ゲスト
(ka0000)
にせもの
マスター:須崎なう

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在4人 / 3~4人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/08/08 19:00
- リプレイ完成予定
- 2017/08/17 19:00
オープニング
●はじまり
とある旅人が、小さな集落に訪れた。
山をいくつか越えてきたというその旅人は疲労困憊といった様子だったため、住人の勧めもあり、集落に数日滞在することとなる。
しかし、旅人は一日と持たずして、人けのない場所で斬殺死体となって発見された。
それから五日後、旅人と同じような殺され方で集落の住人の遺体が見つかったという。
●断り
「えっと、ごめんね、ダイル。ちょっと今日は親の手伝いがあるからさ、遊べないんだ」
彼女――シュカの家の前で佇むダイルに対し、申し訳なさそうに両手を合わせた。
幼馴染三人。シュカ、ダイル、それと今ここにはいないがアリアナという女の子。齢一二となるこの三人はよく一緒に遊んでいるのだが、今日は珍しくダイルが二人っきりで遊びたいと言ってきたのだ。
「ん。それは今日一日ずっとか?」
ダイルは表情を曇らせながら聞いてくる。
「うーん、そうなりそうかなぁ」
「……わかった。じゃあしょうがない、よな」
ダイルは軽く頭を掻きながら背を向けて、とぼとぼと歩き出した。
シュカは首をひねりながらダイルを見送る。
(うん? 今日は珍しくつっかかってこなかったなぁ)
ダイルはガキ大将のような性格であり、結構わがままだ。いつもならもっとしつこく尋ねてくるのだが……。
「シュカぁ、ちょっとここ、押さえてくれるー?」
「はーい!」
家の奥のほうから母親の声が響く。
シュカは僅かな違和感はとりあえず脇へと逸らし、親の手伝いをするべく開きっぱなしだった入り口の戸を閉めた。
●遊びに
「意外と早く終わっちゃったなー」
んーっ! と両手を上げ、伸びをしながらシュカは空を見上げた。
太陽は多少傾いているものの、まだ空はオレンジ色にはなっておらず、雲ひとつない空は青く澄んでいる。
(今ならまだ、遊べそう?)
伸びの体勢のまま体を捻らせ、奥で夕餉の準備に取り掛かろうとしている母へと向く。
「おかあさーん、今からちょっとダイルのところに遊びに行ってきていーい?」
「いいわよ~。暗くなる前に帰ってきてね~」
「はぁい!」
●発見
(おやおやぁ)
ダイルを探そうと思って家を飛び出して少し。ダイルとアリアナを発見した。
ダイルが二人で遊びたい。と言っていたためアリアナを誘おうか迷っていたのだが、アリアナがいるのならいつもの面子だ。
シュカは二人にさっそく声を掛けようとしたのだが、ちょっとした悪戯心が芽生え、こっそり二人の後をつけることにした。
(バッと飛び出て二人を驚かしてやろう、っと)
気弱なアリアナが驚くであろうことは確実。ダイルもまだまだ子供だから、きっとびっくりするだろう。
にしし、とシュカは歳相応の悪い笑みを浮かべた。
「あ、あの、その。ダイルくん、今日はどうしたの急に……」
「ちょっと二人でしかやれない面白い遊びを思いついたからさー。家が近いからシュカを先に誘ったんだけど、親の手伝いがあるんだと」
「それで、わたしに……」
「そそっ!」
二人の会話を盗み聞きしながらシュカは内心でダイルに毒づく。
(ちょっとダイル! もっと言い方考えなさいよ! アリアナはアンタに惚れてるのよ! まぁ、ダイル本人は知らないだろうけどさ……)
ダイルの無神経さに呆れつつ、シュカは尾行を続けた。
やがて二人は、人けのない空き家へと辿り着く。
どうやらここで遊ぶらしい。
(そういえば、ダイルの言っていた二人でしかできない遊びって……?)
まぁ、見ていれば分かるだろう。
すると、ダイルはアリアナを連れ込むようにして空き家の中へ消えていく。
(こんな密室に男女が二人きり。まさか……! ……って、ないか。だってダイルだし)
そう思いつつ、どこからか中を覗けないかを探すシュカ。
異変は、そのときだった。
バダン! という衝撃音が鳴る。
「ん! ――んん!」
続いて、どこかくぐもった、アリアナの悲鳴のような音。
シュカはアリアナがダイルに乱暴されているのではないのかと瞬時に思い浮かべ、空き家の入り口へと向かう。
しかし空き家の中の光景は、シュカの想像を絶するものだった。
●恐怖
アリアナが四肢と口元を押さえつけられている。
四肢を押さえつけるのは、水っぽく光を反射する触手のような何かだ。
そしてその触手は――――ダイルの口から生えていた。
「んんっ! んッ、んん――!!」
アリアナは抵抗するように体をくねらせるが、触手はびくともしない。
ダイルは意思がないように棒立ちをしていた。が、アリアナの抵抗では拘束を破れないことを確かめたかのように、次の行動をおこす。
アリアナを拘束する触手はそのままに、ダイルの口元で粘着質のソレが肥大化する。
ぼとり、と地面へ落ちたそれはぬめりと光る表面から新たな触手を形成し始めると、その触手を、凪ぐようにしてダイルの腹部を斬りつけた。
鮮血が横一線に飛び散り、その一部がアリアナへとかかる。
ダイルは斬られた衝撃で後方へと仰向けに倒れ、そのままピクリとも動くことはない。
「んんん!!」
すでに絶望で染まっていたアリアナの瞳から、涙が零れ落ちる。
粘液質のソレはアリアナの体を這うようにのぼり始める。
それが何を意味するか、この光景を見たものであれば辿り着くのは簡単だった。
「ん――!! んん゛!! んん゛!!! 」
頭部へとまとわり着いたソレに抵抗することすらできず、アリアナは呼吸困難に陥り白目をむく。
すべてがアリアナの体内に入りきると、空き家に残ったのはダイルの死体と血、アリアナだけとなった。
アリアナは足に力を入れ、弱弱しく立ち上がる。何事もなかったかのようにみえるアリアナだったが、空き家の惨状を加味すれば、それは異常の塊でしかない。
アリアナは、空き家の入り口へと視線を向けた。
そこには、だれもいなかった。
しかし、『アリアナは』知っていた。粘液質のアレには見えなかったかも知れないが、『アリアナは見ていた』
押さえつけられるアリアナを見て、何をすることもなく、恐怖に震えていたシュカを。
アリアナはシュカが覗いていた場所を眺めると、うっすらとその口角を吊り上げた。およそ少女では浮かべることのないような、気味の悪い顔だった。
●逃走
(なんなのよなんなのよなんなのよ! あれは!!)
シュカは走る。
自分がどの方角に向かっているか、意識することなく。
それほどまでに異常だった。
それほどまでに非現実的だった。
それほどまでに、恐怖した。
シュカは走った。
しかしそれは、集落のある方向とはまったく逆だった。
●偽りの証言
その日の夜。ダイルという少年が死体となって発見された。
これで二人目となる住人の死。十日前に死んだ旅人を合わせれば三人目となる。
その現場を目撃したと発言する少女――アリアナが、悲しむ住民の前で言った。
「シュカちゃんが……シュカちゃんがダイルくんを殺してたの!」
とある旅人が、小さな集落に訪れた。
山をいくつか越えてきたというその旅人は疲労困憊といった様子だったため、住人の勧めもあり、集落に数日滞在することとなる。
しかし、旅人は一日と持たずして、人けのない場所で斬殺死体となって発見された。
それから五日後、旅人と同じような殺され方で集落の住人の遺体が見つかったという。
●断り
「えっと、ごめんね、ダイル。ちょっと今日は親の手伝いがあるからさ、遊べないんだ」
彼女――シュカの家の前で佇むダイルに対し、申し訳なさそうに両手を合わせた。
幼馴染三人。シュカ、ダイル、それと今ここにはいないがアリアナという女の子。齢一二となるこの三人はよく一緒に遊んでいるのだが、今日は珍しくダイルが二人っきりで遊びたいと言ってきたのだ。
「ん。それは今日一日ずっとか?」
ダイルは表情を曇らせながら聞いてくる。
「うーん、そうなりそうかなぁ」
「……わかった。じゃあしょうがない、よな」
ダイルは軽く頭を掻きながら背を向けて、とぼとぼと歩き出した。
シュカは首をひねりながらダイルを見送る。
(うん? 今日は珍しくつっかかってこなかったなぁ)
ダイルはガキ大将のような性格であり、結構わがままだ。いつもならもっとしつこく尋ねてくるのだが……。
「シュカぁ、ちょっとここ、押さえてくれるー?」
「はーい!」
家の奥のほうから母親の声が響く。
シュカは僅かな違和感はとりあえず脇へと逸らし、親の手伝いをするべく開きっぱなしだった入り口の戸を閉めた。
●遊びに
「意外と早く終わっちゃったなー」
んーっ! と両手を上げ、伸びをしながらシュカは空を見上げた。
太陽は多少傾いているものの、まだ空はオレンジ色にはなっておらず、雲ひとつない空は青く澄んでいる。
(今ならまだ、遊べそう?)
伸びの体勢のまま体を捻らせ、奥で夕餉の準備に取り掛かろうとしている母へと向く。
「おかあさーん、今からちょっとダイルのところに遊びに行ってきていーい?」
「いいわよ~。暗くなる前に帰ってきてね~」
「はぁい!」
●発見
(おやおやぁ)
ダイルを探そうと思って家を飛び出して少し。ダイルとアリアナを発見した。
ダイルが二人で遊びたい。と言っていたためアリアナを誘おうか迷っていたのだが、アリアナがいるのならいつもの面子だ。
シュカは二人にさっそく声を掛けようとしたのだが、ちょっとした悪戯心が芽生え、こっそり二人の後をつけることにした。
(バッと飛び出て二人を驚かしてやろう、っと)
気弱なアリアナが驚くであろうことは確実。ダイルもまだまだ子供だから、きっとびっくりするだろう。
にしし、とシュカは歳相応の悪い笑みを浮かべた。
「あ、あの、その。ダイルくん、今日はどうしたの急に……」
「ちょっと二人でしかやれない面白い遊びを思いついたからさー。家が近いからシュカを先に誘ったんだけど、親の手伝いがあるんだと」
「それで、わたしに……」
「そそっ!」
二人の会話を盗み聞きしながらシュカは内心でダイルに毒づく。
(ちょっとダイル! もっと言い方考えなさいよ! アリアナはアンタに惚れてるのよ! まぁ、ダイル本人は知らないだろうけどさ……)
ダイルの無神経さに呆れつつ、シュカは尾行を続けた。
やがて二人は、人けのない空き家へと辿り着く。
どうやらここで遊ぶらしい。
(そういえば、ダイルの言っていた二人でしかできない遊びって……?)
まぁ、見ていれば分かるだろう。
すると、ダイルはアリアナを連れ込むようにして空き家の中へ消えていく。
(こんな密室に男女が二人きり。まさか……! ……って、ないか。だってダイルだし)
そう思いつつ、どこからか中を覗けないかを探すシュカ。
異変は、そのときだった。
バダン! という衝撃音が鳴る。
「ん! ――んん!」
続いて、どこかくぐもった、アリアナの悲鳴のような音。
シュカはアリアナがダイルに乱暴されているのではないのかと瞬時に思い浮かべ、空き家の入り口へと向かう。
しかし空き家の中の光景は、シュカの想像を絶するものだった。
●恐怖
アリアナが四肢と口元を押さえつけられている。
四肢を押さえつけるのは、水っぽく光を反射する触手のような何かだ。
そしてその触手は――――ダイルの口から生えていた。
「んんっ! んッ、んん――!!」
アリアナは抵抗するように体をくねらせるが、触手はびくともしない。
ダイルは意思がないように棒立ちをしていた。が、アリアナの抵抗では拘束を破れないことを確かめたかのように、次の行動をおこす。
アリアナを拘束する触手はそのままに、ダイルの口元で粘着質のソレが肥大化する。
ぼとり、と地面へ落ちたそれはぬめりと光る表面から新たな触手を形成し始めると、その触手を、凪ぐようにしてダイルの腹部を斬りつけた。
鮮血が横一線に飛び散り、その一部がアリアナへとかかる。
ダイルは斬られた衝撃で後方へと仰向けに倒れ、そのままピクリとも動くことはない。
「んんん!!」
すでに絶望で染まっていたアリアナの瞳から、涙が零れ落ちる。
粘液質のソレはアリアナの体を這うようにのぼり始める。
それが何を意味するか、この光景を見たものであれば辿り着くのは簡単だった。
「ん――!! んん゛!! んん゛!!! 」
頭部へとまとわり着いたソレに抵抗することすらできず、アリアナは呼吸困難に陥り白目をむく。
すべてがアリアナの体内に入りきると、空き家に残ったのはダイルの死体と血、アリアナだけとなった。
アリアナは足に力を入れ、弱弱しく立ち上がる。何事もなかったかのようにみえるアリアナだったが、空き家の惨状を加味すれば、それは異常の塊でしかない。
アリアナは、空き家の入り口へと視線を向けた。
そこには、だれもいなかった。
しかし、『アリアナは』知っていた。粘液質のアレには見えなかったかも知れないが、『アリアナは見ていた』
押さえつけられるアリアナを見て、何をすることもなく、恐怖に震えていたシュカを。
アリアナはシュカが覗いていた場所を眺めると、うっすらとその口角を吊り上げた。およそ少女では浮かべることのないような、気味の悪い顔だった。
●逃走
(なんなのよなんなのよなんなのよ! あれは!!)
シュカは走る。
自分がどの方角に向かっているか、意識することなく。
それほどまでに異常だった。
それほどまでに非現実的だった。
それほどまでに、恐怖した。
シュカは走った。
しかしそれは、集落のある方向とはまったく逆だった。
●偽りの証言
その日の夜。ダイルという少年が死体となって発見された。
これで二人目となる住人の死。十日前に死んだ旅人を合わせれば三人目となる。
その現場を目撃したと発言する少女――アリアナが、悲しむ住民の前で言った。
「シュカちゃんが……シュカちゃんがダイルくんを殺してたの!」
解説
目標:人間に寄生する雑魔に関する事態の収拾
登場人物
シュカ:12歳、女性。ダイル、アリアナとは幼馴染。OPの事件を目撃し、ハンターたちに依頼を出す。
ダイル:12歳、男性。雑魔に寄生されていたが、雑魔がアリアナに移る際に殺される。
アリアナ:12歳、女性。ダインの次に雑魔に寄生され、その後、集落の人に「シュカがダインを殺った」と嘘の証言をする。
雑魔について
・大きさは不明。体積は膨張・収縮が可能と想定する。
・攻撃手段は触手を利用。触手自体が切れ味を持っており、鞭のようにしなる刃をイメージするといい。
・宿主となっている人物から無理にはがそうとすれば、宿主が廃人化する恐れあり。
・外見のイメージは銀色のスライム。
・およそ五日で宿主をかえる。
・単体では知性を持たないが、宿主に寄生しているときは宿主の知識を得、思考することができ、これにより宿主本人のフリをして行動可能。
・これらの行動自体は、この雑魔が思考して行動するのではなく習性によるもの。
フィールドについて
・山に囲まれている集落。人口は六〇人ほど。
・戦闘場所は固定でないため、ハンターが自由に想定・選択可能。
注1)この雑魔、ハンターには寄生できません。
注2)『●恐怖』のシーンに居合わせたシュカをアリアナが目撃していること以外を、ハンターがOPから得る情報とする
登場人物
シュカ:12歳、女性。ダイル、アリアナとは幼馴染。OPの事件を目撃し、ハンターたちに依頼を出す。
ダイル:12歳、男性。雑魔に寄生されていたが、雑魔がアリアナに移る際に殺される。
アリアナ:12歳、女性。ダインの次に雑魔に寄生され、その後、集落の人に「シュカがダインを殺った」と嘘の証言をする。
雑魔について
・大きさは不明。体積は膨張・収縮が可能と想定する。
・攻撃手段は触手を利用。触手自体が切れ味を持っており、鞭のようにしなる刃をイメージするといい。
・宿主となっている人物から無理にはがそうとすれば、宿主が廃人化する恐れあり。
・外見のイメージは銀色のスライム。
・およそ五日で宿主をかえる。
・単体では知性を持たないが、宿主に寄生しているときは宿主の知識を得、思考することができ、これにより宿主本人のフリをして行動可能。
・これらの行動自体は、この雑魔が思考して行動するのではなく習性によるもの。
フィールドについて
・山に囲まれている集落。人口は六〇人ほど。
・戦闘場所は固定でないため、ハンターが自由に想定・選択可能。
注1)この雑魔、ハンターには寄生できません。
注2)『●恐怖』のシーンに居合わせたシュカをアリアナが目撃していること以外を、ハンターがOPから得る情報とする
マスターより
本作が二作目となります、新人の須崎なうです。
今回は人に寄生する雑魔の討伐です。アリアナの嘘発言により、シュカが犯人? と疑っている集落の人々の誤解をどう正すのか、方法も考えてみてください。
深読み回避のため、『OP終了の時点で雑魔に寄生されているのはアリアナ』という前提でおねがいします。
今回は人に寄生する雑魔の討伐です。アリアナの嘘発言により、シュカが犯人? と疑っている集落の人々の誤解をどう正すのか、方法も考えてみてください。
深読み回避のため、『OP終了の時点で雑魔に寄生されているのはアリアナ』という前提でおねがいします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/08/17 04:27
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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事態解決しよう! ソフィア =リリィホルム(ka2383) ドワーフ|14才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2017/08/07 19:27:12 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/08/05 09:48:49 |