ゲスト
(ka0000)
怒れる4匹のユニコーン
マスター:KINUTA

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 3~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2017/08/26 22:00
- リプレイ完成予定
- 2017/09/04 22:00
オープニング
●エルフハイムの森の中。
木陰の花に群がっていた蜜蜂と蝶々が飛び立つ。太い足と鳴き声が近づいてきたので。
ぎゃおーう。
鳴いているのは、ポニーくらいの大きさをしたドラゴン。色は青。
彼の名はブルー。とあるお金持ちの家に飼われている箱入りドラゴンだ。8匹の仲間と共にご主人の避暑地に来ていたのだが、二日前柵を超えて脱走。気の赴くまま飛んで行き、ふと気が付くと深い森の中。
要は迷子になったのだ。
呼べど叫べど、どこからも返事がない。そしてお腹が空いてきた。
ぎあおー。ぎあおー。
ブルーは人間に育てられてきたので餌の取り方を知らない。ウサギやリス、シカ、イノシシといった動物と時折出くわしても、ただ見過ごすだけ――そもそもそれらの生き物が食べられるものなのだということさえ理解していない。
ぎあう?
なにやら甘ずっぱい匂いがしてきた。のしのし歩いて行ってみると、赤い小さな果物が鈴なりになっていた。
果物が食べられることはブルーも知っている。おやつとして幾度か貰ったことがあるからだ。というわけで食べる。
しかしとてもじゃないがそれだけでは腹を満たせるものじゃない。いやむしろ、余計空腹感が増してきたような気さえしてきた。
もっと何かないかなあと、引き続き森の中をうろつき回る。
ぎゃう?
ブルーは急に立ち止まった。行く手の一角、森の一隅にぽかりと空間が出来ていたのである。
興味を覚え近づいてみると、きれいに揃えられたの真ん中にガラス張りの箱。花に埋もれた少女が1人、その中で眠っていた。
透ける金色の髪。煙るような睫。雪のように白い肌。一目見たら忘れられないような美少女。だがブルーはドラゴンなので、そんなこと意識しない。人間がいたということが嬉しくて尻尾を振る。この人が起きてくれたら食べるものをくれるに違いない。お家に帰ることも出来るに違いない。
ぎゃお、ぎゃお。
鼻先でガラス箱をつつく。しかし少女はなかなか起きない。
声が聞こえないのだろうか?
ぎあーう。
ならば、ということでブルーは、鍵爪のついた前足で、勢いよく箱の上部を叩いた。バリンと小気味いい音がしてガラスが割れた。
ブルーは少女の頬に直接鼻面を擦り付ける。
そのとき、背後でがさりと音がした。
ぎゃう?
振り向くとそこには、ついぞ見たことのない生物たちがいた。
白馬のようにも見えるが額の真ん中に一本角が生えている。皆、こぞって目を血走らせている。
ブルーは知らなかった。自分が今いる場所がエルフハイムの一角だということも、目の前にいる動物たちがユニコーンだということも、ガラスケースの中に入っている少女が人形であり、生身の乙女たちにユニコーンが付きまとわないように配置されている疑似餌であるということも……。
●ドラゴンSOS
「飼ってるドラゴンが行方不明になったって言われてもねえ……そもそも飼っていいものなのかしらってことよ」
ハンターの八橋杏子は見通しの悪い森を仲間と共に、進む。
「脱走対策はしてなかったのかしら?」
「していたけど、風切り羽の伸びが予想以上に早かったそうですよ」
「敵は飛べるからなあ。行動力は人間と比較にならないぞ。おまけにいなくなってもう2日たってるんだろ?」
現在一同は、迷子のドラゴンを捜している。依頼主はとあるお金持ち。9匹の色違いドラゴンを飼っていて、そのうち1匹が逃げたとの由。自由都市同盟内にある本宅から、国境山岳地帯の避暑地に連れてくる最中の出来事だったそうだ。
「しかしでけえ別荘だったよな……」
「軽く運動競技会出来そうでしたよね」
「いいな金持ちは……こちとら庭付き一戸建すら持てないのに……」
「羨むのは止めておきましょう。空しくなるだけです」
ドラゴンは一体どこへ行ってしまったのだろう。こちら方面へ飛んでいくのを見かけたという証言は、この界隈に住む木こり衆から取れているのだが。
心配しながら道なき道を進む。
そのとき、ものすごい叫び声が聞こえた。
ぎゃああああ! ぎゃあおおおおおおお!
バキバキバキバキ木がへし折れる音がする。何事かが起きているのは明らかだ。
ハンターたちは急いで、騒ぎが起きているだろう方向に走りだした。
ぎゃあああおおおんん!
森の中から青いドラゴンが飛び出してきた。
ハンターたちの姿を見るなり駆け寄ってきて、泣くような声を出す。
ごーう、がおーう。
見れば体中が傷だらけ。両翼の翼がきれいにむしられ、まるで丸焼きの鶏みたい。
子供とはいえドラゴンをここまで痛め付ける相手というのは何なのか――その答えは向こうからやってきた。
ドンッ……メキメキメキメキ。
自然破壊をしつつ突進してくるのは純白の体に銀のたてがみの美しき獣。『若く』『美しい』『心の清らな』『処女』をこよなく愛し倒す美しき幻獣、ユニコーン。
それが4匹もいる。フイゴのように鼻息を吹き出し、目は真っ赤に血走り――明らかに激怒しているようだ。
杏子が「げっ」と呻き、しわがれた声を出した。
「……なんであいつらがここにいんの……」
木陰の花に群がっていた蜜蜂と蝶々が飛び立つ。太い足と鳴き声が近づいてきたので。
ぎゃおーう。
鳴いているのは、ポニーくらいの大きさをしたドラゴン。色は青。
彼の名はブルー。とあるお金持ちの家に飼われている箱入りドラゴンだ。8匹の仲間と共にご主人の避暑地に来ていたのだが、二日前柵を超えて脱走。気の赴くまま飛んで行き、ふと気が付くと深い森の中。
要は迷子になったのだ。
呼べど叫べど、どこからも返事がない。そしてお腹が空いてきた。
ぎあおー。ぎあおー。
ブルーは人間に育てられてきたので餌の取り方を知らない。ウサギやリス、シカ、イノシシといった動物と時折出くわしても、ただ見過ごすだけ――そもそもそれらの生き物が食べられるものなのだということさえ理解していない。
ぎあう?
なにやら甘ずっぱい匂いがしてきた。のしのし歩いて行ってみると、赤い小さな果物が鈴なりになっていた。
果物が食べられることはブルーも知っている。おやつとして幾度か貰ったことがあるからだ。というわけで食べる。
しかしとてもじゃないがそれだけでは腹を満たせるものじゃない。いやむしろ、余計空腹感が増してきたような気さえしてきた。
もっと何かないかなあと、引き続き森の中をうろつき回る。
ぎゃう?
ブルーは急に立ち止まった。行く手の一角、森の一隅にぽかりと空間が出来ていたのである。
興味を覚え近づいてみると、きれいに揃えられたの真ん中にガラス張りの箱。花に埋もれた少女が1人、その中で眠っていた。
透ける金色の髪。煙るような睫。雪のように白い肌。一目見たら忘れられないような美少女。だがブルーはドラゴンなので、そんなこと意識しない。人間がいたということが嬉しくて尻尾を振る。この人が起きてくれたら食べるものをくれるに違いない。お家に帰ることも出来るに違いない。
ぎゃお、ぎゃお。
鼻先でガラス箱をつつく。しかし少女はなかなか起きない。
声が聞こえないのだろうか?
ぎあーう。
ならば、ということでブルーは、鍵爪のついた前足で、勢いよく箱の上部を叩いた。バリンと小気味いい音がしてガラスが割れた。
ブルーは少女の頬に直接鼻面を擦り付ける。
そのとき、背後でがさりと音がした。
ぎゃう?
振り向くとそこには、ついぞ見たことのない生物たちがいた。
白馬のようにも見えるが額の真ん中に一本角が生えている。皆、こぞって目を血走らせている。
ブルーは知らなかった。自分が今いる場所がエルフハイムの一角だということも、目の前にいる動物たちがユニコーンだということも、ガラスケースの中に入っている少女が人形であり、生身の乙女たちにユニコーンが付きまとわないように配置されている疑似餌であるということも……。
●ドラゴンSOS
「飼ってるドラゴンが行方不明になったって言われてもねえ……そもそも飼っていいものなのかしらってことよ」
ハンターの八橋杏子は見通しの悪い森を仲間と共に、進む。
「脱走対策はしてなかったのかしら?」
「していたけど、風切り羽の伸びが予想以上に早かったそうですよ」
「敵は飛べるからなあ。行動力は人間と比較にならないぞ。おまけにいなくなってもう2日たってるんだろ?」
現在一同は、迷子のドラゴンを捜している。依頼主はとあるお金持ち。9匹の色違いドラゴンを飼っていて、そのうち1匹が逃げたとの由。自由都市同盟内にある本宅から、国境山岳地帯の避暑地に連れてくる最中の出来事だったそうだ。
「しかしでけえ別荘だったよな……」
「軽く運動競技会出来そうでしたよね」
「いいな金持ちは……こちとら庭付き一戸建すら持てないのに……」
「羨むのは止めておきましょう。空しくなるだけです」
ドラゴンは一体どこへ行ってしまったのだろう。こちら方面へ飛んでいくのを見かけたという証言は、この界隈に住む木こり衆から取れているのだが。
心配しながら道なき道を進む。
そのとき、ものすごい叫び声が聞こえた。
ぎゃああああ! ぎゃあおおおおおおお!
バキバキバキバキ木がへし折れる音がする。何事かが起きているのは明らかだ。
ハンターたちは急いで、騒ぎが起きているだろう方向に走りだした。
ぎゃあああおおおんん!
森の中から青いドラゴンが飛び出してきた。
ハンターたちの姿を見るなり駆け寄ってきて、泣くような声を出す。
ごーう、がおーう。
見れば体中が傷だらけ。両翼の翼がきれいにむしられ、まるで丸焼きの鶏みたい。
子供とはいえドラゴンをここまで痛め付ける相手というのは何なのか――その答えは向こうからやってきた。
ドンッ……メキメキメキメキ。
自然破壊をしつつ突進してくるのは純白の体に銀のたてがみの美しき獣。『若く』『美しい』『心の清らな』『処女』をこよなく愛し倒す美しき幻獣、ユニコーン。
それが4匹もいる。フイゴのように鼻息を吹き出し、目は真っ赤に血走り――明らかに激怒しているようだ。
杏子が「げっ」と呻き、しわがれた声を出した。
「……なんであいつらがここにいんの……」
解説
補足説明
これはちびっこドラゴンのブルーくんをおうちに連れ帰るシナリオです。
連れ帰る前にまず、タタリ神と化したユニコーンをどうにかしなくてはいけません。
彼らは貴重な幻獣。けして殺してはいけません。力で押さえ付けなければならないこともありましょうから、攻撃は許可しますが、最低限に留めてください。
ユニコーンは、下手な歪虚より危険な生き物です。コメディといえど怪我をすることもありますので防備については怠りなく(特に男性。何もしなくても視界に入っただけで確実に攻撃されます)。
とはいえ、乙女がいれば割と簡単に話がつこうと思います。ユニコーンは乙女の言うことなら聞きますので(彼らの性癖もとい習性については、シナリオ「身も心も清らな乙女緊急募集 」を、疑似餌人形の詳細についてはシナリオ「これが僕の考えた最強の乙女 」を参考にしてください)。
ユニコーンの雄は独占欲が強く乙女を巡って仲間同士諍うのが日常茶飯事なのですが、ドラゴンという部外者が相手ということで、今回珍しく結束しています。
完全に殺す気でブルーを追い回すうちにエルフハイムの森を抜けてしまっているのですが、本人たちはそんなことをまったく意識していません。怒りに我を忘れている状態です。
ブルーは現在羽がむしられてしまっているので飛べない状態です。あちこち傷だらけですので、事態が落ち着きましたら、治療をお願いいたします(ブルーについての詳細はシナリオ「ドラゴンとお散歩」にあります。人懐こくてちょっと暴れん坊な子です)。
これはちびっこドラゴンのブルーくんをおうちに連れ帰るシナリオです。
連れ帰る前にまず、タタリ神と化したユニコーンをどうにかしなくてはいけません。
彼らは貴重な幻獣。けして殺してはいけません。力で押さえ付けなければならないこともありましょうから、攻撃は許可しますが、最低限に留めてください。
ユニコーンは、下手な歪虚より危険な生き物です。コメディといえど怪我をすることもありますので防備については怠りなく(特に男性。何もしなくても視界に入っただけで確実に攻撃されます)。
とはいえ、乙女がいれば割と簡単に話がつこうと思います。ユニコーンは乙女の言うことなら聞きますので(彼らの性癖もとい習性については、シナリオ「身も心も清らな乙女緊急募集 」を、疑似餌人形の詳細についてはシナリオ「これが僕の考えた最強の乙女 」を参考にしてください)。
ユニコーンの雄は独占欲が強く乙女を巡って仲間同士諍うのが日常茶飯事なのですが、ドラゴンという部外者が相手ということで、今回珍しく結束しています。
完全に殺す気でブルーを追い回すうちにエルフハイムの森を抜けてしまっているのですが、本人たちはそんなことをまったく意識していません。怒りに我を忘れている状態です。
ブルーは現在羽がむしられてしまっているので飛べない状態です。あちこち傷だらけですので、事態が落ち着きましたら、治療をお願いいたします(ブルーについての詳細はシナリオ「ドラゴンとお散歩」にあります。人懐こくてちょっと暴れん坊な子です)。
マスターより
KINUTAです。
乙女…乙女はいねえがあ・・・
乙女…乙女はいねえがあ・・・
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/09/01 01:43
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/08/21 21:39:40 |
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相談卓だよ 天竜寺 詩(ka0396) 人間(リアルブルー)|18才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2017/08/26 23:22:03 |