ゲスト
(ka0000)
【転臨】知追う者、馬鈴薯を売る
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/08/29 07:30
- リプレイ完成予定
- 2017/09/07 07:30
オープニング
●べリンガー家の考え
シャールズ・べリンガーは頭を悩ませている。イスルダ島奪還であれば、自分か息子が動くことは望ましい。
しかし、領主自ら出向くことのリスクと、まだ未熟な息子を送ることのリスク。領民すべての運命もかかってしまうというと大げさでもあるが、関連すると否定はできない。
「物資を送るにしても、うちの領地余剰があるかと言えば……あるのはラベンダーだな」
ラベンダー精油がいくら傷に効くと言っても、医薬品でもないし限度があるため役に立たない。
「さて……どうしよう」
ふとテーブルを見るとおやつとして妻が用意してくれたポテトチップスがあった。
「ポテト?」
ジャガイモなどどこから入手したのか? わざわざ茶請けに出てくる物でもない。
妻に問うと、息子のリシャール・べリンガーがクリシス家に出かけたときおすそ分けしてもらったという。
シャールズは友人のウィリアム・クリシスにそのことを問う。
「エトファリカの大江殿からもらったんだ」
との回答が得られた。
この近辺で物資を探しても数は限られる。それならばつてを頼って融通してもらうと良いだろう。
運ぶのも転移門を使えばいいが、荷物として運べる量は限られる。ユニットがあるほうがいいということになる。
戦闘に使えるようなユニットの入手は近隣の貴族に憶測を呼ぶ危険もある。いや、どれも使おうと思えば使えるが、用途を考えて行かないとならない。シャールズは悩んだがすぐにきっぱりと決め、まず、リシャールを呼ぶ。
しばらくすると訓練中だったらしく、小袖に袴といういで立ちでやってきた。
「父上、どうかしたのですか?」
「リシャールにユニットを借りてあげようと思う」
「え?」
「それと、エトファリカに行ってもらうことになると思う」
「ん?」
「いや、ジャガイモを買いに行ってもらうと思うから」
「……ユニットって結局……手押し車の代わりですよね」
「リシャール賢いな」
説明を聞いてリシャールは理解した。
「さすがに、イスルダ島に行く手伝いをすると言い出すことはしません。それで役に立てるなら頑張りたいです」
シャールズはホッと息を吐いた。
「魔導トラック」
リシャールはそれはそれで嬉しそうだった。
●大江家
大江 紅葉はそこでそのようなことをするつもりはなかった。
ハンターと付き合う上で、もっと自分も術を使える方がいいなとか、知識ばかりで術使えないのも嫌だなと向上心が生まれたからそこに向かったのだった。それに、そろそろ元住んでいたところで浄化もしちゃわないといけない事態だ。
そして、修業熱が湧いた紅葉はそのための場所を探した。天ノ都からちょっと行ったところにある山ぽいところに人気がなく、ちょうどよさそうな川と滝を見つけた。幸いなのが妖怪や動物が少ないことだ。
最初はまじめに滝行したり、術を試したりあれこれしていた。
そして、紅葉は気づいた。
その滝の前の空き地が結構広いということに。そして、土も固くなく何か育てられそうだなということに。
それからしばらくして、なんとなく「ジャガイモ」を仕入れて植えることにした。
ジャガイモの花を見た。
そして、収穫ができそうだった。すでに試しに収穫してみて一部おすそ分けもしていた。
「このジャガイモを見せたらじいたち驚きます」
自分一人でやり切ったことに紅葉は満足していた。
収穫するにしても刻令術の機械をここまで持ってこられない。距離があることと道幅が耐えられないだろうということ。そのため、背負い籠に入れて自分で持って帰らないとならない。
「最初は持って帰って驚かせるのです! その後、皆で収穫すればいいのです」
紅葉は上機嫌だった。
修業そっちのけでジャガイモの面倒を見ていた。
今日も水やりにやってきた。
「……ほ、掘り返されていますっ!?」
足跡はイノシシのようだ。
「で、でも妙に大きいです」
掘り返した後のジャガイモが転がっていることも気になった。イノシシなら食べるに違いない。
「……これは……」
さっさと水やりをして一旦帰ることにする。何かあったらすぐに術を使うんだと心に決めて。
幸い、何もなくたどり着いた。
「宗主、お客様がいらっしゃっています。家令が相手中です」
紅葉は手足を洗い、衣類を改め部屋に向かった。
「ああ、紅葉殿。突然の来訪を許されよ」
「いえ、べリンガーさん、お久しぶりです」
シャールズとあいさつを交わす。世間話をしたりした後、本題がやってきた。
「ところで、紅葉殿、ジャガイモってどのくらいあ――」
「じゃ、ジャガイモ!」
紅葉の声が裏返った。
家令は「そんなのありません」と否定しようとしたが、紅葉の反応を見て「うちの宗主何やらかしたんだ」という思いが去来している。
「……宗主、何をしたんですか? 怒らないので正直にお話しください」
紅葉が冷や汗をドバっとかく。
(ん? 家令が知らない? これは好機か?)
シャールズは思いながら聞いているが、あまりそこまで駆け引きが必要と思えない。
「えええと……実は……」
ジャガイモを植えた経緯を話した。
「宗主、なぜ、町の外に一人で出るんですか!」
「怒らないって言ったじゃないですか」
「言いましたが、ジャガイモのことは怒りません。町を一人で出ることは危険です! そのことを怒っているのです」
「ひどい……ま、間違っていないのが悔しいです」
紅葉は黙る。
「……べリンガーさん、ジャガイモ必要なのですか?」
「……え、ええ、兵糧として入手できればと」
「分かりました、お売りします!」
紅葉はキパリという。
「うちで食べる分だけは残してください。あとは売ります!」
「……出来が悪いとか」
「それはありません! 推定イノシシ雑魔が掘り返すほどです」
シャールズはその意味を理解した。こっそり植えたジャガイモで、ハンターにも依頼出せないならここで放出したほうがどちらのためにもなる、と。
「分かりました、値段交渉をしましょう」
紅葉はシャールズは相場と値段を突き合わせあれこれ言い合った。雑魔退治も必要ということでその経費を除いて決定された。
シャールズ・べリンガーは頭を悩ませている。イスルダ島奪還であれば、自分か息子が動くことは望ましい。
しかし、領主自ら出向くことのリスクと、まだ未熟な息子を送ることのリスク。領民すべての運命もかかってしまうというと大げさでもあるが、関連すると否定はできない。
「物資を送るにしても、うちの領地余剰があるかと言えば……あるのはラベンダーだな」
ラベンダー精油がいくら傷に効くと言っても、医薬品でもないし限度があるため役に立たない。
「さて……どうしよう」
ふとテーブルを見るとおやつとして妻が用意してくれたポテトチップスがあった。
「ポテト?」
ジャガイモなどどこから入手したのか? わざわざ茶請けに出てくる物でもない。
妻に問うと、息子のリシャール・べリンガーがクリシス家に出かけたときおすそ分けしてもらったという。
シャールズは友人のウィリアム・クリシスにそのことを問う。
「エトファリカの大江殿からもらったんだ」
との回答が得られた。
この近辺で物資を探しても数は限られる。それならばつてを頼って融通してもらうと良いだろう。
運ぶのも転移門を使えばいいが、荷物として運べる量は限られる。ユニットがあるほうがいいということになる。
戦闘に使えるようなユニットの入手は近隣の貴族に憶測を呼ぶ危険もある。いや、どれも使おうと思えば使えるが、用途を考えて行かないとならない。シャールズは悩んだがすぐにきっぱりと決め、まず、リシャールを呼ぶ。
しばらくすると訓練中だったらしく、小袖に袴といういで立ちでやってきた。
「父上、どうかしたのですか?」
「リシャールにユニットを借りてあげようと思う」
「え?」
「それと、エトファリカに行ってもらうことになると思う」
「ん?」
「いや、ジャガイモを買いに行ってもらうと思うから」
「……ユニットって結局……手押し車の代わりですよね」
「リシャール賢いな」
説明を聞いてリシャールは理解した。
「さすがに、イスルダ島に行く手伝いをすると言い出すことはしません。それで役に立てるなら頑張りたいです」
シャールズはホッと息を吐いた。
「魔導トラック」
リシャールはそれはそれで嬉しそうだった。
●大江家
大江 紅葉はそこでそのようなことをするつもりはなかった。
ハンターと付き合う上で、もっと自分も術を使える方がいいなとか、知識ばかりで術使えないのも嫌だなと向上心が生まれたからそこに向かったのだった。それに、そろそろ元住んでいたところで浄化もしちゃわないといけない事態だ。
そして、修業熱が湧いた紅葉はそのための場所を探した。天ノ都からちょっと行ったところにある山ぽいところに人気がなく、ちょうどよさそうな川と滝を見つけた。幸いなのが妖怪や動物が少ないことだ。
最初はまじめに滝行したり、術を試したりあれこれしていた。
そして、紅葉は気づいた。
その滝の前の空き地が結構広いということに。そして、土も固くなく何か育てられそうだなということに。
それからしばらくして、なんとなく「ジャガイモ」を仕入れて植えることにした。
ジャガイモの花を見た。
そして、収穫ができそうだった。すでに試しに収穫してみて一部おすそ分けもしていた。
「このジャガイモを見せたらじいたち驚きます」
自分一人でやり切ったことに紅葉は満足していた。
収穫するにしても刻令術の機械をここまで持ってこられない。距離があることと道幅が耐えられないだろうということ。そのため、背負い籠に入れて自分で持って帰らないとならない。
「最初は持って帰って驚かせるのです! その後、皆で収穫すればいいのです」
紅葉は上機嫌だった。
修業そっちのけでジャガイモの面倒を見ていた。
今日も水やりにやってきた。
「……ほ、掘り返されていますっ!?」
足跡はイノシシのようだ。
「で、でも妙に大きいです」
掘り返した後のジャガイモが転がっていることも気になった。イノシシなら食べるに違いない。
「……これは……」
さっさと水やりをして一旦帰ることにする。何かあったらすぐに術を使うんだと心に決めて。
幸い、何もなくたどり着いた。
「宗主、お客様がいらっしゃっています。家令が相手中です」
紅葉は手足を洗い、衣類を改め部屋に向かった。
「ああ、紅葉殿。突然の来訪を許されよ」
「いえ、べリンガーさん、お久しぶりです」
シャールズとあいさつを交わす。世間話をしたりした後、本題がやってきた。
「ところで、紅葉殿、ジャガイモってどのくらいあ――」
「じゃ、ジャガイモ!」
紅葉の声が裏返った。
家令は「そんなのありません」と否定しようとしたが、紅葉の反応を見て「うちの宗主何やらかしたんだ」という思いが去来している。
「……宗主、何をしたんですか? 怒らないので正直にお話しください」
紅葉が冷や汗をドバっとかく。
(ん? 家令が知らない? これは好機か?)
シャールズは思いながら聞いているが、あまりそこまで駆け引きが必要と思えない。
「えええと……実は……」
ジャガイモを植えた経緯を話した。
「宗主、なぜ、町の外に一人で出るんですか!」
「怒らないって言ったじゃないですか」
「言いましたが、ジャガイモのことは怒りません。町を一人で出ることは危険です! そのことを怒っているのです」
「ひどい……ま、間違っていないのが悔しいです」
紅葉は黙る。
「……べリンガーさん、ジャガイモ必要なのですか?」
「……え、ええ、兵糧として入手できればと」
「分かりました、お売りします!」
紅葉はキパリという。
「うちで食べる分だけは残してください。あとは売ります!」
「……出来が悪いとか」
「それはありません! 推定イノシシ雑魔が掘り返すほどです」
シャールズはその意味を理解した。こっそり植えたジャガイモで、ハンターにも依頼出せないならここで放出したほうがどちらのためにもなる、と。
「分かりました、値段交渉をしましょう」
紅葉はシャールズは相場と値段を突き合わせあれこれ言い合った。雑魔退治も必要ということでその経費を除いて決定された。
解説
●ハンターへの依頼
エトファリカ連邦国でジャガイモ掘り。昼食にジャガイモを食べることはできます。
ジャガイモは山の下までは人力で運ばないとならない。
なお、雑魔か野生動物の出現がありうる。あまり外れるとハチの巣がある可能性も否定できない。
●隠し畑
道から来て正面に浅瀬の川と湧水が飛び出し滝っぽいところがある。
道中は道幅1メートルくらいの山道を二十分ほど登ることになる。木々が覆い茂っている山。
大きさは10×10メートルほど、周囲は2メートルほどの草地、その先は起伏があり、木が茂っている。
□=1スクエア、作付け部分
川川川川川川川
草草草草草草草
草□□□□□草
草□□□□□草
草□□□□□草
草□□□□□草
草□□□□□草
草道草草草草草
木道木木木木木
↓
下り
●遭遇しそうなもの
イノシシ(生死不明)×1、ハチ×……?
●同行NPC
・大江 紅葉 道案内もかねてついて行く。ジャガイモ畑のオーナーということになっている。
・リシャール・べリンガー 15歳男、舞刀士。魔導トラックを与えられ、ジャガイモ運搬を請け負う。
エトファリカ連邦国でジャガイモ掘り。昼食にジャガイモを食べることはできます。
ジャガイモは山の下までは人力で運ばないとならない。
なお、雑魔か野生動物の出現がありうる。あまり外れるとハチの巣がある可能性も否定できない。
●隠し畑
道から来て正面に浅瀬の川と湧水が飛び出し滝っぽいところがある。
道中は道幅1メートルくらいの山道を二十分ほど登ることになる。木々が覆い茂っている山。
大きさは10×10メートルほど、周囲は2メートルほどの草地、その先は起伏があり、木が茂っている。
□=1スクエア、作付け部分
川川川川川川川
草草草草草草草
草□□□□□草
草□□□□□草
草□□□□□草
草□□□□□草
草□□□□□草
草道草草草草草
木道木木木木木
↓
下り
●遭遇しそうなもの
イノシシ(生死不明)×1、ハチ×……?
●同行NPC
・大江 紅葉 道案内もかねてついて行く。ジャガイモ畑のオーナーということになっている。
・リシャール・べリンガー 15歳男、舞刀士。魔導トラックを与えられ、ジャガイモ運搬を請け負う。
マスターより
こんにちは、狐野径です。
【転臨】なのにいきなりグラズヘイム王国から離れるMSです。
さて今回は芋掘りが基本です。
雑魔には注意で……生死不明のイノシシは数は多くはありません。ハチは多いかもしれませんが。
よろしくお願いします。
【転臨】なのにいきなりグラズヘイム王国から離れるMSです。
さて今回は芋掘りが基本です。
雑魔には注意で……生死不明のイノシシは数は多くはありません。ハチは多いかもしれませんが。
よろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/09/03 17:46
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
じゃが芋掘りと猪と蜂? 穂積 智里(ka6819) 人間(リアルブルー)|18才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2017/08/29 00:18:58 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/08/27 21:51:35 |