ゲスト
(ka0000)
【天誓】臆病者のラブ・ソング3
マスター:神宮寺飛鳥

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
APV- 難易度
- 難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/11/04 19:00
- リプレイ完成予定
- 2017/11/18 19:00
オープニング
※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
「絶火の騎士パーシヴァルって、どんな奴だったの?」
「あまり多くの情報は残っていないですね。いかんせん、帝国は革命の時期に古い文献の多くを失っていますから」
森の中を急ぎ足で歩きながら、浄化の器の問いかけにタングラムは応じる。
「それでも特に力のある騎士の伝承は口伝で残っています。正確性には欠けますがね」
「どうして口伝だと正確性に欠けるの?」
「ヒトというのは、言葉を紡ぐ時、少しだけ自分の気持ちを上乗せするからです」
そこに、一つのリンゴがあったとしよう。
リンゴを口にした誰かがその感想を言葉にするまで、そのリンゴがどのようなものであったのか誰にもわからない。
「……なんで?」
「情報が途切れるからです。その場に別の誰かも居合わせたのならばいい。でも、一人しかいないなら、その誰かが口にした言葉が真実になってしまう」
フォークロアはそうやって、誰かから誰かへ、言葉に乗って移動する感染病。
悪意も善意も簡単に飲み干して、当たり前のように次の受け手に押し付ける。
「だから口伝の情報はあてにならないわけです。とはいえ、英霊はそのフォークロアの顕現ですからね。能力もおおよそ伝承通りと見てよいでしょう」
パーシヴァルの伝承で有名なのは、“花の騎士”というお伽噺だ。
と言っても、あまり聞いていて心地よい内容ではなく……。
「内容が過激なので、どちらかというと脅かす類のタイミングで使われる奴ですね」
「ふーん」
生返事をしながら、器は考えていた。
英霊――誰かがそうあれと望み、願い、作り上げられた精霊。
自分の境遇と重ねると思うこともある。浄化の器という仕組みは、言うならば生きたままの英霊を作るようなものだから。
それに、エルフハイムの先日顕現した精霊……。あれも比較的ヒトに近い形状をしていた。
ならば森の精霊というよりは、やはり誰かの意思によって形作られた英霊に近しい性質なのだろうか……?
「アレクサンダーの話によれば、場所はこのあたりのはずですが……」
足を止めたハンターらの前に広がっていたのは、森の中にある花畑。
鮮やかな青い花弁を持つ小さな花が、びっしりと大地を覆いつくしている。
聞こえたのは、誰かの鼻歌だった。軽やかな音色を刻みながら、ソレは両手いっぱいに花を抱えてそこにいた。
『――あら。お客様ですね? こんな辺鄙なところまで……わざわざご足労ありがとうございます』
「……絶火騎士、英霊パーシヴァルで相違ないですね?」
タングラムが歯切れ悪いのも無理はなかった。
なぜならばソレは、小柄な背丈の少女。仮面で顔色は窺えないが、特徴は見て取れる。
――エルフ。目の前の英霊は、エルフをベースにしている。
『如何にも。絶火騎士パーシヴァル、まかり越しました。皆さんは……ええと、どちら様でしょう?』
「我々は四大精霊サンデルマンの力を借りる者。絶火騎士パーシヴァル、あなたを保護しに来ました」
『サンデルマン……ああ、ああ。聞いた事もないはずなのに、理解します。これが精霊……星の眷属になるという事ですか』
花束をばっと空にちらし、まるでシャワーのように浴びながら少女は口元を歪ませる。
『……自分以外の誰かに薄く支配される感覚……不愉快です』
ぱっと掌を広げると、そこに細身の長剣が形作られる。
それを手に取ると同時、ノータイムで騎士はその剣を振るった。
『じゃあ、殺しますね?』
刃は分裂し、まるで蛇のように――いや、実際にそれは蛇だった。
自ら意思を持ち動いていると表現するしかない。そういった挙動でタングラムへ襲い掛かるが、これをタングラムは短刀で撃ち落とした。
『あら?』
「絶火の騎士の中には、そもそも仲間に出来ないやつもいると聞いています。アレクサンダーはお前を、“場合によっては消せ”と言っていた」
『アレクサンダー? あの? 豚のような? 醜い男、されこうべの方がいくらかましな、あの?』
くつくつと笑いだし、こらえきれないと言わんばかりに肩をすくめる。
『ああおかしい! ニンゲン以外の種族に傅くとは! あなたたち、気でも違いましたか!』
「……人間じゃない?」
『アレクサンダーはニンゲンではありませんよ。私と同じ異種族です。異種族、異種族……異種族異種族!』
ふう、と一息つき。
『そういえばあなたもエルフ。そちらもエルフ。エルフはニンゲンの敵です』
「お前もエルフでしょうに……」
『そうなんです。すごく、すごく、とても悲しいです。そこだけがどうにも、納得の行かない所で……。苦しくて苦しくて……苦しくて苦しくて苦しくて苦しくて――! ああっ! もう、殺したい!!』
器はその様子をじーっと見つめていた。
そこはかとなく、気持ちとしては親近感があった。
「それってさ、本当にあんたの気持ち?」
『は?』
「あんた本当に――誰かを殺したいの?」
小首を傾げ、英霊は表情を凍らせる。
『なんだかあなたは妙に腹が立ちますね。もしかして私達は同じものではないでしょうか?』
「まあなんか、そんな気がする。だからヴィルヘルミナは私をここに送ったのかな」
頬をぽりぽりと掻いて、少女は騎士を指さす。
「――オマエは正義じゃない」
『いいえ。私が正義です』
「違う。正義はもっとキラキラしていて――」
瞼を閉じ、思い浮かべるもう一人の自分の姿。
「誰かに愛されるものだ。オマエは私と同じ……つまり悪だよ」
覚醒すると身体がズキズキ痛む。頭の中もモヤがかかったようだ。
普通、覚醒すると体調良くなるんじゃねーのかよ。心の中でボヤきながら、息を吐く。
目――見えなくなってきた。味……感じなくなってきた。
でも、音はまだ聞こえる。匂いも感じる。なら戦える。
「オマエはムカつくから、別に仲間にならなくてもいいや。ここで消えとけ、バケモノ」
英霊は口元をニマリを歪ませ、自らの胸に深く爪を立てた。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
「絶火の騎士パーシヴァルって、どんな奴だったの?」
「あまり多くの情報は残っていないですね。いかんせん、帝国は革命の時期に古い文献の多くを失っていますから」
森の中を急ぎ足で歩きながら、浄化の器の問いかけにタングラムは応じる。
「それでも特に力のある騎士の伝承は口伝で残っています。正確性には欠けますがね」
「どうして口伝だと正確性に欠けるの?」
「ヒトというのは、言葉を紡ぐ時、少しだけ自分の気持ちを上乗せするからです」
そこに、一つのリンゴがあったとしよう。
リンゴを口にした誰かがその感想を言葉にするまで、そのリンゴがどのようなものであったのか誰にもわからない。
「……なんで?」
「情報が途切れるからです。その場に別の誰かも居合わせたのならばいい。でも、一人しかいないなら、その誰かが口にした言葉が真実になってしまう」
フォークロアはそうやって、誰かから誰かへ、言葉に乗って移動する感染病。
悪意も善意も簡単に飲み干して、当たり前のように次の受け手に押し付ける。
「だから口伝の情報はあてにならないわけです。とはいえ、英霊はそのフォークロアの顕現ですからね。能力もおおよそ伝承通りと見てよいでしょう」
パーシヴァルの伝承で有名なのは、“花の騎士”というお伽噺だ。
と言っても、あまり聞いていて心地よい内容ではなく……。
「内容が過激なので、どちらかというと脅かす類のタイミングで使われる奴ですね」
「ふーん」
生返事をしながら、器は考えていた。
英霊――誰かがそうあれと望み、願い、作り上げられた精霊。
自分の境遇と重ねると思うこともある。浄化の器という仕組みは、言うならば生きたままの英霊を作るようなものだから。
それに、エルフハイムの先日顕現した精霊……。あれも比較的ヒトに近い形状をしていた。
ならば森の精霊というよりは、やはり誰かの意思によって形作られた英霊に近しい性質なのだろうか……?
「アレクサンダーの話によれば、場所はこのあたりのはずですが……」
足を止めたハンターらの前に広がっていたのは、森の中にある花畑。
鮮やかな青い花弁を持つ小さな花が、びっしりと大地を覆いつくしている。
聞こえたのは、誰かの鼻歌だった。軽やかな音色を刻みながら、ソレは両手いっぱいに花を抱えてそこにいた。
『――あら。お客様ですね? こんな辺鄙なところまで……わざわざご足労ありがとうございます』
「……絶火騎士、英霊パーシヴァルで相違ないですね?」
タングラムが歯切れ悪いのも無理はなかった。
なぜならばソレは、小柄な背丈の少女。仮面で顔色は窺えないが、特徴は見て取れる。
――エルフ。目の前の英霊は、エルフをベースにしている。
『如何にも。絶火騎士パーシヴァル、まかり越しました。皆さんは……ええと、どちら様でしょう?』
「我々は四大精霊サンデルマンの力を借りる者。絶火騎士パーシヴァル、あなたを保護しに来ました」
『サンデルマン……ああ、ああ。聞いた事もないはずなのに、理解します。これが精霊……星の眷属になるという事ですか』
花束をばっと空にちらし、まるでシャワーのように浴びながら少女は口元を歪ませる。
『……自分以外の誰かに薄く支配される感覚……不愉快です』
ぱっと掌を広げると、そこに細身の長剣が形作られる。
それを手に取ると同時、ノータイムで騎士はその剣を振るった。
『じゃあ、殺しますね?』
刃は分裂し、まるで蛇のように――いや、実際にそれは蛇だった。
自ら意思を持ち動いていると表現するしかない。そういった挙動でタングラムへ襲い掛かるが、これをタングラムは短刀で撃ち落とした。
『あら?』
「絶火の騎士の中には、そもそも仲間に出来ないやつもいると聞いています。アレクサンダーはお前を、“場合によっては消せ”と言っていた」
『アレクサンダー? あの? 豚のような? 醜い男、されこうべの方がいくらかましな、あの?』
くつくつと笑いだし、こらえきれないと言わんばかりに肩をすくめる。
『ああおかしい! ニンゲン以外の種族に傅くとは! あなたたち、気でも違いましたか!』
「……人間じゃない?」
『アレクサンダーはニンゲンではありませんよ。私と同じ異種族です。異種族、異種族……異種族異種族!』
ふう、と一息つき。
『そういえばあなたもエルフ。そちらもエルフ。エルフはニンゲンの敵です』
「お前もエルフでしょうに……」
『そうなんです。すごく、すごく、とても悲しいです。そこだけがどうにも、納得の行かない所で……。苦しくて苦しくて……苦しくて苦しくて苦しくて苦しくて――! ああっ! もう、殺したい!!』
器はその様子をじーっと見つめていた。
そこはかとなく、気持ちとしては親近感があった。
「それってさ、本当にあんたの気持ち?」
『は?』
「あんた本当に――誰かを殺したいの?」
小首を傾げ、英霊は表情を凍らせる。
『なんだかあなたは妙に腹が立ちますね。もしかして私達は同じものではないでしょうか?』
「まあなんか、そんな気がする。だからヴィルヘルミナは私をここに送ったのかな」
頬をぽりぽりと掻いて、少女は騎士を指さす。
「――オマエは正義じゃない」
『いいえ。私が正義です』
「違う。正義はもっとキラキラしていて――」
瞼を閉じ、思い浮かべるもう一人の自分の姿。
「誰かに愛されるものだ。オマエは私と同じ……つまり悪だよ」
覚醒すると身体がズキズキ痛む。頭の中もモヤがかかったようだ。
普通、覚醒すると体調良くなるんじゃねーのかよ。心の中でボヤきながら、息を吐く。
目――見えなくなってきた。味……感じなくなってきた。
でも、音はまだ聞こえる。匂いも感じる。なら戦える。
「オマエはムカつくから、別に仲間にならなくてもいいや。ここで消えとけ、バケモノ」
英霊は口元をニマリを歪ませ、自らの胸に深く爪を立てた。
解説
●目的
絶火騎士パーシヴァルの撃破、または保護。
●???
お花が……お花が枯れてしまいます。
お水をあげてもだめ。太陽を浴びせてもだめ。お花が枯れてしまいます。
捨てられた子。生贄の子。逃げ出した子。森のお外で独りぼっち。
嫌い……嫌い、みんな嫌い! みんな死ねばいい。死ね。死ね死ね死ね。死ね!
だからお花に水をあげます。なのにお花が枯れてしまう。
「その花には水よりも美しく、太陽よりもまぶしいものが必要だ」。
ある日現れた青年はそう言って、捨てられた子に手を差し伸べました。
初めて握った刃で蛮族を殺した時、とても鮮やかな光が瞬きました。
希望の光。優しい光。蛮族を殺すとまたキラリ。キラリ、キラリ、星のしずく。
お花に注ぐと、見る見るうちに鮮やかに萌え上がります。
勇者様の言う通り! 勇者様は素晴らしい! 勇者様がなんでも教えてくれる!
だからいっぱい集めましょう! いっぱいいっぱい注ぎましょう!
でも、捨てられた子は気づいていませんでした。
どれだけお花を咲かせても、その子は絶対に咲けないお花。
誰でもいい。私にお水をちょうだい。私に光をちょうだい。
誰か……誰か……。
誰か――――!!
●敵情報
『パーシヴァル』
蛇の概念精霊と伝説の英霊が一体化したもの。サイズ1。
軽装の騎士。種族的にはエルフだったと見える。
変形しリーチの伸びる、鞭のような剣を扱う。恐らく疾影士。
他者の血を集めた逸話を持ち、吸血鬼に近い能力を持つ。
蛇の精霊と一体化している為、毒系統のBSを扱う。
「人間」以外の種族を殺し続けた逸話を持つが、「人間」だけは傷つけなかったとも語られる。
●友軍情報
『タングラム』
色々と複雑な過去を持つエルフ。疾影士。
戦闘力も高いのでかなり当てにできる。短剣使い。
『浄化の器』
第十師団兵。クラスは霊闘士。
パーシヴァルは仲間にする必要がないと考えている。
聖機剣を装備。
絶火騎士パーシヴァルの撃破、または保護。
●???
お花が……お花が枯れてしまいます。
お水をあげてもだめ。太陽を浴びせてもだめ。お花が枯れてしまいます。
捨てられた子。生贄の子。逃げ出した子。森のお外で独りぼっち。
嫌い……嫌い、みんな嫌い! みんな死ねばいい。死ね。死ね死ね死ね。死ね!
だからお花に水をあげます。なのにお花が枯れてしまう。
「その花には水よりも美しく、太陽よりもまぶしいものが必要だ」。
ある日現れた青年はそう言って、捨てられた子に手を差し伸べました。
初めて握った刃で蛮族を殺した時、とても鮮やかな光が瞬きました。
希望の光。優しい光。蛮族を殺すとまたキラリ。キラリ、キラリ、星のしずく。
お花に注ぐと、見る見るうちに鮮やかに萌え上がります。
勇者様の言う通り! 勇者様は素晴らしい! 勇者様がなんでも教えてくれる!
だからいっぱい集めましょう! いっぱいいっぱい注ぎましょう!
でも、捨てられた子は気づいていませんでした。
どれだけお花を咲かせても、その子は絶対に咲けないお花。
誰でもいい。私にお水をちょうだい。私に光をちょうだい。
誰か……誰か……。
誰か――――!!
●敵情報
『パーシヴァル』
蛇の概念精霊と伝説の英霊が一体化したもの。サイズ1。
軽装の騎士。種族的にはエルフだったと見える。
変形しリーチの伸びる、鞭のような剣を扱う。恐らく疾影士。
他者の血を集めた逸話を持ち、吸血鬼に近い能力を持つ。
蛇の精霊と一体化している為、毒系統のBSを扱う。
「人間」以外の種族を殺し続けた逸話を持つが、「人間」だけは傷つけなかったとも語られる。
●友軍情報
『タングラム』
色々と複雑な過去を持つエルフ。疾影士。
戦闘力も高いのでかなり当てにできる。短剣使い。
『浄化の器』
第十師団兵。クラスは霊闘士。
パーシヴァルは仲間にする必要がないと考えている。
聖機剣を装備。
マスターより
お世話になっております。神宮寺です。
というわけで天誓連動です。
敵は一体ですが、高位歪虚級の戦闘力を持っているとお考え下さい。
アプローチの方法はいくつか想定しています。
これまでの連動シナリオを追っている人ならピンとくるものがあるかもしれませんね。
倒しても成功としますが、仲間に出来れば大成功です。
ただ、仲間にするのはかなりハードルが高いと考えてください。
なお、質問にはNPCがお答えいたします。
それではよろしくお願いいたします。
というわけで天誓連動です。
敵は一体ですが、高位歪虚級の戦闘力を持っているとお考え下さい。
アプローチの方法はいくつか想定しています。
これまでの連動シナリオを追っている人ならピンとくるものがあるかもしれませんね。
倒しても成功としますが、仲間に出来れば大成功です。
ただ、仲間にするのはかなりハードルが高いと考えてください。
なお、質問にはNPCがお答えいたします。
それではよろしくお願いいたします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/11/16 01:25
参加者一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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相談卓 鬼塚 陸(ka0038) 人間(リアルブルー)|22才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2017/11/04 17:07:30 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/11/01 08:41:05 |
|
![]() |
質問卓 北谷王子 朝騎(ka5818) 人間(リアルブルー)|16才|女性|符術師(カードマスター) |
最終発言 2017/11/01 21:26:21 |