ゲスト
(ka0000)
火の付いた酒樽亭の火を守れ
マスター:文ノ字律丸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 6~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/11/10 12:00
- リプレイ完成予定
- 2017/11/19 12:00
オープニング
●火の付いた酒樽亭
巡礼道の中。
黄金に色づいている麦畑の中に、その店は建っていた。
木製ロッジという外観は、どこか安上がりで、すきま風がひゅうひゅうと入り込む。
それだけに、こんな店ならばふっかけられる心配もないだろうと、旅人は休憩によるのだった。
中に入れば、出迎えてくれるのは、
「いらっしゃい! お兄さん、疲れただろ。父ちゃん! お一人様だよ!」
十代くらいの、若くて快活な笑顔を浮かべる、ドワーフの少女だった。
ドワーフ。イメージから浮かぶのは、ひげ面の小柄で頑強な益荒男という風情だ。
けれど彼女にはそんな男臭さがなかった。
むしろ、小柄ではあるが、内側から溢れてくる元気と、ハリのある褐色の肌は女性の健康的な色気を匂い立たせている。
看板娘なのだろう――。
奥の席に着き、彼女が走り回る様子を見ながら、『お兄さん』と呼ばれた旅人は酒の入った木製ジョッキを傾ける。
酒の中に入った香辛料が、ふわりと香った。水で嵩ましした気配がない。いい酒だ。
そのドワーフの少女の名前は、リンダ、というらしい。
「ん? この店の名前かい? ふふ。火の付いた酒樽亭。変な名前だと思っただろ? うちの父ちゃんが酔っ払って付けた名前なんだよ。家計は、火の付いた酒樽どころの話じゃないっていうのにな!」
旅人は、リンダの開かれた胸元を見ながら、その話を聞いた。
リンダは視線に気づいて、にやりとした。
「お兄さん。お酒。もうなくなってるぞ。あ、それから、さっき鳥を焼いたんだ。食べていくだろ?」
こちらが断れないと知るや、リンダは勝手に注文をした。
なかなかに商売上手な子のようだ。
旅人のテーブルには、いつのまにか豪勢な食事が並ぶ。
鳥の丸焼きに、野ウサギのスープ、ふかした芋とディップソース――
さすがに一人では食べきれない。
「あはは。悪かったね」
悪いと思うなら、一緒に食べてくれ。
そう言うと、リンダは前掛けをしたまま目の前のイスに、どかりと座った。
「ちょうど腹が減っていたんだ。ありがと」
リンダとは食事を取りながら、様々な話をした。
この『火の付いた酒樽亭』はドワーフの戦士だった店主が、年齢を理由にこの土地に腰を落ち着けた後、開いた店なのだということ。リンダは親父さんが戦士引退後に生まれた子供らしいということ。厨房で働いている母親もドワーフで、両親は時折、故郷を懐かしんでいるのだということ。
彼女の話は多岐にわたった。
そして、テーブルに並んだ食事のほとんどは、リンダの胃袋に消えていった。
酒もひとしきり飲んだ後、リンダは耳打ちしてくる。
「あたし、ハンターになりたいんだ」
どうして?
と、旅人は聞いた。
リンダは表情を曇らせる。
「コボルドが先日も近くに現れた、って話を聞いた。それで、ハンターになればコボルドなんて目じゃないでしょ」
コボルドか。
(そういえば、ここに来るまでに何軒もの家屋や、村々が襲撃されて、凄惨なことになっていた。きっとこの周辺にコボルドの群れが巣くっているのだろう……)
旅人は、ここまでの通り道で、コボルドの被害を見てきたと話した。
「この店もコボルドに襲われちゃうのかな。一体や二体なら父ちゃんが撃退するけど。集団で襲われたら歯が立たないな」
そう言って、リンダは寂しそうに笑う。
「そうなる前に、この場所を引き払わなくちゃ」
そんなリンダの弱気な言葉を聞いて、旅人は立ち上がった。
「君、どうしたの? そんな顔をして?」
旅人は、ハンターオフィスに依頼を届けてくる、とリンダに提案した。
こんな気のいい店を無くすのは惜しい。またここを通った時に、君の笑顔がないと悲しい。
自分は少し酔っているのかもしれない、と自分の口から出たその言葉を聞いて、思う。
赤面しながら、彼女の答えを待つ。
リンダは、ははは、とはにかみながら、
「じゃあ、お願いしようかな」
●ハンター事務所
受付では、ちょっと不機嫌そうに受付役の女性が、今回の依頼の説明をしている。
「ついさっきのことです。なんだか妙にハイテンションな旅人がこちらに依頼を出してきました。そのテンションの高さっぷりに、思わず張り手でもかましてしまいそうになりましたよ」
いつもなら冷静沈着な彼女だ。
どうしたのか、と誰もが首をかしげた。
旅人が勢い込んで依頼を出してきたその一部始終を見ていたハンターが、おもしろそうに説明した。
なんでも、その旅人は依頼を出すついでに、酒場の看板娘の魅力を蕩々と語っていったのだという。
恋する男の毒気にあてられて、受付の女性はヘソを曲げてしまったらしい。
「まあ、とにかく、ここ数日、集団コボルドの被害報告は耳に入っております。彼らは餌を探しながら、西へと移動しています。今度襲われるとしたら、その酒場――『火の付いた酒樽亭』でしょう」
ここで食い止めなければ、いずれ大きな町まで行き着いて甚大な被害を出さないとも限らない。
その前に、討伐しなければならない。
ハンター達は、口をすぼめる受付嬢を気の毒に思いながらも、そう決意した。
巡礼道の中。
黄金に色づいている麦畑の中に、その店は建っていた。
木製ロッジという外観は、どこか安上がりで、すきま風がひゅうひゅうと入り込む。
それだけに、こんな店ならばふっかけられる心配もないだろうと、旅人は休憩によるのだった。
中に入れば、出迎えてくれるのは、
「いらっしゃい! お兄さん、疲れただろ。父ちゃん! お一人様だよ!」
十代くらいの、若くて快活な笑顔を浮かべる、ドワーフの少女だった。
ドワーフ。イメージから浮かぶのは、ひげ面の小柄で頑強な益荒男という風情だ。
けれど彼女にはそんな男臭さがなかった。
むしろ、小柄ではあるが、内側から溢れてくる元気と、ハリのある褐色の肌は女性の健康的な色気を匂い立たせている。
看板娘なのだろう――。
奥の席に着き、彼女が走り回る様子を見ながら、『お兄さん』と呼ばれた旅人は酒の入った木製ジョッキを傾ける。
酒の中に入った香辛料が、ふわりと香った。水で嵩ましした気配がない。いい酒だ。
そのドワーフの少女の名前は、リンダ、というらしい。
「ん? この店の名前かい? ふふ。火の付いた酒樽亭。変な名前だと思っただろ? うちの父ちゃんが酔っ払って付けた名前なんだよ。家計は、火の付いた酒樽どころの話じゃないっていうのにな!」
旅人は、リンダの開かれた胸元を見ながら、その話を聞いた。
リンダは視線に気づいて、にやりとした。
「お兄さん。お酒。もうなくなってるぞ。あ、それから、さっき鳥を焼いたんだ。食べていくだろ?」
こちらが断れないと知るや、リンダは勝手に注文をした。
なかなかに商売上手な子のようだ。
旅人のテーブルには、いつのまにか豪勢な食事が並ぶ。
鳥の丸焼きに、野ウサギのスープ、ふかした芋とディップソース――
さすがに一人では食べきれない。
「あはは。悪かったね」
悪いと思うなら、一緒に食べてくれ。
そう言うと、リンダは前掛けをしたまま目の前のイスに、どかりと座った。
「ちょうど腹が減っていたんだ。ありがと」
リンダとは食事を取りながら、様々な話をした。
この『火の付いた酒樽亭』はドワーフの戦士だった店主が、年齢を理由にこの土地に腰を落ち着けた後、開いた店なのだということ。リンダは親父さんが戦士引退後に生まれた子供らしいということ。厨房で働いている母親もドワーフで、両親は時折、故郷を懐かしんでいるのだということ。
彼女の話は多岐にわたった。
そして、テーブルに並んだ食事のほとんどは、リンダの胃袋に消えていった。
酒もひとしきり飲んだ後、リンダは耳打ちしてくる。
「あたし、ハンターになりたいんだ」
どうして?
と、旅人は聞いた。
リンダは表情を曇らせる。
「コボルドが先日も近くに現れた、って話を聞いた。それで、ハンターになればコボルドなんて目じゃないでしょ」
コボルドか。
(そういえば、ここに来るまでに何軒もの家屋や、村々が襲撃されて、凄惨なことになっていた。きっとこの周辺にコボルドの群れが巣くっているのだろう……)
旅人は、ここまでの通り道で、コボルドの被害を見てきたと話した。
「この店もコボルドに襲われちゃうのかな。一体や二体なら父ちゃんが撃退するけど。集団で襲われたら歯が立たないな」
そう言って、リンダは寂しそうに笑う。
「そうなる前に、この場所を引き払わなくちゃ」
そんなリンダの弱気な言葉を聞いて、旅人は立ち上がった。
「君、どうしたの? そんな顔をして?」
旅人は、ハンターオフィスに依頼を届けてくる、とリンダに提案した。
こんな気のいい店を無くすのは惜しい。またここを通った時に、君の笑顔がないと悲しい。
自分は少し酔っているのかもしれない、と自分の口から出たその言葉を聞いて、思う。
赤面しながら、彼女の答えを待つ。
リンダは、ははは、とはにかみながら、
「じゃあ、お願いしようかな」
●ハンター事務所
受付では、ちょっと不機嫌そうに受付役の女性が、今回の依頼の説明をしている。
「ついさっきのことです。なんだか妙にハイテンションな旅人がこちらに依頼を出してきました。そのテンションの高さっぷりに、思わず張り手でもかましてしまいそうになりましたよ」
いつもなら冷静沈着な彼女だ。
どうしたのか、と誰もが首をかしげた。
旅人が勢い込んで依頼を出してきたその一部始終を見ていたハンターが、おもしろそうに説明した。
なんでも、その旅人は依頼を出すついでに、酒場の看板娘の魅力を蕩々と語っていったのだという。
恋する男の毒気にあてられて、受付の女性はヘソを曲げてしまったらしい。
「まあ、とにかく、ここ数日、集団コボルドの被害報告は耳に入っております。彼らは餌を探しながら、西へと移動しています。今度襲われるとしたら、その酒場――『火の付いた酒樽亭』でしょう」
ここで食い止めなければ、いずれ大きな町まで行き着いて甚大な被害を出さないとも限らない。
その前に、討伐しなければならない。
ハンター達は、口をすぼめる受付嬢を気の毒に思いながらも、そう決意した。
解説
【目標】
・火の付いた酒樽亭に迫るコボルドの群れから、火の付いた酒樽亭を守れ。
※基本的には『戦闘』メインですが、戦闘前や戦闘後でリンダに絡むのはありです。
【敵】
・コボルド×8体
(旅をしながら狩りをするという、洞穴暮らしのコボルドにしては特異的な生態を持つ)
攻撃方法は、牙と、爪。
旅をしているためか、敏捷性が普通のコボルドよりも高い。
また、狼のように集団で狩りをする。
獣並みの戦術スキルは持っている。
【フィールド】
・火の付いた酒樽亭
木製ロッジの大衆食堂兼、酒場。
一階は厨房と、水回り、食事処がある。
二階が生活スペース。
安っぽく見えるが、ドワーフ製の頑丈な作り。
父、母、娘の家族経営。
・周辺
広い小麦畑の中にぽつんと、火の付いた酒樽亭がある。
玄関口は旅人が使う道に面している。
道は森から森に続いている。
【リンダ】
火の付いた酒樽亭の看板娘。ドワーフ族の少女、十七歳。
好奇心旺盛で、磊落な性格。(その無邪気さが時に、小悪魔的な魅力にもなる)
ハンターになりたいという夢を持つ。
強くなってコボルドを撃退したいというのは、理由の一つ。
もう一つは『外の世界を肌で感じてみたい』という好奇心旺盛な彼女らしいモノ。
※小さな頃から接客業をしているので、ナンパなどのあしらい方には長けています。
【その他注意点】
OPに出てきた『旅人』は、すでに遠くへ旅立っております。リプレイには出てきません。
リンダは、『旅人』について、特に恋愛感情は抱いておりません。
・火の付いた酒樽亭に迫るコボルドの群れから、火の付いた酒樽亭を守れ。
※基本的には『戦闘』メインですが、戦闘前や戦闘後でリンダに絡むのはありです。
【敵】
・コボルド×8体
(旅をしながら狩りをするという、洞穴暮らしのコボルドにしては特異的な生態を持つ)
攻撃方法は、牙と、爪。
旅をしているためか、敏捷性が普通のコボルドよりも高い。
また、狼のように集団で狩りをする。
獣並みの戦術スキルは持っている。
【フィールド】
・火の付いた酒樽亭
木製ロッジの大衆食堂兼、酒場。
一階は厨房と、水回り、食事処がある。
二階が生活スペース。
安っぽく見えるが、ドワーフ製の頑丈な作り。
父、母、娘の家族経営。
・周辺
広い小麦畑の中にぽつんと、火の付いた酒樽亭がある。
玄関口は旅人が使う道に面している。
道は森から森に続いている。
【リンダ】
火の付いた酒樽亭の看板娘。ドワーフ族の少女、十七歳。
好奇心旺盛で、磊落な性格。(その無邪気さが時に、小悪魔的な魅力にもなる)
ハンターになりたいという夢を持つ。
強くなってコボルドを撃退したいというのは、理由の一つ。
もう一つは『外の世界を肌で感じてみたい』という好奇心旺盛な彼女らしいモノ。
※小さな頃から接客業をしているので、ナンパなどのあしらい方には長けています。
【その他注意点】
OPに出てきた『旅人』は、すでに遠くへ旅立っております。リプレイには出てきません。
リンダは、『旅人』について、特に恋愛感情は抱いておりません。
マスターより
お疲れ様です、文ノ字です。
今回の戦闘はコボルドの群れ討伐です。
基礎的なシナリオになりがちですが、そこには『かわいいドワーフの少女』がいます。
どうか仲良くしてあげてください。
(なお、清楚な感じより、活発な女の子の方が可愛いというのは、文ノ字の趣味です)
今回の戦闘はコボルドの群れ討伐です。
基礎的なシナリオになりがちですが、そこには『かわいいドワーフの少女』がいます。
どうか仲良くしてあげてください。
(なお、清楚な感じより、活発な女の子の方が可愛いというのは、文ノ字の趣味です)
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/11/15 02:04
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/11/07 22:47:01 |
|
![]() |
相談卓 柊羽(ka6811) 鬼|30才|男性|舞刀士(ソードダンサー) |
最終発言 2017/11/09 18:02:50 |