ゲスト
(ka0000)
路地裏工房コンフォートと銀婚式
マスター:佐倉眸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/07/08 07:30
- リプレイ完成予定
- 2017/07/17 07:30
オープニング
●モニカへ
ピノちゃんは元気ですか?
風邪をぶり返してませんか?
何が有ったのかは知らないけど、手紙はちゃんと読まないとダメ!
モニカが置いていったパンとか、缶詰とか、うちで預かってます。
手紙は挟んでおくので、ちゃんと読みなさい!
追伸 私だって、モニカとピノちゃんの味方だからね
●
朝、家の施錠とカーテンを確かめに、モニカはピノを抱えて窓やドアを順に確かめていく。
昨日、外出中にトラブルが発生した。
それを伝えに来た友人の前で慌てたモニカは、その時に友人から渡されたメモを読まず、抱えていた買い物の袋も放り出して家に閉じこもっていた。
工房のドアを見ると施錠は成されていたが、隙間に一通の便箋と皺を丁寧に伸ばされたメモが挟まっていた。
便箋はモニカを気遣う友人からのもの、メモは昨日読まずに落としてしまったものだ。
危機を知らせ、ハンターを頼れといった趣旨のもので、サインの名前にも覚えが有った。
モニカはそれらを畳むと施錠の確認の作業に戻った。
丸一日経って、翌朝。
モニカは返事をドアに挟んだ。
手紙を読んだ。
もし、これに気が付いてくれたなら、頼みたいことと、話したいことがある。
それを回収した友人が工房のドアをノックした。
「……わーたーしー。大丈夫、他に誰もいないよ」
ややあって、鍵が開けられる。
工房へ入ると、すぐに戸が締められた。
頼みって。そう尋ねると、天鵞絨張りの小さな箱が差し出された。
時計屋の店主の妻からの依頼らしい。古い指輪の修理を頼まれていたという。
「……これ、渡してほしいの。明後日から旅行だって言ってたから」
「――もう! 分かったけど! 渡すけど! もっと、優先することがあるでしょ!」
●
友人の言葉にモニカは笑った。
胸に抱えた幼子をあやしながら静かに、大丈夫だと。
「……私の姉さん、すごく強かったの。ハンターには負けるけど、ただの人間には負けない。私も、……そうなろうと思う。姉さんみたいな力が合ったら、ピノを守れるから」
先日に比べて落ち着きを取り戻した様子に友人は安堵ずるが、怪訝そうに眉を寄せた。
「今から鍛えるつもり? 無茶なこと言ってないで、ちゃんと守って貰いなさい。……ピノちゃん、大っきくなってきて、抱っこし続けるのも大変でしょ? まだやっと這い這いするくらいだし、モニカ1人で守るよりもいいでしょ?」
モニカは黙って首を横に揺らした。
「私が言うのも変だけどさ……」
人見知りで、護衛を頼んだハンターまで怖がっていたのは自分の方だと友人は懐かしそうに目を細める。
ハンターさん、怖くないよ。と、モニカの表情を覗き込む。
モニカはピノをあやしながら微笑んでいた。
「……信じて貰えるかは分からないけど、私の伯父さんは……
……伯父さんの師匠さんはすごいお家に支援して貰ってたんだって。
伯父さんは、そのお家のお嬢様がお嫁に行った先で、ネックレスを作るのを頼まれてた。
私も伯父さんの手伝いで、時々連れて行って貰って……あ、だから、貴族のお客さんも平気なの。
そのお嬢様……奥様って呼ばれてたけど、伯父さんはそう呼んでたかな……
とても優しい人だった。
旅行好きな人で、綺麗な海の話しとか、遠くの街の話とか……色んな場所の話しを聞かせてくれた。
あの日、メイドさんが来たの。
初めて会う人で、赤ちゃんを抱えていた。
そのメイドさんが、私と伯父さんを見てびっくりしてて……
そしたら、奥様がすごく怒って、すごく怖くて……
いつも優しくて、私がお茶を零した時も笑って許してくれたし、怒ってる所なんて見たことなかった。
でも、その時は、すごく怒って、赤ちゃんを、殺そうとしたの。
その赤ちゃんがこの子。ピノっていうのは、私が付けた名前」
友人は黙っていた。
恐らく、先日のトラブルの際に何等かの情報を得ていたのだろう。
「伯父さんが止める声は聞こえたし、奥様も……本当に怒ってたのか分からない。
もしかしたら、ピノは助けちゃダメだったのかもしない。
ハンターさんも、そう思ってるのかも……だから――ううん、何でも無い。ごめんね。
でも、ピノは絶対に守りたい。私の可愛い弟だから。
……だから、だれにも、いわないで。お願い」
●
友人は頷くと箱を持って工房を出た。
時計屋に届け、夫婦でフマーレへ結婚25年の記念に旅行へ行くという2人の道中の無事を祈り、ハンターオフィスへの道案内を引き受ける。
指輪の仕上がりに、モニカへの礼を言いたいと言った妻に、伝えておくと引き受けて。
先日の噂を聞いた時計屋が、捜されていたのはモニカのことかと尋ねるのを人違いだと誤魔化して。
オフィスに夫妻のフマーレまでの護衛の依頼が掲示されたのを見届ける。
今後のことを考えて、オフィスの軒先を彷徨いて帰れずにいると、その依頼を引き受けたらしいハンターが通り掛かった。
明後日の出発までなら相談に乗る。
その言葉に少し迷ってから落ち付いた声で答えた。
「怖い目に遭った友達が身体を鍛えようとしてて……その怖い目のせいで、依頼を出すのも嫌みたいなんです。誰にも言わないって約束したから、私が勝手にお願いするのも……ちょっと、ね? 今はハンターさんも怖がると思うから、そっとしておいてあげたいんですけど……」
友人を心配する言葉を連ねて、やっぱり説得してみます、と、周囲を気にしながらコンフォートへ向かった。
ピノちゃんは元気ですか?
風邪をぶり返してませんか?
何が有ったのかは知らないけど、手紙はちゃんと読まないとダメ!
モニカが置いていったパンとか、缶詰とか、うちで預かってます。
手紙は挟んでおくので、ちゃんと読みなさい!
追伸 私だって、モニカとピノちゃんの味方だからね
●
朝、家の施錠とカーテンを確かめに、モニカはピノを抱えて窓やドアを順に確かめていく。
昨日、外出中にトラブルが発生した。
それを伝えに来た友人の前で慌てたモニカは、その時に友人から渡されたメモを読まず、抱えていた買い物の袋も放り出して家に閉じこもっていた。
工房のドアを見ると施錠は成されていたが、隙間に一通の便箋と皺を丁寧に伸ばされたメモが挟まっていた。
便箋はモニカを気遣う友人からのもの、メモは昨日読まずに落としてしまったものだ。
危機を知らせ、ハンターを頼れといった趣旨のもので、サインの名前にも覚えが有った。
モニカはそれらを畳むと施錠の確認の作業に戻った。
丸一日経って、翌朝。
モニカは返事をドアに挟んだ。
手紙を読んだ。
もし、これに気が付いてくれたなら、頼みたいことと、話したいことがある。
それを回収した友人が工房のドアをノックした。
「……わーたーしー。大丈夫、他に誰もいないよ」
ややあって、鍵が開けられる。
工房へ入ると、すぐに戸が締められた。
頼みって。そう尋ねると、天鵞絨張りの小さな箱が差し出された。
時計屋の店主の妻からの依頼らしい。古い指輪の修理を頼まれていたという。
「……これ、渡してほしいの。明後日から旅行だって言ってたから」
「――もう! 分かったけど! 渡すけど! もっと、優先することがあるでしょ!」
●
友人の言葉にモニカは笑った。
胸に抱えた幼子をあやしながら静かに、大丈夫だと。
「……私の姉さん、すごく強かったの。ハンターには負けるけど、ただの人間には負けない。私も、……そうなろうと思う。姉さんみたいな力が合ったら、ピノを守れるから」
先日に比べて落ち着きを取り戻した様子に友人は安堵ずるが、怪訝そうに眉を寄せた。
「今から鍛えるつもり? 無茶なこと言ってないで、ちゃんと守って貰いなさい。……ピノちゃん、大っきくなってきて、抱っこし続けるのも大変でしょ? まだやっと這い這いするくらいだし、モニカ1人で守るよりもいいでしょ?」
モニカは黙って首を横に揺らした。
「私が言うのも変だけどさ……」
人見知りで、護衛を頼んだハンターまで怖がっていたのは自分の方だと友人は懐かしそうに目を細める。
ハンターさん、怖くないよ。と、モニカの表情を覗き込む。
モニカはピノをあやしながら微笑んでいた。
「……信じて貰えるかは分からないけど、私の伯父さんは……
……伯父さんの師匠さんはすごいお家に支援して貰ってたんだって。
伯父さんは、そのお家のお嬢様がお嫁に行った先で、ネックレスを作るのを頼まれてた。
私も伯父さんの手伝いで、時々連れて行って貰って……あ、だから、貴族のお客さんも平気なの。
そのお嬢様……奥様って呼ばれてたけど、伯父さんはそう呼んでたかな……
とても優しい人だった。
旅行好きな人で、綺麗な海の話しとか、遠くの街の話とか……色んな場所の話しを聞かせてくれた。
あの日、メイドさんが来たの。
初めて会う人で、赤ちゃんを抱えていた。
そのメイドさんが、私と伯父さんを見てびっくりしてて……
そしたら、奥様がすごく怒って、すごく怖くて……
いつも優しくて、私がお茶を零した時も笑って許してくれたし、怒ってる所なんて見たことなかった。
でも、その時は、すごく怒って、赤ちゃんを、殺そうとしたの。
その赤ちゃんがこの子。ピノっていうのは、私が付けた名前」
友人は黙っていた。
恐らく、先日のトラブルの際に何等かの情報を得ていたのだろう。
「伯父さんが止める声は聞こえたし、奥様も……本当に怒ってたのか分からない。
もしかしたら、ピノは助けちゃダメだったのかもしない。
ハンターさんも、そう思ってるのかも……だから――ううん、何でも無い。ごめんね。
でも、ピノは絶対に守りたい。私の可愛い弟だから。
……だから、だれにも、いわないで。お願い」
●
友人は頷くと箱を持って工房を出た。
時計屋に届け、夫婦でフマーレへ結婚25年の記念に旅行へ行くという2人の道中の無事を祈り、ハンターオフィスへの道案内を引き受ける。
指輪の仕上がりに、モニカへの礼を言いたいと言った妻に、伝えておくと引き受けて。
先日の噂を聞いた時計屋が、捜されていたのはモニカのことかと尋ねるのを人違いだと誤魔化して。
オフィスに夫妻のフマーレまでの護衛の依頼が掲示されたのを見届ける。
今後のことを考えて、オフィスの軒先を彷徨いて帰れずにいると、その依頼を引き受けたらしいハンターが通り掛かった。
明後日の出発までなら相談に乗る。
その言葉に少し迷ってから落ち付いた声で答えた。
「怖い目に遭った友達が身体を鍛えようとしてて……その怖い目のせいで、依頼を出すのも嫌みたいなんです。誰にも言わないって約束したから、私が勝手にお願いするのも……ちょっと、ね? 今はハンターさんも怖がると思うから、そっとしておいてあげたいんですけど……」
友人を心配する言葉を連ねて、やっぱり説得してみます、と、周囲を気にしながらコンフォートへ向かった。
解説
目的 依頼人を無事にフマーレへ届ける
●エネミー
ゴブリン×5
小柄なゴブリンが一斉に飛び出してくる。。
襤褸を纏っており、基本的には棍棒で戦うが、爪や牙を使うこともある。
統率が取れている様子は無い。
●地形
フマーレへ向かう広い街道。
幅は3スクエア前後で直線、両端は茂みや木で陰になっている。
無舗装の道だが馬車や人の往来により固められている。
●NPC
時計屋夫妻
馬車の運転席に夫、助手席に妻、荷台は荷物が満載。
トラブルについては殆ど関わっていない。
ハンターの指示には従うが、互いを守る行動を最優先とする。
モニカ
ピノの安全を第一に考えている。
現状では、薬屋の娘(友人)以外を拒絶する。
薬屋の娘
オープニング中の「友人」。
モニカが祖父と呼ぶ老人(故人)や、ピノへの薬の調合を行っていた。
先月まで夏風邪を引いていたピノの体調を気に掛けている。
質問されれば、モニカから開かされた素性以外は開示し、協力を求める。
モニカと引き合わせることには消極的。
●その他
出発までは自由に行動可能です。
シナリオの成否は目的の達成のみで評価します。
●エネミー
ゴブリン×5
小柄なゴブリンが一斉に飛び出してくる。。
襤褸を纏っており、基本的には棍棒で戦うが、爪や牙を使うこともある。
統率が取れている様子は無い。
●地形
フマーレへ向かう広い街道。
幅は3スクエア前後で直線、両端は茂みや木で陰になっている。
無舗装の道だが馬車や人の往来により固められている。
●NPC
時計屋夫妻
馬車の運転席に夫、助手席に妻、荷台は荷物が満載。
トラブルについては殆ど関わっていない。
ハンターの指示には従うが、互いを守る行動を最優先とする。
モニカ
ピノの安全を第一に考えている。
現状では、薬屋の娘(友人)以外を拒絶する。
薬屋の娘
オープニング中の「友人」。
モニカが祖父と呼ぶ老人(故人)や、ピノへの薬の調合を行っていた。
先月まで夏風邪を引いていたピノの体調を気に掛けている。
質問されれば、モニカから開かされた素性以外は開示し、協力を求める。
モニカと引き合わせることには消極的。
●その他
出発までは自由に行動可能です。
シナリオの成否は目的の達成のみで評価します。
マスターより
よろしくお願いします。
中年夫婦を無事にフマーレへ。
コンフォートの方は放って置いてもつっついても。
つっついた結果は保証しません。例え善意でも悪化する場合があります。
中年夫婦を無事にフマーレへ。
コンフォートの方は放って置いてもつっついても。
つっついた結果は保証しません。例え善意でも悪化する場合があります。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/07/17 01:51
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談卓 Gacrux(ka2726) 人間(クリムゾンウェスト)|25才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2017/07/07 22:35:04 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/07/04 23:51:33 |