ゲスト
(ka0000)
寄らば大樹の……
マスター:ゆくなが

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/06/29 09:00
- リプレイ完成予定
- 2017/07/08 09:00
オープニング
中天に太陽が差し掛かる頃。
森の街道から少し外れた所に空き地がある。ひと際目立つ大樹がそびえており、その木陰でのことである。
ひとりの旅人が、その大樹のもとで休んでいた。
彼にとっては慣れた場所で、木漏れ日をぽかぽか浴びて寝そべっていた。
すると頭上で、葉のこすれる音がした。風のない日であるのに何ごとかと、旅人はやおら振り仰ぐと、爛々と光る瞳が見えた。
熊である。
それは、木の枝から落下してきて、旅人に襲いかかった。
旅人は思わず身を起こし、素早く飛び退いて、熊の爪から逃れる。
旅人の背筋に悪寒が走る。森の中で熊と遭遇するのも初めてではない。このような放浪の身であるからこそ、旅人は様々な危機を経験してきた。であるが、否だからこそ今が絶望的状況なのだと即座に理解した。
眼前の熊は異様であった。その瞳は獰猛に輝き、鋭い爪はかつての獲物のものであろう、ところどころ赤黒く汚れていた。乱杭歯が覗く口からは絶え間なく唾液が垂れ流されている。体躯はとても大きく平均的な男性の体格をした旅人の2倍以上あった。その巨体で木に登っていたのである。尋常ならざる腕力であろう。
懐に忍ばせた短剣を抜き放ちながらも、この熊を刺し殺すのは出来ないと旅人はわかっていた。なにより、あれは旅人の命を狙っていると確信できた。逃走するしかないが、果たして逃げ切る事が出来るのか。
旅人は、この異様な熊を目の前にして、混乱していた。冷静な思考などできなかった。心拍数が上昇し、呼吸が荒くなる。脳みそが今すぐここから逃げ出せと叫んでいた。
ついに旅人は、熊に背を向けて走り出した。自分でもなにやらわからない言葉を叫びながら、ひたすら走っていた。
いつあの凶暴な爪に引っ掻かれるかと思ったが、その瞬間はやってこなかった。自分の叫び声で聞こえていなかったが、熊の足音すらしていない。旅人が意を決して振り返ると、熊は先ほどと同じ大樹の元に立ったきり旅人の方を見ていた。
逃げ切れるかもしれない……旅人の心に希望の光が差す。心臓がはち切れんばかりに駆動して、足はがむしゃらに前へ進んでいく。旅人はこれが最後とばかりに肉体にむち打ち走る。このまま進んでいけば、数時間前までいた街にたどり着けると信じて。
後ろで熊が叫んでいた。獲物の予想外の逃げ足の速さに驚き、悔しがっているのだろうと旅人が内心ほくそ笑んでいると、急に体が軽くなった。と、思ったら、続いて全身に激痛が走る。気付くと旅人は地面に倒れていた。
なにが起こったかわからない。旅人は懸命に立ちあがろうとするが、思うように体が動かなかった。
じたばたもがきながら、熊が草や枝を踏んでこちらへ近づいてくる音を旅人は聞いていた。
やがて、ぬっと、旅人を見下す熊が現れた。
熊は、悠然と爪を旅人へ振り下ろす。
末期に旅人は考えた。きっと熊は最初から自分を仕留められるとわかっていたこと。だから、自分が逃げ出しても平気な顔をしていたのだと。
趨勢は最初から決していたのである。
旅人は最期に右手に握っていた短剣で自らの喉を突いた。生きたまま食われることだけは我慢ならなかったのだ。
「と、いうことで、雑魔と化した熊を退治してください」
ハンターオフィスの一角で、女が説明していた。
「現場はある森の中の、旅人や行商人の間ではそこそこ有名な休息スポットとして知られている大樹です。どうやら、どこか別の場所で雑魔となった熊が流れ着いて住み着いているみたいですね」
曰く、そのスポットで休む人間を熊は頭上からの奇襲で補食している事。それが噂となり、近頃はだれも近づいていない事。
「危険な動物ということで、何人かがその大樹へ捜査に向かったのですがそのときに熊は現れませんでした。捕食者なりの危機察知能力があるものと思われます。過去の被害状況からみるに、標的が3人以上の場合は攻撃してこないようです。ですので、樹上から熊をおびき出すためには囮が必要かと」
小賢しい相手ですね、と女は言い、さらに情報を述べていく。
「ちなみに熊が住み着いている大樹ですが、とても大きく、枝葉もとても太く茂っているので、下からの狙撃は難しいでしょう」
ハンター達に向き直り、女はにこやかに告げた。
「依頼の目標は、この雑魔と化した熊の討伐です。敵は1体だけです。ほかに仲間はいません。このまま放っておくと、被害が拡大するばかりです。……一応言っておきますけど、現場の破壊はやむをえない場合をのぞいて控えてください。この場所は人々の憩いの場所でもあるのです。ここにあった平和を皆さんの手で取り戻してください。よろしくお願いしますね」
森の街道から少し外れた所に空き地がある。ひと際目立つ大樹がそびえており、その木陰でのことである。
ひとりの旅人が、その大樹のもとで休んでいた。
彼にとっては慣れた場所で、木漏れ日をぽかぽか浴びて寝そべっていた。
すると頭上で、葉のこすれる音がした。風のない日であるのに何ごとかと、旅人はやおら振り仰ぐと、爛々と光る瞳が見えた。
熊である。
それは、木の枝から落下してきて、旅人に襲いかかった。
旅人は思わず身を起こし、素早く飛び退いて、熊の爪から逃れる。
旅人の背筋に悪寒が走る。森の中で熊と遭遇するのも初めてではない。このような放浪の身であるからこそ、旅人は様々な危機を経験してきた。であるが、否だからこそ今が絶望的状況なのだと即座に理解した。
眼前の熊は異様であった。その瞳は獰猛に輝き、鋭い爪はかつての獲物のものであろう、ところどころ赤黒く汚れていた。乱杭歯が覗く口からは絶え間なく唾液が垂れ流されている。体躯はとても大きく平均的な男性の体格をした旅人の2倍以上あった。その巨体で木に登っていたのである。尋常ならざる腕力であろう。
懐に忍ばせた短剣を抜き放ちながらも、この熊を刺し殺すのは出来ないと旅人はわかっていた。なにより、あれは旅人の命を狙っていると確信できた。逃走するしかないが、果たして逃げ切る事が出来るのか。
旅人は、この異様な熊を目の前にして、混乱していた。冷静な思考などできなかった。心拍数が上昇し、呼吸が荒くなる。脳みそが今すぐここから逃げ出せと叫んでいた。
ついに旅人は、熊に背を向けて走り出した。自分でもなにやらわからない言葉を叫びながら、ひたすら走っていた。
いつあの凶暴な爪に引っ掻かれるかと思ったが、その瞬間はやってこなかった。自分の叫び声で聞こえていなかったが、熊の足音すらしていない。旅人が意を決して振り返ると、熊は先ほどと同じ大樹の元に立ったきり旅人の方を見ていた。
逃げ切れるかもしれない……旅人の心に希望の光が差す。心臓がはち切れんばかりに駆動して、足はがむしゃらに前へ進んでいく。旅人はこれが最後とばかりに肉体にむち打ち走る。このまま進んでいけば、数時間前までいた街にたどり着けると信じて。
後ろで熊が叫んでいた。獲物の予想外の逃げ足の速さに驚き、悔しがっているのだろうと旅人が内心ほくそ笑んでいると、急に体が軽くなった。と、思ったら、続いて全身に激痛が走る。気付くと旅人は地面に倒れていた。
なにが起こったかわからない。旅人は懸命に立ちあがろうとするが、思うように体が動かなかった。
じたばたもがきながら、熊が草や枝を踏んでこちらへ近づいてくる音を旅人は聞いていた。
やがて、ぬっと、旅人を見下す熊が現れた。
熊は、悠然と爪を旅人へ振り下ろす。
末期に旅人は考えた。きっと熊は最初から自分を仕留められるとわかっていたこと。だから、自分が逃げ出しても平気な顔をしていたのだと。
趨勢は最初から決していたのである。
旅人は最期に右手に握っていた短剣で自らの喉を突いた。生きたまま食われることだけは我慢ならなかったのだ。
「と、いうことで、雑魔と化した熊を退治してください」
ハンターオフィスの一角で、女が説明していた。
「現場はある森の中の、旅人や行商人の間ではそこそこ有名な休息スポットとして知られている大樹です。どうやら、どこか別の場所で雑魔となった熊が流れ着いて住み着いているみたいですね」
曰く、そのスポットで休む人間を熊は頭上からの奇襲で補食している事。それが噂となり、近頃はだれも近づいていない事。
「危険な動物ということで、何人かがその大樹へ捜査に向かったのですがそのときに熊は現れませんでした。捕食者なりの危機察知能力があるものと思われます。過去の被害状況からみるに、標的が3人以上の場合は攻撃してこないようです。ですので、樹上から熊をおびき出すためには囮が必要かと」
小賢しい相手ですね、と女は言い、さらに情報を述べていく。
「ちなみに熊が住み着いている大樹ですが、とても大きく、枝葉もとても太く茂っているので、下からの狙撃は難しいでしょう」
ハンター達に向き直り、女はにこやかに告げた。
「依頼の目標は、この雑魔と化した熊の討伐です。敵は1体だけです。ほかに仲間はいません。このまま放っておくと、被害が拡大するばかりです。……一応言っておきますけど、現場の破壊はやむをえない場合をのぞいて控えてください。この場所は人々の憩いの場所でもあるのです。ここにあった平和を皆さんの手で取り戻してください。よろしくお願いしますね」
解説
熊のスペック。
一度地上に降りたら逃げ出したりはしない。腹を空かせているので、とにかく襲いかかってくる。
近接攻撃は、爪での引っ掻き攻撃と噛み付き攻撃の2種類。
射撃攻撃は、咆哮がある。この攻撃には、音の衝撃波によるバッドステータス行動阻害がある。継続ターンは3ターン。威力はそんなに高くないが、バッドステータスの発生率と攻撃命中率は高め。射程は1〜25。効果範囲は1体。
ちなみに、樹を登ろうとしても、熊の攻撃を受けます。登る事は不可能です。
熊は「標的が3人以上の場合は攻撃してこない」とありますが、熊が標的と見なすのは空き地に入った者だけです。
戦場の地形についてですが、広さは大樹の幹を中心に半径50メートルくらいの円形の平らな空き地です。目立つ障害物はありません。
大樹は高さ30メートル、幹の直径が2メートルほど。枝張りが40メートルくらいです。
また、この空き地の周辺には木々が生い茂っています。
一度地上に降りたら逃げ出したりはしない。腹を空かせているので、とにかく襲いかかってくる。
近接攻撃は、爪での引っ掻き攻撃と噛み付き攻撃の2種類。
射撃攻撃は、咆哮がある。この攻撃には、音の衝撃波によるバッドステータス行動阻害がある。継続ターンは3ターン。威力はそんなに高くないが、バッドステータスの発生率と攻撃命中率は高め。射程は1〜25。効果範囲は1体。
ちなみに、樹を登ろうとしても、熊の攻撃を受けます。登る事は不可能です。
熊は「標的が3人以上の場合は攻撃してこない」とありますが、熊が標的と見なすのは空き地に入った者だけです。
戦場の地形についてですが、広さは大樹の幹を中心に半径50メートルくらいの円形の平らな空き地です。目立つ障害物はありません。
大樹は高さ30メートル、幹の直径が2メートルほど。枝張りが40メートルくらいです。
また、この空き地の周辺には木々が生い茂っています。
マスターより
はじめまして。
マスターのゆくながと申します。
純戦闘シナリオになります。
皆様のご参加をお待ちしております。
マスターのゆくながと申します。
純戦闘シナリオになります。
皆様のご参加をお待ちしております。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/07/06 03:54
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 ラース・フュラー(ka6332) エルフ|23才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2017/06/27 09:35:44 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/06/25 16:49:18 |