ゲスト
(ka0000)
【幻視】死の無残なるかな【界冥】
マスター:凪池シリル

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/09/22 07:30
- リプレイ完成予定
- 2017/10/01 07:30
オープニング
※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
※本シナリオには残虐表現を含むショッキングな描写が含まれます。気分を害される方、心臓の弱い方などは注意の上で閲覧を選択してください。
※要するに:若干グロ注意。
それは。再び戦場となった鎌倉クラスタの方角から、ぬるりと姿を現した。
背後であまりに巨大な影が暴れているため、相対的に小さく錯覚してしまう。その姿も相まって、一瞬、緊張感を削がれたものもいたかもしれない。
高さは3メートルほど。お椀に手足を生やしたような気の抜ける姿をした土人形。お椀型と言っても中身は埋まっており、平たい上部に人型の何かがうつ伏せに、頬杖をつく形で寝そべっている。そして、お椀の淵に当たる部分に、5、6個、何かがぶら下げられて揺れていた。
クラスタ周辺に布陣していた連合軍、その一団とある程度の距離まで近づくと、『ソレ』はぶら下がっていたひとつをむず、と掴み、そして人々の群れへとすさまじい勢いで投げつけてくる!
歪なX字を描くようなそれは回転しながら飛んでくると一行の元へと着弾する前に分裂した。それぞれが異なる形の破片となって。
異なる形。くの字であったり球体であったり。散開しながらそれを見つめていた軍人が絶叫を上げたそれは──生々しい肉片だった。腕であり、脚であり、そして一番大きな血袋は空中でさらに千切れ、『中身』をまき散らす。それでも強靭な骨は、重量のある頭部は加速度をしっかり威力として上乗せし、犠牲者たちへと襲い掛かった。
「あ、ああ……そんな、あんな……!」
誰かが、震えた舌先で紡ぐ。許容量を超えた感情が、言葉を成さなかった。分かってしまえばはっきりと認識できる。お椀型のそれからぶら下がっているのは、遺体だった。──チュプ神殿で殺された、部族の戦士たちの。
「……なんで、ここまでっ! どうしたらっ!」
如何なる目的があればここまで非道な行為に手を染められるのか? 頭から血の気が引いて逆におかしな具合に冷静になったものが、相手の全体像をとらえる。土人形の上に寝そべる歪虚。その手元で、何かの書類を捲っている──?
もしかしたら敵の作戦が把握できるのか。そう思った幾人かがスコープで覗こうとし、あるいは偵察手段を飛ばす。
そして、その歪虚の手元にあったのは──
……どう見ても、リアルブルーの寝具が並べられた、ショールームのパンフレットだった。
「うふふふふー。ふふふふふー」
土人形の上で脚をブラブラさせながら、ネネ=グリジュはこの上なく上機嫌だった。
「あっははははは。素敵素敵! ほんと凄い! リアルブルーに来れて良かったですコーリアス様!」
──これが、もうしばらくは眠れていたはずの彼女が今回、二つ返事で協力した理由。
ただ、これだけ。
「こぉれだけ一度にたくさん見られるんならとってもいいのがどれかあるわよね! 最っ高のお布団でたぁくさん寝るんだからぁ……」
うっとりと、彼女は目を細める。
「沢山、栄養、取らなきゃねえ?」
本当に、それだけを。考えうる限り楽にやるために、彼女はこれを用意した。
「ふ、ふざっ……ふざ、けるな……!」
再び血が逆流する。怒りが嫌悪を克服し、声を出させる。
「そんなに、寝たきゃ、二度と目覚めねえようにしてやらあっ……!」
誰かが叫んだ言葉は、ネネの耳に届いたらしい。
「あー。何? そう言えば貴方たちって、死を眠りって表現することがあるんだっけ? あたしそれ理解できないのよねー」
心底。不思議そうに小首をかしげて、彼女は言った。挑発の意図すらなく。それがごく当たり前の感性であるかのように。
「眠りっていう、心底気持ちいいものを、なんでそんな『汚いモノ』と一緒にすんの?」
再び、土人形が遺体を掴んで、振り上げる。あまりにあまりのことに真っ白になった視界で兵士たちはそれを見た。見てしまった。
濁った眼球。血の気の失せた、枯れた手足。不自然な凹凸となった腹部。
まき散らされた肉片──それを抱き、動かなくなった兵士。
せめて安らかであれと祈りを込めた人類の死への幻想を打ち砕くほどに、実際に、死は、死体は、無残で、嫌悪を抱くものなのだと。容赦なく残酷に、彼女は暴いた。
恐慌が、兵士たちを支配する──
「静まれ!」
と、その時、兵士の一団から、それを率いる指揮官であろう男から、声が上がった。
「一般兵は退却しろ! 事態は覚醒者のみで対処する!」
「た、隊長……! ですが、あんな、あんな奴……!」
発狂を、怒りで抑えているのだろう。興奮した兵士が詰め寄るのを、士官らしいその男は首を振って否定する。
「敵の特性を考えるなら、余計な死体は増やすな! 意地でお前が死ぬだけならいいが、それが次の奴を殺す弾丸になるんだ!」
悔しさを隠さずに、士官は叫んだ。そして、懇願するような眼を、ハンターたちへと向ける。
「あんたらが……あんたらが、希望だ……。どうか、あいつを、必ず。それから、願わくば……」
この無常観からも、救いの光を齎してはくれないか。
このまま我々はもう、死者の安らかなることを願う事も出来ないのか、と。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
※本シナリオには残虐表現を含むショッキングな描写が含まれます。気分を害される方、心臓の弱い方などは注意の上で閲覧を選択してください。
※要するに:若干グロ注意。
それは。再び戦場となった鎌倉クラスタの方角から、ぬるりと姿を現した。
背後であまりに巨大な影が暴れているため、相対的に小さく錯覚してしまう。その姿も相まって、一瞬、緊張感を削がれたものもいたかもしれない。
高さは3メートルほど。お椀に手足を生やしたような気の抜ける姿をした土人形。お椀型と言っても中身は埋まっており、平たい上部に人型の何かがうつ伏せに、頬杖をつく形で寝そべっている。そして、お椀の淵に当たる部分に、5、6個、何かがぶら下げられて揺れていた。
クラスタ周辺に布陣していた連合軍、その一団とある程度の距離まで近づくと、『ソレ』はぶら下がっていたひとつをむず、と掴み、そして人々の群れへとすさまじい勢いで投げつけてくる!
歪なX字を描くようなそれは回転しながら飛んでくると一行の元へと着弾する前に分裂した。それぞれが異なる形の破片となって。
異なる形。くの字であったり球体であったり。散開しながらそれを見つめていた軍人が絶叫を上げたそれは──生々しい肉片だった。腕であり、脚であり、そして一番大きな血袋は空中でさらに千切れ、『中身』をまき散らす。それでも強靭な骨は、重量のある頭部は加速度をしっかり威力として上乗せし、犠牲者たちへと襲い掛かった。
「あ、ああ……そんな、あんな……!」
誰かが、震えた舌先で紡ぐ。許容量を超えた感情が、言葉を成さなかった。分かってしまえばはっきりと認識できる。お椀型のそれからぶら下がっているのは、遺体だった。──チュプ神殿で殺された、部族の戦士たちの。
「……なんで、ここまでっ! どうしたらっ!」
如何なる目的があればここまで非道な行為に手を染められるのか? 頭から血の気が引いて逆におかしな具合に冷静になったものが、相手の全体像をとらえる。土人形の上に寝そべる歪虚。その手元で、何かの書類を捲っている──?
もしかしたら敵の作戦が把握できるのか。そう思った幾人かがスコープで覗こうとし、あるいは偵察手段を飛ばす。
そして、その歪虚の手元にあったのは──
……どう見ても、リアルブルーの寝具が並べられた、ショールームのパンフレットだった。
「うふふふふー。ふふふふふー」
土人形の上で脚をブラブラさせながら、ネネ=グリジュはこの上なく上機嫌だった。
「あっははははは。素敵素敵! ほんと凄い! リアルブルーに来れて良かったですコーリアス様!」
──これが、もうしばらくは眠れていたはずの彼女が今回、二つ返事で協力した理由。
ただ、これだけ。
「こぉれだけ一度にたくさん見られるんならとってもいいのがどれかあるわよね! 最っ高のお布団でたぁくさん寝るんだからぁ……」
うっとりと、彼女は目を細める。
「沢山、栄養、取らなきゃねえ?」
本当に、それだけを。考えうる限り楽にやるために、彼女はこれを用意した。
「ふ、ふざっ……ふざ、けるな……!」
再び血が逆流する。怒りが嫌悪を克服し、声を出させる。
「そんなに、寝たきゃ、二度と目覚めねえようにしてやらあっ……!」
誰かが叫んだ言葉は、ネネの耳に届いたらしい。
「あー。何? そう言えば貴方たちって、死を眠りって表現することがあるんだっけ? あたしそれ理解できないのよねー」
心底。不思議そうに小首をかしげて、彼女は言った。挑発の意図すらなく。それがごく当たり前の感性であるかのように。
「眠りっていう、心底気持ちいいものを、なんでそんな『汚いモノ』と一緒にすんの?」
再び、土人形が遺体を掴んで、振り上げる。あまりにあまりのことに真っ白になった視界で兵士たちはそれを見た。見てしまった。
濁った眼球。血の気の失せた、枯れた手足。不自然な凹凸となった腹部。
まき散らされた肉片──それを抱き、動かなくなった兵士。
せめて安らかであれと祈りを込めた人類の死への幻想を打ち砕くほどに、実際に、死は、死体は、無残で、嫌悪を抱くものなのだと。容赦なく残酷に、彼女は暴いた。
恐慌が、兵士たちを支配する──
「静まれ!」
と、その時、兵士の一団から、それを率いる指揮官であろう男から、声が上がった。
「一般兵は退却しろ! 事態は覚醒者のみで対処する!」
「た、隊長……! ですが、あんな、あんな奴……!」
発狂を、怒りで抑えているのだろう。興奮した兵士が詰め寄るのを、士官らしいその男は首を振って否定する。
「敵の特性を考えるなら、余計な死体は増やすな! 意地でお前が死ぬだけならいいが、それが次の奴を殺す弾丸になるんだ!」
悔しさを隠さずに、士官は叫んだ。そして、懇願するような眼を、ハンターたちへと向ける。
「あんたらが……あんたらが、希望だ……。どうか、あいつを、必ず。それから、願わくば……」
この無常観からも、救いの光を齎してはくれないか。
このまま我々はもう、死者の安らかなることを願う事も出来ないのか、と。
解説
●目的
歪虚兵ネネ=グリジュ討伐。
●敵概要
・お椀型土ゴーレム サイズ2
遺体を、現在は5体ぶら下げているゴーレムです。遺体をぶん投げる、振り回す、他、土の身体から槍を生やして攻撃してきます。
槍攻撃の際に遺体が邪魔になろうが容赦なく遺体ごと突き刺してきます。この場合、遺体の裏側、死角からの攻撃となるので回避にペナルティが発生します。
遺体攻撃はPCに向かって行うとは限らず、撤退を開始した兵士に向かってぶん投げられることもあります。そして、兵士の死体を拾って「補充」することもあり得ます。
尚あまりバランスが良いとは言えず回避能力自体は鈍重です。攻撃は当たりやすいため頑丈に作られています。尚、死体を気にする場合は、攻撃力にペナルティ等は発生し得ます。
・歪虚兵ネネ=グリジュ
現在は、土人形の上にやる気なく寝っ転がっています。直接攻撃を受けるか余程の強敵と認識するまではなるたけサボろうとします。
土人形が破壊されたら、本気で襲い掛かってくるでしょう。
それまでは、土人形の上から魔法攻撃をしてきます。また、なたのような武器を携えており、近接能力も歪虚兵相応に有ります。
歪虚兵ネネ=グリジュ討伐。
●敵概要
・お椀型土ゴーレム サイズ2
遺体を、現在は5体ぶら下げているゴーレムです。遺体をぶん投げる、振り回す、他、土の身体から槍を生やして攻撃してきます。
槍攻撃の際に遺体が邪魔になろうが容赦なく遺体ごと突き刺してきます。この場合、遺体の裏側、死角からの攻撃となるので回避にペナルティが発生します。
遺体攻撃はPCに向かって行うとは限らず、撤退を開始した兵士に向かってぶん投げられることもあります。そして、兵士の死体を拾って「補充」することもあり得ます。
尚あまりバランスが良いとは言えず回避能力自体は鈍重です。攻撃は当たりやすいため頑丈に作られています。尚、死体を気にする場合は、攻撃力にペナルティ等は発生し得ます。
・歪虚兵ネネ=グリジュ
現在は、土人形の上にやる気なく寝っ転がっています。直接攻撃を受けるか余程の強敵と認識するまではなるたけサボろうとします。
土人形が破壊されたら、本気で襲い掛かってくるでしょう。
それまでは、土人形の上から魔法攻撃をしてきます。また、なたのような武器を携えており、近接能力も歪虚兵相応に有ります。
マスターより
凪池シリルです。
こっちの方の蔵倫ってどこまでやっていいのかしら。
えー、容赦のない死の現実、残酷な一面にどのように立ち向かうのでしょうか。立ち向かえるよね。やりすぎたかしら。
いやいや、きっとこれほどの試練の中にこそ輝く生の魂というものがあると思います。ってこれほぼ今回のボスの台詞じゃないのか。
頑張ってください。
こっちの方の蔵倫ってどこまでやっていいのかしら。
えー、容赦のない死の現実、残酷な一面にどのように立ち向かうのでしょうか。立ち向かえるよね。やりすぎたかしら。
いやいや、きっとこれほどの試練の中にこそ輝く生の魂というものがあると思います。ってこれほぼ今回のボスの台詞じゃないのか。
頑張ってください。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/09/26 11:12
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談卓 八原 篝(ka3104) 人間(リアルブルー)|19才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2017/09/22 06:12:30 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/09/16 23:05:41 |