北鎌倉駅。稲村ヶ崎。逗子マリーナ。
　相模湾を内包して巨大な二等辺三角形を描く3地点。そこに立てられた妨害電波アンテナ塔を破壊するべく大勢のハンターたちが動員される中、大量に出現した小型歪虚の掃討作戦が同時並行で進められていた。
　掃討作戦の実施地点は、多数の小型歪虚が確認された海岸線と定められた。
　由比ヶ浜。
　相模湾に面し、その背には鎌倉海浜公園を負う鎌倉屈指の歴史あるビーチである。
　長く伸びた海岸線、拓けた砂浜。かつて立ち並ぶ海の家と観光客で賑わったであろう場所には人影もなく、歪虚が我が物顔で漂うと異境と化していた。
　その歪虚は、狂気と呼称されている。
　グロテスクな数多の目が、波にもまれるクラゲのように空中を漂っていた。さびれた浜の宙に浮かぶ目、ひとつではなく、それはいくつもいくつも浮かんでいる。シュールレアリスム絵画と見紛う光景だが、リアルブルーの現実の風景である。
　と、ぶよぶよとした目どもが、突如として遊泳する魚の群れさながらの規律正しい動きを始めた。
　小型狂気が寄り集まり、人のかたちを取っていく。人型の狂気。その体長は2メートルちかくあり、さながら人間のグロテスクな戯画のようだ。そして、その人型たちは、人間が誰かを呼ぶ仕草をトレースして、浮遊する狂気たちを呼び寄せた。
　浮遊する狂気は、不格好な人型の周りにまといつくように漂い始める。
　人型狂気は、かつてリアルブルーの者たちが手にした銃器を手に、標的の姿を探しギョロギョロと体中の目を瞬かせた。

目的：由比ヶ浜にいる歪虚の掃討
掃討対象：小型狂気（人型）と小型狂気（浮遊型）

○敵の簡単な解説
　・小型狂気（人型）
　　サイズ１～２。
　　浮遊型歪虚が複数集まって人型を形成したもの。
　　なぜ人型を真似ているのかは不明だが、浮遊型の持つ能力の他に手持ちの武器を持つ。
　　それらはリアルブルー人が持っていた銃などであることが多いようだ。
　・小型狂気（浮遊型）
　　リアルブルーで最もよく見られるVOID。サイズ１。
　　大きな眼球を持った虫とクラゲが融合したような外見。
　　ゆったりとした速度で浮遊・飛行する。触手の他、目からのレーザーで攻撃する。

　以下、小型狂気（人型）を人型、小型狂気（浮遊型）を浮遊型と表記します。
　人型が8体、人型1体につき小型狂気（浮遊型）を10体ずつ引き連れています。
　浮遊型は人型の周りをフワフワと飛び回り、目からのレーザーで攻撃を行います。
　人型からの統制があり、人型の統制下にある浮遊型はレーザーの命中と攻撃力が上昇します。
　統制する人型がいなくなった浮遊型は、レーザー攻撃が散発的になります。レーザーの命中と攻撃力の上昇がなくなります。
　人型はサブマシンガンで武装しており、浮遊型のレーザー照射と共に射撃を行います。
　浮遊型を防御衛星のように利用し、浮遊型を引き連れた状態の人型は回避と防御力が上昇します。
　浮遊型がすべていなくなった人型は、回避と防御力の上昇がなくなります。
　司令塔の人型から狙うか、浮遊型から狙うか、プレイングに明記してください。
　敵の動きと、リプレイでの描写が変わります。

○戦闘に関する注意点
　妨害電波の為にCAMや機械（トランシーバー、車両）、魔導短伝話が利用できません。
　鎌倉クラスタ偵察により、「魔導バイク」「タクティカルスーツ」「魔導カメラ」の動作不良が判明しています。
　戦場は海岸線となります。砂場、波打ち際特有の足場の悪さがあります。

　鎌倉クラスタ攻略の前哨戦、掃討作戦です。
　白兵戦で、射撃手段を持つ浮遊歪虚の群れに立ち向かっていただきます。
　20レベルまでのハンターでも参加することができるシンプルな作戦です。
　狂気の群れ相手に無双しましょう。ふるってご参加ください。