ゲスト
(ka0000)
VIPは迷子の子供
マスター:霧原蒼

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在10人 / 6~10人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/06/18 15:00
- リプレイ完成予定
- 2014/06/27 15:00
オープニング
●正真正銘、迷子です
ガサガサと葉擦れの音を立て、生い茂った緑の中からひょっこりと顔を出したのはまだ若い……いや子供だった。ただし、滅多に見ない容姿の子供だ。丸くすべらかな頬と大きな緑青色の瞳、緩やかな曲線を描く細くしなやかな少しくすんだ黄金色の髪。そして髪では隠しきれない両耳は明らかに尖っていた。そう、この子供はエルフなのだ。
「やっべーな。今日も帰れないと父ちゃんにげんこつパンチだよなぁ。あー、薬草採りサボったって叱られるなぁ」
子供のエルフは周囲を警戒しつつ小さな声でそうぼやき、からっぽの草で編んだ籠に視線を落とす。少々薄汚れてむき出しの腕や足には擦り傷もあるが、エルフの子供は首を横に数回強く振って気持ちを切り替えるかのように大きな声を出す。
「とにかく! 全部お家に帰りついてからだ。待ってろよ! おいらのお家!」
子供は片手を強く空へと突きだした。
エルフはリアルブルーには存在しない人間とは似て非なる種族だ。多くのエルフ達は自らの住処である森から出ることは滅多にない。ごく稀に人間達に立ち混じって暮らす好奇心旺盛な若い変わり種のエルフもいるが、それにしてもこの金髪のエルフは小さすぎた。誰がどこからどう見ても、それは帰り道を見失った迷子の子供だった。
ハンターズソサエティ本部で全支部から集められた依頼情報を眺めていた1人のハンターの背に明るい声が響いた。
「どれを選ぶか迷っているの? あ、もしかして君は新人さん? そうじゃなくてもあんまりハンターの経験がないのかしら? わかる! わかるわ。私も最初はそうだったもの。自分の実力にはどの程度の仕事が最適なのかなんて、いきなりバッチリわかるわけないのよ、当たり前よ!」
目に痛い様な鮮やかな緋色の服を着た年齢不詳の女は早口でまくし立てた。どうにも言葉を挟む隙がないが、なんとか口を開こうとしたが緋色の服の女は片手をかざして小さく首を振る。
「困ったときはお互い様、この先輩ハンターのおねーさんに任せなさいな。初仕事なんだから、あんまり武辺なのも、権謀術数なのも避けたいわよね。これでもない、これでもない!」
先輩ハンターだという女は凄まじい速さで各地の情報に目を通してゆく。そしてふと動きが止まった。
「ねぇ君、子供は好きかしら。ちょっと変わった迷子を家に帰す仕事があるみたいなの。興味はない?」
彼女の言う『ちょっと変わった』が迷子を指すのか、それとも家に帰すに掛かるのか、やっとの事で口を挟めたアナタは言う。
「この仕事、興味を持ってくれたみたいでお姉さん嬉しいわ。実はこの迷子ね、もう1日以上目的された場所をウロウロしているみたいでね。どうやら帰り道を見失ったはぐれたエルフみたいなの」
「……」
「……え? ピンとこない? はぐれエルフよ。場所はエルフへイムのごく近くなのよ。そんな子供エルフが人間と接触したら双方がどんな反応をするかわからないじゃない。下手に帝国軍が関与して大人達に誤解されたら一触即発じゃない。だから誰も手を出したがらないけど、来るかわからないエルフへイムからの迎えを待って子供が衰弱したら大変でしょう。あの近くはアンデッドの歪虚(ヴォイド)も徘徊しているし……だから私達ハンターの出番なのよ」
一気にまくしたてた先輩ハンターはえっへンと胸を反らし、ニコッと笑った。
「大丈夫。子供が目的された場所からエルフへイムの入り口まではどんなにゆっくり移動しても1昼夜だし、歪虚(ヴォイド)がいそうな場所には地図に印がしてあるわ。ね、駆け出しのハンターだって猟師や軍人には出来ない事が出来るのよ」
その気になったら行ってらっしゃい、きっと大丈夫だから……と、彼女は優しく笑った。
ガサガサと葉擦れの音を立て、生い茂った緑の中からひょっこりと顔を出したのはまだ若い……いや子供だった。ただし、滅多に見ない容姿の子供だ。丸くすべらかな頬と大きな緑青色の瞳、緩やかな曲線を描く細くしなやかな少しくすんだ黄金色の髪。そして髪では隠しきれない両耳は明らかに尖っていた。そう、この子供はエルフなのだ。
「やっべーな。今日も帰れないと父ちゃんにげんこつパンチだよなぁ。あー、薬草採りサボったって叱られるなぁ」
子供のエルフは周囲を警戒しつつ小さな声でそうぼやき、からっぽの草で編んだ籠に視線を落とす。少々薄汚れてむき出しの腕や足には擦り傷もあるが、エルフの子供は首を横に数回強く振って気持ちを切り替えるかのように大きな声を出す。
「とにかく! 全部お家に帰りついてからだ。待ってろよ! おいらのお家!」
子供は片手を強く空へと突きだした。
エルフはリアルブルーには存在しない人間とは似て非なる種族だ。多くのエルフ達は自らの住処である森から出ることは滅多にない。ごく稀に人間達に立ち混じって暮らす好奇心旺盛な若い変わり種のエルフもいるが、それにしてもこの金髪のエルフは小さすぎた。誰がどこからどう見ても、それは帰り道を見失った迷子の子供だった。
ハンターズソサエティ本部で全支部から集められた依頼情報を眺めていた1人のハンターの背に明るい声が響いた。
「どれを選ぶか迷っているの? あ、もしかして君は新人さん? そうじゃなくてもあんまりハンターの経験がないのかしら? わかる! わかるわ。私も最初はそうだったもの。自分の実力にはどの程度の仕事が最適なのかなんて、いきなりバッチリわかるわけないのよ、当たり前よ!」
目に痛い様な鮮やかな緋色の服を着た年齢不詳の女は早口でまくし立てた。どうにも言葉を挟む隙がないが、なんとか口を開こうとしたが緋色の服の女は片手をかざして小さく首を振る。
「困ったときはお互い様、この先輩ハンターのおねーさんに任せなさいな。初仕事なんだから、あんまり武辺なのも、権謀術数なのも避けたいわよね。これでもない、これでもない!」
先輩ハンターだという女は凄まじい速さで各地の情報に目を通してゆく。そしてふと動きが止まった。
「ねぇ君、子供は好きかしら。ちょっと変わった迷子を家に帰す仕事があるみたいなの。興味はない?」
彼女の言う『ちょっと変わった』が迷子を指すのか、それとも家に帰すに掛かるのか、やっとの事で口を挟めたアナタは言う。
「この仕事、興味を持ってくれたみたいでお姉さん嬉しいわ。実はこの迷子ね、もう1日以上目的された場所をウロウロしているみたいでね。どうやら帰り道を見失ったはぐれたエルフみたいなの」
「……」
「……え? ピンとこない? はぐれエルフよ。場所はエルフへイムのごく近くなのよ。そんな子供エルフが人間と接触したら双方がどんな反応をするかわからないじゃない。下手に帝国軍が関与して大人達に誤解されたら一触即発じゃない。だから誰も手を出したがらないけど、来るかわからないエルフへイムからの迎えを待って子供が衰弱したら大変でしょう。あの近くはアンデッドの歪虚(ヴォイド)も徘徊しているし……だから私達ハンターの出番なのよ」
一気にまくしたてた先輩ハンターはえっへンと胸を反らし、ニコッと笑った。
「大丈夫。子供が目的された場所からエルフへイムの入り口まではどんなにゆっくり移動しても1昼夜だし、歪虚(ヴォイド)がいそうな場所には地図に印がしてあるわ。ね、駆け出しのハンターだって猟師や軍人には出来ない事が出来るのよ」
その気になったら行ってらっしゃい、きっと大丈夫だから……と、彼女は優しく笑った。
解説
本依頼は迷子のエルフをエルフへイムの入り口にまで誘導するというお仕事です。金髪のエルフは人間でいうと10歳ぐらいの外見をしています。一通り森の中を歩いたり野宿したりは出来ますが、戦闘能力と方向感覚は皆無の様です。子供エルフがエルフヘイムに帰りつけばお仕事は成功ですが、怪我をしているよりも無傷の方がより良い結果となります。また、ハンターを含めて人間との接触はなるべくを持たないほうが良い結果となります。
帰途には3つのルートがあります。比較的歩きやすい街道を進むコースは最も時間がかかり子供の足で20時間ぐらいです。途中、池がありますがこの辺りはアンデッドの出没が報告されています。外見はゾンビの様な歩く死体風です。最大で3体ほどです。
傾斜の多い山道を進むコースは距離はかなり短いのですが崖や縄ばしごなどの難所が多く存在します。子供が1人で踏破するのは大変危険でひとつ間違えば大怪我をしてしまいます。だいたい10時間ぐらいでたどり着くと思われます。
最後のコースは切り立った崖を昇ってゆく最短のものです。大人でも登り切るのには3時間ほどかかるでしょう。子供が昇るのはほぼ不可能ですが、この崖を越えればエルフへイムはすぐそこです。
池を通過しないコースを選んでもアンデッドと遭遇する可能性は0ではありません。
迷子のエルフとどう関わるのか、どんな道を選んでエルフへイムへと向かうのかは依頼を受けたハンター達に選択の自由がゆだねられています。どうぞよろしくお願いします。
帰途には3つのルートがあります。比較的歩きやすい街道を進むコースは最も時間がかかり子供の足で20時間ぐらいです。途中、池がありますがこの辺りはアンデッドの出没が報告されています。外見はゾンビの様な歩く死体風です。最大で3体ほどです。
傾斜の多い山道を進むコースは距離はかなり短いのですが崖や縄ばしごなどの難所が多く存在します。子供が1人で踏破するのは大変危険でひとつ間違えば大怪我をしてしまいます。だいたい10時間ぐらいでたどり着くと思われます。
最後のコースは切り立った崖を昇ってゆく最短のものです。大人でも登り切るのには3時間ほどかかるでしょう。子供が昇るのはほぼ不可能ですが、この崖を越えればエルフへイムはすぐそこです。
池を通過しないコースを選んでもアンデッドと遭遇する可能性は0ではありません。
迷子のエルフとどう関わるのか、どんな道を選んでエルフへイムへと向かうのかは依頼を受けたハンター達に選択の自由がゆだねられています。どうぞよろしくお願いします。
マスターより
ハンターの皆様、初めまして。マスターの霧原蒼(きりはら・そう)です。
現地では小さな迷子をお家に送って差し上げるお仕事をお願いしたく、ハンターの皆様を募集しています。小さなお仕事ですが、迷子がこのまま帰れず騒ぎが大きくなれば帝国とエルフへイムに不和の種を蒔くことにもなりかねません。穏便に解決するよう力を貸してください。
皆様の選択と行動が未来を決めてゆきます。どうかそれを一緒に楽しんでいきましょう。
現地では小さな迷子をお家に送って差し上げるお仕事をお願いしたく、ハンターの皆様を募集しています。小さなお仕事ですが、迷子がこのまま帰れず騒ぎが大きくなれば帝国とエルフへイムに不和の種を蒔くことにもなりかねません。穏便に解決するよう力を貸してください。
皆様の選択と行動が未来を決めてゆきます。どうかそれを一緒に楽しんでいきましょう。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/06/26 02:14
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼相談卓 バレル・ブラウリィ(ka1228) 人間(リアルブルー)|21才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2014/06/18 14:50:27 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/06/17 17:16:36 |