ゲスト
(ka0000)
路地裏工房コンフォートと夏風邪
マスター:佐倉眸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/06/08 19:00
- リプレイ完成予定
- 2017/06/17 19:00
オープニング
●
極彩色の街、ヴァリオス。その片隅の路地裏に佇む小さな宝飾工房、コンフォート。
修理やリメイクが主な客で、古い店らしく今は無き先代の作品を持ち込まれることも間々あるこの店に、今日訪ねてきたのは客では無く、近所の薬屋の娘だった。
久しぶり、と店主のモニカに声を掛け、カウンターの傍に置かれたベビーベッドを覗き込む。
中に寝かされている赤ん坊は彼女のことを覚えたのか、ベッドの柵から歓迎するように手を伸ばす。
「ピノちゃん、元気になったみたいでほっとしたよー。夏風邪にはちょっと早いかな」
娘は赤ん坊に指を握らせながらカウンターの椅子に腰掛ける。
「うん、もうすっかり……ありがとう」
「本当だよ、いーい、いくら心配だからって、雨の日に抱っこして連れてきちゃダメだからね」
「でも……」
モニカはカウンターを出てベッドからピノを抱き上げる。
「目を離せないのは分かるけど、濡れたら冷えて悪化しちゃう。ほら、お隣さんに見ててもらったら?」
モニカは黙ってピノをあやしている。
「モニカだって、お仕事中ずっと見てるのは大変でしょ? 助けてもらいなよ。お隣のおばちゃんも、その方が安心だと思うよ?」
赤ん坊はモニカの頬や髪に小さな手を寄せて何かを言っているらしい。
聞き取れるほど正確な発音では無いが、抱き上げられて喜んでいるようだ。
「……もっと小っちゃい頃、何度も、何度も、熱を出したの」
寝かしつける様に揺らしながらモニカが静かに話した。
「その時は、薬も何にも無くて、どうしてあげることも出来なくて……ピノを抱いて祈るしか無かった……」
ピノを揺らす手が止まり、声が震える。
強請る様に手を振ったピノに笑って、モニカはゆっくりとピノをあやす。
「だから、かな。もう平気って分かっても、心配なんだよね。私が傍にいなきゃって、思っちゃうんだ」
モニカが溜息を吐く。
娘には聞き慣れた言葉なのだろう、大変だったんだね、仕方ないかと、肩を竦めた。
「でも、悪化させちゃうのは良くないよ、それは考えてね! お姉ちゃんなんだからさ」
モニカを真っ直ぐに見詰めて言うと、モニカが答えるより先にピノが、ぁい、と元気な声で返事をした。
「――そういえばさー、お姉ちゃん……じゃなくて、モニカ。昨日もすごいドレスの人来てたね。吃驚したよ」
「うーん……朝かな? この店、昔は貴族のお客さんもいたみたい。朝の人もそう。修理を頼まれたの。見たい?」
「いやいや、何か怖いよー、大変だね……貴族の相手とか、肩凝りそう……うち、湿布は充実してないんだよね」
モニカは寝付いたピノをベッドに戻し、そうでもないよ、と微笑んだ。
●
「あ、忘れるところだった」
一頻り喋ってから薬屋の娘はぽんと手を叩く。
「ジェオルジ行きって、今忙しいかな? 仕入れに行かなきゃならないんだけど」
「どうかな、この前も郷祭前に行きたいって、お客さんに会ったけど……」
ペンダントを直し、ハンターオフィスへの道を教えたあの女性は無事に着いただろうか。
郷祭に合わせて、ジェオルジに支店を出すと言っていたけれど。
「……たしか、街の方でお菓子屋さんをしてて……お祭りでクッキーを売るって言ってたかな」
「いーなー、甘いクッキー、私も食ーべーたーいー……でさ、オフィスって今忙しいかな?」
聞いてみないことには、とモニカは首を横に揺らして窓の外を眺めた。
この辺りは何事も無く過ごしているが、同盟の彼方此方が騒がしいという噂は聞いている。
歪虚絡みの事件に関わったことのあるモニカは、その驚異をよく知っていた。
「今はどこも忙しいから……でも、行くんでしょ」
「うん。薬を仕入れないと店が潰れちゃう」
「ハンターさんには慣れた?」
初めて彼女が仕入れの護衛にハンターに依頼した時のことを思い出した。
「全然! でも、怖い人じゃ無いって分かったし、私が仕入れに行かないと、パパやママの代わりに調合とか出来ないからね……モニカだって、うちの薬が無くなったら困るでしょ?」
「それは、すごく困る」
おじいちゃんのころからお世話になったから、と、モニカは微笑む。
晩年、毎週のように薬を買いに来ていた。
亡くなって酷く落ち込んでいたけれど、立ち直った様子に安堵し、自然と眦が下がった。
極彩色の街、ヴァリオス。その片隅の路地裏に佇む小さな宝飾工房、コンフォート。
修理やリメイクが主な客で、古い店らしく今は無き先代の作品を持ち込まれることも間々あるこの店に、今日訪ねてきたのは客では無く、近所の薬屋の娘だった。
久しぶり、と店主のモニカに声を掛け、カウンターの傍に置かれたベビーベッドを覗き込む。
中に寝かされている赤ん坊は彼女のことを覚えたのか、ベッドの柵から歓迎するように手を伸ばす。
「ピノちゃん、元気になったみたいでほっとしたよー。夏風邪にはちょっと早いかな」
娘は赤ん坊に指を握らせながらカウンターの椅子に腰掛ける。
「うん、もうすっかり……ありがとう」
「本当だよ、いーい、いくら心配だからって、雨の日に抱っこして連れてきちゃダメだからね」
「でも……」
モニカはカウンターを出てベッドからピノを抱き上げる。
「目を離せないのは分かるけど、濡れたら冷えて悪化しちゃう。ほら、お隣さんに見ててもらったら?」
モニカは黙ってピノをあやしている。
「モニカだって、お仕事中ずっと見てるのは大変でしょ? 助けてもらいなよ。お隣のおばちゃんも、その方が安心だと思うよ?」
赤ん坊はモニカの頬や髪に小さな手を寄せて何かを言っているらしい。
聞き取れるほど正確な発音では無いが、抱き上げられて喜んでいるようだ。
「……もっと小っちゃい頃、何度も、何度も、熱を出したの」
寝かしつける様に揺らしながらモニカが静かに話した。
「その時は、薬も何にも無くて、どうしてあげることも出来なくて……ピノを抱いて祈るしか無かった……」
ピノを揺らす手が止まり、声が震える。
強請る様に手を振ったピノに笑って、モニカはゆっくりとピノをあやす。
「だから、かな。もう平気って分かっても、心配なんだよね。私が傍にいなきゃって、思っちゃうんだ」
モニカが溜息を吐く。
娘には聞き慣れた言葉なのだろう、大変だったんだね、仕方ないかと、肩を竦めた。
「でも、悪化させちゃうのは良くないよ、それは考えてね! お姉ちゃんなんだからさ」
モニカを真っ直ぐに見詰めて言うと、モニカが答えるより先にピノが、ぁい、と元気な声で返事をした。
「――そういえばさー、お姉ちゃん……じゃなくて、モニカ。昨日もすごいドレスの人来てたね。吃驚したよ」
「うーん……朝かな? この店、昔は貴族のお客さんもいたみたい。朝の人もそう。修理を頼まれたの。見たい?」
「いやいや、何か怖いよー、大変だね……貴族の相手とか、肩凝りそう……うち、湿布は充実してないんだよね」
モニカは寝付いたピノをベッドに戻し、そうでもないよ、と微笑んだ。
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「あ、忘れるところだった」
一頻り喋ってから薬屋の娘はぽんと手を叩く。
「ジェオルジ行きって、今忙しいかな? 仕入れに行かなきゃならないんだけど」
「どうかな、この前も郷祭前に行きたいって、お客さんに会ったけど……」
ペンダントを直し、ハンターオフィスへの道を教えたあの女性は無事に着いただろうか。
郷祭に合わせて、ジェオルジに支店を出すと言っていたけれど。
「……たしか、街の方でお菓子屋さんをしてて……お祭りでクッキーを売るって言ってたかな」
「いーなー、甘いクッキー、私も食ーべーたーいー……でさ、オフィスって今忙しいかな?」
聞いてみないことには、とモニカは首を横に揺らして窓の外を眺めた。
この辺りは何事も無く過ごしているが、同盟の彼方此方が騒がしいという噂は聞いている。
歪虚絡みの事件に関わったことのあるモニカは、その驚異をよく知っていた。
「今はどこも忙しいから……でも、行くんでしょ」
「うん。薬を仕入れないと店が潰れちゃう」
「ハンターさんには慣れた?」
初めて彼女が仕入れの護衛にハンターに依頼した時のことを思い出した。
「全然! でも、怖い人じゃ無いって分かったし、私が仕入れに行かないと、パパやママの代わりに調合とか出来ないからね……モニカだって、うちの薬が無くなったら困るでしょ?」
「それは、すごく困る」
おじいちゃんのころからお世話になったから、と、モニカは微笑む。
晩年、毎週のように薬を買いに来ていた。
亡くなって酷く落ち込んでいたけれど、立ち直った様子に安堵し、自然と眦が下がった。
解説
目的 依頼人をジェオルジへ届ける。
●エネミー
ゴブリン×8
襤褸を着て、片手に棍棒を持っている。殴る、引っ掻く、噛み付く攻撃を行う。
通常の物よりもやや大柄で、好戦的、攻撃的。
棍棒の代わりに石を持ったものもいる。
確りとした統率は取れていないが、連携して対象を定める事もある。
●街道
ヴァリオスからジェオルジに向かう途中の細いカーブ。
影になっており見通しが利きづらく、また、遮蔽となる茂みや張り出した枝、足元に浮いた根が多く歩きづらい。
道幅は1~2人が並んで通れる程度、馬車は1台が通れる程度。
●依頼人
薬屋の娘。
ハンターの指示には従う。
同様の依頼でハンターに守られた事があり、信頼はしているがやや人見知り。
馬車を1台所持、並足以下の速度での運転が可能。荷台は荷物が1個。
助手席(あるいは運転席)、荷台に同乗可能。
●エネミー
ゴブリン×8
襤褸を着て、片手に棍棒を持っている。殴る、引っ掻く、噛み付く攻撃を行う。
通常の物よりもやや大柄で、好戦的、攻撃的。
棍棒の代わりに石を持ったものもいる。
確りとした統率は取れていないが、連携して対象を定める事もある。
●街道
ヴァリオスからジェオルジに向かう途中の細いカーブ。
影になっており見通しが利きづらく、また、遮蔽となる茂みや張り出した枝、足元に浮いた根が多く歩きづらい。
道幅は1~2人が並んで通れる程度、馬車は1台が通れる程度。
●依頼人
薬屋の娘。
ハンターの指示には従う。
同様の依頼でハンターに守られた事があり、信頼はしているがやや人見知り。
馬車を1台所持、並足以下の速度での運転が可能。荷台は荷物が1個。
助手席(あるいは運転席)、荷台に同乗可能。
マスターより
よろしくお願いします。
懐かしいようなそうでも無いような。
皆様も季節の変わり目には特にご自愛下さい。
懐かしいようなそうでも無いような。
皆様も季節の変わり目には特にご自愛下さい。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/06/15 23:08
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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ご相談 リアリュール(ka2003) エルフ|17才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2017/06/08 06:56:57 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/06/06 19:44:13 |