ゲスト
(ka0000)
【孤唱】三者の思い
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 3~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/10/03 22:00
- リプレイ完成予定
- 2017/10/12 22:00
オープニング
●行動
憂悦孤唱プエルは拠点を確保しようと実家に戻った。
「ああああ、丘の真ん中の家がない」
叫んだ。
町を見下ろす丘に元々実家があったのだが、プエルが居座った事件もあり、ニコラス・クリシスが歪虚化しているということも表ざたになったため、速やかに家は壊され更地になったのだった。
「父上のところかな……」
ぶつぶつ言いながらエクラ教会に向かったところ、隠居もかねて一室借りていた父親は出て行ったようだった。町に新しい領主の館ができ、そちらに移ったらしい。
「……そこはなぁ」
領主の家となると、人の出入りも多くなる。必然、プエルがいることがばれやすくなる。大きい屋敷ならともかく、実家の性質を考えるとぎりぎりの大きさだろう。普段から掃除が行き届く大きさに違いない。
「あああ」
プエルは町の中をとぼとぼ歩く。
「川……はまずいかな」
「ああああああああああああああああああ」
川から甲高い声が聞こえ、反射的にプエルは振り返った。
「ウィンディ……」
マテリアルを感じごくりと喉を鳴らすが、川にいる彼女を相手にするのはリスクが大きいと判断した。
「……がーう! リーオー、カリ」
「……え? というか、しゃべれるんだ」
水の精霊リオ(仮)はコクンとうなずく。
「……んで……」
「……なんで?」
こくんと精霊はうなずく。プエルは何を聞かれているか想像する。
「うーん、楽しそうだったから」
「……」
「バイバイ」
プエルは手を振ると立ち去った。
リオ(仮)の範囲が及ばないあたりを見極めて、対岸に渡る。
そして、入り込めそうなところを発見した。すぐに見つからない、素敵なお部屋、逃げやすいという三拍子そろっていた。扉にはバリケードを作っておく。
「さて、僕の妹のイノア。よろしくね」
人形は立ち上がると、お辞儀をした。手には、プエルが渡した短刀が握られている。
「僕は探し物があるから……エクエス、以前、来ていたらしいし」
たぶん川を渡らないとならないが、渡れたのだからどうにかなると考えた。
●過去をつなぐ
マーク司祭は手紙を読み、すぐに友人たるマーナとアンジェ・ハウエルに連絡を取る。取るといってもどこにいるかわからないため、マーナの家に行き弟子のルゥルやアンジェの自宅に連絡を入れるにとどまる。
しばらくすると、二人が現れた。
「お久ぶりー」
「どうした、切羽詰まっていると聞いたぞ?」
マーナとアンジェはハンターとしてあちこち飛び回っている。ハンターの仕事でも戦うことではなく、旅を楽しみ、マーナは研究を楽しむといった風情ではある。
「クリシス領のことです」
「あー、坊ちゃん、とうとうあちこちに出没はしているらしいのお」
マーナはため息を漏らす。
「まさかって思っていたけど、あの領主さん……前領主さん、息子だと認めたから……」
「あの利発な坊ちゃんがねぇ」
マーナとアンジェは思い出して溜息を洩らした。
「関連の報告書は見たよ。あの当時、もし本当にレチタティーヴォの関与がわかっていたとして、何ができたのかって考えさせられた」
そのあと「たぶん、当時のわしらではどうしようもなかったのう」と続く。
「で、クリシス領で何かあったのかの?」
「の、隣でイノア様が殺人事件を起こしている、という話です」
「はあ?」
マーナとアンジェから素っ頓狂な声が上がった。
「そして、クリシス領の教会としてはことが大きくなる前にどうにかしたいそうですが隣の領地」
「……最悪じゃ」
「教会側としてはイノア様を信じているし、歪虚と契約しているという形跡もないはずだと考えています」
しかし、それ以外の行動もありえなくはない。
「第三者である私に相談を持ち掛けてきたわけです」
過去の事件を知り、信頼ができるという判断をしてきたという理由。
「……わかった。マークが行くのもアレじゃの。わしらが張り付くのが良いな」
「そうです」
「で、隣町での調査は?」
「そちらは現役のハンターに依頼出すよう、教会には返答します。ただ、隣の領地であり……そちらの領主が動いている可能性はあります」
「そうじゃの……手出しできぬか……ん?」
窓の外を見ると、ルゥルが覗き込んでいる影写っている。
マーナは静かに立ち上がると、窓を開け放った。
「みぎゃああ」
「立ち聞きは良くないぞ」
「みぎゃあああ、イノア様はかっこいいですうう」
首根っこ掴まれて部屋に入ってきたルゥルは第一声述べた。
「母上え」
「あらあら」
下されるとダッシュで近づきアンジェに抱き着く。
「ルゥルも行くですう」
アンジェはルゥルの頭を撫でる。
「そうね。でも、ほかにやることもあるでしょ? イノアさんのことはあたしたちに任せて、おうちで勉強しなさい」
「みぎゃああああ」
あしらわれてしがみついて泣いた。
●事件
ユリアン・メトーポンは町での事件に怒りを隠せない。
殺人事件が多発し始め、犯人の痕跡が見つからないからだ。
しかし、事件が増え、人々も警戒し、兵士も多く動き始めると、目撃情報が増え始めた。
少女のようだ、と。
身が軽い、とも聞こえる。これに関しては、捕まらないことを考えればその通りだ。
少女のようだというところに、髪の色や身長が伝わる。ただし、直接見ているわけではないため誤差は増える。
刺された場所、切られたところから推測も可能かもしれないが確証ではない。
「まさか、クリシスの娘が?」
もし、本当に彼女ならば?
いや、彼女が何もやっていなくとも犯人に仕立てあげることも可能である。
「いや、仕立て上げるにしても状況は調べないとならないな」
あまりにも荒唐無稽なことを言い出せば、自分の方が疑われることになる。
「身が軽いということはハンターや歪虚ということもありうるのか」
そして、ユリアンはハンターオフィスに依頼を出した。
町で起こる殺人事件を調査してほしい、と。
屋敷で起こっている珍事件はひとまず放置だった。猫かネズミでもいるのだろうと考えているため、犬を放てば終わるだろうと。
「領主様、真剣に取り合って下さらないわ」
「まあ、町の中の殺人事件の方が問題だものね」
「猫が皿毎持っていくかしら?」
「ユグディラだったら持っていくのじゃなくて?」
料理場ではそのような話で盛り上がっていた。
憂悦孤唱プエルは拠点を確保しようと実家に戻った。
「ああああ、丘の真ん中の家がない」
叫んだ。
町を見下ろす丘に元々実家があったのだが、プエルが居座った事件もあり、ニコラス・クリシスが歪虚化しているということも表ざたになったため、速やかに家は壊され更地になったのだった。
「父上のところかな……」
ぶつぶつ言いながらエクラ教会に向かったところ、隠居もかねて一室借りていた父親は出て行ったようだった。町に新しい領主の館ができ、そちらに移ったらしい。
「……そこはなぁ」
領主の家となると、人の出入りも多くなる。必然、プエルがいることがばれやすくなる。大きい屋敷ならともかく、実家の性質を考えるとぎりぎりの大きさだろう。普段から掃除が行き届く大きさに違いない。
「あああ」
プエルは町の中をとぼとぼ歩く。
「川……はまずいかな」
「ああああああああああああああああああ」
川から甲高い声が聞こえ、反射的にプエルは振り返った。
「ウィンディ……」
マテリアルを感じごくりと喉を鳴らすが、川にいる彼女を相手にするのはリスクが大きいと判断した。
「……がーう! リーオー、カリ」
「……え? というか、しゃべれるんだ」
水の精霊リオ(仮)はコクンとうなずく。
「……んで……」
「……なんで?」
こくんと精霊はうなずく。プエルは何を聞かれているか想像する。
「うーん、楽しそうだったから」
「……」
「バイバイ」
プエルは手を振ると立ち去った。
リオ(仮)の範囲が及ばないあたりを見極めて、対岸に渡る。
そして、入り込めそうなところを発見した。すぐに見つからない、素敵なお部屋、逃げやすいという三拍子そろっていた。扉にはバリケードを作っておく。
「さて、僕の妹のイノア。よろしくね」
人形は立ち上がると、お辞儀をした。手には、プエルが渡した短刀が握られている。
「僕は探し物があるから……エクエス、以前、来ていたらしいし」
たぶん川を渡らないとならないが、渡れたのだからどうにかなると考えた。
●過去をつなぐ
マーク司祭は手紙を読み、すぐに友人たるマーナとアンジェ・ハウエルに連絡を取る。取るといってもどこにいるかわからないため、マーナの家に行き弟子のルゥルやアンジェの自宅に連絡を入れるにとどまる。
しばらくすると、二人が現れた。
「お久ぶりー」
「どうした、切羽詰まっていると聞いたぞ?」
マーナとアンジェはハンターとしてあちこち飛び回っている。ハンターの仕事でも戦うことではなく、旅を楽しみ、マーナは研究を楽しむといった風情ではある。
「クリシス領のことです」
「あー、坊ちゃん、とうとうあちこちに出没はしているらしいのお」
マーナはため息を漏らす。
「まさかって思っていたけど、あの領主さん……前領主さん、息子だと認めたから……」
「あの利発な坊ちゃんがねぇ」
マーナとアンジェは思い出して溜息を洩らした。
「関連の報告書は見たよ。あの当時、もし本当にレチタティーヴォの関与がわかっていたとして、何ができたのかって考えさせられた」
そのあと「たぶん、当時のわしらではどうしようもなかったのう」と続く。
「で、クリシス領で何かあったのかの?」
「の、隣でイノア様が殺人事件を起こしている、という話です」
「はあ?」
マーナとアンジェから素っ頓狂な声が上がった。
「そして、クリシス領の教会としてはことが大きくなる前にどうにかしたいそうですが隣の領地」
「……最悪じゃ」
「教会側としてはイノア様を信じているし、歪虚と契約しているという形跡もないはずだと考えています」
しかし、それ以外の行動もありえなくはない。
「第三者である私に相談を持ち掛けてきたわけです」
過去の事件を知り、信頼ができるという判断をしてきたという理由。
「……わかった。マークが行くのもアレじゃの。わしらが張り付くのが良いな」
「そうです」
「で、隣町での調査は?」
「そちらは現役のハンターに依頼出すよう、教会には返答します。ただ、隣の領地であり……そちらの領主が動いている可能性はあります」
「そうじゃの……手出しできぬか……ん?」
窓の外を見ると、ルゥルが覗き込んでいる影写っている。
マーナは静かに立ち上がると、窓を開け放った。
「みぎゃああ」
「立ち聞きは良くないぞ」
「みぎゃあああ、イノア様はかっこいいですうう」
首根っこ掴まれて部屋に入ってきたルゥルは第一声述べた。
「母上え」
「あらあら」
下されるとダッシュで近づきアンジェに抱き着く。
「ルゥルも行くですう」
アンジェはルゥルの頭を撫でる。
「そうね。でも、ほかにやることもあるでしょ? イノアさんのことはあたしたちに任せて、おうちで勉強しなさい」
「みぎゃああああ」
あしらわれてしがみついて泣いた。
●事件
ユリアン・メトーポンは町での事件に怒りを隠せない。
殺人事件が多発し始め、犯人の痕跡が見つからないからだ。
しかし、事件が増え、人々も警戒し、兵士も多く動き始めると、目撃情報が増え始めた。
少女のようだ、と。
身が軽い、とも聞こえる。これに関しては、捕まらないことを考えればその通りだ。
少女のようだというところに、髪の色や身長が伝わる。ただし、直接見ているわけではないため誤差は増える。
刺された場所、切られたところから推測も可能かもしれないが確証ではない。
「まさか、クリシスの娘が?」
もし、本当に彼女ならば?
いや、彼女が何もやっていなくとも犯人に仕立てあげることも可能である。
「いや、仕立て上げるにしても状況は調べないとならないな」
あまりにも荒唐無稽なことを言い出せば、自分の方が疑われることになる。
「身が軽いということはハンターや歪虚ということもありうるのか」
そして、ユリアンはハンターオフィスに依頼を出した。
町で起こる殺人事件を調査してほしい、と。
屋敷で起こっている珍事件はひとまず放置だった。猫かネズミでもいるのだろうと考えているため、犬を放てば終わるだろうと。
「領主様、真剣に取り合って下さらないわ」
「まあ、町の中の殺人事件の方が問題だものね」
「猫が皿毎持っていくかしら?」
「ユグディラだったら持っていくのじゃなくて?」
料理場ではそのような話で盛り上がっていた。
解説
ユリアン・メトーポンの町で頻発している殺人事件の調査
犯人と遭遇した場合は、状況によって「捕縛」または「討伐」を
●事件について
ユリアンは犯人が隣の領主に似ているという噂もあるということはにおわせますが、明言はしません。
襲われた人は老若男女問わず。殺害時間は夜間、屋外です。そのため、徐々に夜歩く人間は減ってきています。
●プチ事件
ユリアンの屋敷で起こっています。台所からパンや焼き菓子が皿ごと消えます。なお、皿は玄関などで見つかります。
●町の施設など
教会が町の中心にあり、メトーポンの屋敷は川沿いかつ町の外れにあります。外れと言っても、家が建て込んでいます。
なお屋敷のそばには武術の訓練場や馬を使った訓練ができる場所があります。
町の中心には繁華街があります。
なお、劇場など文化施設はありません。
隣の町に行くには渡し船か、上流方面にある橋を通るかとなります。川幅は広いです。
●NPC
・ユリアン・メトーポン 40歳くらい、男。川挟んで隣のクリシスを目の上のたんこぶと考えている。20歳くらいの息子がいる。屋敷は非常に大きく、必要でないところは普段使われていない。
・イノア・クリシス 15歳、女。ユリアンの町の川を挟んで隣の領地の領主。美少女であるが、最近眉間にしわが寄り気味。プエルの生前の妹であり、外見上は似ている雰囲気を持っている。
・リオ(仮) 境界線の川のクリシス側に住んでいる水の精霊。なぜ、(仮)なのか現状命名者さん以外に認知されているか不明なため。でも、本人、「仮」って言ってますね。
・マーナ&アンジェ 女、魔術師と猟撃士。現在イノアの近辺にいる。
・憂悦孤唱プエル NPCに書いていますが、町にいるというだけです。等身大の少女の人形や手作り風の綿な少年人形を持っていたりする。
犯人と遭遇した場合は、状況によって「捕縛」または「討伐」を
●事件について
ユリアンは犯人が隣の領主に似ているという噂もあるということはにおわせますが、明言はしません。
襲われた人は老若男女問わず。殺害時間は夜間、屋外です。そのため、徐々に夜歩く人間は減ってきています。
●プチ事件
ユリアンの屋敷で起こっています。台所からパンや焼き菓子が皿ごと消えます。なお、皿は玄関などで見つかります。
●町の施設など
教会が町の中心にあり、メトーポンの屋敷は川沿いかつ町の外れにあります。外れと言っても、家が建て込んでいます。
なお屋敷のそばには武術の訓練場や馬を使った訓練ができる場所があります。
町の中心には繁華街があります。
なお、劇場など文化施設はありません。
隣の町に行くには渡し船か、上流方面にある橋を通るかとなります。川幅は広いです。
●NPC
・ユリアン・メトーポン 40歳くらい、男。川挟んで隣のクリシスを目の上のたんこぶと考えている。20歳くらいの息子がいる。屋敷は非常に大きく、必要でないところは普段使われていない。
・イノア・クリシス 15歳、女。ユリアンの町の川を挟んで隣の領地の領主。美少女であるが、最近眉間にしわが寄り気味。プエルの生前の妹であり、外見上は似ている雰囲気を持っている。
・リオ(仮) 境界線の川のクリシス側に住んでいる水の精霊。なぜ、(仮)なのか現状命名者さん以外に認知されているか不明なため。でも、本人、「仮」って言ってますね。
・マーナ&アンジェ 女、魔術師と猟撃士。現在イノアの近辺にいる。
・憂悦孤唱プエル NPCに書いていますが、町にいるというだけです。等身大の少女の人形や手作り風の綿な少年人形を持っていたりする。
マスターより
こんにちは、狐野径です。
プエル、町に戻ってきました。が、頼ろうとした父親おらず。
前領主のことに関しては、PCさんの行動によっては落ち込んだまま教会にいてプエルに協力するとか、むしろ「お前を殺して私も死ぬ」ではないですがそんなことも考えていました。
いろいろあって前向きになっております、はい。皆さんありがとうと思いつつ、プエル側からすると余計なことをとなる複雑な思いの私です。
さて、イノア・クリシスに掛けられた疑惑。真相に関しては本文に記した通りプエルですが、そんなことPCさんもNPCも知りません。
町の平和のため、ひいては王国の平穏のため、ご協力願えれば幸いです。
よろしくお願いします。
プエル、町に戻ってきました。が、頼ろうとした父親おらず。
前領主のことに関しては、PCさんの行動によっては落ち込んだまま教会にいてプエルに協力するとか、むしろ「お前を殺して私も死ぬ」ではないですがそんなことも考えていました。
いろいろあって前向きになっております、はい。皆さんありがとうと思いつつ、プエル側からすると余計なことをとなる複雑な思いの私です。
さて、イノア・クリシスに掛けられた疑惑。真相に関しては本文に記した通りプエルですが、そんなことPCさんもNPCも知りません。
町の平和のため、ひいては王国の平穏のため、ご協力願えれば幸いです。
よろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/10/10 20:34
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談・宣言・提案卓 ミリア・ラスティソード(ka1287) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2017/10/03 21:18:32 |
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![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/09/30 03:50:39 |