ゲスト
(ka0000)
マゴイ、ソルジャー、ワーカー
マスター:KINUTA

- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
魔術師協会広報室- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 3~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2017/08/02 19:00
- リプレイ完成予定
- 2017/08/11 19:00
オープニング
●コボルド・ワーカー
南洋。人知れず存在しているヒョウタン型の小島。
石切り場の壁面に収まっていた黒い箱が、チャイムを鳴らし呼びかける。
<<お昼です、お昼です。皆さん休憩を取りましょう。涼しくなる夕方まで皆さん休憩を取りましょう>>
せっせと切り出した石を成型していたワーカー・コボルドたちは尻尾を振り、持っていた道具を所定の位置に戻す。
「きゅうけーい」
「きゅーけい」
「ごはんー」
「ごはんー」
「こぼも、いればいいのに」
「ね」
●μ・F・92756471・マゴイ
地下の奥深く。生産機関の一隅。
広い会議室にぽつんと一人、マゴイがいる。
テニスコートほどありそうなテーブルの中央には、淡い緑色に光る大きな立方体が浮かんでいた。テーブルを囲んで並べられた席の前には、薄いパネルが浮かんでいる。
『……新しいワーカーたちは、よい生活習慣――規則正しく働いて無理が来ないように休む――が身につきました。喜ばしいことです、と……とはいえ、あるべきユニオン市民としてはまだ改善点が残っています……皆いまだに親子兄弟という概念……を持っております……それが不要で有害な概念であると理解させるには……教育の充実を図ることはもちろんですが……ウテルスの稼働が不可欠だと思います……エネルギー部門担当者の意見を求めます……』
そこで言葉を切ったマゴイは、「労働管理部門担当者」の席を立ち、「エネルギー部門担当者」の席に着く。
『……現状とてもそこまでの余裕はありません……遺物の中に含まれていた簡易太陽光集積炉だけでは……工作機械を動かし、水と食料を作り出し、ウォッチャーを稼働させ最低限のセキュリティレベルを維持するのが精一杯なのです……環境整備担当者の意見を求めます……』
「環境整備担当者」の席に移る。
『……水と食料については現在様々な環境改良を行っていますから……この先完全自給出来るようになるだろうと思われます……エネルギー部門担当者の意見を求めます……』
「エネルギー部門担当者」の席に戻る。
『……環境整備担当者から今後の見通しについての意見を聞きました……まことに喜ばしいことです……しかし……それで生じた余剰エネルギーを注ぎこんだとしても……ウテルスを稼働させることは出来ません……新たなエネルギープラントが必要です……労働管理部門担当者の意見を求めます……』
「労働管理部門担当者」の席に移動。
『……そのためには……高度な技術力を持ったワーカーが必要となります…選択肢は2つ……新たに外部から迎え入れるか……それとも今いるワーカーが増えるのを待ち、それを教育し直すか……』
マゴイは別にふざけているわけでも遊んでいるわけでもない。
本来なら各々の部門に担当のマゴイが控えていて意見を述べてくれるはずなのだが、今は自分一人しかいない。だから何役もこなしている。『会議において全ての委員は担当の席を外れ不規則発言を行ってはならない』というルールがあるから、発言内容ごとに席を移動している――それだけの話である。
並の人間なら己がしていることの空しさに打ちのめされそうな場面であるが、幸い彼女の神経は(ユニオン基準で見る場合を除き)並ではなかった。
ここにおいて発言された内容は全て機関中央にあるデータ集積所に記録される。それを元にまた会議を行い、最終的に煮詰まった所でステーツマンに裁定を委ねる。
これが正しいやり方だ。
ステーツマンがいてくれたら、とマゴイは思った。ソルジャーがいてくれたら、とも。
自分は肉体を持たない不安定な存在である。そのためずっとこちらの世界にいることが出来ない。アーキテクチャーを一切使わなければ長時間現出していられるが、それだっていつかは限界が来て、亜空間に戻らなければいけなくなる。他者の体を借りても、最終的には同様だ。
自分としてはそういうサイクルに慣れているので別に困らないが、問題はワーカーたちである。ウォッチャーがあるから緊急連絡が取れるのだと言っても、何かあった場合即時対応できる人間が、最低でも一人は常時待機していることが望ましい。
『……ソルジャーについては外部から迎えなくてはならないでしょう……彼らを迎えるに当たってまず必要なのはインカムですが……現在遺物において発見されたものは30……』
言いながらマゴイは自分の前にあるパネルに指を延ばした。字と数字が浮かび上がる。
――現在稼働可能なソルジャー・インカムは31個存在しています――
『……1つ多い……?』
マゴイは再度パネルに触れる。
クリムゾンの地図が浮かび上がった。
インカムの現在地を示す光点が現れる。マゴイが現在いる南洋の島に30。それから大陸に1つ。
●Θ・F・92438・ソルジャー
『うは、面白そうなものがいっぱいじゃ、いっぱいじゃ』
「ぴょこ様、あまりその辺のものを触らないようにし」
『この兜かっこいいのう』
「被らないで被らないでサイズがあってませんから広がりますから」
監視役というかお守り役のハンターたちを引き連れてぴょこが行く。ズンズン行く。
『この紐引っ張ったらどうなるんじゃ』
「ひっぱっちゃだめえっ」
とにかく動く。とにかく触る。行動がいきなりでおおざっぱ。いつぞやちびっこドラゴンのお守りをしたことがあるがそっちのほうがまだ御しやすかったかも知れないと思いつつカチャは、嘆息した。
「スペットさんまだ来ないんですか?」
「刑務所は遠いからなー。まあ、もう少しでこっちに着くそうだから、それまでは我々で頑張ろう……」
すったもんだしつつインカムが保管されている地下倉庫に到着。
頑丈な透明ケースに入ったインカムを見てぴょこ、不服そう。
『なんじゃ、触れんのかのー』
「あいすみませんぴょこさま、まだ調査中ですので」
汗をふきふき弁明に努める案内役のタモン。
魔導伝話が鳴った。
「あ、スペットさんが受付に? はいはい、今行きます」
『おう、すぺも来るのか。来るのか』
跳ねて喜びを表現するぴょこ。
そのときインカムのガラスケースに、女の姿が浮かび上がった。長い黒髪、白い服。整っているが表情に乏しいその顔。
それとまともに目を合わせたカチャが、がくりと膝を折る。
作り物であるぴょこの毛が、ぞわわと立ち上がった。
『きゃー!』
慌てふためき場から逃げようとするぴょこ。
カチャが立ち上がる。額に目玉模様を浮かばせて。その口から出るのは彼女の声ではない。マゴイの声だ。
『……θ?……』
ぴょこが出て行こうとした扉が消えた。
混乱したぴょこは力ずくで壁を破ろうとする。衝撃で部屋全体が揺れた。
カチャが歌うように口ずさむ。
<<落ち着いて、落ち着いて、落ち着いて、落ち着いて>>
ぴょこの動きが急に止まった。
南洋。人知れず存在しているヒョウタン型の小島。
石切り場の壁面に収まっていた黒い箱が、チャイムを鳴らし呼びかける。
<<お昼です、お昼です。皆さん休憩を取りましょう。涼しくなる夕方まで皆さん休憩を取りましょう>>
せっせと切り出した石を成型していたワーカー・コボルドたちは尻尾を振り、持っていた道具を所定の位置に戻す。
「きゅうけーい」
「きゅーけい」
「ごはんー」
「ごはんー」
「こぼも、いればいいのに」
「ね」
●μ・F・92756471・マゴイ
地下の奥深く。生産機関の一隅。
広い会議室にぽつんと一人、マゴイがいる。
テニスコートほどありそうなテーブルの中央には、淡い緑色に光る大きな立方体が浮かんでいた。テーブルを囲んで並べられた席の前には、薄いパネルが浮かんでいる。
『……新しいワーカーたちは、よい生活習慣――規則正しく働いて無理が来ないように休む――が身につきました。喜ばしいことです、と……とはいえ、あるべきユニオン市民としてはまだ改善点が残っています……皆いまだに親子兄弟という概念……を持っております……それが不要で有害な概念であると理解させるには……教育の充実を図ることはもちろんですが……ウテルスの稼働が不可欠だと思います……エネルギー部門担当者の意見を求めます……』
そこで言葉を切ったマゴイは、「労働管理部門担当者」の席を立ち、「エネルギー部門担当者」の席に着く。
『……現状とてもそこまでの余裕はありません……遺物の中に含まれていた簡易太陽光集積炉だけでは……工作機械を動かし、水と食料を作り出し、ウォッチャーを稼働させ最低限のセキュリティレベルを維持するのが精一杯なのです……環境整備担当者の意見を求めます……』
「環境整備担当者」の席に移る。
『……水と食料については現在様々な環境改良を行っていますから……この先完全自給出来るようになるだろうと思われます……エネルギー部門担当者の意見を求めます……』
「エネルギー部門担当者」の席に戻る。
『……環境整備担当者から今後の見通しについての意見を聞きました……まことに喜ばしいことです……しかし……それで生じた余剰エネルギーを注ぎこんだとしても……ウテルスを稼働させることは出来ません……新たなエネルギープラントが必要です……労働管理部門担当者の意見を求めます……』
「労働管理部門担当者」の席に移動。
『……そのためには……高度な技術力を持ったワーカーが必要となります…選択肢は2つ……新たに外部から迎え入れるか……それとも今いるワーカーが増えるのを待ち、それを教育し直すか……』
マゴイは別にふざけているわけでも遊んでいるわけでもない。
本来なら各々の部門に担当のマゴイが控えていて意見を述べてくれるはずなのだが、今は自分一人しかいない。だから何役もこなしている。『会議において全ての委員は担当の席を外れ不規則発言を行ってはならない』というルールがあるから、発言内容ごとに席を移動している――それだけの話である。
並の人間なら己がしていることの空しさに打ちのめされそうな場面であるが、幸い彼女の神経は(ユニオン基準で見る場合を除き)並ではなかった。
ここにおいて発言された内容は全て機関中央にあるデータ集積所に記録される。それを元にまた会議を行い、最終的に煮詰まった所でステーツマンに裁定を委ねる。
これが正しいやり方だ。
ステーツマンがいてくれたら、とマゴイは思った。ソルジャーがいてくれたら、とも。
自分は肉体を持たない不安定な存在である。そのためずっとこちらの世界にいることが出来ない。アーキテクチャーを一切使わなければ長時間現出していられるが、それだっていつかは限界が来て、亜空間に戻らなければいけなくなる。他者の体を借りても、最終的には同様だ。
自分としてはそういうサイクルに慣れているので別に困らないが、問題はワーカーたちである。ウォッチャーがあるから緊急連絡が取れるのだと言っても、何かあった場合即時対応できる人間が、最低でも一人は常時待機していることが望ましい。
『……ソルジャーについては外部から迎えなくてはならないでしょう……彼らを迎えるに当たってまず必要なのはインカムですが……現在遺物において発見されたものは30……』
言いながらマゴイは自分の前にあるパネルに指を延ばした。字と数字が浮かび上がる。
――現在稼働可能なソルジャー・インカムは31個存在しています――
『……1つ多い……?』
マゴイは再度パネルに触れる。
クリムゾンの地図が浮かび上がった。
インカムの現在地を示す光点が現れる。マゴイが現在いる南洋の島に30。それから大陸に1つ。
●Θ・F・92438・ソルジャー
『うは、面白そうなものがいっぱいじゃ、いっぱいじゃ』
「ぴょこ様、あまりその辺のものを触らないようにし」
『この兜かっこいいのう』
「被らないで被らないでサイズがあってませんから広がりますから」
監視役というかお守り役のハンターたちを引き連れてぴょこが行く。ズンズン行く。
『この紐引っ張ったらどうなるんじゃ』
「ひっぱっちゃだめえっ」
とにかく動く。とにかく触る。行動がいきなりでおおざっぱ。いつぞやちびっこドラゴンのお守りをしたことがあるがそっちのほうがまだ御しやすかったかも知れないと思いつつカチャは、嘆息した。
「スペットさんまだ来ないんですか?」
「刑務所は遠いからなー。まあ、もう少しでこっちに着くそうだから、それまでは我々で頑張ろう……」
すったもんだしつつインカムが保管されている地下倉庫に到着。
頑丈な透明ケースに入ったインカムを見てぴょこ、不服そう。
『なんじゃ、触れんのかのー』
「あいすみませんぴょこさま、まだ調査中ですので」
汗をふきふき弁明に努める案内役のタモン。
魔導伝話が鳴った。
「あ、スペットさんが受付に? はいはい、今行きます」
『おう、すぺも来るのか。来るのか』
跳ねて喜びを表現するぴょこ。
そのときインカムのガラスケースに、女の姿が浮かび上がった。長い黒髪、白い服。整っているが表情に乏しいその顔。
それとまともに目を合わせたカチャが、がくりと膝を折る。
作り物であるぴょこの毛が、ぞわわと立ち上がった。
『きゃー!』
慌てふためき場から逃げようとするぴょこ。
カチャが立ち上がる。額に目玉模様を浮かばせて。その口から出るのは彼女の声ではない。マゴイの声だ。
『……θ?……』
ぴょこが出て行こうとした扉が消えた。
混乱したぴょこは力ずくで壁を破ろうとする。衝撃で部屋全体が揺れた。
カチャが歌うように口ずさむ。
<<落ち着いて、落ち着いて、落ち着いて、落ち着いて>>
ぴょこの動きが急に止まった。
解説
補足説明
これはマゴイからぴょこを保護するシナリオです。
マゴイ側から見た経緯。
なんでインカムが1個多いの?→とりあえずどこにあるのか様子見→カチャがいるならちょうどいいから体を借りよう→あれ、あのうさぎの声θに似てない?→理性の声が通じるところを見るとやっぱりθ。何故ここに。
ぴょこ側から見た経緯。
協会に預けたインカム見に来たぞよ→マゴイが出た(見たショックで過去の記憶がちょっと蘇った)→ちょーせいされそうなのじゃいやじゃいやじゃ逃げるのじゃこわいのじゃー
強制的な精神調整を受けた経験があるぴょこにとって、マゴイは「恐れの対象」です。
彼女の調整に当たったのはOPに出ているマゴイさんではありませんが、ぴょこには見分けがついていません。一緒に見えています。
一部ながら記憶が戻ったことで、今混乱している状態です。
マゴイとしては、もしこれがθであるならソルジャーであるわけで、ソルジャーであるならワーカーを守るべく島に来てもらいたい。と思っています。
でもΘがすでに戦死していると言うことを説明すれば、その旨を断念します。死者にユニオン法は適用されませんので。
彼女はルール通りに動く人です。よくも悪しくも。
なお、今どこに拠点を持っているのかと聞いても答えてくれません。下手に教えて機関に悪さをされたらいやだと思っているので。
スペットが後で合流してます。彼はもちろんΘの味方をいたします。
これはマゴイからぴょこを保護するシナリオです。
マゴイ側から見た経緯。
なんでインカムが1個多いの?→とりあえずどこにあるのか様子見→カチャがいるならちょうどいいから体を借りよう→あれ、あのうさぎの声θに似てない?→理性の声が通じるところを見るとやっぱりθ。何故ここに。
ぴょこ側から見た経緯。
協会に預けたインカム見に来たぞよ→マゴイが出た(見たショックで過去の記憶がちょっと蘇った)→ちょーせいされそうなのじゃいやじゃいやじゃ逃げるのじゃこわいのじゃー
強制的な精神調整を受けた経験があるぴょこにとって、マゴイは「恐れの対象」です。
彼女の調整に当たったのはOPに出ているマゴイさんではありませんが、ぴょこには見分けがついていません。一緒に見えています。
一部ながら記憶が戻ったことで、今混乱している状態です。
マゴイとしては、もしこれがθであるならソルジャーであるわけで、ソルジャーであるならワーカーを守るべく島に来てもらいたい。と思っています。
でもΘがすでに戦死していると言うことを説明すれば、その旨を断念します。死者にユニオン法は適用されませんので。
彼女はルール通りに動く人です。よくも悪しくも。
なお、今どこに拠点を持っているのかと聞いても答えてくれません。下手に教えて機関に悪さをされたらいやだと思っているので。
スペットが後で合流してます。彼はもちろんΘの味方をいたします。
マスターより
KINUTAです
夏にマゴイさん。IFの前のマゴイさん。
夏にマゴイさん。IFの前のマゴイさん。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/08/07 23:43
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/08/02 12:20:26 |
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相談卓だよ 天竜寺 詩(ka0396) 人間(リアルブルー)|18才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2017/08/02 00:00:20 |