ゲスト
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【血盟】臆病者のラブ・ソング2【交酒】
マスター:神宮寺飛鳥

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
APV- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/06/13 12:00
- リプレイ完成予定
- 2017/06/27 12:00
オープニング
「というわけで、エルフハイムのシードルを大量に売りさばくことにした!!」
ハジャ・エルフハイム長老代理が両腕を広げて宣言するのを、巫女たちは彼を取り囲むように足を抱えて座りながら見つめていた。
森都エルフハイムは、神森事件で氷漬けになった後、色々あって少しずつ開かれた街に変わりつつあった。
特に錬金術師組合の助力は大きく、自由に未来を選べる学び舎の登場により、子供たちは消耗品ではなくなった。
だがそれでもなお人気の職業――それが浄化の巫女であった。
「君たちにはリゼリオに行って、このシードルを売りさばく売り子になってもらう!」
「ハジャさまー、お泊りですか?」
「そうだ、お泊りだ。ついでに存分にリゼリオを見学してくるといいぞー!」
わっと湧き上がる子供たちの歓声を前に高笑いするハジャ。その様子を浄化の器はタングラムと共に眺めていた。
「ハジャのやつ、意外と長老職が板についているですね」
「思考の程度が子供と同じレベルなのよ」
鼻で笑い、眉をひそめるようにして笑う器。ハジャは子供たちと一緒に酒瓶をラッピングする作業の最中だ。
子供たちが作った草花の冠は色も形もまちまちだが、どれひとつとして同じものはない。
リゼリオまでの旅路はかなりのものだ。ピースホライズンから王国領を経由し、陸路でリゼリオに向かう旅路。その案内役として名乗り出たのが、帝国ユニオンであった。
タングラムはこのまま子供たちの旅路に案内兼護衛役として同行する。無論、元執行者の薄暗い連中も護衛につく。
「護衛なんてタングラムだけで十分でしょ……あんな血なまぐさい連中つけなくても……」
「今は外部機関の手助けを受けているこの都も、いつかは自立する時が来るですよ。その時になって昔のままじゃ困ってしまうですからね」
黒い外套に包まれた男に一人の少女が駆け寄り、花の冠を差し出す。男は戸惑った様子で膝をつき、まるで割れ物に触れるかのように慎重な仕草で冠を受け取る。
少女たちは何も知らない。この森に古くから続く呪いなど、最早関係のないことだ。
血に染まった因習は、先の事件で一掃された。ヨハネ・エルフハイムの意図がどうあれ、外部に輸出され始めた第一世代の巫女たちは、社交的で好奇心旺盛で、何より無垢だった。
人殺ししか知らなかった執行者の指が静かに花を手折り、満面の笑みを浮かべた少女と肩を並べる様子を器はじっと見つめる。
「君も一緒にリゼリオに向かってもらうですよ。まだ哀像事件が片付いて間もないですし、念のためです」
各地で発生する剣機の事件に、第十師団マスケンヴァルに所属する器もまた駆り出されていた。
剣機博士の島やアルゴスとの戦いにこそ参戦しなかったが、特に同時期に発生した元エルフの吸血鬼が起こす事件に対処していたのだ。
そしてその後、念のためエルフハイムの監視という名目でこの街に滞在していた。
「おーい、アイリス! ……あー。小さい方のアイリス」
「「どっちじゃ!」」
タングラムと器が同時に突っ込むと、ハジャは頬を掻きながら苦笑する。
「ややこしいんだよお前ら……。器ちゃんの方だ。お前もリゼリオで酒売ってくれよ。今が商機なんだ」
「私は帝国を滅ぼしかけた重犯罪人よ? それが酒売っていいわけ?」
「そいつは帝国領内の話だろ? リゼリオは同盟領だ。それに、お前の家だってある。ゼナイドにはもう話をつけてあるんだ。よろしく頼むぜ?」
ウィンクするハジャの笑顔から目を逸し、器は逃げるようにその場を後にした。
夜、誰もが寝静まった頃。器は一人で荷馬車の傍に座り込んでいた。
明日の夜明けには子供たちとたくさんのシードルを乗せて馬車はリゼリオを目指すだろう。
だが、その前に器には解決すべき問題があった。
夜な夜な広場に姿を見せたのは巫女の子供たちだ。少女らは寝間着のままおぼつかない足取りで森の奥に進んでいく。
それを黙って器は追跡する。彼女の「監視」任務の焦点はここにあった。
――エルフハイム内で密かに発生し始めた事件。
誰もが寝静まった夜に、子供たちが何処かへ消える。そして、明け方にはひょっこり戻ってくる。
器は夢遊病のように徘徊する少女たちを追跡する。
今日が初めてではない。最初は出歩く少女を捕まえて無理矢理寝床に戻していた。
だが、何度戻しても翌日には何人かが目覚め、夜中に森の奥へ向かってしまう。
明日にはこの街を去る事になっている。故に今夜こそ、元凶と対話し、問題を解決するつもりだった。
少女たちが歩いてゆく先、そこに聖域と呼ばれる場所があった。
かつて多くの巫女が犠牲になり、そしてその最後の犠牲者が滅び去った場所。
神霊樹の麓に、子供たちは膝を抱えて座っていた。その頭上にはおびただしい数の蒼い蝶が舞う。
その蝶の向こうにそれはいた。白いドレス――浄化の巫女の正装を身に纏った女。
「どこのどいつか知らないけど、いい加減にしなさい。化けて出るには遅すぎる」
この森の呪いは解き放たれた。故にこれはきっと邪悪なものではない。
だが、子供たちを連れていくというのなら話は別だ。腰から提げた剣を抜き、女に突きつける。
『まあ、新しいお客様ね? あなたはどんなお茶が好きかしら?』
女に顔はない。そして足もない。なのに随分と軽やかに語りかけてくる。
『さあ、お話をしましょう。あなたの物語を聞かせて頂戴。大丈夫、まだ夜は長いわ。楽しい時間にしましょう』
冷や汗を流し、戸惑う器。
彼女は知らなかった。血盟作戦の後、この世界にもたらされた変化。
精霊の顕現と、その気まぐれがもたらす事件のことなど――。
ハジャ・エルフハイム長老代理が両腕を広げて宣言するのを、巫女たちは彼を取り囲むように足を抱えて座りながら見つめていた。
森都エルフハイムは、神森事件で氷漬けになった後、色々あって少しずつ開かれた街に変わりつつあった。
特に錬金術師組合の助力は大きく、自由に未来を選べる学び舎の登場により、子供たちは消耗品ではなくなった。
だがそれでもなお人気の職業――それが浄化の巫女であった。
「君たちにはリゼリオに行って、このシードルを売りさばく売り子になってもらう!」
「ハジャさまー、お泊りですか?」
「そうだ、お泊りだ。ついでに存分にリゼリオを見学してくるといいぞー!」
わっと湧き上がる子供たちの歓声を前に高笑いするハジャ。その様子を浄化の器はタングラムと共に眺めていた。
「ハジャのやつ、意外と長老職が板についているですね」
「思考の程度が子供と同じレベルなのよ」
鼻で笑い、眉をひそめるようにして笑う器。ハジャは子供たちと一緒に酒瓶をラッピングする作業の最中だ。
子供たちが作った草花の冠は色も形もまちまちだが、どれひとつとして同じものはない。
リゼリオまでの旅路はかなりのものだ。ピースホライズンから王国領を経由し、陸路でリゼリオに向かう旅路。その案内役として名乗り出たのが、帝国ユニオンであった。
タングラムはこのまま子供たちの旅路に案内兼護衛役として同行する。無論、元執行者の薄暗い連中も護衛につく。
「護衛なんてタングラムだけで十分でしょ……あんな血なまぐさい連中つけなくても……」
「今は外部機関の手助けを受けているこの都も、いつかは自立する時が来るですよ。その時になって昔のままじゃ困ってしまうですからね」
黒い外套に包まれた男に一人の少女が駆け寄り、花の冠を差し出す。男は戸惑った様子で膝をつき、まるで割れ物に触れるかのように慎重な仕草で冠を受け取る。
少女たちは何も知らない。この森に古くから続く呪いなど、最早関係のないことだ。
血に染まった因習は、先の事件で一掃された。ヨハネ・エルフハイムの意図がどうあれ、外部に輸出され始めた第一世代の巫女たちは、社交的で好奇心旺盛で、何より無垢だった。
人殺ししか知らなかった執行者の指が静かに花を手折り、満面の笑みを浮かべた少女と肩を並べる様子を器はじっと見つめる。
「君も一緒にリゼリオに向かってもらうですよ。まだ哀像事件が片付いて間もないですし、念のためです」
各地で発生する剣機の事件に、第十師団マスケンヴァルに所属する器もまた駆り出されていた。
剣機博士の島やアルゴスとの戦いにこそ参戦しなかったが、特に同時期に発生した元エルフの吸血鬼が起こす事件に対処していたのだ。
そしてその後、念のためエルフハイムの監視という名目でこの街に滞在していた。
「おーい、アイリス! ……あー。小さい方のアイリス」
「「どっちじゃ!」」
タングラムと器が同時に突っ込むと、ハジャは頬を掻きながら苦笑する。
「ややこしいんだよお前ら……。器ちゃんの方だ。お前もリゼリオで酒売ってくれよ。今が商機なんだ」
「私は帝国を滅ぼしかけた重犯罪人よ? それが酒売っていいわけ?」
「そいつは帝国領内の話だろ? リゼリオは同盟領だ。それに、お前の家だってある。ゼナイドにはもう話をつけてあるんだ。よろしく頼むぜ?」
ウィンクするハジャの笑顔から目を逸し、器は逃げるようにその場を後にした。
夜、誰もが寝静まった頃。器は一人で荷馬車の傍に座り込んでいた。
明日の夜明けには子供たちとたくさんのシードルを乗せて馬車はリゼリオを目指すだろう。
だが、その前に器には解決すべき問題があった。
夜な夜な広場に姿を見せたのは巫女の子供たちだ。少女らは寝間着のままおぼつかない足取りで森の奥に進んでいく。
それを黙って器は追跡する。彼女の「監視」任務の焦点はここにあった。
――エルフハイム内で密かに発生し始めた事件。
誰もが寝静まった夜に、子供たちが何処かへ消える。そして、明け方にはひょっこり戻ってくる。
器は夢遊病のように徘徊する少女たちを追跡する。
今日が初めてではない。最初は出歩く少女を捕まえて無理矢理寝床に戻していた。
だが、何度戻しても翌日には何人かが目覚め、夜中に森の奥へ向かってしまう。
明日にはこの街を去る事になっている。故に今夜こそ、元凶と対話し、問題を解決するつもりだった。
少女たちが歩いてゆく先、そこに聖域と呼ばれる場所があった。
かつて多くの巫女が犠牲になり、そしてその最後の犠牲者が滅び去った場所。
神霊樹の麓に、子供たちは膝を抱えて座っていた。その頭上にはおびただしい数の蒼い蝶が舞う。
その蝶の向こうにそれはいた。白いドレス――浄化の巫女の正装を身に纏った女。
「どこのどいつか知らないけど、いい加減にしなさい。化けて出るには遅すぎる」
この森の呪いは解き放たれた。故にこれはきっと邪悪なものではない。
だが、子供たちを連れていくというのなら話は別だ。腰から提げた剣を抜き、女に突きつける。
『まあ、新しいお客様ね? あなたはどんなお茶が好きかしら?』
女に顔はない。そして足もない。なのに随分と軽やかに語りかけてくる。
『さあ、お話をしましょう。あなたの物語を聞かせて頂戴。大丈夫、まだ夜は長いわ。楽しい時間にしましょう』
冷や汗を流し、戸惑う器。
彼女は知らなかった。血盟作戦の後、この世界にもたらされた変化。
精霊の顕現と、その気まぐれがもたらす事件のことなど――。
解説
●目的
森の神にお帰りいただく。
●概要
エルフハイムに君たちハンターが足を運んだのには、二つほど理由がある。
まず、リゼリオで開催されるという東西交流祭にエルフハイム産のシードルを売り込むため、物資と人員の護送を行うため。
次に、このエルフハイム内で起きている奇妙な事件について調査するためだ。
シードルを売り込むためと言って幼い巫女の多くを森の外に出すのにはわけがある。
最近、特にまだ幼い巫女の資質を持つ少女が、夢遊病のように出歩く姿が目撃されるようになった。
翌朝には帰ってくるし身体に異常はないし、少女達には夜中の記憶も存在していない。
だが、何者かに呼ばれ、そして朝になると戻ってくる。
これが森の神による行いであるとすれば、以前起きた神森事件の事もあり、看過はできないだろう。
どうも事前調査によると、森の神は真夜中にお茶会を開いて子供たちをもてなしているらしい。
森の神が何を求めているのかは不明だが、お茶会に出席すればそれもわかるかもしれない。
解決できてもできなくても、君たちにはそのまま翌朝リゼリオへ向かってもらう予定だ。
●???
『浄化の器』
今回の調査任務に同行し、真夜中のお茶会に参加する。
森の精霊というやつが本能的に苦手なので、ちょっとビクビクしている。
最終的には物理攻撃で精霊を破壊すればいいだろうと思っている。
『ハジャ』
寝ているのでお茶会には参加しない。
彼の名誉の為に言っておくと、起きようとしているがどうしても寝てしまう。
どうも精霊の影響下にあるらしい。
『タングラム』
やはり寝ているのでお茶会には参加できない。
『森の精霊』
白いドレスの女。2mほどの身長があり、顔がのっぺらぼうのようになっている。
足がなく、すうっとドレスと一体化して半透明になっている。腕がやたら長い。
悪いモノではないのか、見た感じ恐怖は意外と感じない。
お喋りで楽しいことが好き。特に子供に興味を持っているようだが……。
森の神にお帰りいただく。
●概要
エルフハイムに君たちハンターが足を運んだのには、二つほど理由がある。
まず、リゼリオで開催されるという東西交流祭にエルフハイム産のシードルを売り込むため、物資と人員の護送を行うため。
次に、このエルフハイム内で起きている奇妙な事件について調査するためだ。
シードルを売り込むためと言って幼い巫女の多くを森の外に出すのにはわけがある。
最近、特にまだ幼い巫女の資質を持つ少女が、夢遊病のように出歩く姿が目撃されるようになった。
翌朝には帰ってくるし身体に異常はないし、少女達には夜中の記憶も存在していない。
だが、何者かに呼ばれ、そして朝になると戻ってくる。
これが森の神による行いであるとすれば、以前起きた神森事件の事もあり、看過はできないだろう。
どうも事前調査によると、森の神は真夜中にお茶会を開いて子供たちをもてなしているらしい。
森の神が何を求めているのかは不明だが、お茶会に出席すればそれもわかるかもしれない。
解決できてもできなくても、君たちにはそのまま翌朝リゼリオへ向かってもらう予定だ。
●???
『浄化の器』
今回の調査任務に同行し、真夜中のお茶会に参加する。
森の精霊というやつが本能的に苦手なので、ちょっとビクビクしている。
最終的には物理攻撃で精霊を破壊すればいいだろうと思っている。
『ハジャ』
寝ているのでお茶会には参加しない。
彼の名誉の為に言っておくと、起きようとしているがどうしても寝てしまう。
どうも精霊の影響下にあるらしい。
『タングラム』
やはり寝ているのでお茶会には参加できない。
『森の精霊』
白いドレスの女。2mほどの身長があり、顔がのっぺらぼうのようになっている。
足がなく、すうっとドレスと一体化して半透明になっている。腕がやたら長い。
悪いモノではないのか、見た感じ恐怖は意外と感じない。
お喋りで楽しいことが好き。特に子供に興味を持っているようだが……。
マスターより
お久しぶりです。神宮寺です。
というわけで、ダブルタグです。一応両方に関係している……つもり。
森の精霊をおもてなしして満足してお帰りいただけばとりあえずOKですが、なんか色々ツッコんでもOKです。
食べ物などレジャーグッズを持ち込んでいただいたり、一発芸してみたり、漫才してみたりしてもいいです。
基本的に何をされても精霊は怒りません。物理攻撃されても怒りません。なので難易度は優しいと考えて下さい。
なお、質問には浄化の器がお答えします。
それではよろしくお願いいたします。
というわけで、ダブルタグです。一応両方に関係している……つもり。
森の精霊をおもてなしして満足してお帰りいただけばとりあえずOKですが、なんか色々ツッコんでもOKです。
食べ物などレジャーグッズを持ち込んでいただいたり、一発芸してみたり、漫才してみたりしてもいいです。
基本的に何をされても精霊は怒りません。物理攻撃されても怒りません。なので難易度は優しいと考えて下さい。
なお、質問には浄化の器がお答えします。
それではよろしくお願いいたします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/07/01 20:33
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談しましょう! ソフィア =リリィホルム(ka2383) ドワーフ|14才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2017/06/10 01:09:58 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/06/08 22:48:59 |