ゲスト
(ka0000)
【初心】闇に惑う蛮勇の少年
マスター:ことね桃

このシナリオは3日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加制限
- LV1~LV20
- 参加人数
- 現在8人 / 3~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/09/06 12:00
- リプレイ完成予定
- 2017/09/18 12:00
オープニング
ある地方に廃鉱がある。
そこはかつて良質の鉄が採れることで知られたが、その採掘にあまりにも多くの人が押し寄せ、ほんの5年のうちに掘り尽くされてしまった。
今は錆びついた鎖が入り口を封鎖し、「立ち入り禁止」と書かれたプレートが風に虚しく揺れるだけ。
かつてこの鉱山のおかげで潤った麓の村人たちも、廃鉱になってから20年が経過した今となってはこの地の存在を忘れかけていたのだった。
そんなある日のこと。
「裏のデカい山の立ち入り禁止のとこ、昔は坑道だったらしいぜ」
学校からの帰り道に麓の村の少年ジャンが友人たちを集め、廃鉱の話題を切り出した。
すると子供たちの多くに心当たりがあるようで次々と反応を示す。
「ああ、俺もとーちゃんから聞いたことあるよ。あそこから出てきた鉄がいい値段で売れたんだって。中にはハンターが使う剣や鎧になったものもあるんだぞって言ってた」
「うちのじいちゃんは鉱山で警備の責任者をしてたんだぜ。今じゃ信じられないくらい給料をもらってたっていうから、よっぽどいい鉄が埋まってたんだろうな」
件の山の名産品だった鉄の逸話を聞き、ジャンは満足そうに何度も頷いた。
「そうなんだよ。あの山は昔、宝の山だったんだ。でも大人達は鉄が見つからなくなった途端、諦めてあそこを立ち入り禁止にしてしまったんだよな」
どこか訳知り顔の彼に対し、友人達は不思議そうに目を瞬かせた。
「うん、それは知ってるけど……で、それがどうしたんだ?」
その質問にジャンはようやく本題に入れるとばかりに満面の笑みを浮かべた。
「実は夕べ、親父たちが寄合所であそこの調査をしようって話をしていたんだ。俺は外から話し声を少し聞いただけだから詳しいことはわからない。でもあそこになんか凄いものがあるらしい。大人たちが調査する前に俺らでお宝探しに行かないか!?」
ジャンからの思いがけない情報提供と提案に子供達は目を白黒させた。
「えっ、それは聞いたことないよ。……でも立ち入り禁止のとこに入ってもいいのかなあ」
「凄いものってなんだろ。鉄じゃないなら金? それとも宝石?」
「まさか! そんな価値のあるものなら閉鎖する前に話に出てもおかしくないだろ」
「気にはなるけど……バレたら父ちゃん母ちゃんだけじゃなくて、先生にも怒られそうだなあ……」
不安が入り混じるざわめきに、少々気の短いジャンは苛立ちを含んだ声を放った。
「ああ、もうわかったよ! それじゃあ俺が1人で先行調査してやる。何か見つかったら明日教えてやるから、そしたら今度は皆で行こうぜ」
「ジャン、無茶はダメだよ。父ちゃんが言ってた。あそこは人が勝手に穴を開けて道を作ったから危ないところがいっぱいあるんだ、ずっと放ってたから中がどうなっているのかわからないんだよって……」
おずおずと心配そうに声をかける友人。
しかしガキ大将のジャンは一度言ったことを撤回することなどできない。
「うるさいな! 俺はお前らと違って勇気があんだよ。絶対すげえモン見つけてくっから待ってろよな!」
ふん、と鼻息を荒くして駆け出す彼を友人達は心配そうに見送った。
その日の夜、ジャンは早めの夕食をとった後に古いランタンを持ってこっそりと裏口から外出した。
誰にも見つからぬよう茂みの間を縫うように移動し、坑道の入り口間近の木陰に身を隠す。
入り口の前では村の若い男がランタンを手に周囲を監視していたが、ジャンが石を遠くに投げつけて音を立てると、男は音の正体を確認するべく持ち場から離れていく。その僅かな隙にジャンは錆びた鎖を掻い潜って坑道へと侵入を果たした。
無言のまま歩き続けたジャンがようやく辿りついたのは月の光が一切届かぬ広い空洞だった。おそらくはここで鉱夫たちが休憩したり、ミーティングを行われていたのだろう。
そのかつての賑わいの面影は今は全く存在せず、闇しかない。ランタンに炎を灯す手がぶるりと震える。しかしまだ道半ば。ここで退いてはガキ大将の名がすたる。
「すげーハクリョク……いやいや、ここで男を見せねーと!」
ジャンはお菓子を詰めたリュックサックを担ぎ直し、ランタンを高く掲げると闇の中に足を大きく踏み出すのだった。
その頃、ジャンの家では大きな騒ぎとなっていた。
大切な息子が突然姿を消しただけでなく、どうやらあの危険な坑道に向かったらしいというのだから。
ジャンの母が息子の友人や監視役の男から事情を聴くと真っ青な顔で夫に報告する。
「まさかあの子が『雑魔がいるかもしれない坑道』に行ってしまうなんて……!」
「ああ、ハンターに調査を依頼する矢先にこんなことになるとは……」
あの坑道から奇妙な音が聞こえるという話が一昨日からこの村で話題となっていた。
廃鉱から鈍く響いてくる、規則的な複数の重い音。まるで、足音のような。
その奇妙さから村の有志が集まり、ハンターオフィスに坑道の調査を依頼しようと決めたのが昨日の夜のことだった。
しかし日中に用事が立て込み、これから相談に行こうと思っていたところのこの事態である。
父は逸る気持ちを抑えつつ、ハンターオフィスに向けて全力で馬を走らせた。
ジャンの父から事情を聴いたオフィスの受付嬢は苦い表情を浮かべ、集まったハンターたちに状況を説明する。
「今回の依頼は坑道という、非常に入り組んだ地形での探索活動となります。おまけに雑魔もいるかもしれない……そのため複数のグループに依頼することにしました」
受付嬢は自分の目の前に並ぶ、まだ初々しさの残るハンター達の顔をじっと見た。
「あなたたちはまだ経験の浅いハンターです。しかしベテランのハンターも続きますので、臆することなく力を尽くしてください。暗闇と恐怖に竦んでいるであろう少年を救うために」
ハンター達は頷きあうと、それぞれの得物を手にオフィスから旅立つのだった。
そこはかつて良質の鉄が採れることで知られたが、その採掘にあまりにも多くの人が押し寄せ、ほんの5年のうちに掘り尽くされてしまった。
今は錆びついた鎖が入り口を封鎖し、「立ち入り禁止」と書かれたプレートが風に虚しく揺れるだけ。
かつてこの鉱山のおかげで潤った麓の村人たちも、廃鉱になってから20年が経過した今となってはこの地の存在を忘れかけていたのだった。
そんなある日のこと。
「裏のデカい山の立ち入り禁止のとこ、昔は坑道だったらしいぜ」
学校からの帰り道に麓の村の少年ジャンが友人たちを集め、廃鉱の話題を切り出した。
すると子供たちの多くに心当たりがあるようで次々と反応を示す。
「ああ、俺もとーちゃんから聞いたことあるよ。あそこから出てきた鉄がいい値段で売れたんだって。中にはハンターが使う剣や鎧になったものもあるんだぞって言ってた」
「うちのじいちゃんは鉱山で警備の責任者をしてたんだぜ。今じゃ信じられないくらい給料をもらってたっていうから、よっぽどいい鉄が埋まってたんだろうな」
件の山の名産品だった鉄の逸話を聞き、ジャンは満足そうに何度も頷いた。
「そうなんだよ。あの山は昔、宝の山だったんだ。でも大人達は鉄が見つからなくなった途端、諦めてあそこを立ち入り禁止にしてしまったんだよな」
どこか訳知り顔の彼に対し、友人達は不思議そうに目を瞬かせた。
「うん、それは知ってるけど……で、それがどうしたんだ?」
その質問にジャンはようやく本題に入れるとばかりに満面の笑みを浮かべた。
「実は夕べ、親父たちが寄合所であそこの調査をしようって話をしていたんだ。俺は外から話し声を少し聞いただけだから詳しいことはわからない。でもあそこになんか凄いものがあるらしい。大人たちが調査する前に俺らでお宝探しに行かないか!?」
ジャンからの思いがけない情報提供と提案に子供達は目を白黒させた。
「えっ、それは聞いたことないよ。……でも立ち入り禁止のとこに入ってもいいのかなあ」
「凄いものってなんだろ。鉄じゃないなら金? それとも宝石?」
「まさか! そんな価値のあるものなら閉鎖する前に話に出てもおかしくないだろ」
「気にはなるけど……バレたら父ちゃん母ちゃんだけじゃなくて、先生にも怒られそうだなあ……」
不安が入り混じるざわめきに、少々気の短いジャンは苛立ちを含んだ声を放った。
「ああ、もうわかったよ! それじゃあ俺が1人で先行調査してやる。何か見つかったら明日教えてやるから、そしたら今度は皆で行こうぜ」
「ジャン、無茶はダメだよ。父ちゃんが言ってた。あそこは人が勝手に穴を開けて道を作ったから危ないところがいっぱいあるんだ、ずっと放ってたから中がどうなっているのかわからないんだよって……」
おずおずと心配そうに声をかける友人。
しかしガキ大将のジャンは一度言ったことを撤回することなどできない。
「うるさいな! 俺はお前らと違って勇気があんだよ。絶対すげえモン見つけてくっから待ってろよな!」
ふん、と鼻息を荒くして駆け出す彼を友人達は心配そうに見送った。
その日の夜、ジャンは早めの夕食をとった後に古いランタンを持ってこっそりと裏口から外出した。
誰にも見つからぬよう茂みの間を縫うように移動し、坑道の入り口間近の木陰に身を隠す。
入り口の前では村の若い男がランタンを手に周囲を監視していたが、ジャンが石を遠くに投げつけて音を立てると、男は音の正体を確認するべく持ち場から離れていく。その僅かな隙にジャンは錆びた鎖を掻い潜って坑道へと侵入を果たした。
無言のまま歩き続けたジャンがようやく辿りついたのは月の光が一切届かぬ広い空洞だった。おそらくはここで鉱夫たちが休憩したり、ミーティングを行われていたのだろう。
そのかつての賑わいの面影は今は全く存在せず、闇しかない。ランタンに炎を灯す手がぶるりと震える。しかしまだ道半ば。ここで退いてはガキ大将の名がすたる。
「すげーハクリョク……いやいや、ここで男を見せねーと!」
ジャンはお菓子を詰めたリュックサックを担ぎ直し、ランタンを高く掲げると闇の中に足を大きく踏み出すのだった。
その頃、ジャンの家では大きな騒ぎとなっていた。
大切な息子が突然姿を消しただけでなく、どうやらあの危険な坑道に向かったらしいというのだから。
ジャンの母が息子の友人や監視役の男から事情を聴くと真っ青な顔で夫に報告する。
「まさかあの子が『雑魔がいるかもしれない坑道』に行ってしまうなんて……!」
「ああ、ハンターに調査を依頼する矢先にこんなことになるとは……」
あの坑道から奇妙な音が聞こえるという話が一昨日からこの村で話題となっていた。
廃鉱から鈍く響いてくる、規則的な複数の重い音。まるで、足音のような。
その奇妙さから村の有志が集まり、ハンターオフィスに坑道の調査を依頼しようと決めたのが昨日の夜のことだった。
しかし日中に用事が立て込み、これから相談に行こうと思っていたところのこの事態である。
父は逸る気持ちを抑えつつ、ハンターオフィスに向けて全力で馬を走らせた。
ジャンの父から事情を聴いたオフィスの受付嬢は苦い表情を浮かべ、集まったハンターたちに状況を説明する。
「今回の依頼は坑道という、非常に入り組んだ地形での探索活動となります。おまけに雑魔もいるかもしれない……そのため複数のグループに依頼することにしました」
受付嬢は自分の目の前に並ぶ、まだ初々しさの残るハンター達の顔をじっと見た。
「あなたたちはまだ経験の浅いハンターです。しかしベテランのハンターも続きますので、臆することなく力を尽くしてください。暗闇と恐怖に竦んでいるであろう少年を救うために」
ハンター達は頷きあうと、それぞれの得物を手にオフィスから旅立つのだった。
解説
目的:
雑魔のいる廃鉱に入ってしまった少年を救出する
戦場:
ある山の旧い坑道。全長は200m程度。
メインコースは人が3人程度横に並んで歩ける程度の幅がありますが、
脇道に入ったり奥に進むほど狭くなり、最も狭い箇所では1人が通るのがやっとという場所もあります。
幸いなことに坑道内はそれほど劣化しておらず、普通に戦う程度では崩落の心配はありません。
ただし坑道内に明かりはありませんので、
何らかの手段で道を照らし出すか、暗所でも目を利かせる方法が必要となります。
坑道内を徘徊する雑魔について:
様々な形・種類の石が繋がり、全高170センチ程度の人型になったもの2体。
石を3スクエア以内の対象1人にぶつける中距離攻撃(威力小程度)と、
腕部に石を集めて叩きつけてくる近距離攻撃(威力中程度)を繰り出してきます。
シナリオ開始時点ではジャンと雑魔は遭遇しておりませんが、
ジャンが怯えから移動スピードを落としているためいずれは遭遇してしまうことでしょう。
なお雑魔はマテリアルが含まれた古い石が繋がりあっただけの存在ですので、それほど体が丈夫というわけではありません。
初心者ハンターさんでも油断さえしなければ十分に退治できるでしょう。
ただしジャンにとっては大きな脅威です。
できるだけ彼の心身に傷を残さず、それでいて彼がしっかりと自分の過ちに向き合えるように導いてあげてください。
雑魔のいる廃鉱に入ってしまった少年を救出する
戦場:
ある山の旧い坑道。全長は200m程度。
メインコースは人が3人程度横に並んで歩ける程度の幅がありますが、
脇道に入ったり奥に進むほど狭くなり、最も狭い箇所では1人が通るのがやっとという場所もあります。
幸いなことに坑道内はそれほど劣化しておらず、普通に戦う程度では崩落の心配はありません。
ただし坑道内に明かりはありませんので、
何らかの手段で道を照らし出すか、暗所でも目を利かせる方法が必要となります。
坑道内を徘徊する雑魔について:
様々な形・種類の石が繋がり、全高170センチ程度の人型になったもの2体。
石を3スクエア以内の対象1人にぶつける中距離攻撃(威力小程度)と、
腕部に石を集めて叩きつけてくる近距離攻撃(威力中程度)を繰り出してきます。
シナリオ開始時点ではジャンと雑魔は遭遇しておりませんが、
ジャンが怯えから移動スピードを落としているためいずれは遭遇してしまうことでしょう。
なお雑魔はマテリアルが含まれた古い石が繋がりあっただけの存在ですので、それほど体が丈夫というわけではありません。
初心者ハンターさんでも油断さえしなければ十分に退治できるでしょう。
ただしジャンにとっては大きな脅威です。
できるだけ彼の心身に傷を残さず、それでいて彼がしっかりと自分の過ちに向き合えるように導いてあげてください。
マスターより
こんにちは! ことね桃です。
このたびは本シナリオのオープニングをお読みくださりありがとうございます。
今回は雑魔のいる廃鉱に入ってしまった少年ジャンを救出しよう! というシナリオです。
ジャンをどうやってスピーディーに確保し、どうやって外へ安全に逃すかが鍵となります。
無事にジャンを外に逃がすことができた時点で成功となりますが、
最高のハッピーエンド(大成功)にするにはどんな行動をとれば良いのか?
よろしければそちらの方も考えてみてくださいね!
それではなにとぞよろしくお願いします。
このたびは本シナリオのオープニングをお読みくださりありがとうございます。
今回は雑魔のいる廃鉱に入ってしまった少年ジャンを救出しよう! というシナリオです。
ジャンをどうやってスピーディーに確保し、どうやって外へ安全に逃すかが鍵となります。
無事にジャンを外に逃がすことができた時点で成功となりますが、
最高のハッピーエンド(大成功)にするにはどんな行動をとれば良いのか?
よろしければそちらの方も考えてみてくださいね!
それではなにとぞよろしくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/09/19 11:16
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/09/02 09:44:05 |
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ジャン君救出作戦! シグ(ka6949) オートマトン|15才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2017/09/06 01:03:29 |