ゲスト
(ka0000)
【孤唱】二つの影と人形の家
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 3~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/09/05 09:00
- リプレイ完成予定
- 2017/09/14 09:00
オープニング
●人形が欲しい
憂悦孤唱プエルはふてくされながら歩いていた。ついてくるのは拾った犬と三十から五十センチくらいのプエル人形が五体。
「あーあー、おうちがほしいなぁ」
グラズヘイム王国を無に帰すための拠点だった家をハンターに見つけられ追い出された。それから、どうしたらいいのか考えつつ、さまよっていた。
「父上のところはなぁあ……」
最近精霊の姿が見えるということは、記憶によればあの町にいるはずなのだ。
「後回し……それにしてもここ、誰かいるみたいなんだよな……」
集落を抜けて森に入ってから何か視線も感じる。
「空き家があればいいのだけど……」
道が途切れたところに社があり、等身大の人形がある。
「あああっ! こ、これは、僕にどうぞってことかな!」
プエルは自分の人形を鞄にしまって、その人形に集中した。
人形は立つとプエルと同じくらいの身長だ。
「こらあああ! わしのアデルに何をしているんじゃ!」
「!?」
老翁に怒鳴られ、プエルは驚く。杖を振り上げながら、老翁は向かってくる。
「お、おおう! 精霊さまはわしの思いを聞き入れてくれたか!」
「ええ?」
「動いておる」
「余の力だ!」
胸を張った。
「何を言う! ここの精霊さまにアデルを生き返らしてほしいと願って、わしが作った人形を奉納したのだ!」
「余の力だから! ……人形を作る?」
「そうじゃ! わしは人形作りじゃからな」
「じゃああ、余も行ってあげる! 余がいればこれ動くよ? だから、余にも人形作って!」
「……お前がいないと動かないのか?」
老翁はしおれる。
「でも、お前がいればいいのか」
「うん」
「……なら、良いだろう。どんな人形が欲しいのか?」
プエルはにっこりとほほ笑んで作ってもらいたいものを告げた。
●目撃者
ルースは意気消沈していた。
三か月前、森の奥で遭ったがけ崩れで恋人のアデルがなくなったからだ。彼もその場にいた。
少年少女でその場所でベリー摘みを年に一度行うのが習わしだった。
森でも村に近いところは危険は大したことはないが、奥に行けば行くほど野生動物が増える上、雑魔の発生もありうるため危険は増す。そこで、警戒し食料を得て、また戦い生き残るすべを学ぶというのがそのベリー摘みの目標だ。
遊び半分、仕事半分。
崖崩が起こるとは誰も気づいていなかった。
ベリー摘みをしていたところに、土砂が流れ込み、木が倒れてきた。
アデルは自分より小さい子が近くにいたのをかばってうずくまった。そこに木が倒れたのをルースは見た。何もできなかった。
ルースはアデルが死んだとは信じたくはなかった。
ルースは落ち込んだ、何もできなかった自分を呪った。
ある日、森にある社の話を思い出した。
もともと社には森を守ってくれる何かがいるとされていた。もちろん、迷信だと言われていたが、森の中の安全を願う狩人や樵は掃除をしたり、祈ったりしていた。
半年前くらいからそこで願ったことがかなったという噂が大人たちに流れていたのだ。
クマが手前まで来ているからどうにかしてほしい。
雑魔が出ているみたいだどうにかできないか。
これらが解決されたのだった。
村人は祈ったが、自分たちで倒すか奥に追いやるか、ハンターを頼むかという選択肢を用意していたのだ。
社の精霊には報告をしていたに過ぎなかった。
これらのことから願いが叶うのではルースは思った。
社に行き、アデルにもう一度会いたいと願った。
何度か行き祈った。
それは、アデルの祖父も同じだったようで、社に人形が置いてあった。
死者は蘇らない、わかっているがすがりたかった。
この日、ルースが自分の家の畑から帰るときにセフェットがアデルと歩いているのを見て驚愕した。
「う、そ、だろ」
急いで行って話したいと考えた。
しかし、足が震えて動けなかった。喜びと恐怖の入り乱れた気持ちに自分自身驚いた。
「セフェットさんのところ、明日でも行ってみよう」
ルースは気持ちを落ち着かせるようにした。
●それ
森の入り口付近に魔術師テレクは住んでいた。森について調査研究をしていたが、半年くらい前から面白いというものを見つけた。
当初は本当に「精霊」がいるのかと思っていたが、どうやらそれが「歪虚」だと気づいたのはがけ崩れが起こるより前だった。
その歪虚に観察しているのがばれた。
別に村人に手を出したりしないとそれは言う。
ただ、世界を教えてほしいと傲慢な態度で希った。
断った場合、お前をまず殺すと告げられた。
テレクは従った。命が惜しかったし、歪虚を観察できるというありえないことがあったからだ。
この時点で村人に言って討伐する選択肢もあった。しかし、その歪虚にからめとられてしまった。
そして、この日、テレクが社に訪れると、それは告げた。
「下僕がほしい、歪虚の。さっき、嫉妬の奴がいた」
不敵に笑いそれは言う。
「もちろん、お前は重要だよ? でも、やはり、歪虚の下僕もほしい。だから、あれを連れてきて、ここにひざまずかせたい」
「分かりました……あ、あの……」
「なんだ?」
「ハンターに依頼を出しても問題ないでしょうか?」
それは逡巡する。
「この村を思ったら、やめておいたほうがいいだろうな」
金がないだろう、と続けるのだった。
●手紙
町に買い出しに行くという村人にテレクは手紙を渡した。宛名のところについでにもっていってほしいと。
手紙を受け取ったハンターズソサエティの職員はすぐに依頼を出した。
内容は次の通り。
この町の先にある、山間の村に歪虚が二体いる。一体は流れてきているだけで去っていく可能性もあるが嫉妬に属するものであり、人形師セフェットの家の近辺にいるようだ。
もう一体は社に住む傲慢の歪虚。村人の願いを聞くふりをしつつ、力を蓄えてきたようだ。これが村の支配を徐々に望んでいると考えられる。
手紙を出したテレクはそれにばれないか不安な気持ちでいっぱいで時を過ごすこととなった。
憂悦孤唱プエルはふてくされながら歩いていた。ついてくるのは拾った犬と三十から五十センチくらいのプエル人形が五体。
「あーあー、おうちがほしいなぁ」
グラズヘイム王国を無に帰すための拠点だった家をハンターに見つけられ追い出された。それから、どうしたらいいのか考えつつ、さまよっていた。
「父上のところはなぁあ……」
最近精霊の姿が見えるということは、記憶によればあの町にいるはずなのだ。
「後回し……それにしてもここ、誰かいるみたいなんだよな……」
集落を抜けて森に入ってから何か視線も感じる。
「空き家があればいいのだけど……」
道が途切れたところに社があり、等身大の人形がある。
「あああっ! こ、これは、僕にどうぞってことかな!」
プエルは自分の人形を鞄にしまって、その人形に集中した。
人形は立つとプエルと同じくらいの身長だ。
「こらあああ! わしのアデルに何をしているんじゃ!」
「!?」
老翁に怒鳴られ、プエルは驚く。杖を振り上げながら、老翁は向かってくる。
「お、おおう! 精霊さまはわしの思いを聞き入れてくれたか!」
「ええ?」
「動いておる」
「余の力だ!」
胸を張った。
「何を言う! ここの精霊さまにアデルを生き返らしてほしいと願って、わしが作った人形を奉納したのだ!」
「余の力だから! ……人形を作る?」
「そうじゃ! わしは人形作りじゃからな」
「じゃああ、余も行ってあげる! 余がいればこれ動くよ? だから、余にも人形作って!」
「……お前がいないと動かないのか?」
老翁はしおれる。
「でも、お前がいればいいのか」
「うん」
「……なら、良いだろう。どんな人形が欲しいのか?」
プエルはにっこりとほほ笑んで作ってもらいたいものを告げた。
●目撃者
ルースは意気消沈していた。
三か月前、森の奥で遭ったがけ崩れで恋人のアデルがなくなったからだ。彼もその場にいた。
少年少女でその場所でベリー摘みを年に一度行うのが習わしだった。
森でも村に近いところは危険は大したことはないが、奥に行けば行くほど野生動物が増える上、雑魔の発生もありうるため危険は増す。そこで、警戒し食料を得て、また戦い生き残るすべを学ぶというのがそのベリー摘みの目標だ。
遊び半分、仕事半分。
崖崩が起こるとは誰も気づいていなかった。
ベリー摘みをしていたところに、土砂が流れ込み、木が倒れてきた。
アデルは自分より小さい子が近くにいたのをかばってうずくまった。そこに木が倒れたのをルースは見た。何もできなかった。
ルースはアデルが死んだとは信じたくはなかった。
ルースは落ち込んだ、何もできなかった自分を呪った。
ある日、森にある社の話を思い出した。
もともと社には森を守ってくれる何かがいるとされていた。もちろん、迷信だと言われていたが、森の中の安全を願う狩人や樵は掃除をしたり、祈ったりしていた。
半年前くらいからそこで願ったことがかなったという噂が大人たちに流れていたのだ。
クマが手前まで来ているからどうにかしてほしい。
雑魔が出ているみたいだどうにかできないか。
これらが解決されたのだった。
村人は祈ったが、自分たちで倒すか奥に追いやるか、ハンターを頼むかという選択肢を用意していたのだ。
社の精霊には報告をしていたに過ぎなかった。
これらのことから願いが叶うのではルースは思った。
社に行き、アデルにもう一度会いたいと願った。
何度か行き祈った。
それは、アデルの祖父も同じだったようで、社に人形が置いてあった。
死者は蘇らない、わかっているがすがりたかった。
この日、ルースが自分の家の畑から帰るときにセフェットがアデルと歩いているのを見て驚愕した。
「う、そ、だろ」
急いで行って話したいと考えた。
しかし、足が震えて動けなかった。喜びと恐怖の入り乱れた気持ちに自分自身驚いた。
「セフェットさんのところ、明日でも行ってみよう」
ルースは気持ちを落ち着かせるようにした。
●それ
森の入り口付近に魔術師テレクは住んでいた。森について調査研究をしていたが、半年くらい前から面白いというものを見つけた。
当初は本当に「精霊」がいるのかと思っていたが、どうやらそれが「歪虚」だと気づいたのはがけ崩れが起こるより前だった。
その歪虚に観察しているのがばれた。
別に村人に手を出したりしないとそれは言う。
ただ、世界を教えてほしいと傲慢な態度で希った。
断った場合、お前をまず殺すと告げられた。
テレクは従った。命が惜しかったし、歪虚を観察できるというありえないことがあったからだ。
この時点で村人に言って討伐する選択肢もあった。しかし、その歪虚にからめとられてしまった。
そして、この日、テレクが社に訪れると、それは告げた。
「下僕がほしい、歪虚の。さっき、嫉妬の奴がいた」
不敵に笑いそれは言う。
「もちろん、お前は重要だよ? でも、やはり、歪虚の下僕もほしい。だから、あれを連れてきて、ここにひざまずかせたい」
「分かりました……あ、あの……」
「なんだ?」
「ハンターに依頼を出しても問題ないでしょうか?」
それは逡巡する。
「この村を思ったら、やめておいたほうがいいだろうな」
金がないだろう、と続けるのだった。
●手紙
町に買い出しに行くという村人にテレクは手紙を渡した。宛名のところについでにもっていってほしいと。
手紙を受け取ったハンターズソサエティの職員はすぐに依頼を出した。
内容は次の通り。
この町の先にある、山間の村に歪虚が二体いる。一体は流れてきているだけで去っていく可能性もあるが嫉妬に属するものであり、人形師セフェットの家の近辺にいるようだ。
もう一体は社に住む傲慢の歪虚。村人の願いを聞くふりをしつつ、力を蓄えてきたようだ。これが村の支配を徐々に望んでいると考えられる。
手紙を出したテレクはそれにばれないか不安な気持ちでいっぱいで時を過ごすこととなった。
解説
村に住み着いている歪虚の討伐
人形師の家にいる歪虚の動向調査
●村の状況
のんびりとして穏やかな場所である。町からも近いため、静かな環境を求めて移り住んだ人もいます。
生活の糧は森の恵みと自宅用の畑くらいです。
社は小さなもので、森での安全祈願といったものを願う村ができたころからあるものです。
●敵
傲慢の歪虚らしい。強さや能力については不明。青年の姿をしているが、蝙蝠のような翼を有しているのだけは手紙には記されている。
●NPC
・ルース アデルの恋人だった少年。
・憂悦孤唱プエル 嫉妬の歪虚で元人間。一人ぽっちになってから、人形を動かすのを頑張るようになった。現在、セフェットのところでぬくぬくしている。
・アデル人形 等身大の赤毛でおさげの人形。
・セフェット 人形師の老翁。妻も一緒に住んでいる。
・テレク 村に引っ越して森の恵み研究をしている中年の魔術師。村人との関係も良好。
人形師の家にいる歪虚の動向調査
●村の状況
のんびりとして穏やかな場所である。町からも近いため、静かな環境を求めて移り住んだ人もいます。
生活の糧は森の恵みと自宅用の畑くらいです。
社は小さなもので、森での安全祈願といったものを願う村ができたころからあるものです。
●敵
傲慢の歪虚らしい。強さや能力については不明。青年の姿をしているが、蝙蝠のような翼を有しているのだけは手紙には記されている。
●NPC
・ルース アデルの恋人だった少年。
・憂悦孤唱プエル 嫉妬の歪虚で元人間。一人ぽっちになってから、人形を動かすのを頑張るようになった。現在、セフェットのところでぬくぬくしている。
・アデル人形 等身大の赤毛でおさげの人形。
・セフェット 人形師の老翁。妻も一緒に住んでいる。
・テレク 村に引っ越して森の恵み研究をしている中年の魔術師。村人との関係も良好。
マスターより
こんにちは、狐野径です。
【孤唱】第二弾です。前回からの続きですが、OPに記載している状況のみを理解していただければ問題ありません。
プエルはどこに向かうつもりなのか、新たな歪虚の影が!
よろしくお願いします。
【孤唱】第二弾です。前回からの続きですが、OPに記載している状況のみを理解していただければ問題ありません。
プエルはどこに向かうつもりなのか、新たな歪虚の影が!
よろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/09/10 19:02
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談と宣言と調整と( ミリア・ラスティソード(ka1287) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2017/09/05 05:13:05 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/09/04 08:42:07 |