ゲスト
(ka0000)
【東幕】亥子の賀儀
マスター:猫又ものと

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 3日
- プレイング締切
- 2017/10/15 19:00
- リプレイ完成予定
- 2017/10/24 19:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
――エトファリカとはかつて往来があった辺境民が美しさを讃え、その景観そのものにつけた『美しいもの』を示す名である。
歪虚の侵攻により東方の国が尽く滅び、その体裁を保てなくなり――生き残った者達が暮らす場所が必要となった。
歪虚に包囲され、この地から出ることもままならなくなった彼らは、西方との繋がりが希望に繋がると信じ、いつか来るその日の為、西方諸国と政治的に渡り合う枠組みを欲した。
東方大陸南部の小さな島国だったその地の帝は、いつか東方の全てを取り戻す為、自らの名を捨て「エトファリカ」を掲げたという。
――生き残った民達に土地と符術を分け与えた初代の帝は、連邦制へ以降する前から存在した政府、「朝廷」の長として君臨した。
一方、歪虚に対抗するべく急激に肥大化した武家という軍事力を監督する為、「幕府」という第二政府を新設する。
「陰陽寮」と呼ばれる符術師運用機関を抱え、国防の要たる大結界「天ノ御柱」を維持する帝と、それを支える朝廷。
その朝廷から軍権、即ち武家四十八家門の運用を任された幕府は、最上位第一家門の長「征夷大将軍」と上位六家門により管理されていたが――九蛇頭尾大黒狐 獄炎との戦いにより黒龍が消滅。
それはエトファリカの首都圏を覆っていた広域結界の消失と……歴代の帝が長きに渡り、その命を燃やしながら続けてきた「お柱」の役目が終了したことを同時に意味していた。
結界の維持を生業としていた朝廷の立場の変化。そして以前と変わらず力を持ち続ける幕府――。
国内が復興へと進む中、水面下では緊張した状態が続いている。
●亥子の賀儀
エトファリカ連邦の天ノ都、朝堂院。
荘厳な雰囲気のあるそこを、深紫の狩衣を着たスメラギ(kz0158)が仏頂面で歩いていた。
――この衣装が正式な礼装であることも、儀式の折にはこれを着ないといけないことも承知している。
……でも、何でこんなに動きにくいんだろう。
こんなに布引きずってたらいざという時に走れないではないか。
――以前、このことを朝廷で儀式を取りまとめる立場である左大臣、足柄天晴(あしがら・てんせい)にモノ申したら『そもそも儀式において走る必要はない』から始まり2時間に渡る説教を受けた。
天晴は一事が万事こんな感じなので、スメラギは左大臣が若干苦手なのであるが……今日はそうも言っていられない。
そう。これから数日に渡って執り行われる『亥子の賀儀』の儀式に参加しなければならないからだ。
亥子の賀儀とは、分かり易く言うと収穫を祝う祭である。
朝廷の長であるスメラギが、エトファリカの守りの要である黒龍や精霊達に初穂を供え、その年の新米で餅を作り、それを食すというもので、黒龍の巫子である帝が自らが食すことで新たな力を得、翌年の豊穣を約束するものとされてきた。
何より、この儀式を行うことで市井の民もまた収穫祭を各々出来るようになるのだ。
民が喜び、笑い、この一年の実りに感謝し、来年の豊穣を願う最初の儀式。
他の儀式はハッキリ言ってクソくらえだが、この儀式だけは面白いし、好きだ。
毎年エトファリカが明るい雰囲気に包まれるこの季節に、いつか大勢のハンター達を呼べたらいいのだが……。
そこまで考えたスメラギ。
ふと東西交流祭で会った詩天の王、三条 真美(kz0198)を思い出す。
――そういや、紫草が変な話振って困らせたみてえだし、詫びに呼んでみるか。
収穫祭が嫌いなお子様はいねーだろうし。
「……亥子の賀儀の後にやる祭に九代目詩天を招待する。紫草と天晴のおっさんに話通しといてくれねーか」
「は……? スメラギ様、それはどういう……?」
「ダチを祭に呼ぶんだよ」
スメラギの突然の申し出に固まる近侍。
見合い(予定)の相手を公式の場に呼ぶ、というのは、朝廷の面々が騒ぎそうな事態であるのだが。
当のスメラギはそれに全く思い至らないようだった。
エトファリカ連邦、詩天。若峰の黒狗城。
スメラギの代わりに、と添えられた立花院 紫草(kz0126)からの書状に、真美は困った顔をしていた。
「武徳。これどう思います……?」
「むう……。行事への招待のように見えますが……」
三条家の軍師である水野 武徳(kz0196)も難しい顔。
無理もない。先日、スメラギと真美との見合いを仕掛けて来たのは他でもない紫草だ。
そんなことがあって、こういった公式の場に招待されるということは、何かあるのではと考えてしまう。
「……釣書も御座いませんし、正式な見合いの打診という訳ではないように御座いますな。さりとて、裏がないとも言い切れぬ……」
真美を呼び寄せて、正式に見合いの話をするつもりなのかもしれない。
あまり喜ばしい状況とは言えぬが――かといって断るのも角が立つ。
「……私、このご招待受けようと思います」
「は……!? しかし……」
「スメラギ様とはお友達ですし、お誘いをお断りする理由はありません」
きっぱりと断じた真美にため息をつく武徳。見合いの話がある以上、気軽に天ノ都に乗り込むのは得策ではないという話なのだが……。
しかし、このままこの話を放置しておくのも身動きが取りづらく――。
「……腹の探り合いは得意とするところでは御座るが……このままでは憶測が憶測を呼び、真美様の身の回りが面倒なことになりかねませんな」
「それに、立花院様からお見合いの話をされても、お断りしようかと思いますし」
「……いえ、真美様。その場で返事をすると角が立つ場合が御座います。その際は、まずは拙者にご報告くだされ」
素直に頷く王にどこかホッとした表情を浮かべる武徳。
彼が安堵したのは勿論政治的な面もあるが、この王があまりにも幼く素直で……主の健やかな成長を願う身としての本音もある。
もっとも真美が見合いをしない、と決めたのは政治的な面は一切なく、大切なお友達や臣下に『結婚は、一番好きな人とするのがいい』と言われたからなのだが……。
問題は、真美自身がその『一番好き』が良く分からないことだ。
いずれ自分にも分かる日が来るのだろうか……。
「……招待を受ける旨は承知致しました。ただし、お供を同伴して戴きたく存じます。万が一のことも考えて、腕の立つ者が宜しいでしょうな」
「そうなると、ハンターさんがいいでしょうか」
「そうですな。彼らはこの国においては中立な立場。面倒事も起こりにくいかと存じます」
「分かりました。早速ですが手配をお願いできますか」
「御意」
武徳は深く頭を下げ――。
「……招待を受けて下さいましたか。それは何よりです。では、手筈通りに進めて戴けますか」
「紫草様、本当に宜しいのですか?」
「ええ。スメラギ様に便乗するだけです。何の問題もありませんよ」
心配そうな朱夏(kz0116)に笑顔を返す紫草。
――様々な思惑を乗せて、エトファリカの収穫祭が始まる。
――エトファリカとはかつて往来があった辺境民が美しさを讃え、その景観そのものにつけた『美しいもの』を示す名である。
歪虚の侵攻により東方の国が尽く滅び、その体裁を保てなくなり――生き残った者達が暮らす場所が必要となった。
歪虚に包囲され、この地から出ることもままならなくなった彼らは、西方との繋がりが希望に繋がると信じ、いつか来るその日の為、西方諸国と政治的に渡り合う枠組みを欲した。
東方大陸南部の小さな島国だったその地の帝は、いつか東方の全てを取り戻す為、自らの名を捨て「エトファリカ」を掲げたという。
――生き残った民達に土地と符術を分け与えた初代の帝は、連邦制へ以降する前から存在した政府、「朝廷」の長として君臨した。
一方、歪虚に対抗するべく急激に肥大化した武家という軍事力を監督する為、「幕府」という第二政府を新設する。
「陰陽寮」と呼ばれる符術師運用機関を抱え、国防の要たる大結界「天ノ御柱」を維持する帝と、それを支える朝廷。
その朝廷から軍権、即ち武家四十八家門の運用を任された幕府は、最上位第一家門の長「征夷大将軍」と上位六家門により管理されていたが――九蛇頭尾大黒狐 獄炎との戦いにより黒龍が消滅。
それはエトファリカの首都圏を覆っていた広域結界の消失と……歴代の帝が長きに渡り、その命を燃やしながら続けてきた「お柱」の役目が終了したことを同時に意味していた。
結界の維持を生業としていた朝廷の立場の変化。そして以前と変わらず力を持ち続ける幕府――。
国内が復興へと進む中、水面下では緊張した状態が続いている。
●亥子の賀儀
エトファリカ連邦の天ノ都、朝堂院。
荘厳な雰囲気のあるそこを、深紫の狩衣を着たスメラギ(kz0158)が仏頂面で歩いていた。
――この衣装が正式な礼装であることも、儀式の折にはこれを着ないといけないことも承知している。
……でも、何でこんなに動きにくいんだろう。
こんなに布引きずってたらいざという時に走れないではないか。
――以前、このことを朝廷で儀式を取りまとめる立場である左大臣、足柄天晴(あしがら・てんせい)にモノ申したら『そもそも儀式において走る必要はない』から始まり2時間に渡る説教を受けた。
天晴は一事が万事こんな感じなので、スメラギは左大臣が若干苦手なのであるが……今日はそうも言っていられない。
そう。これから数日に渡って執り行われる『亥子の賀儀』の儀式に参加しなければならないからだ。
亥子の賀儀とは、分かり易く言うと収穫を祝う祭である。
朝廷の長であるスメラギが、エトファリカの守りの要である黒龍や精霊達に初穂を供え、その年の新米で餅を作り、それを食すというもので、黒龍の巫子である帝が自らが食すことで新たな力を得、翌年の豊穣を約束するものとされてきた。
何より、この儀式を行うことで市井の民もまた収穫祭を各々出来るようになるのだ。
民が喜び、笑い、この一年の実りに感謝し、来年の豊穣を願う最初の儀式。
他の儀式はハッキリ言ってクソくらえだが、この儀式だけは面白いし、好きだ。
毎年エトファリカが明るい雰囲気に包まれるこの季節に、いつか大勢のハンター達を呼べたらいいのだが……。
そこまで考えたスメラギ。
ふと東西交流祭で会った詩天の王、三条 真美(kz0198)を思い出す。
――そういや、紫草が変な話振って困らせたみてえだし、詫びに呼んでみるか。
収穫祭が嫌いなお子様はいねーだろうし。
「……亥子の賀儀の後にやる祭に九代目詩天を招待する。紫草と天晴のおっさんに話通しといてくれねーか」
「は……? スメラギ様、それはどういう……?」
「ダチを祭に呼ぶんだよ」
スメラギの突然の申し出に固まる近侍。
見合い(予定)の相手を公式の場に呼ぶ、というのは、朝廷の面々が騒ぎそうな事態であるのだが。
当のスメラギはそれに全く思い至らないようだった。
エトファリカ連邦、詩天。若峰の黒狗城。
スメラギの代わりに、と添えられた立花院 紫草(kz0126)からの書状に、真美は困った顔をしていた。
「武徳。これどう思います……?」
「むう……。行事への招待のように見えますが……」
三条家の軍師である水野 武徳(kz0196)も難しい顔。
無理もない。先日、スメラギと真美との見合いを仕掛けて来たのは他でもない紫草だ。
そんなことがあって、こういった公式の場に招待されるということは、何かあるのではと考えてしまう。
「……釣書も御座いませんし、正式な見合いの打診という訳ではないように御座いますな。さりとて、裏がないとも言い切れぬ……」
真美を呼び寄せて、正式に見合いの話をするつもりなのかもしれない。
あまり喜ばしい状況とは言えぬが――かといって断るのも角が立つ。
「……私、このご招待受けようと思います」
「は……!? しかし……」
「スメラギ様とはお友達ですし、お誘いをお断りする理由はありません」
きっぱりと断じた真美にため息をつく武徳。見合いの話がある以上、気軽に天ノ都に乗り込むのは得策ではないという話なのだが……。
しかし、このままこの話を放置しておくのも身動きが取りづらく――。
「……腹の探り合いは得意とするところでは御座るが……このままでは憶測が憶測を呼び、真美様の身の回りが面倒なことになりかねませんな」
「それに、立花院様からお見合いの話をされても、お断りしようかと思いますし」
「……いえ、真美様。その場で返事をすると角が立つ場合が御座います。その際は、まずは拙者にご報告くだされ」
素直に頷く王にどこかホッとした表情を浮かべる武徳。
彼が安堵したのは勿論政治的な面もあるが、この王があまりにも幼く素直で……主の健やかな成長を願う身としての本音もある。
もっとも真美が見合いをしない、と決めたのは政治的な面は一切なく、大切なお友達や臣下に『結婚は、一番好きな人とするのがいい』と言われたからなのだが……。
問題は、真美自身がその『一番好き』が良く分からないことだ。
いずれ自分にも分かる日が来るのだろうか……。
「……招待を受ける旨は承知致しました。ただし、お供を同伴して戴きたく存じます。万が一のことも考えて、腕の立つ者が宜しいでしょうな」
「そうなると、ハンターさんがいいでしょうか」
「そうですな。彼らはこの国においては中立な立場。面倒事も起こりにくいかと存じます」
「分かりました。早速ですが手配をお願いできますか」
「御意」
武徳は深く頭を下げ――。
「……招待を受けて下さいましたか。それは何よりです。では、手筈通りに進めて戴けますか」
「紫草様、本当に宜しいのですか?」
「ええ。スメラギ様に便乗するだけです。何の問題もありませんよ」
心配そうな朱夏(kz0116)に笑顔を返す紫草。
――様々な思惑を乗せて、エトファリカの収穫祭が始まる。
解説
スメラギの招待を受けて、エトファリカの天ノ都で行われる収穫祭に参加する真美を護衛してあげてください。
……というのは建前です、
スメラギや真美と一緒に、エトファリカの収穫祭をお楽しみください。
皆さんが到着する頃には『亥子の賀儀』自体は終了していますが、朝堂院で作られたお餅が振る舞われています。
朝堂院や龍尾城には入ることはできませんが、天ノ都の市井は自由に歩くことができます。
市井では収穫祭が始まり、神楽舞や大道芸が披露され、往来には小さな屋台も沢山あります。
屋台には飴細工、団子、唐辛子、川魚の塩焼きや押し寿司、野菜天、蕎麦など色々なものがあります。
屋台巡りをして戴くもよし、あちこち観光して戴くもよし、飲み物や食事を持ち寄って、楽しく騒いでもよしです。
お友達同士で誘い合わせて別行動して戴いても大丈夫ですが、護衛という名目だけは頭の片隅に置いておいてください。
東方を取り巻く複雑な事情が見え隠れしておりますが、今回は特に気にして戴かなくても大丈夫です。
紫草さんの企み……見合い話を正式に進めようとしていることについても2人は知りません。
ただ、皆様のプレイング次第によっては今後の流れに影響する可能性はあります。
■NPCの同行
今回は真美とスメラギが同行しております。
スメラギは堅苦しい儀式の連続でお疲れ気味です。
真美は本当にただ単に『祭りに呼んだだけ』のスメラギに驚いたようですが、厚意に感謝して祭りを楽しむつもりのようです。
■その他
白紙は描写できませんのでご注意ください。
猫又の都合で相談期間がものすごく短くなっております。ご注意下さい。
……というのは建前です、
スメラギや真美と一緒に、エトファリカの収穫祭をお楽しみください。
皆さんが到着する頃には『亥子の賀儀』自体は終了していますが、朝堂院で作られたお餅が振る舞われています。
朝堂院や龍尾城には入ることはできませんが、天ノ都の市井は自由に歩くことができます。
市井では収穫祭が始まり、神楽舞や大道芸が披露され、往来には小さな屋台も沢山あります。
屋台には飴細工、団子、唐辛子、川魚の塩焼きや押し寿司、野菜天、蕎麦など色々なものがあります。
屋台巡りをして戴くもよし、あちこち観光して戴くもよし、飲み物や食事を持ち寄って、楽しく騒いでもよしです。
お友達同士で誘い合わせて別行動して戴いても大丈夫ですが、護衛という名目だけは頭の片隅に置いておいてください。
東方を取り巻く複雑な事情が見え隠れしておりますが、今回は特に気にして戴かなくても大丈夫です。
紫草さんの企み……見合い話を正式に進めようとしていることについても2人は知りません。
ただ、皆様のプレイング次第によっては今後の流れに影響する可能性はあります。
■NPCの同行
今回は真美とスメラギが同行しております。
スメラギは堅苦しい儀式の連続でお疲れ気味です。
真美は本当にただ単に『祭りに呼んだだけ』のスメラギに驚いたようですが、厚意に感謝して祭りを楽しむつもりのようです。
■その他
白紙は描写できませんのでご注意ください。
猫又の都合で相談期間がものすごく短くなっております。ご注意下さい。
マスターより
こんにちは。猫又です。
皆様に【東幕】のシナリオをお届けします。
復興が始まり、落ち着きを取り戻しつつある天ノ都。そこに色々なものが複雑に絡み、不穏な動きを見せ始めています。
行方をくらませたエトファリカボード。紫草やスメラギの思い。
東方エトファリカの国を、皆様に感じて戴けたらと思います。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
皆様に【東幕】のシナリオをお届けします。
復興が始まり、落ち着きを取り戻しつつある天ノ都。そこに色々なものが複雑に絡み、不穏な動きを見せ始めています。
行方をくらませたエトファリカボード。紫草やスメラギの思い。
東方エトファリカの国を、皆様に感じて戴けたらと思います。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/10/23 21:23
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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【相談・雑談】収穫祭前日 黒の夢(ka0187) エルフ|26才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2017/10/14 22:14:45 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/10/12 19:42:53 |