ゲスト
(ka0000)
【初心】キミが先か、ワタシが先か
マスター:のどか

- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
魔術師協会広報室- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- LV1~LV20
- 参加人数
- 現在8人 / 3~8人
- サポート
- 現在0人 / 0~4人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/10/06 15:00
- リプレイ完成予定
- 2017/10/15 15:00
オープニング
「コボルド、ですか?」
カリッと揚げたきつね色のスティックパスタ。
ポルトワール海産出の天然塩で優しく味付けしたスナックは、ここ最近の彼女の職中食の鉄板だ。
それを手摘みでポリポリとかじりながら、ルミは回って来た仕事の内容に対して、眉ひとつ動かさずに聞き返した。
「ええ、コボルドです。ジェオルジ郊外に。それも沢山の」
「ふぅん」
小さく頷きながら、ポリポリと次の1本に手を伸ばす。
この手のスナックは、1回手を付けると全部なくなるまでなかなか手が止まないものだ。
お腹に溜まるというわけでもないのに、ポリポリ、ポリポリと、口寂しいのを誤魔化すように次々と咥えてしまう。
「じゃあ、依頼で出しておきますね。ジェオルジ周辺って今は収穫の時期ですし、作物がやられないと良いですねぇ」
から返事をしながら湿ったタオルで指先を拭い、机の脇に積まれた依頼掲載用の白紙書類をつまみ上げる。
そして、ずいぶん扱いにも慣れた羽ペンの先に、ちょんと墨壺のインクを湿らせて、用紙の上に滑らせた。
「それで、数はどれくらいなんですか?」
「あの、それが……」
随分と落ち着いた様子(というか、意にも介していない様子)のルミとは対照的に、依頼を持ってきた魔術師協会の使者は、ローブの陰から覗く目をあちこちに泳がせながらしどろもどろと答えた。
「ええと……なんと申してよいやら」
そうして指折り数えて、ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ……途中から諦めたように全部の指をぐっと握りしめて、眉の端をいっそう低く下げた。
「そ、その……沢山です」
「“沢山”じゃわかりませんよぉ。大体で良いので、教えてください。今数えてた感じだと、4匹ですか? 5匹ですか?」
余裕しゃくしゃくの笑みを浮かべながら、左の手でパスタをつまむ。ポリッ。
コボルドは人里に降りて来れば立派な害獣となる亜人だが、それほど脅威となる相手ではない。
駆け出しのハンターだって、十分に力を発揮すれば苦戦すらしないような相手だ。
今まで沢山の依頼を扱ってきたからこその油断というか慢心が、ルミの認識を妨げていたのは、何を見るよりも明らかなことである。
「その……沢山です。数えきれないくらい。40、50……いや、もしかしたら3桁もくだらないかも……」
「さ、3桁ぁ!?」
だからこそ、その報告を聞いてようやく事の重大さを理解して、目を白黒させてしまうのも無理のないことだった。
その拍子に、咥えたままのスティックパスタが根本からポキリと折れて、乾いた音と共に床に転がった。
「そ、そんなに沢山なんて、聞いてないよ!?」
「す、すみませんっ!」
ルミの勢いに、使者は思わず深く頭を下げる。
「え~、どうしよう!? 同盟の現状じゃ、対処できるくらいたくさんの有力なハンターさん集まるのかなぁ……?」
「あ、あの、それに関してなのですが、協会の方から1つ提案がありまして」
ルミが焦りを見せたぶん、多少落ち着きを取り戻した使者が、協会からの書状を胸元で掲げて見せた。
「今回の依頼をソサエティのハンター育成プログラムとして、ユニオンから支援させて頂きたいとの意向をお預かりしております」
「え? あー、あの新人育成の……?」
虚を突かれて目を丸くしたルミに、使者はコクリと小さく頷く。
「コボルドの大量発生に関しては、おそらく昨今の同盟領内の緊張の影響で、大規模な巣から追われて来たものと認識しています。現在、目標はジェオルジ近郊の村に迫っているというだけで、具体的な被害が出ている状態でもありません。人の生活区域へ向かうルートを外れて、村から遠い別の山なり森なりに移住してもらえればそれでよいのです。殲滅は、マストオーダーとするところではありません」
調子を取り戻して流暢に語る使者の言葉に、ルミはう~んと小さく喉を鳴らす。
「なるほど……それなら、駆け出しのハンターさんでも何とかなるかもですね」
「協会からも、可能な限りの支援は行います。どうぞ、よろしくお願いします」
そう言って頭を下げた使者に、ルミは人差し指と親指をくっつけて『OK』とジェスチャーで返事を返す。
そのままその指でパスタをつまむと、ひょいと小さくすぼめた口先に放り込むのだった。
カリッと揚げたきつね色のスティックパスタ。
ポルトワール海産出の天然塩で優しく味付けしたスナックは、ここ最近の彼女の職中食の鉄板だ。
それを手摘みでポリポリとかじりながら、ルミは回って来た仕事の内容に対して、眉ひとつ動かさずに聞き返した。
「ええ、コボルドです。ジェオルジ郊外に。それも沢山の」
「ふぅん」
小さく頷きながら、ポリポリと次の1本に手を伸ばす。
この手のスナックは、1回手を付けると全部なくなるまでなかなか手が止まないものだ。
お腹に溜まるというわけでもないのに、ポリポリ、ポリポリと、口寂しいのを誤魔化すように次々と咥えてしまう。
「じゃあ、依頼で出しておきますね。ジェオルジ周辺って今は収穫の時期ですし、作物がやられないと良いですねぇ」
から返事をしながら湿ったタオルで指先を拭い、机の脇に積まれた依頼掲載用の白紙書類をつまみ上げる。
そして、ずいぶん扱いにも慣れた羽ペンの先に、ちょんと墨壺のインクを湿らせて、用紙の上に滑らせた。
「それで、数はどれくらいなんですか?」
「あの、それが……」
随分と落ち着いた様子(というか、意にも介していない様子)のルミとは対照的に、依頼を持ってきた魔術師協会の使者は、ローブの陰から覗く目をあちこちに泳がせながらしどろもどろと答えた。
「ええと……なんと申してよいやら」
そうして指折り数えて、ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ……途中から諦めたように全部の指をぐっと握りしめて、眉の端をいっそう低く下げた。
「そ、その……沢山です」
「“沢山”じゃわかりませんよぉ。大体で良いので、教えてください。今数えてた感じだと、4匹ですか? 5匹ですか?」
余裕しゃくしゃくの笑みを浮かべながら、左の手でパスタをつまむ。ポリッ。
コボルドは人里に降りて来れば立派な害獣となる亜人だが、それほど脅威となる相手ではない。
駆け出しのハンターだって、十分に力を発揮すれば苦戦すらしないような相手だ。
今まで沢山の依頼を扱ってきたからこその油断というか慢心が、ルミの認識を妨げていたのは、何を見るよりも明らかなことである。
「その……沢山です。数えきれないくらい。40、50……いや、もしかしたら3桁もくだらないかも……」
「さ、3桁ぁ!?」
だからこそ、その報告を聞いてようやく事の重大さを理解して、目を白黒させてしまうのも無理のないことだった。
その拍子に、咥えたままのスティックパスタが根本からポキリと折れて、乾いた音と共に床に転がった。
「そ、そんなに沢山なんて、聞いてないよ!?」
「す、すみませんっ!」
ルミの勢いに、使者は思わず深く頭を下げる。
「え~、どうしよう!? 同盟の現状じゃ、対処できるくらいたくさんの有力なハンターさん集まるのかなぁ……?」
「あ、あの、それに関してなのですが、協会の方から1つ提案がありまして」
ルミが焦りを見せたぶん、多少落ち着きを取り戻した使者が、協会からの書状を胸元で掲げて見せた。
「今回の依頼をソサエティのハンター育成プログラムとして、ユニオンから支援させて頂きたいとの意向をお預かりしております」
「え? あー、あの新人育成の……?」
虚を突かれて目を丸くしたルミに、使者はコクリと小さく頷く。
「コボルドの大量発生に関しては、おそらく昨今の同盟領内の緊張の影響で、大規模な巣から追われて来たものと認識しています。現在、目標はジェオルジ近郊の村に迫っているというだけで、具体的な被害が出ている状態でもありません。人の生活区域へ向かうルートを外れて、村から遠い別の山なり森なりに移住してもらえればそれでよいのです。殲滅は、マストオーダーとするところではありません」
調子を取り戻して流暢に語る使者の言葉に、ルミはう~んと小さく喉を鳴らす。
「なるほど……それなら、駆け出しのハンターさんでも何とかなるかもですね」
「協会からも、可能な限りの支援は行います。どうぞ、よろしくお願いします」
そう言って頭を下げた使者に、ルミは人差し指と親指をくっつけて『OK』とジェスチャーで返事を返す。
そのままその指でパスタをつまむと、ひょいと小さくすぼめた口先に放り込むのだった。
解説
▼概要
魔術師協会から、駆け出しハンター育成プログラムの依頼です。
同盟領農耕推進区域「ジェオルジ」の郊外に迫るコボルドの群れを撃退してください。
依頼の目的は「殲滅」ではなく「撃退」です。
コボルドは文字通り無尽蔵に出現するため、「殲滅」は不可能と明言します。
今回のシナリオでは敵勢を一括する「戦意ポイント」が存在し、ハンターの行動や戦況により増減します。
このポイントが「0」になった時、コボルド達は村方向への侵攻を諦め、人里離れた移住地を探すため撤退するというものです。
ただ数を減らすだけでも「戦意ポイント」は減少しますが、認識が獣並みの相手にとっては微減程度の効果しかありません。
いかに群勢としてのコボルド達の戦意を削ぐか。
それを成すプレイングが、依頼達成の鍵となります。
フィールドはだだっぴろい平地の草原です。
障害物はなく、四方は完全に開けています。
群勢の予想進路は取れているので、先に想定戦場に出向いて迎え撃つ準備をすることも可能です。
時間にして、12時間ほどの猶予が存在します。
設置しましたサポート参加枠はこの準備時間などでお使いください。
時間と策をうまく巡らせて、可能な限りスムーズな撃退を目指しましょう。
▼敵戦力
コボルド×無尽蔵
コボルドはとても貧弱な亜人です。
駆け出しハンターであっても、1対1の状況であれば難なく戦う事が可能でしょう。
しかし、コボルドは集団で獲物を追いつめるという方法で狩りを行います。
数の利も当然あちらにある中で、まったくの策なしに1対1の状況を作り続けることは難しいでしょう。
多勢相手にどう立ち回るのかも、攻略の鍵となってきます。
魔術師協会から、駆け出しハンター育成プログラムの依頼です。
同盟領農耕推進区域「ジェオルジ」の郊外に迫るコボルドの群れを撃退してください。
依頼の目的は「殲滅」ではなく「撃退」です。
コボルドは文字通り無尽蔵に出現するため、「殲滅」は不可能と明言します。
今回のシナリオでは敵勢を一括する「戦意ポイント」が存在し、ハンターの行動や戦況により増減します。
このポイントが「0」になった時、コボルド達は村方向への侵攻を諦め、人里離れた移住地を探すため撤退するというものです。
ただ数を減らすだけでも「戦意ポイント」は減少しますが、認識が獣並みの相手にとっては微減程度の効果しかありません。
いかに群勢としてのコボルド達の戦意を削ぐか。
それを成すプレイングが、依頼達成の鍵となります。
フィールドはだだっぴろい平地の草原です。
障害物はなく、四方は完全に開けています。
群勢の予想進路は取れているので、先に想定戦場に出向いて迎え撃つ準備をすることも可能です。
時間にして、12時間ほどの猶予が存在します。
設置しましたサポート参加枠はこの準備時間などでお使いください。
時間と策をうまく巡らせて、可能な限りスムーズな撃退を目指しましょう。
▼敵戦力
コボルド×無尽蔵
コボルドはとても貧弱な亜人です。
駆け出しハンターであっても、1対1の状況であれば難なく戦う事が可能でしょう。
しかし、コボルドは集団で獲物を追いつめるという方法で狩りを行います。
数の利も当然あちらにある中で、まったくの策なしに1対1の状況を作り続けることは難しいでしょう。
多勢相手にどう立ち回るのかも、攻略の鍵となってきます。
マスターより
お久しぶりです、のどかです。
正式な復帰のご挨拶は後日マスタースケジュールの方で行わせていただきたいので、ここではシナリオの紹介をさせていただきます。
復帰1回目のシナリオは、のどかも初心に帰りましてコボルド退治です。
【初心】相当のシナリオではありますが、真正面から力圧しでクリアできる依頼ではありません。
ぜひ、いろいろと策を考えてみてくださいね。
質問がありましたら、ルミちゃんが可能な範囲でお答えします。
別途、質問卓を立ててご用命ください。
みなさまの参加をお待ちしております。
正式な復帰のご挨拶は後日マスタースケジュールの方で行わせていただきたいので、ここではシナリオの紹介をさせていただきます。
復帰1回目のシナリオは、のどかも初心に帰りましてコボルド退治です。
【初心】相当のシナリオではありますが、真正面から力圧しでクリアできる依頼ではありません。
ぜひ、いろいろと策を考えてみてくださいね。
質問がありましたら、ルミちゃんが可能な範囲でお答えします。
別途、質問卓を立ててご用命ください。
みなさまの参加をお待ちしております。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/10/12 00:55
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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質問卓 カイン・シュミート(ka6967) ドラグーン|22才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2017/10/04 11:37:17 |
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相談卓 フィオナ・クラレント(ka4101) 人間(リアルブルー)|21才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2017/10/05 22:42:36 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/10/06 01:54:36 |