもしれない」
「あの子も、だよ、父さん。あの子も森の中にいるはずだから。お願いします、あの子も見つけてください。僕……ぼ、僕……」
少年は顔を真っ赤にして職員からそむけた。
解説
●森番と娘
森番の娘は森に慣れていますが戦えません。
森番の男は、猟師としての腕前がありますので、普通のオオカミなら負けません。
●森番小屋の焼け跡検証
森番の妻と男児の遺体は村に安置されています。
遺体を確認すると妻は頭の骨が陥没しており、殴られて意識を失ったか即死したと考えられています。
●オオカミの居場所
森番の小屋を襲う前は、森の奥の洞穴をねぐらに6~8頭いました。近くにクマのねぐらもありました。
森番の小屋から30分ほどの所にある東西に流れる川は、動物たちとの境界になっていました。川幅は平均2メートル、渡りやすいところでは深さ20センチ程度です。
現在は川の近くに隠れ家を見つけたようで、見回りをしている雑魔になったオオカミが目撃されています。詳しい数は不明です。
●森の中での注意
適度に手を入れているので、不気味な森ではありません。
光は届くので、日中暗いわけではありませんし、足場はさほど悪くありません。
隠れる場所として洞穴や木のうろはいくつかあります。大きさは子供1人が入るのやっとから大人10人くらいが入れるほどまでばらばら。
遮蔽物や隠れるところもありますが、剣を振るうのも基本問題ないです。大剣はちょっと振り回しにくいですが、気を付ければ戦えます。
森番の娘は森に慣れていますが戦えません。
森番の男は、猟師としての腕前がありますので、普通のオオカミなら負けません。
●森番小屋の焼け跡検証
森番の妻と男児の遺体は村に安置されています。
遺体を確認すると妻は頭の骨が陥没しており、殴られて意識を失ったか即死したと考えられています。
●オオカミの居場所
森番の小屋を襲う前は、森の奥の洞穴をねぐらに6~8頭いました。近くにクマのねぐらもありました。
森番の小屋から30分ほどの所にある東西に流れる川は、動物たちとの境界になっていました。川幅は平均2メートル、渡りやすいところでは深さ20センチ程度です。
現在は川の近くに隠れ家を見つけたようで、見回りをしている雑魔になったオオカミが目撃されています。詳しい数は不明です。
●森の中での注意
適度に手を入れているので、不気味な森ではありません。
光は届くので、日中暗いわけではありませんし、足場はさほど悪くありません。
隠れる場所として洞穴や木のうろはいくつかあります。大きさは子供1人が入るのやっとから大人10人くらいが入れるほどまでばらばら。
遮蔽物や隠れるところもありますが、剣を振るうのも基本問題ないです。大剣はちょっと振り回しにくいですが、気を付ければ戦えます。
マスターより
初めまして。このたびいきなり路上に飛び出てみた狐野径です。緊張しつつ、度胸だと思いながら画面を見ています。
さて、シナリオに関してですが、雑魔退治して、森番の父娘を助けていただければ幸いです。
少女への温かいお説教もお待ちしていますが、その前に助けてください……。
さて、シナリオに関してですが、雑魔退治して、森番の父娘を助けていただければ幸いです。
少女への温かいお説教もお待ちしていますが、その前に助けてください……。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/11/06 21:03
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 クラリッサ=W・ソルシエール(ka0659) 人間(リアルブルー)|20才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2014/10/30 05:23:36 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/10/24 21:08:54 |