ゲスト
(ka0000)
【繭国】薬草園の助手、猫の手になる
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在5人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/06/29 22:00
- リプレイ完成予定
- 2017/07/08 22:00
オープニング
●薬草園
ジャイルズ・バルネは話を聞き終わったとき、仏頂面の目元の神経がピクリと動いた。
目の前では隣の村の代表者ナトリがおびえている。年齢もたいして変わらないはずだが、妙にびくつかれて迷惑である、ジャイルズにとって。
「お願いです! バルネ先生」
「……間に合わないのはそちらの責任」
「ぐぬ」
先ほどもやったやり取りを再び行った。
「領主に頼まれて……なら、君達がやるべき仕事だ」
「うっ」
「それが間に合わないなら、私に頼むより領主に延長を頼むか寝る間も惜しんでやるしかあるまい」
「最近晴れなかったために、作業が遅れてしまったのです。私どもも遅れるつもりなかった」
「それで私を頼る意味が分からない。薬草園としては村とは付き合いたい。できるなら手を貸してあげたいが、この時期、手助けをするほど余裕があるわけではない」
薬草園は主のジャイルズと助手のコリンだけが作業をする人間である。ユグディラが三匹いるが、作業としては近づく不審者を追い払うといったたぐいであり、直接作業をしていない。家畜は違う仕事を持っている。
ジャイルズは普段の仏頂面のまま彼を見つめる。先ほど言ったことは本心だ。ストレートすぎる本心だ。息を深く吐き、言葉を紡ぐ。
「……秘策を授ける」
「!」
「ハンターに頼め」
「……でも、作業中。説明をしている余裕がないんです。我々も刈り取りや精油作りなどの作業が!」
「それは私だって同じだ。村をあげての作業ができるそちらとは違う」
季節が変る前に薬草園の植物の剪定、肥料の追加、刈り取ったモノから増やせるものは増やすための処理など。
「知識がある者がいれば」
ナトリはうめく。
知識がある人物を派遣すればいいが、小さな町に住む魔術師の行動は読めないし、弟子の方は「リアルブルーですうう」と叫んでいた。もう帰っているかもしれないが、浮かれている気がする。
「コリンに行かせよう」
「……?」
「私の助手だ。蜜蝋のクリームなら作ったことある」
ナトリは感激して、礼を示すためにジャイルズの手を取ろうとしたがひっこめられてしまった。
「シロッポイ、コリンを呼んできてくれないか」
部屋の隅にいた猫は「了解」というように鳴き、後ろ足で立つと、外に出て行った。
「……ユ、ユグディラ!」
「住んでる」
「へええ」
近所に住む森があるわけではないため珍しい。
ノックのあとに扉が開く。
「ジャイルズさん、用ですか? あ、初めまして」
コリンは深々とナトリに頭を下げる。作業をしていたらしく、つなぎのズボンも手も土まみれだ。
カクカクシカジカと説明を受けてコリンは了解した旨を告げた。
●依頼
大きな町にあるハンターズソサエティの支部、職員のロビン・ドルトスは依頼をまとめる。
「まずは小さな町でコリン君を拾っていくこと……」
ユグディラ付きと記載がある。
「……あそこ、三匹住んでたっけ……こっちの町、僕が知る限りゼロ匹なんだよなぁユグディラの生息状況」
ロビンは呟く。幻獣が住む町……なんかうらやましい気がした。
「基本、道中は危険はないだろうけど用心だね。街道の状況は安定中だし」
なぜ、コリンを連れて行ってほしいかという依頼がついているかというと、馬に乗るのもまだ慣れていないとのこと。練習はしているが、もしもがあると振り落とされる危険性がある。
転移門経由で来るハンターが村まで行くには、小さな町を経由する。別段大きな手間は生じない。
「本筋がこっちだな。蜜蝋を使ったクリームを作るんだ……え? 20gの容器入りを100個と40g入りのを50個? ……あ、個数は多いかな……でも量は4キログラム……十分多いわ……」
人数があれば手分けしてやればいいため、丸一日もかからないだろう。
「にしても……どの作業が滞っていたんだ? ラベンダー精油なんて去年作っているはずだし」
ロビンは首を傾げた。
「……ああああ、そこから!? え、材料の調達!」
ハチの巣から蜜蝋を作るところからの依頼だった。滞った作業というのはハチを巣から追い出し、蜜蝋を作るという作業だったのだ。
「ハチ……刺されると危険か……頑張れ、ハンター!」
ロビンは小さく応援を言いながら、依頼の登録を完了させた。
ジャイルズ・バルネは話を聞き終わったとき、仏頂面の目元の神経がピクリと動いた。
目の前では隣の村の代表者ナトリがおびえている。年齢もたいして変わらないはずだが、妙にびくつかれて迷惑である、ジャイルズにとって。
「お願いです! バルネ先生」
「……間に合わないのはそちらの責任」
「ぐぬ」
先ほどもやったやり取りを再び行った。
「領主に頼まれて……なら、君達がやるべき仕事だ」
「うっ」
「それが間に合わないなら、私に頼むより領主に延長を頼むか寝る間も惜しんでやるしかあるまい」
「最近晴れなかったために、作業が遅れてしまったのです。私どもも遅れるつもりなかった」
「それで私を頼る意味が分からない。薬草園としては村とは付き合いたい。できるなら手を貸してあげたいが、この時期、手助けをするほど余裕があるわけではない」
薬草園は主のジャイルズと助手のコリンだけが作業をする人間である。ユグディラが三匹いるが、作業としては近づく不審者を追い払うといったたぐいであり、直接作業をしていない。家畜は違う仕事を持っている。
ジャイルズは普段の仏頂面のまま彼を見つめる。先ほど言ったことは本心だ。ストレートすぎる本心だ。息を深く吐き、言葉を紡ぐ。
「……秘策を授ける」
「!」
「ハンターに頼め」
「……でも、作業中。説明をしている余裕がないんです。我々も刈り取りや精油作りなどの作業が!」
「それは私だって同じだ。村をあげての作業ができるそちらとは違う」
季節が変る前に薬草園の植物の剪定、肥料の追加、刈り取ったモノから増やせるものは増やすための処理など。
「知識がある者がいれば」
ナトリはうめく。
知識がある人物を派遣すればいいが、小さな町に住む魔術師の行動は読めないし、弟子の方は「リアルブルーですうう」と叫んでいた。もう帰っているかもしれないが、浮かれている気がする。
「コリンに行かせよう」
「……?」
「私の助手だ。蜜蝋のクリームなら作ったことある」
ナトリは感激して、礼を示すためにジャイルズの手を取ろうとしたがひっこめられてしまった。
「シロッポイ、コリンを呼んできてくれないか」
部屋の隅にいた猫は「了解」というように鳴き、後ろ足で立つと、外に出て行った。
「……ユ、ユグディラ!」
「住んでる」
「へええ」
近所に住む森があるわけではないため珍しい。
ノックのあとに扉が開く。
「ジャイルズさん、用ですか? あ、初めまして」
コリンは深々とナトリに頭を下げる。作業をしていたらしく、つなぎのズボンも手も土まみれだ。
カクカクシカジカと説明を受けてコリンは了解した旨を告げた。
●依頼
大きな町にあるハンターズソサエティの支部、職員のロビン・ドルトスは依頼をまとめる。
「まずは小さな町でコリン君を拾っていくこと……」
ユグディラ付きと記載がある。
「……あそこ、三匹住んでたっけ……こっちの町、僕が知る限りゼロ匹なんだよなぁユグディラの生息状況」
ロビンは呟く。幻獣が住む町……なんかうらやましい気がした。
「基本、道中は危険はないだろうけど用心だね。街道の状況は安定中だし」
なぜ、コリンを連れて行ってほしいかという依頼がついているかというと、馬に乗るのもまだ慣れていないとのこと。練習はしているが、もしもがあると振り落とされる危険性がある。
転移門経由で来るハンターが村まで行くには、小さな町を経由する。別段大きな手間は生じない。
「本筋がこっちだな。蜜蝋を使ったクリームを作るんだ……え? 20gの容器入りを100個と40g入りのを50個? ……あ、個数は多いかな……でも量は4キログラム……十分多いわ……」
人数があれば手分けしてやればいいため、丸一日もかからないだろう。
「にしても……どの作業が滞っていたんだ? ラベンダー精油なんて去年作っているはずだし」
ロビンは首を傾げた。
「……ああああ、そこから!? え、材料の調達!」
ハチの巣から蜜蝋を作るところからの依頼だった。滞った作業というのはハチを巣から追い出し、蜜蝋を作るという作業だったのだ。
「ハチ……刺されると危険か……頑張れ、ハンター!」
ロビンは小さく応援を言いながら、依頼の登録を完了させた。
解説
蜜蝋を使ったクリームを作る。
●クリーム作りに必要な手順
蜜蝋とオリーブオイルを鍋に入れ、湯煎する。
丁寧に混ぜ合わせることが重要。
粗熱をとったところで、ラベンダー精油を一パーセント未満になるように入れてクリームをまぜる。
器に入れる。
蜜蝋とオイルの比率は2:15
※精油も重さはありますが、そこは考えないで良いです。
●材料
蜜蝋……影の形もない。そこにあるのはミツバチお住まいのハチの巣。養蜂場の四角い枠に入ったおうち。
オリーブオイル……コスメ用の物。十分な量はあるようだ。
ラベンダー精油……遮光瓶に入っており、新鮮な物。ドバっと出さないように注意。
ここにある道具=鍋1(一回に半分は作れそうな大きさ)、鍋2(鍋1より一回り大きなもの)、蜜蝋作る用らしい鍋、金網、ガーゼ、混ぜるための大きな木べら複数、遮光瓶20グラム用100個以上、40グラム用100個近く、メスシリンダー、スポイト(一滴0.25ml)、ビーカー、秤。
●蜜蝋の取り方
巣にいる蜂に出て行ってもらう。
鍋に巣を入れる。
ちょっと水を入れて65度くらいで温める。
いろいろ出てくる……不純物を取り除き、完成。
●NPC
・コリン 薬草園の主の助手をしている少年。おとなしくまじめ。植物のことは詳しくなってきた。蜜蝋づくりからだと現場で知るが、蜜蝋の作り方は知っているが作ったことはない。
・チャ 本名は別だが、人間に伝えきれていない。ユグディラで若いというか子供。好奇心旺盛。ついてきた理由は見聞を広めるためらしいが……。
●クリーム作りに必要な手順
蜜蝋とオリーブオイルを鍋に入れ、湯煎する。
丁寧に混ぜ合わせることが重要。
粗熱をとったところで、ラベンダー精油を一パーセント未満になるように入れてクリームをまぜる。
器に入れる。
蜜蝋とオイルの比率は2:15
※精油も重さはありますが、そこは考えないで良いです。
●材料
蜜蝋……影の形もない。そこにあるのはミツバチお住まいのハチの巣。養蜂場の四角い枠に入ったおうち。
オリーブオイル……コスメ用の物。十分な量はあるようだ。
ラベンダー精油……遮光瓶に入っており、新鮮な物。ドバっと出さないように注意。
ここにある道具=鍋1(一回に半分は作れそうな大きさ)、鍋2(鍋1より一回り大きなもの)、蜜蝋作る用らしい鍋、金網、ガーゼ、混ぜるための大きな木べら複数、遮光瓶20グラム用100個以上、40グラム用100個近く、メスシリンダー、スポイト(一滴0.25ml)、ビーカー、秤。
●蜜蝋の取り方
巣にいる蜂に出て行ってもらう。
鍋に巣を入れる。
ちょっと水を入れて65度くらいで温める。
いろいろ出てくる……不純物を取り除き、完成。
●NPC
・コリン 薬草園の主の助手をしている少年。おとなしくまじめ。植物のことは詳しくなってきた。蜜蝋づくりからだと現場で知るが、蜜蝋の作り方は知っているが作ったことはない。
・チャ 本名は別だが、人間に伝えきれていない。ユグディラで若いというか子供。好奇心旺盛。ついてきた理由は見聞を広めるためらしいが……。
マスターより
こんにちは、狐野径です。
繭国、開幕です。
のほほんと日常を仕立てましたが、蜂の扱いを間違うと攻撃を食らうとか、蜜蝋作るの失敗すると全部失敗とか……。
なお、グラムとリットルが入り乱れるため、統一するようにしました。オイル1グラム=1ミリリットルかがわからないですが、仮定してそのままグラム表記にしました。
スポイトとメスシリンダーに関してはミリリットルになりますが、グラムと書くのを躊躇しただけです。グラムとイコールで良いです。
あ、蜜蝋のクリーム、今回のは万能?スキンケアクリームです。
よろしくお願いします。
繭国、開幕です。
のほほんと日常を仕立てましたが、蜂の扱いを間違うと攻撃を食らうとか、蜜蝋作るの失敗すると全部失敗とか……。
なお、グラムとリットルが入り乱れるため、統一するようにしました。オイル1グラム=1ミリリットルかがわからないですが、仮定してそのままグラム表記にしました。
スポイトとメスシリンダーに関してはミリリットルになりますが、グラムと書くのを躊躇しただけです。グラムとイコールで良いです。
あ、蜜蝋のクリーム、今回のは万能?スキンケアクリームです。
よろしくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/07/04 21:54
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/06/27 23:39:14 |
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蜜蝋作りのご相談 ソナ(ka1352) エルフ|19才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2017/06/29 21:54:40 |