ゲスト
(ka0000)
【陶曲】呪いの砂雨
マスター:真柄葉

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
魔術師協会広報室- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在5人 / 3~5人
- サポート
- 現在1人 / 0~3人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/10/05 07:30
- リプレイ完成予定
- 2017/10/19 07:30
オープニング
●同盟領西部のとある渓谷
「オーライ、オーライ!!」
渓谷に野太い声が響き渡った。
「ゆっくりだ、ゆっくり降ろせよ!!」
薄いシャツをびっしょりと汗に濡らし、屈強な男達が何mもある木材を組み上げていく。
10段にもなろうかというこの本格的な木の足場は、とあるものを掘りだすために組まれていた。
「傷つけるなよ! 慎重に周りを削っていくんだ!!」
何人もの男達がつるはしやシャベルを手に、堅く固まった砂岩層をがりがりと削り取っていく。
「進捗はどうだ?」
炎天下の中、汗を流す工作兵の元に、杖を突いた老齢な偉丈夫が現れた。
「こ、これは元す――いつッ!?」
「ここに元帥はおらんぞ」
「し、失礼しましたっ! 名誉大将閣――うぐぉおっ!?」
「退役兵に閣下はいらん」
「も、申し訳ありません……」
歴戦の拳骨を何度も叩き落とされた兵士は目から熱いものを流しながらも、大層な肩書を持ったこの老人イザイア・バッシ(kz0104)に現場の進捗を事細かに説明していく。
「ふむ……やはり同型か」
「はい、多少の差異はあれ、各地で発見されている『腕』と同じものと考えられます。素材――といっても何で出来ているかまだ解明できていないのですが、それも同じであるだろうとの事です」
「であろう、か。詳しい話が聞きたいな。魔術師協会の人間はどこだ?」
「そ、それが……」
「どうした?」
「はい、魔術師協会から派遣されてきた術師の方は、『腕』発見と同時に報告が必要だと、ヴァリオスに戻られました」
自分が悪いわけでもないのに、兵士は申し訳なさそうにそう答えた。
「おいおい、頼んだのはそっちだろう。職場放棄は軍法会議もんだぞ」
「なにぶん相手は魔術師の方ですので……」
「しかし、こんな辺鄙な場所に老人を出張らせて……こりゃ、ジルダのばばぁには追加請求せにゃならんな」
魔術師協会の長たる人物の名を出し、ばばぁと言ってのける人間などこの広い同盟領においてもこの老人だけだろう。
イザイアは申し訳なさそうに首を垂れる兵士の頭を乱暴になでつけると、再び足場の上へ視線を遣った。
「うん? 見慣れん顔が居るな。新兵か?」
「あ、いえ、あの方々はハンターズソサエティからの応援で作業を手助けしてくれています」
「ほう、そりゃ頼もしいな」
「同盟軍も最近の歪虚騒ぎで人手が不足していますから……」
比較的動きの鈍かった同盟領内の歪虚達が、ここ数カ月、活性化している。
同盟領を守る同盟軍も各地に現れた歪虚に対応する為、様々な場所へ派兵していた。
「そんなクソ忙しい時に穴掘りを手伝えとはな。あのばばぁ、今度会ったら覚えとけよ」
そう言ってイザイアは、砂岩から顔を覗かせる巨大な『腕』に視線を向ける。
●渓谷の端
『おや、何やら賑やかですねぇ』
片眼を閉じ、四本の腕を器用に組んだ長身が彼方の空へ顔を向けた。
『人間どもが集まって何を――なんと、あれはまさか』
思わず閉じていた片目を開き、黄金色の瞳が見開かれる。
『……フフフ、道理で胸の奥がざわめくはずですねぇ』
フフフとほくそ笑んだクラーレ・クラーラ(kz0225)は、再び片眼を閉じると遥か彼方へ意識を飛ばす。
(な、なんでこんな所に歪虚がいるの……!?)
クラーレの立っている場所の直下。
崖下のえぐれた場所に身を潜めた一人の女兵士が、無意識に上がる鼓動を必死になだめようとしていた。
(何とかこの事を報告しなくちゃ……)
女兵士は定期連絡の為にポルトワールとこの現場を週に一度往復している。
その道中、まだ強い日差しを避け足を休めようと岩陰に入った時、頭上から聞こえ漏れた声に咄嗟に息を殺したのだ。
(も、もしかして、今発掘してるモノを狙って……?)
崖上からひしひしと感じる圧倒的な威圧感に、とめどなく流れる冷や汗を拭いながら女兵士は耳を澄ませる。
『しかし、いつの間に復活したのやら。カッツオ辺りがいらぬ世話でも焼いたのでしょうかねぇ。まったく、そのまま寝かせていればいいものを』
組んだ四本の腕を解いたクラーレ。
『しかし……動くこともできず、ただ人間どもの手に落ちるだけ。なんとも滑稽じゃありませんか』
クククと口元を小さく震わせるクラーレは、閉じていた片目を開いた。
『まぁ、特に回収する義理はありませんが……腐っても御方の一部。利用させてもらいましょうかねぇ。ハンターの方々の活躍を彩るいい餌として』
指で顎の輪郭をなぞりながらクラーレは独り言ちる。
『とは言ったものの……この辺りには大して『素材』になりそうなものがありませんねぇ』
辺りを見渡すクラーレはどこか残念そうにそう呟いた。その目に映るのは渓谷の脇に広がるのは秋風にたなびく黄金色の小麦畑。
『仕方ありません、あれで行きますか』
そう言って、クラーレは指を軽く鳴らした。
●現場
「落とすぞ! 下の奴、気を付けろよ!!」
振り下ろされたつるはしがガンっと小気味の良い音を響かせ、砂岩を断層から剥がし落とした。
「一体、どんだけ埋まってるんだ……?」
『腕』は表面に現れている部分だけで、すでに10mを超す。
その両端はいまだ砂岩の中に埋まっており、全体像はまだ見えずにいた。
「他で見つかった中には30m位あるものもあるらしいぞ」
「はぁ? そんなにでかいのかよ。あと何m掘ればいいんだ……早くポルトワールに帰りてぇ……」
「ほら、文句言わないで掘る掘る! ハンターの人達の方がよっぽど頑張ってるじゃない!」
「へいへーい……」
ハンター達もいつもの武器を発掘道具に持ち替え、発掘作業に汗を流す。
「それにしても……」
作業現場の監督でもある女性士官は、部下達にハッパをかけると共に、改めて『腕』と呼ばれるものを見つめた。
まるで大地に突き刺さる様に垂直に埋まったそれは、まるで陶器人形の体の一部のようにも見える。
「詮索するのは私達の役目じゃないわね――さぁ、もうすぐお昼よ! 気合入れなさい!」
時計に目を遣り時間を確認した女性士官が、再度はっぱをかけた。
そんな時だった。
現場にけたたましく異変を知らせる銅鑼の音が響いたのは――。
「オーライ、オーライ!!」
渓谷に野太い声が響き渡った。
「ゆっくりだ、ゆっくり降ろせよ!!」
薄いシャツをびっしょりと汗に濡らし、屈強な男達が何mもある木材を組み上げていく。
10段にもなろうかというこの本格的な木の足場は、とあるものを掘りだすために組まれていた。
「傷つけるなよ! 慎重に周りを削っていくんだ!!」
何人もの男達がつるはしやシャベルを手に、堅く固まった砂岩層をがりがりと削り取っていく。
「進捗はどうだ?」
炎天下の中、汗を流す工作兵の元に、杖を突いた老齢な偉丈夫が現れた。
「こ、これは元す――いつッ!?」
「ここに元帥はおらんぞ」
「し、失礼しましたっ! 名誉大将閣――うぐぉおっ!?」
「退役兵に閣下はいらん」
「も、申し訳ありません……」
歴戦の拳骨を何度も叩き落とされた兵士は目から熱いものを流しながらも、大層な肩書を持ったこの老人イザイア・バッシ(kz0104)に現場の進捗を事細かに説明していく。
「ふむ……やはり同型か」
「はい、多少の差異はあれ、各地で発見されている『腕』と同じものと考えられます。素材――といっても何で出来ているかまだ解明できていないのですが、それも同じであるだろうとの事です」
「であろう、か。詳しい話が聞きたいな。魔術師協会の人間はどこだ?」
「そ、それが……」
「どうした?」
「はい、魔術師協会から派遣されてきた術師の方は、『腕』発見と同時に報告が必要だと、ヴァリオスに戻られました」
自分が悪いわけでもないのに、兵士は申し訳なさそうにそう答えた。
「おいおい、頼んだのはそっちだろう。職場放棄は軍法会議もんだぞ」
「なにぶん相手は魔術師の方ですので……」
「しかし、こんな辺鄙な場所に老人を出張らせて……こりゃ、ジルダのばばぁには追加請求せにゃならんな」
魔術師協会の長たる人物の名を出し、ばばぁと言ってのける人間などこの広い同盟領においてもこの老人だけだろう。
イザイアは申し訳なさそうに首を垂れる兵士の頭を乱暴になでつけると、再び足場の上へ視線を遣った。
「うん? 見慣れん顔が居るな。新兵か?」
「あ、いえ、あの方々はハンターズソサエティからの応援で作業を手助けしてくれています」
「ほう、そりゃ頼もしいな」
「同盟軍も最近の歪虚騒ぎで人手が不足していますから……」
比較的動きの鈍かった同盟領内の歪虚達が、ここ数カ月、活性化している。
同盟領を守る同盟軍も各地に現れた歪虚に対応する為、様々な場所へ派兵していた。
「そんなクソ忙しい時に穴掘りを手伝えとはな。あのばばぁ、今度会ったら覚えとけよ」
そう言ってイザイアは、砂岩から顔を覗かせる巨大な『腕』に視線を向ける。
●渓谷の端
『おや、何やら賑やかですねぇ』
片眼を閉じ、四本の腕を器用に組んだ長身が彼方の空へ顔を向けた。
『人間どもが集まって何を――なんと、あれはまさか』
思わず閉じていた片目を開き、黄金色の瞳が見開かれる。
『……フフフ、道理で胸の奥がざわめくはずですねぇ』
フフフとほくそ笑んだクラーレ・クラーラ(kz0225)は、再び片眼を閉じると遥か彼方へ意識を飛ばす。
(な、なんでこんな所に歪虚がいるの……!?)
クラーレの立っている場所の直下。
崖下のえぐれた場所に身を潜めた一人の女兵士が、無意識に上がる鼓動を必死になだめようとしていた。
(何とかこの事を報告しなくちゃ……)
女兵士は定期連絡の為にポルトワールとこの現場を週に一度往復している。
その道中、まだ強い日差しを避け足を休めようと岩陰に入った時、頭上から聞こえ漏れた声に咄嗟に息を殺したのだ。
(も、もしかして、今発掘してるモノを狙って……?)
崖上からひしひしと感じる圧倒的な威圧感に、とめどなく流れる冷や汗を拭いながら女兵士は耳を澄ませる。
『しかし、いつの間に復活したのやら。カッツオ辺りがいらぬ世話でも焼いたのでしょうかねぇ。まったく、そのまま寝かせていればいいものを』
組んだ四本の腕を解いたクラーレ。
『しかし……動くこともできず、ただ人間どもの手に落ちるだけ。なんとも滑稽じゃありませんか』
クククと口元を小さく震わせるクラーレは、閉じていた片目を開いた。
『まぁ、特に回収する義理はありませんが……腐っても御方の一部。利用させてもらいましょうかねぇ。ハンターの方々の活躍を彩るいい餌として』
指で顎の輪郭をなぞりながらクラーレは独り言ちる。
『とは言ったものの……この辺りには大して『素材』になりそうなものがありませんねぇ』
辺りを見渡すクラーレはどこか残念そうにそう呟いた。その目に映るのは渓谷の脇に広がるのは秋風にたなびく黄金色の小麦畑。
『仕方ありません、あれで行きますか』
そう言って、クラーレは指を軽く鳴らした。
●現場
「落とすぞ! 下の奴、気を付けろよ!!」
振り下ろされたつるはしがガンっと小気味の良い音を響かせ、砂岩を断層から剥がし落とした。
「一体、どんだけ埋まってるんだ……?」
『腕』は表面に現れている部分だけで、すでに10mを超す。
その両端はいまだ砂岩の中に埋まっており、全体像はまだ見えずにいた。
「他で見つかった中には30m位あるものもあるらしいぞ」
「はぁ? そんなにでかいのかよ。あと何m掘ればいいんだ……早くポルトワールに帰りてぇ……」
「ほら、文句言わないで掘る掘る! ハンターの人達の方がよっぽど頑張ってるじゃない!」
「へいへーい……」
ハンター達もいつもの武器を発掘道具に持ち替え、発掘作業に汗を流す。
「それにしても……」
作業現場の監督でもある女性士官は、部下達にハッパをかけると共に、改めて『腕』と呼ばれるものを見つめた。
まるで大地に突き刺さる様に垂直に埋まったそれは、まるで陶器人形の体の一部のようにも見える。
「詮索するのは私達の役目じゃないわね――さぁ、もうすぐお昼よ! 気合入れなさい!」
時計に目を遣り時間を確認した女性士官が、再度はっぱをかけた。
そんな時だった。
現場にけたたましく異変を知らせる銅鑼の音が響いたのは――。
解説
●目的
発見された『腕』を守り通してください。
●場所
緩やかに蛇行する5kmほど続く渓谷です。
渓谷の幅は50m~100m、左右の崖は40mほどです。
『腕』が顔を覗かせているのは地上20m辺り。
採掘の為に木の足場が組まれており、崖の上から魔導エンジン駆動のクレーンも据えられています。
●敵
藁人形:
動く藁人形です。
攻撃手段は両拳での打撃のみ。見た目に反し意外と機敏です。
防御力はほとんどありませんが、藁人形という性質上、打、突、銃撃はほぼ効果が見込めません。
また、火属性以外の魔法も効果は薄いです。
更にこの藁人形の最大の特徴は「呪い」を持っている事。
倒されるごとに、倒した相手に敏捷を1下げる呪いをかけます。
呪いを受けると、体が少し重くなったように感じます。
なお、倒した対象が不明な場合は、ランダムに呪いを振り撒きます。
総数は300。
●補足
・同盟軍の工作兵は50名。全て一般人です。
・皆様は発掘作業の手伝いをしていた為、軽装&非武装(護身用のナイフなどは身に着けててもOK)です。
・戦闘開始場所は、足場周辺であればある程度自由に決めてください。
・大型武器や重防具などは、現場から500m程離れた休憩所(崖下)に置かれています。
・藁人形の「呪い」は、依頼終了時まで続きます。依頼解決時には全てのステータスは元に戻ります。
・不明な点があれば、質問卓の設置をお願いします。
発見された『腕』を守り通してください。
●場所
緩やかに蛇行する5kmほど続く渓谷です。
渓谷の幅は50m~100m、左右の崖は40mほどです。
『腕』が顔を覗かせているのは地上20m辺り。
採掘の為に木の足場が組まれており、崖の上から魔導エンジン駆動のクレーンも据えられています。
●敵
藁人形:
動く藁人形です。
攻撃手段は両拳での打撃のみ。見た目に反し意外と機敏です。
防御力はほとんどありませんが、藁人形という性質上、打、突、銃撃はほぼ効果が見込めません。
また、火属性以外の魔法も効果は薄いです。
更にこの藁人形の最大の特徴は「呪い」を持っている事。
倒されるごとに、倒した相手に敏捷を1下げる呪いをかけます。
呪いを受けると、体が少し重くなったように感じます。
なお、倒した対象が不明な場合は、ランダムに呪いを振り撒きます。
総数は300。
●補足
・同盟軍の工作兵は50名。全て一般人です。
・皆様は発掘作業の手伝いをしていた為、軽装&非武装(護身用のナイフなどは身に着けててもOK)です。
・戦闘開始場所は、足場周辺であればある程度自由に決めてください。
・大型武器や重防具などは、現場から500m程離れた休憩所(崖下)に置かれています。
・藁人形の「呪い」は、依頼終了時まで続きます。依頼解決時には全てのステータスは元に戻ります。
・不明な点があれば、質問卓の設置をお願いします。
マスターより
お世話になっております。真柄 葉(まがら よう)と申します。
今回のシナリオは【陶曲】連動第三弾!
次々と発見される謎の『腕』が、この辺鄙な渓谷でも発見されました。
大量の藁人形の呪いに打ち勝ち、見事『腕』を死守してください。
更に今までPL情報にとどまっていたクラーレ君の計画の一端を、偶然聞いちゃった兵士ちゃん。
この情報を持ちかえる事ができれば、色々な情報が人間サイドにもたらされる事間違いなし!
頑張れ兵士ちゃん! 最後までハイドしてクラーレ君のアホな独り言をお家までしっかり持ち帰るのだ……!
それでは、今シナリオもよろしくお願いいたします。
今回のシナリオは【陶曲】連動第三弾!
次々と発見される謎の『腕』が、この辺鄙な渓谷でも発見されました。
大量の藁人形の呪いに打ち勝ち、見事『腕』を死守してください。
更に今までPL情報にとどまっていたクラーレ君の計画の一端を、偶然聞いちゃった兵士ちゃん。
この情報を持ちかえる事ができれば、色々な情報が人間サイドにもたらされる事間違いなし!
頑張れ兵士ちゃん! 最後までハイドしてクラーレ君のアホな独り言をお家までしっかり持ち帰るのだ……!
それでは、今シナリオもよろしくお願いいたします。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/10/17 01:04
参加者一覧
サポート一覧
- ジュード・エアハート(ka0410)
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談卓 ロベリア・李(ka4206) 人間(リアルブルー)|38才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2017/10/04 23:18:50 |
|
![]() |
質問卓 エアルドフリス(ka1856) 人間(クリムゾンウェスト)|30才|男性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2017/10/03 16:18:16 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/09/30 02:47:36 |
|
![]() |
解説項修正のお詫び ホリー=アイスマン(kz0204) 人間(リアルブルー)|28才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 |