ゲスト
(ka0000)
仕込みはOK
マスター:KINUTA

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 3~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2017/10/25 22:00
- リプレイ完成予定
- 2017/11/03 22:00
オープニング
●ジェオルジ。シャン郡ペリニョン村。
煌々と月が照る秋の夜。
英霊ぴょこは祠の中で、壁にかかった鏡とにらめっこしていた。
映っているのは黒いまるごとうさぎではない。金髪のグラマーな女性である。
ぴょこは英霊としてずっと『姿』というものを持っていなかった。
だが最近はこのように着ぐるみを離れた際、人の形を取ることが増えてきた。
しかし本人には「これが自分だ」という実感が、どうにも持てないでいる。
『……わし、こんな顔じゃったのかのー……?』
呟きながら振り向くと、今し方抜け出た黒いまるごとうさぎが壁を背に座り込んでいる。
そちらの姿の方がよりいっそう馴染み深くて自分らしい、と彼女は思う。
『やっぱりおぬしには見覚えないのう。のう?』
話しかけられた鏡の中の顔は戸惑っている。
『スペットはの、これがもともとのわしの姿じゃと言うのじゃがのう……それにマ』
と言いかけてぴょこは、泡を食ったように口をふさいだ。名前を出すことで本人がひょいと出て来てしまうのではないかという不安に襲われたのだ。
ので、なるべく声を小さくする。
『……ゴイもそう言うのじゃ……』
ぴょこはマゴイが苦手だ。彼女の前に出るとすくむような心地がする。とてもかなわないという気持ちになる。
『……しかしわしは覚えがないのじゃ……』
そこで言葉を切ったぴょこは、ため息を漏らす。
『……やっぱりちょーせいしたからかのー……じゃから覚えてないのかのー』
そこから更に考えようとしたが、もう夜も遅いこともあって、眠たくなってきた。
一つのことを持続し突き詰め考えるのが、ぴょこは大の苦手なのだ。生きていたときと同じように。
というわけで寝る。馴染んだうさぐるみの中に入って。
『ぐぅー……』
●ジェオルジ。ハンターオフィス・ジェオルジ支局。
「――親戚の結婚式があったんです。それで、御祝儀を出さないといけなくて。もう成人したんだからあなたはあなたで別に出しなさいってお母さんが言いだして、いえまあそれは当然だからいいんですけど、それとは別に郷一番の長老が急に亡くなられましてお葬式があってそのお悔やみもまた家族とは別に出すことになって、やっとその2つが終わったと思ったら今度は近所で赤ん坊が生まれまして、そのお祝いも家族とは別で出すことになって」
「わー、バタバタだね」
「そうなんですよバタバタですよ……」
とジュアンに答えてカチャは、テーブルに伏した。
彼女は辺境にある故郷からリゼリオへ戻る途中。ジェオルジ支局に立ち寄り、一息ついたところ。
「冠婚葬祭は出費がかさむわよねー。特に田舎では。リアルブルーではそのへんどうなの?」
「あー、ほぼ一緒一緒。田舎は面倒臭いわよ。エルフハイムもそう?」
「もちろんよ」
マリーと杏子の世間話が頭上を通過する中カチャは、涼しくなった懐具合を噛み締めると共に、金糸銀糸と飾り石に彩られた花嫁衣装の華麗さを思い起こす。
あれはとてもきれいだったな。でもあの子が着たらもっときれいだろうな、と恋人の姿を脳裏に浮かべる。ちなみに彼女の恋人は女の子だ。
それはそれとして、マリーと杏子の話は続いている。
「――で、そういえば何の依頼を持ってきたわけ、杏子」
「ああ、それそれ。忘れるところだったわ。あのね、これ」
と言って杏子は、封筒に入った企画書を出し広げて見せた。
「……『和気あいあい・ガーデンパーティー』って何」
「ジェオルジの何ヵ村かが共同で立ち上げた企画でね。私が仕事を請け負ってる広告会社がスポンサーになってるの。ほら、田舎ってどうしてもこう、刺激がなくて男女の出会いにも乏しいじゃない?」
思い当たるところおおありなマリーは、激しく首を縦に振る。
「そうすると結婚率が下がる、出生率が下がる、地域活性化にとってよろしくない、ということで善男善女の手助けをしようということなのよ。平たく言えば……集団合コン?的な? 都会からの移住も見込んで、参加者資格に制限なし」
「……まあ、よくある流れね」
「そう。でもね、こういう企画には欠点があるのよ」
「何?」
「成り行きに任せておくと一組もカップルが成立しないまま終わる危険性があるというところ。そうなると次回以降も参加しようと思う人間がいなくなるかもしれないじゃない? だから前もって成立カップルを何人か仕込んでおきたい、とこういう次第で」
黙って2人の話を聞いていたジュアンが、ええええ、と声を上げる。
「それっていいの? 完全に八百長だよね?」
杏子は言う。
「八百長じゃないわ、サクラよ」
一緒のことではと思いつつカチャは、企画書を確かめてみた。
合コンの流れは。
開催・主催者からの挨拶→一対一の自己紹介→皆でバーベキュー→フリータイム→告白タイム→成立カップル表彰
というもの。
よく読んでみれば企画立ち上げの中に、シャン郡ペリニョン村も入っていた。
(……これ、もしかしてぴょこ様も参加するんじゃ……)
まるごとうさぎな英霊の姿を思い浮かべ、不安になってくるカチャ。
彼女の懸念は、おおむね実現した。
●和気あいあい・ガーデンパーティー
『うむ? どうした皆のもの。見合ってばかりでは何も始まらんぞ。とりあえず手近なものから組み合ってみねば、組み合ってみねば。ほれこのように』
と言ってぴょこは手近な参加男性の襟首を掴み、組み合って投げ飛ばした。
カチャは大急ぎで、うさぐるみを場から引き剥がす。
「今のは余興、余興ですからお気になさらず!」
煌々と月が照る秋の夜。
英霊ぴょこは祠の中で、壁にかかった鏡とにらめっこしていた。
映っているのは黒いまるごとうさぎではない。金髪のグラマーな女性である。
ぴょこは英霊としてずっと『姿』というものを持っていなかった。
だが最近はこのように着ぐるみを離れた際、人の形を取ることが増えてきた。
しかし本人には「これが自分だ」という実感が、どうにも持てないでいる。
『……わし、こんな顔じゃったのかのー……?』
呟きながら振り向くと、今し方抜け出た黒いまるごとうさぎが壁を背に座り込んでいる。
そちらの姿の方がよりいっそう馴染み深くて自分らしい、と彼女は思う。
『やっぱりおぬしには見覚えないのう。のう?』
話しかけられた鏡の中の顔は戸惑っている。
『スペットはの、これがもともとのわしの姿じゃと言うのじゃがのう……それにマ』
と言いかけてぴょこは、泡を食ったように口をふさいだ。名前を出すことで本人がひょいと出て来てしまうのではないかという不安に襲われたのだ。
ので、なるべく声を小さくする。
『……ゴイもそう言うのじゃ……』
ぴょこはマゴイが苦手だ。彼女の前に出るとすくむような心地がする。とてもかなわないという気持ちになる。
『……しかしわしは覚えがないのじゃ……』
そこで言葉を切ったぴょこは、ため息を漏らす。
『……やっぱりちょーせいしたからかのー……じゃから覚えてないのかのー』
そこから更に考えようとしたが、もう夜も遅いこともあって、眠たくなってきた。
一つのことを持続し突き詰め考えるのが、ぴょこは大の苦手なのだ。生きていたときと同じように。
というわけで寝る。馴染んだうさぐるみの中に入って。
『ぐぅー……』
●ジェオルジ。ハンターオフィス・ジェオルジ支局。
「――親戚の結婚式があったんです。それで、御祝儀を出さないといけなくて。もう成人したんだからあなたはあなたで別に出しなさいってお母さんが言いだして、いえまあそれは当然だからいいんですけど、それとは別に郷一番の長老が急に亡くなられましてお葬式があってそのお悔やみもまた家族とは別に出すことになって、やっとその2つが終わったと思ったら今度は近所で赤ん坊が生まれまして、そのお祝いも家族とは別で出すことになって」
「わー、バタバタだね」
「そうなんですよバタバタですよ……」
とジュアンに答えてカチャは、テーブルに伏した。
彼女は辺境にある故郷からリゼリオへ戻る途中。ジェオルジ支局に立ち寄り、一息ついたところ。
「冠婚葬祭は出費がかさむわよねー。特に田舎では。リアルブルーではそのへんどうなの?」
「あー、ほぼ一緒一緒。田舎は面倒臭いわよ。エルフハイムもそう?」
「もちろんよ」
マリーと杏子の世間話が頭上を通過する中カチャは、涼しくなった懐具合を噛み締めると共に、金糸銀糸と飾り石に彩られた花嫁衣装の華麗さを思い起こす。
あれはとてもきれいだったな。でもあの子が着たらもっときれいだろうな、と恋人の姿を脳裏に浮かべる。ちなみに彼女の恋人は女の子だ。
それはそれとして、マリーと杏子の話は続いている。
「――で、そういえば何の依頼を持ってきたわけ、杏子」
「ああ、それそれ。忘れるところだったわ。あのね、これ」
と言って杏子は、封筒に入った企画書を出し広げて見せた。
「……『和気あいあい・ガーデンパーティー』って何」
「ジェオルジの何ヵ村かが共同で立ち上げた企画でね。私が仕事を請け負ってる広告会社がスポンサーになってるの。ほら、田舎ってどうしてもこう、刺激がなくて男女の出会いにも乏しいじゃない?」
思い当たるところおおありなマリーは、激しく首を縦に振る。
「そうすると結婚率が下がる、出生率が下がる、地域活性化にとってよろしくない、ということで善男善女の手助けをしようということなのよ。平たく言えば……集団合コン?的な? 都会からの移住も見込んで、参加者資格に制限なし」
「……まあ、よくある流れね」
「そう。でもね、こういう企画には欠点があるのよ」
「何?」
「成り行きに任せておくと一組もカップルが成立しないまま終わる危険性があるというところ。そうなると次回以降も参加しようと思う人間がいなくなるかもしれないじゃない? だから前もって成立カップルを何人か仕込んでおきたい、とこういう次第で」
黙って2人の話を聞いていたジュアンが、ええええ、と声を上げる。
「それっていいの? 完全に八百長だよね?」
杏子は言う。
「八百長じゃないわ、サクラよ」
一緒のことではと思いつつカチャは、企画書を確かめてみた。
合コンの流れは。
開催・主催者からの挨拶→一対一の自己紹介→皆でバーベキュー→フリータイム→告白タイム→成立カップル表彰
というもの。
よく読んでみれば企画立ち上げの中に、シャン郡ペリニョン村も入っていた。
(……これ、もしかしてぴょこ様も参加するんじゃ……)
まるごとうさぎな英霊の姿を思い浮かべ、不安になってくるカチャ。
彼女の懸念は、おおむね実現した。
●和気あいあい・ガーデンパーティー
『うむ? どうした皆のもの。見合ってばかりでは何も始まらんぞ。とりあえず手近なものから組み合ってみねば、組み合ってみねば。ほれこのように』
と言ってぴょこは手近な参加男性の襟首を掴み、組み合って投げ飛ばした。
カチャは大急ぎで、うさぐるみを場から引き剥がす。
「今のは余興、余興ですからお気になさらず!」
解説
補足説明
これは郷祭の前哨戦である郷コンにサクラとして参加し、場を盛り上げるお仕事です。
特別ゲストとして英霊ぴょこが来ます。この集いが一体何のためのものであるか今一つ理解してないので、放置しておくと場をかき乱す一方です。適度に押さえてください。
依頼の性質上、カップルでの参加が望ましいです。
カップルでない方は進行係など、運営の方の人手に回ってください。
仕込みカップルにおける性別の組み合わせは特に限定致しません。男女以外の組み合わせでも参加は可能です。出生率を上げたいという主催者の思惑には反しているかも知れませんが、もうこの際細かいことはどうでもいいです。愛があればいいんです。
成立したカップルは最後、壇上で表彰されます。
その際お祝いとして、郷祭における優待券や地域の特産品などを贈られることになります。
サクラカップルも同じように表彰してもらえますが、会の終了後受け取ったものを主催者側に返還しなければなりません。すでに別の報酬を得ているわけなので。
一般の合コン参加者は男性50、女性50を見込んでいます。
全体の7割が地域出身者、3割がそれ以外のところから来た人です。
これは郷祭の前哨戦である郷コンにサクラとして参加し、場を盛り上げるお仕事です。
特別ゲストとして英霊ぴょこが来ます。この集いが一体何のためのものであるか今一つ理解してないので、放置しておくと場をかき乱す一方です。適度に押さえてください。
依頼の性質上、カップルでの参加が望ましいです。
カップルでない方は進行係など、運営の方の人手に回ってください。
仕込みカップルにおける性別の組み合わせは特に限定致しません。男女以外の組み合わせでも参加は可能です。出生率を上げたいという主催者の思惑には反しているかも知れませんが、もうこの際細かいことはどうでもいいです。愛があればいいんです。
成立したカップルは最後、壇上で表彰されます。
その際お祝いとして、郷祭における優待券や地域の特産品などを贈られることになります。
サクラカップルも同じように表彰してもらえますが、会の終了後受け取ったものを主催者側に返還しなければなりません。すでに別の報酬を得ているわけなので。
一般の合コン参加者は男性50、女性50を見込んでいます。
全体の7割が地域出身者、3割がそれ以外のところから来た人です。
マスターより
KINUTAです。
これは来るべき郷祭への一里塚。
愛し愛され盛り上げていただけますと助かります。
これは来るべき郷祭への一里塚。
愛し愛され盛り上げていただけますと助かります。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/10/30 21:39
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/10/25 21:22:46 |
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相談卓だよ 天竜寺 舞(ka0377) 人間(リアルブルー)|18才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2017/10/25 20:57:18 |