• 戦闘

覆墓のかわりに

マスター:鷹羽柊架

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 3~6人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2017/10/16 19:00
リプレイ完成予定
2017/10/25 19:00

オープニング

 乾いた風が頬を撫でる秋空の頃、即疾隊に一通の手紙が届いた。
 一年前の頃は、手紙を届ける事すら恐怖だった飛脚は人懐っこく「お手紙です」と伝えられるようになっていた。
「壬生さーん」
 門番をしていた新人隊士は一番隊長である壬生和彦へその手紙を渡しに行く。
「ああ、ご苦労」
 和彦が手紙を受け取り、裏側を確認すると、自分の隊士からの手紙だった。
 中身を読めば、初名の依頼に応え盗賊退治をしていたという旨であり、その中に初名が旅先で出会った清という女性の事も記載している。
「とりあえず、初名殿は無事ということか」
 極論だけ出した和彦は局長の所へと向かった。

 局長と副局長に報告をすると、二人は初名を心配しつつも無事であることを喜んでいた。
「賊の件に関しては些か心配ですが」
 ぽつりと呟く和彦に副局長が同意してくれる。
「お前の心配もわかる。しかし、お前の隊士が初名殿を助けたのは嬉しいことだろう」
 そう言った副局長に和彦は「ウチの隊士ですから」と、どこか年齢相応の笑みを浮かべて胸を張る。

 一方、初名は清と別れて目的の刀匠の所に来ていた。
 工房と住居が隣り合う家であり、初名はどこから入ればよいのかまごついていた。
「お客さんだべか?」
 そう尋ねてきたのは初名より少し年上の男。服装からしてここの工房の者と思える。
「あの、こちらは白賀時光様のお宅でしょうか? 私は越乃初名と申します。亀田藤五郎の既知でして、白賀様にお会いしたいのですが……」
「ああ、亀田先生のぉ。どうぞ、中へ。おらは三吉、白賀は師匠になるだ」
 三吉と名乗った若い刀工は「ししょー!」と大きな声で叫び、初名はその後についていった。
 刀匠は亀田医師と変わらぬ年齢の刀匠。奥方だろう女性が初名に茶を出してを刀匠の傍に座ると、初名は自分の身分を告げた上で亀田医師が死亡した旨を伝える。
「……そうでしたか」
 驚きを隠せなかった白賀夫妻は残念そうに目を伏せてしまう。
「師はあまり故郷のお話をされませんでしたが、白賀様の昔話を何度か聞いたことがありました。その時の師の顔がとても嬉しそうで、伝えなくてはと思いました」
「わざわざ、知らせに来て頂いた事を感謝する」
 初名の言葉に白賀は頭を下げた。
「それで、師の先祖が眠るお墓があると伺ったのですが、ご存知でしょうか? せめて、遺品を共に眠らせたいと思いまして」
「良い提案ではあるが、これは私の一存では決められない。奴の親類に知人がおるゆえ、一筆書こう」
「長旅で疲れたでしょう? こんな騒がしい家でよければ、泊まっていって」
 白賀夫妻の厚意に初名は甘えることにした。

 翌日、弟子の三吉に案内してもらって親戚の家へ向かう。
 表札には亀田の文字ではなかった。親類は女性であり、嫁に行った亀田医師の従妹にあたるという。
「ウチは女系でね。男が生まれたのも藤五郎さんくらいだったんだよ」
 お茶を出してくれた女性は「久しぶりに名前をきいたよ」とすがすがしく笑う。
「あの藤五郎さんにこんな可愛いお弟子さんが出来るとはねぇ」
 妙に、『あの』という発音が強調されており、何をしていたんだと初名と三吉は思ってしまう。
「まぁ、あたしも伯父が死んでから、縁が遠くなってねぇ。藤五郎さんに娘さんが生まれても、養子は取らないと言ってたんだよ」
「そうでしたか……」
「そんなもんだから、あたしや他の親族がどうこう言える立場じゃない。あんたみたいないい子に慕われてるんだから、好きにしなよ。誰かに何か言われたら、あたしに言いな」
 自分の胸を叩いて笑いかける女性に初名は指をついてありがとうございますと返した。

 そこから問題が起きた。
 教えて貰った墓地へ行ったところ、敷地を管理している坊さんが頭を抱えていた。
 話を聞けば、その辺りには獣がうろちょろしているという。奥の方の墓は周囲にはぼうぼうと草が生えていることが多く、困り果てていた。
「では、ハンターを呼びましょうか。墓を綺麗にするのはこの世に生きる者の務めです」
 そう言うと、初名はハンターオフィスへ依頼を出した。

解説

依頼内容
墓地に出没する獣の討伐を最優先して下さい。

今回、墓地となりますが、亀田家の墓が最奥となります。
それより奥は山であり、上り坂の傾斜となります。
主に獣は山の方にいますので、山に登る形になります。
墓石の破壊などに関しては、獣が大体いるところで戦闘となれば、基本破壊はありません。

獣について。
狼:二体、素早い動きで敵を翻弄し、爪や牙で攻撃。
猪:二体、狼より早さは劣るが、真正面から激突にはかなりのダメージがあります。
猿:二体、遠巻きで石を投げてきます。回避能力は高いです。

初心者ハンター様も参加できる仕様になっております。
皆さんで力を合わせていけば大丈夫です。

猪は食べられます。
料理スキルがある方は捌いてもよし、白賀邸へ持っていけば弟子に捌ける者がいますので、そこでぼたん鍋で一杯(飲めない方は新米炊きたて白飯)もありです。

亀田家のお墓掃除も有志で来て頂ければ幸いです。

同行NPC
初名:今回苗字が判明した亀田医師の弟子。
年齢は二十の女性。詩天は若峰で知る人ぞ知る可愛らしい容姿のお医者さん。
若峰の守護部隊即疾隊の主治医。
即疾隊一番隊隊長の壬生和彦は兄のように頼れる存在。
現三条家派の武家の娘。九代目詩天の争いの時に家族を亡くし、途方に暮れていた頃に亀田医師に助けられて弟子となった。
基本、か弱い女性だが、医療に携わる時は別人となる模様。
非覚醒者です。
今回は師匠とその娘の形見を故郷へ眠らせるために詩天を出て旅をしてます。

三吉:二十代半ばの刀鍛冶師。刀匠白賀時光の弟子。気の良い性格。
憤怒が暴れていた時、非覚醒者であるのにもかかわらずに戦いに加わろうとしたところ、通称ドワーフ王ヨアキムと出会い、西方との縁を持つ。

白賀の工房について。
現在、彼らの工房に売れる刀はありません。
このシナリオでこの工房の刀を買い付けることはできませんので、ご了承願います。

マスターより

お世話になっております。
鷹羽柊架(たかば・しゅうか)です。
間が空きましたが、ゆるーりとやっていきます。

どさイベに関しまして、当方は東京のみの参加となります。
ただ、個人的事情でお昼から少しの時間だけ現れます。

それでは、宜しくお願いします。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2017/10/24 00:16

参加者一覧

  • 比翼連理―瞳―
    澪(ka6002
    鬼|12才|女性|舞刀士
  • 即疾隊一番隊士
    和音・空(ka6228
    人間(紅)|19才|女性|符術師
  • 半折れ角
    セルゲン(ka6612
    鬼|24才|男性|霊闘士
  • Mr.Die-Hard
    トリプルJ(ka6653
    人間(蒼)|26才|男性|霊闘士
  • 比翼連理―翼―
    濡羽 香墨(ka6760
    鬼|16才|女性|聖導士
  • 虹彩の奏者
    木綿花(ka6927
    ドラグーン|21才|女性|機導師
依頼相談掲示板
アイコン 相談場所
セルゲン(ka6612
鬼|24才|男性|霊闘士(ベルセルク)
最終発言
2017/10/15 21:32:11
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/10/14 21:38:30