ゲスト
(ka0000)
なんでもない雨の日に
マスター:鮎川 渓

このシナリオは3日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
1,500
- 参加人数
- 現在4人 / 3~4人
- サポート
- 現在2人 / 0~4人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 3日
- プレイング締切
- 2017/07/04 07:30
- リプレイ完成予定
- 2017/07/16 07:30
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
●
雨。
ここ数日空がぐずつき、雨が降ったり止んだりと落ち着かない天気が続いていた。
雲が垂れこめたかと思えば晴れ、晴れ間が見えたかと思うと降る。
変わりやすい天候を読み切れず、辺境のオフィスは少々バタついていた。『お手伝い』として窓口に居座っている駄ハンター・香藤 玲(kz0220)も、貸出品の準備や天候不良による依頼の日程変更などに追われていた。
「玲、ハンターさんに貸し出す馬車に幌つけた?」
「つけるよう手配済みー。ねえモリスさん、明日の貸出物品表に松明ってあるけど、コレこのままで良いの?」
「このままだと明日も雨よね……貸出希望者に連絡して、ランタンかLEDライトがあるなら差し替えて!」
「了解ー。……は? 幌に穴開いてた? ダメじゃんもー!」
そうして何とか新品の幌を用意できた時には、すっかり夜が更けていた。馬車に乗り込み、雨の夜へ飛び出していくハンター達を見送る。
「気を付けてねー!」
玲は表へ出て叫んだが、幌を打つ激しい雨音に阻まれ、おそらく彼らの耳には届いていないだろう。
それでも車輪の音が聞こえなくなるまで手を振り続けてから、急いでオフィスへ引っ込む。濡れた袖を絞っていると大きなクシャミが出た。
カウンターの内側から職員・モリスがタオルを投げて寄越す。
「お疲れ様、遅くまで悪かったわね」
モリスの私物だろうタオルで遠慮なく髪をわしゃわしゃ拭きながら、玲は改めて時計を見やった。晴れていればもうすぐ朝日が拝める時刻だ。
「もうこんな時間? バタバタしてて気づかなかっ……ふあぁ」
クシャミに続き欠伸も出た。少々こまっしゃくれてはいるが、玲はまだ14歳。おまけにもリアルブルー出身のもやしっ子だ。無事にハンター達を送りだせた安堵から緊張が解け、一気に疲労が押し寄せる。
そんな玲を見、モリスは眼鏡の奥の目を細めた。
「明日は休んで良いわよ、ゆっくり身体休めなさい」
「モリスさんが僕に優しい……!? やーだぁ、この雨きっと1週間は止まないねー」
「ぐだぐだ言ってっと休み取り上げんぞこの駄ハンター!」
拳を振り上げたモリスにタオルを投げ返し、玲はそそくさと出入り口に向かった。扉の所で振り返り、
「おいで、パー子ちゃん」
声をかけると、オフィスの隅でうとうとしていたパルムがぴょこんと飛び上がり、玲の後をついていく。
パー子。
残念な名前を付けられてしまった玲のパルムだ。
玲がクリムゾンウェストへ転移してきた二年前から、ずっと一緒に過ごしてきた。桃色のワンピースを翻して歩く姿は何とも愛らしい。
しかし名はパー子。
パルムだからパー子。
玲のネーミングセンスはそんなもんである。
玲は外套の懐にパー子を抱くと、足早に家路に着いた。
●
「ふあぁ、お休みだお休みだぁー」
借りている部屋に帰りつくと、玲は濡れた服を脱ぎ散らかして寝台に倒れ込んだ。
パー子は床に散らばった服をせっせと集めて回る。こうして自然と世話を焼いてしまうのは、だらしない主人を持った故の悲しい性だ。
ふとパー子は思う。
何でこいつと一緒にいるんだっけ、と。
すると玲、寝台の脇からいそいそとバスケットを取り出した。その中には先日、リゼリオへ出向き買い込んできた東西の甘味がたんと詰まっている。
「へへー、明日はこれ食べながらゆっくりしよー。パー子ちゃんにもあげるからね♪」
パー子、ぴょこぴょこ飛び跳ねる。先程の疑問は甘味の前にかき消された。
しかしまたふとパー子は思う。
こいつ、明日に限らずいつも休日は食っちゃ寝してるだけじゃないか、と。
パルムとは何か。
ただのキノコではない。
神霊樹に情報を運ぶ端末の役割を担うれっきとした精霊である。
いわば歴史の観察者にして記録者。
ハンター達について回るのは、ハンターはその活動上、珍しい事例や事件に遭遇する可能性が高く、この世界の歴史の分岐点となりえる事柄に立ち会う事もあるからだ。
が、しかし。
この玲ときたら滅多に依頼に出ることはないし、オフィスの手伝いがない日には日がな一日食っちゃ寝食っちゃ寝、友人もいないため出かけることもない。
ちらと横目で窺えば、我慢できなくなったのか早速菓子の包みを開けている――寝台に寝そべったまま。
なんてぐうたらなのだろう。
頭を抱えたパー子の眼前に、半分に割ったクッキーが差し出された。
「はい、パー子ちゃんの分」
パー子、またぴょこぴょこ跳ねる。
濡れた服を洗濯籠に放り、クッキー齧って人心地。
――……って、これじゃいかん!
とばかりにパー子は立ち上がった。
ハンターの休日とはこんなものじゃないはずっ。もっとなんかこう色々してたりしてなかったりするはず! 有意義な過ごし方とかしてるはずっ!
知りたい――他のハンターさん達がどんな風に休日を過ごしているのかを!!
パー子は待った。
玲が眠りに落ちるのを。
そして玲が寝息を立て始めたのを確認すると、バスケットから菓子を失敬してポーチに詰め、そうっと窓から抜け出したのだった。
●
雨。
ここ数日空がぐずつき、雨が降ったり止んだりと落ち着かない天気が続いていた。
雲が垂れこめたかと思えば晴れ、晴れ間が見えたかと思うと降る。
変わりやすい天候を読み切れず、辺境のオフィスは少々バタついていた。『お手伝い』として窓口に居座っている駄ハンター・香藤 玲(kz0220)も、貸出品の準備や天候不良による依頼の日程変更などに追われていた。
「玲、ハンターさんに貸し出す馬車に幌つけた?」
「つけるよう手配済みー。ねえモリスさん、明日の貸出物品表に松明ってあるけど、コレこのままで良いの?」
「このままだと明日も雨よね……貸出希望者に連絡して、ランタンかLEDライトがあるなら差し替えて!」
「了解ー。……は? 幌に穴開いてた? ダメじゃんもー!」
そうして何とか新品の幌を用意できた時には、すっかり夜が更けていた。馬車に乗り込み、雨の夜へ飛び出していくハンター達を見送る。
「気を付けてねー!」
玲は表へ出て叫んだが、幌を打つ激しい雨音に阻まれ、おそらく彼らの耳には届いていないだろう。
それでも車輪の音が聞こえなくなるまで手を振り続けてから、急いでオフィスへ引っ込む。濡れた袖を絞っていると大きなクシャミが出た。
カウンターの内側から職員・モリスがタオルを投げて寄越す。
「お疲れ様、遅くまで悪かったわね」
モリスの私物だろうタオルで遠慮なく髪をわしゃわしゃ拭きながら、玲は改めて時計を見やった。晴れていればもうすぐ朝日が拝める時刻だ。
「もうこんな時間? バタバタしてて気づかなかっ……ふあぁ」
クシャミに続き欠伸も出た。少々こまっしゃくれてはいるが、玲はまだ14歳。おまけにもリアルブルー出身のもやしっ子だ。無事にハンター達を送りだせた安堵から緊張が解け、一気に疲労が押し寄せる。
そんな玲を見、モリスは眼鏡の奥の目を細めた。
「明日は休んで良いわよ、ゆっくり身体休めなさい」
「モリスさんが僕に優しい……!? やーだぁ、この雨きっと1週間は止まないねー」
「ぐだぐだ言ってっと休み取り上げんぞこの駄ハンター!」
拳を振り上げたモリスにタオルを投げ返し、玲はそそくさと出入り口に向かった。扉の所で振り返り、
「おいで、パー子ちゃん」
声をかけると、オフィスの隅でうとうとしていたパルムがぴょこんと飛び上がり、玲の後をついていく。
パー子。
残念な名前を付けられてしまった玲のパルムだ。
玲がクリムゾンウェストへ転移してきた二年前から、ずっと一緒に過ごしてきた。桃色のワンピースを翻して歩く姿は何とも愛らしい。
しかし名はパー子。
パルムだからパー子。
玲のネーミングセンスはそんなもんである。
玲は外套の懐にパー子を抱くと、足早に家路に着いた。
●
「ふあぁ、お休みだお休みだぁー」
借りている部屋に帰りつくと、玲は濡れた服を脱ぎ散らかして寝台に倒れ込んだ。
パー子は床に散らばった服をせっせと集めて回る。こうして自然と世話を焼いてしまうのは、だらしない主人を持った故の悲しい性だ。
ふとパー子は思う。
何でこいつと一緒にいるんだっけ、と。
すると玲、寝台の脇からいそいそとバスケットを取り出した。その中には先日、リゼリオへ出向き買い込んできた東西の甘味がたんと詰まっている。
「へへー、明日はこれ食べながらゆっくりしよー。パー子ちゃんにもあげるからね♪」
パー子、ぴょこぴょこ飛び跳ねる。先程の疑問は甘味の前にかき消された。
しかしまたふとパー子は思う。
こいつ、明日に限らずいつも休日は食っちゃ寝してるだけじゃないか、と。
パルムとは何か。
ただのキノコではない。
神霊樹に情報を運ぶ端末の役割を担うれっきとした精霊である。
いわば歴史の観察者にして記録者。
ハンター達について回るのは、ハンターはその活動上、珍しい事例や事件に遭遇する可能性が高く、この世界の歴史の分岐点となりえる事柄に立ち会う事もあるからだ。
が、しかし。
この玲ときたら滅多に依頼に出ることはないし、オフィスの手伝いがない日には日がな一日食っちゃ寝食っちゃ寝、友人もいないため出かけることもない。
ちらと横目で窺えば、我慢できなくなったのか早速菓子の包みを開けている――寝台に寝そべったまま。
なんてぐうたらなのだろう。
頭を抱えたパー子の眼前に、半分に割ったクッキーが差し出された。
「はい、パー子ちゃんの分」
パー子、またぴょこぴょこ跳ねる。
濡れた服を洗濯籠に放り、クッキー齧って人心地。
――……って、これじゃいかん!
とばかりにパー子は立ち上がった。
ハンターの休日とはこんなものじゃないはずっ。もっとなんかこう色々してたりしてなかったりするはず! 有意義な過ごし方とかしてるはずっ!
知りたい――他のハンターさん達がどんな風に休日を過ごしているのかを!!
パー子は待った。
玲が眠りに落ちるのを。
そして玲が寝息を立て始めたのを確認すると、バスケットから菓子を失敬してポーチに詰め、そうっと窓から抜け出したのだった。
解説
【趣旨】
パルムのパー子にあなたの休日覗かせてください
あなたの許へパー子がお邪魔します。休日、あなたはどこで何をしていますか?
パー子には気付いても気付かなくても構いません。どうぞ自由にお過ごしください
【パー子】
・普段は駄ハンター・玲について回っているパルム(♀)
・主人の玲があまりにもぐうたらなため、他のハンターさんが休日をどう過ごしているのか知りたがっています
・ピンクのワンピースを着て、首からネームタグを下げています(タグにはパー子の名前と、玲のパルムであることが書かれています)
・黒パルムではないため、蔵倫抵触の気配を察するとそっといなくなります
【休日の条件】
・あくまでハンターとしての休日なので、別の仕事に従事しているのはOK
・依頼中はNG、依頼へ向け準備中や依頼の帰路などはOK(特定の依頼を指定する事はできません)
・天気はどこにいても一律で雨。屋内・屋外・時間帯等はご自由に
【その他】
・上記の休日条件を満たせば自由に過ごして頂いて構いません
・基本的におひとりずつ描写します
他の参加者様と一緒に過ごされる場合は、同行者タグと関係の記入をお願いします
例)【同行者】香藤 玲(kz0220) 顔見知り
・アドリブ入ります。お嫌な方はアドリブ不可と明記してください
・報酬はありません。思い出プライスレス
パルムのパー子にあなたの休日覗かせてください
あなたの許へパー子がお邪魔します。休日、あなたはどこで何をしていますか?
パー子には気付いても気付かなくても構いません。どうぞ自由にお過ごしください
【パー子】
・普段は駄ハンター・玲について回っているパルム(♀)
・主人の玲があまりにもぐうたらなため、他のハンターさんが休日をどう過ごしているのか知りたがっています
・ピンクのワンピースを着て、首からネームタグを下げています(タグにはパー子の名前と、玲のパルムであることが書かれています)
・黒パルムではないため、蔵倫抵触の気配を察するとそっといなくなります
【休日の条件】
・あくまでハンターとしての休日なので、別の仕事に従事しているのはOK
・依頼中はNG、依頼へ向け準備中や依頼の帰路などはOK(特定の依頼を指定する事はできません)
・天気はどこにいても一律で雨。屋内・屋外・時間帯等はご自由に
【その他】
・上記の休日条件を満たせば自由に過ごして頂いて構いません
・基本的におひとりずつ描写します
他の参加者様と一緒に過ごされる場合は、同行者タグと関係の記入をお願いします
例)【同行者】香藤 玲(kz0220) 顔見知り
・アドリブ入ります。お嫌な方はアドリブ不可と明記してください
・報酬はありません。思い出プライスレス
マスターより
鮎川と申します。
参加人数3~4名の依頼がリリースできるようになりましたよって事で、念願の日常EX依頼をそっと出し。
依頼の内容上報酬はありませんが、休日の様子を記録に残してみませんか?
ご参加・プレイング心よりお待ちしております。
参加人数3~4名の依頼がリリースできるようになりましたよって事で、念願の日常EX依頼をそっと出し。
依頼の内容上報酬はありませんが、休日の様子を記録に残してみませんか?
ご参加・プレイング心よりお待ちしております。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/07/25 06:23
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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![]() |
趣旨・サポート確認卓 エーミ・エーテルクラフト(ka2225) 人間(リアルブルー)|17才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2017/07/02 19:30:10 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/07/02 02:42:02 |