ゲスト
(ka0000)
旧領主屋敷の亡霊
マスター:小林 左右也

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在4人 / 3~4人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/11/06 09:00
- リプレイ完成予定
- 2017/11/15 09:00
オープニング
●領主サリーナ・エンガーデの亡霊
グラズヘイム王国にあるとある村には、廃墟と化した屋敷がある。
この屋敷には領主一家が住んでいた。良き領主であり、いつも明るい笑い声が絶えない幸せな一家だったという。
しかし、その幸せは永遠には続かない。
最初の妻を病で亡くし、二番目の妻を娶ったのが、一家の不幸の始まりだったという。
二番目の妻、サリーナが嫁いできた翌年、領主と前妻との間に生まれた3人の子たちは、次々と流行病で亡くなった。
領主の座を獲得したサリーナは、領民に重い税を課し、その血税はサリーナの享楽のために湯水のように使われていった。
領民たちの暮らしは年々苦しくなる一途をたどり、とうとう領民の怒りが頂点を越えてしまう。
そして、サリーナは暴徒と化した領民たちの手によって殺害された。
「領主サリーナ・エンガーデは、亡霊となっても斬られた首を抱えて屋敷の中をさ迷っているのです」
「へえ……」
ここです、と村の老人は鬱蒼とした森と化した屋敷の前で足を止めた。葉の隙間から差し込む日没前の朱色の陽射しに目を細める。
大きな門であった。門と閉ざす鉄格子は優美な曲線を描く。そうまるで薔薇の蔦をイメージしたような美しくもあるが、敵の侵入を許さない強固なものだったに違いない。
しかし風化した今となっては赤錆が浮き、所々錆びては崩れていた。鍵もすっかり崩れ落ち、押せば簡単に門は開いてしまう。
「ハンターさんは、サリーナの話はご存知で?」
「いや、知らないな。有名なのか?」
「ええ、この土地の人間なら知らない者はいませんよ。子供の頃の脅し文句でしたからね。『言うことを聞かないと、サリーナがさらいにくるぞ』ってね」
「それはおっかないな」
そんな脅し文句まで存在するほどだ。屋敷には近づいてはならないと、幼い頃から警戒心を植え付ける必要があるということだろう。
屋敷はかつての庭園が森と化している。その中にある屋敷を確認しようとするものは、村には存在しない。しかし、噂を聞きつけた余所者が興味本位で忍び込むことはあるという。
先週訪れた余所者の青年が、例の噂を聞きつけて屋敷内に入ってしまったが、いまだ戻ってこないという。
青年の家族から捜索依頼が出され、村人は慌てた。ちょうどコボルド駆除で応援に駆り出されたハンターに相談を持ち掛けた、というのが現在である。
「ハンターさん、本当に亡霊なんているんですかねぇ……」
「さあ、どうだろうね」
歪虚の仕業か、はたまた人間の仕業なのかは確かではない。
言葉を濁しつつ、ハンターの青年はもう一度屋敷を見上げた。
●ハンターオフィスにて
ハンターだと名乗る青年が、ふらりとハンターオフィスを訪ねてきた。開口一番に元領主屋敷の噂を問われたものの、コウ・リィはただ小首を傾げるばかりである。
「サリーナはずいぶん前の、実在の人物ですよね。一応噂は知ってはいますが、これまで特に被害がなかったので調べていませんでした」
「今後はちゃんと仕事はして欲しいものだな」
「……大変失礼致しました」
無論、彼女のこめかみには青筋が浮かんでいる。
「では、これまで被害報告は一度も出ていない、というわけか」
領主サリーナの亡霊の話は、村の老人が子供の頃から知っているものだ。サリーナの亡霊が歪虚であれば、もうとっくに被害が報告されているはずであろう。
「村人で屋敷に近づく者はほぼいないようだ。ただ余所者が実際に、どれだけ忍び込んで今いるのかが不明だ。今回のように捜索依頼が出ていないからな」
「わからないことばかりですね」
「ああ」
ハンターの青年はため息を吐く。どうやらその手のマニアには、いわくつきの廃墟としてそこそこ人気があるという。中には悲劇の女領主に心酔する輩もいるとかいないとか。
「行方不明者だが屋敷は老朽化が進んでいるから、床板が抜けて動けなくなった可能性もある。庭園なのか屋敷内なのか」
「行方不明者の捜索が優先ですね」
「まだ生きているかどうだか」
「……まだ生存の可能性はあります」
不確かな情報しかない今、行方不明者の無事を祈るしかなかった。
グラズヘイム王国にあるとある村には、廃墟と化した屋敷がある。
この屋敷には領主一家が住んでいた。良き領主であり、いつも明るい笑い声が絶えない幸せな一家だったという。
しかし、その幸せは永遠には続かない。
最初の妻を病で亡くし、二番目の妻を娶ったのが、一家の不幸の始まりだったという。
二番目の妻、サリーナが嫁いできた翌年、領主と前妻との間に生まれた3人の子たちは、次々と流行病で亡くなった。
領主の座を獲得したサリーナは、領民に重い税を課し、その血税はサリーナの享楽のために湯水のように使われていった。
領民たちの暮らしは年々苦しくなる一途をたどり、とうとう領民の怒りが頂点を越えてしまう。
そして、サリーナは暴徒と化した領民たちの手によって殺害された。
「領主サリーナ・エンガーデは、亡霊となっても斬られた首を抱えて屋敷の中をさ迷っているのです」
「へえ……」
ここです、と村の老人は鬱蒼とした森と化した屋敷の前で足を止めた。葉の隙間から差し込む日没前の朱色の陽射しに目を細める。
大きな門であった。門と閉ざす鉄格子は優美な曲線を描く。そうまるで薔薇の蔦をイメージしたような美しくもあるが、敵の侵入を許さない強固なものだったに違いない。
しかし風化した今となっては赤錆が浮き、所々錆びては崩れていた。鍵もすっかり崩れ落ち、押せば簡単に門は開いてしまう。
「ハンターさんは、サリーナの話はご存知で?」
「いや、知らないな。有名なのか?」
「ええ、この土地の人間なら知らない者はいませんよ。子供の頃の脅し文句でしたからね。『言うことを聞かないと、サリーナがさらいにくるぞ』ってね」
「それはおっかないな」
そんな脅し文句まで存在するほどだ。屋敷には近づいてはならないと、幼い頃から警戒心を植え付ける必要があるということだろう。
屋敷はかつての庭園が森と化している。その中にある屋敷を確認しようとするものは、村には存在しない。しかし、噂を聞きつけた余所者が興味本位で忍び込むことはあるという。
先週訪れた余所者の青年が、例の噂を聞きつけて屋敷内に入ってしまったが、いまだ戻ってこないという。
青年の家族から捜索依頼が出され、村人は慌てた。ちょうどコボルド駆除で応援に駆り出されたハンターに相談を持ち掛けた、というのが現在である。
「ハンターさん、本当に亡霊なんているんですかねぇ……」
「さあ、どうだろうね」
歪虚の仕業か、はたまた人間の仕業なのかは確かではない。
言葉を濁しつつ、ハンターの青年はもう一度屋敷を見上げた。
●ハンターオフィスにて
ハンターだと名乗る青年が、ふらりとハンターオフィスを訪ねてきた。開口一番に元領主屋敷の噂を問われたものの、コウ・リィはただ小首を傾げるばかりである。
「サリーナはずいぶん前の、実在の人物ですよね。一応噂は知ってはいますが、これまで特に被害がなかったので調べていませんでした」
「今後はちゃんと仕事はして欲しいものだな」
「……大変失礼致しました」
無論、彼女のこめかみには青筋が浮かんでいる。
「では、これまで被害報告は一度も出ていない、というわけか」
領主サリーナの亡霊の話は、村の老人が子供の頃から知っているものだ。サリーナの亡霊が歪虚であれば、もうとっくに被害が報告されているはずであろう。
「村人で屋敷に近づく者はほぼいないようだ。ただ余所者が実際に、どれだけ忍び込んで今いるのかが不明だ。今回のように捜索依頼が出ていないからな」
「わからないことばかりですね」
「ああ」
ハンターの青年はため息を吐く。どうやらその手のマニアには、いわくつきの廃墟としてそこそこ人気があるという。中には悲劇の女領主に心酔する輩もいるとかいないとか。
「行方不明者だが屋敷は老朽化が進んでいるから、床板が抜けて動けなくなった可能性もある。庭園なのか屋敷内なのか」
「行方不明者の捜索が優先ですね」
「まだ生きているかどうだか」
「……まだ生存の可能性はあります」
不確かな情報しかない今、行方不明者の無事を祈るしかなかった。
解説
●依頼について
行方不明者の捜索と救出
・ジャック・コルト 19歳 男性
・廃墟マニアで、これまでもいくつもの廃墟を探検している
・万が一死亡している場合は、遺体の回収
過去の行方不明者の捜索
・遺体、もしくは遺留品の捜索と回収
亡霊サリーナの正体を調査
・歪虚の場合は、できるだけ戦闘をさけ撤退
※補足
・屋敷内は築年数100年以上のものなので、崩壊している箇所も多いと予想
・ネズミ等の害獣や害虫が多いと予想
・雑魔の報告は現在はないが、やはり不明
・屋敷の見取り図の用意あり
行方不明者の捜索と救出
・ジャック・コルト 19歳 男性
・廃墟マニアで、これまでもいくつもの廃墟を探検している
・万が一死亡している場合は、遺体の回収
過去の行方不明者の捜索
・遺体、もしくは遺留品の捜索と回収
亡霊サリーナの正体を調査
・歪虚の場合は、できるだけ戦闘をさけ撤退
※補足
・屋敷内は築年数100年以上のものなので、崩壊している箇所も多いと予想
・ネズミ等の害獣や害虫が多いと予想
・雑魔の報告は現在はないが、やはり不明
・屋敷の見取り図の用意あり
マスターより
この度より王国に配属となりました、小林です。
今回のシナリオは廃墟の亡霊の正体を調査と、
廃墟マニアの青年の捜索&救出です。
調査ということで、少人数での行動となります。
皆さまのご参加お待ちしております。
今回のシナリオは廃墟の亡霊の正体を調査と、
廃墟マニアの青年の捜索&救出です。
調査ということで、少人数での行動となります。
皆さまのご参加お待ちしております。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/11/14 22:01
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/11/04 01:37:32 |
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【相談卓】 レオナ(ka6158) エルフ|20才|女性|符術師(カードマスター) |
最終発言 2017/11/05 23:34:28 |