ゲスト
(ka0000)
【界冥】Ash Guard:3
マスター:鹿野やいと

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- ユニット参加人数
- 現在6 / 0~6
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/11/09 22:00
- リプレイ完成予定
- 2017/11/23 22:00
オープニング
古の軍師曰く、戦には五つの要点があると。まずは迎え撃って戦う、戦えなくなれば守り、守れなくなれば逃げる。逃げることも出来なければ降伏し、降伏も出来ないのであれば死ぬだけ。理路整然と思考する歪虚であればこの手の傾向に漏れない。事実としてあれほど勢力拡大に勤しんだ鉄拐山クラスタは外部への攻勢を完全に休止していた。外に出る余裕もないのか、あるいは力を溜めているだけなのか。クラスタを封鎖する戦力はこの状況を見逃さず、絨毯爆撃の密度を上げてクラスタの復旧を阻止し続けた。戦力は火星クラスタの攻略などで余力は無かったものの、ここまでの戦闘で封じ込め自体は完全な布陣に変わりつつあった。
ここ数か月の変化として陣地防衛に並ぶCAMは様変わりしていた。突入の為の装備としてR7エクスシアが配備され、古参のパイロット達の機体が更新されている。隊長級と選抜されたベテランもエクスシアに乗り換え、クラスタ突入の準備は十二分に整った。そのエクスシアの1機のコクピットで、松前晶子一尉はあくびでもしそうな顔で丁寧な爆撃の様子を眺めていた。
「拍子抜けね」
「その方が良いだろう」
ぼやいた言葉を聞きとがめたのは僚機の白川健作一尉。有線のみの通信で部隊の外には聞こえないはずだが、彼が律儀なのは変わらなかった。
「良いか悪いかでなくて、拍子抜けでしょ? あんだけ死人出してたのに今じゃこれよ」
良い事だと理解している。金は湯水のように使われて非難もあったが、あれ以来ほとんど死人が出ていない。非難は住人に安寧が行き渡った証拠だ。
それでも、過去に血を流して得た物が今こうして安易に手に入るようになると、言いようの無い無力感に募っていく。流した血が無意味だったような感覚に陥っていく。状況を変えたのが自分達でなかったことも、松前の心に暗い影を落としていた。
「バカだな、松前は」
白川の声は呆れたような驚いたような、不思議な口調であった。
「お前に必要なのは休暇でなくて葬式だな」
「はぁ?」
「お前の地元、この辺だよな?」
松前の返事は無い。それが何より雄弁な答えとなる。これまでの斜に構えたような対応は、彼女らしい遠まわしな気遣いの形であった。
●
クラスタ内部では歪虚による汚染の影響で耐性の無い人間は突入出来ない。それを解決するための外装としてR7エクスシア含むCAMは価値があり、スノードニアでのVOID討伐においてもクリムゾンウェストの覚醒者抜きでクラスタ攻略を成し遂げている。鉄拐山のクラスタも同様の攻略法が有効だが、アワフォード社のような潤沢な資金と戦力を持つ支援者が居るわけではない。
この点で自衛隊中部方面軍のクラスタ包囲部隊は潤沢な装備を持つ部隊ではなかった。CAM以外の通常戦力の投入を封じられたクラスタ突入戦では、予備戦力を用意する余裕も無い。これまでのハンターの投入により突入戦力にすら不足するという以前の状況からは多少なりとも改善したが、猶覆せない攻城戦の不利が残されている。この状況に対して山そのものを破壊する案もあったが、逃走の可能性を考慮の上で見送られた。地中を掘って・空を飛んで・海に潜って、全ての平面に対して戦力を十全に配備することは出来ない。だからこそ確実に人の手で破壊したという確証が必要だった。
そしてこの前提が通じるのはクラスタが未完成で汚染が軽度の場合に限られる。クラスタが完成に近づくほどにVOIDの汚染は悪化し、非覚醒者ではCAMという外装込みでも耐えられなくなる。状況は優位に進んでいるが、刻限は迫りつつあった。
斯様な状況の元、満を持して自衛隊より選抜されたパイロットの乗るCAM4機とハンター一行はクラスタ内部に侵入した。名古屋クラスタの資料映像を見た者、あるいは実地で攻略戦に参加した者はその差異に違和感を持っただろう。歪に横に広がるクラスタ内部は閑散としていて、まともな迎撃はほとんどない。出会い頭の弾幕で事足りるような戦力しか出てこなかった。内部は歪虚の生物じみた肉か土か金属か不明瞭な壁が続くが、時折土砂に埋もれた区画が唐突に姿を現すことがあった。爆撃の余波を修復しきれていないことが素人目にもわかった。
一行はほどなくして広い空間に出る。速度と移動方向から、そこが鉄拐山の内陸部付近とあたりは付いた。内部はドーム状の空間となっており、中央の巨大な支柱が1本、それを囲むように円形に支柱が8本均等に配され、柱からはそれぞれ枝のようなものが四方に伸ばされていた。中央の柱には緑の巨大な球体が肉に埋もれるように配され、弱く明滅を繰り返していた。資料の通りならあれこそがクラスタの核であると推測された。
クラスタを要する柱の周囲には機影が複数。CAMと同等のサイズが3、小さい物が数十。これが最後の防衛機構と目された。
「なるほど、これはわかりやすい。高機動型のCAMを真似たか。それに……魔導アーマーとかいう異世界の機体も参考にしたらしいな。節操がない」
白川の評価した通り、護衛の3機はこれまで自衛隊やハンターの配置したCAMの特化した機体に外観が酷似していた。前回の戦闘ヘリの性能を見るのならば、一部機能では本物を凌駕する性能だろう。対峙した同型機を一方的に撃破するだけの性能を有する可能性もある。
クラスタ側も侵入者を感知したのか、柱が鳴動しながらその巨体を開いていく。巨大な柱の上部はまるで翼か手のような外観の腕となって、侵入者を威嚇した。
「そんなに怖いのか。そんなに死にたくないのか」
松前の声に怒りが滲み出した。逃げるのか、ただその1点が彼女には許せなかった。
最初の2ヵ月、CAM隊は廃墟の街を踏み荒らした。戦車が道を開くのでも攻撃機が爆撃するのでもなく、踏みつけにしたのだ。まだ生存者が残っているかもしれない家屋を、思い出の詰まった街並みを。そして、戦場で死んだ仲間達を。守るべきものを踏みつけて、それでもCAM隊は走り続けた。
続いて松前の怒声が響くかと思われたが、続く声は白川の物であった。
「各機、兵器使用自由。俺達の事は気にするな」
白川の声は落ち着いている。松前も冷静さを取り戻したのか言葉を発しない。
「俺達は軍人だ。役割を果たす」
冷静な声には悲しみの気配があった。最初にハンターがこの地に呼ばれた時と同じように、彼らは自分の想いを深く沈みこませていく。失った者を弔うのは、全てを終えた後にするしかない。悲しみを共にするには、軍人という生き方は不器用にすぎるのだ。
「攻撃開始!」
白川の号令でもって、全ての機体が行動を開始した。同時に歪虚も動き出す。鉄拐山最後の戦いが幕開けた。
ここ数か月の変化として陣地防衛に並ぶCAMは様変わりしていた。突入の為の装備としてR7エクスシアが配備され、古参のパイロット達の機体が更新されている。隊長級と選抜されたベテランもエクスシアに乗り換え、クラスタ突入の準備は十二分に整った。そのエクスシアの1機のコクピットで、松前晶子一尉はあくびでもしそうな顔で丁寧な爆撃の様子を眺めていた。
「拍子抜けね」
「その方が良いだろう」
ぼやいた言葉を聞きとがめたのは僚機の白川健作一尉。有線のみの通信で部隊の外には聞こえないはずだが、彼が律儀なのは変わらなかった。
「良いか悪いかでなくて、拍子抜けでしょ? あんだけ死人出してたのに今じゃこれよ」
良い事だと理解している。金は湯水のように使われて非難もあったが、あれ以来ほとんど死人が出ていない。非難は住人に安寧が行き渡った証拠だ。
それでも、過去に血を流して得た物が今こうして安易に手に入るようになると、言いようの無い無力感に募っていく。流した血が無意味だったような感覚に陥っていく。状況を変えたのが自分達でなかったことも、松前の心に暗い影を落としていた。
「バカだな、松前は」
白川の声は呆れたような驚いたような、不思議な口調であった。
「お前に必要なのは休暇でなくて葬式だな」
「はぁ?」
「お前の地元、この辺だよな?」
松前の返事は無い。それが何より雄弁な答えとなる。これまでの斜に構えたような対応は、彼女らしい遠まわしな気遣いの形であった。
●
クラスタ内部では歪虚による汚染の影響で耐性の無い人間は突入出来ない。それを解決するための外装としてR7エクスシア含むCAMは価値があり、スノードニアでのVOID討伐においてもクリムゾンウェストの覚醒者抜きでクラスタ攻略を成し遂げている。鉄拐山のクラスタも同様の攻略法が有効だが、アワフォード社のような潤沢な資金と戦力を持つ支援者が居るわけではない。
この点で自衛隊中部方面軍のクラスタ包囲部隊は潤沢な装備を持つ部隊ではなかった。CAM以外の通常戦力の投入を封じられたクラスタ突入戦では、予備戦力を用意する余裕も無い。これまでのハンターの投入により突入戦力にすら不足するという以前の状況からは多少なりとも改善したが、猶覆せない攻城戦の不利が残されている。この状況に対して山そのものを破壊する案もあったが、逃走の可能性を考慮の上で見送られた。地中を掘って・空を飛んで・海に潜って、全ての平面に対して戦力を十全に配備することは出来ない。だからこそ確実に人の手で破壊したという確証が必要だった。
そしてこの前提が通じるのはクラスタが未完成で汚染が軽度の場合に限られる。クラスタが完成に近づくほどにVOIDの汚染は悪化し、非覚醒者ではCAMという外装込みでも耐えられなくなる。状況は優位に進んでいるが、刻限は迫りつつあった。
斯様な状況の元、満を持して自衛隊より選抜されたパイロットの乗るCAM4機とハンター一行はクラスタ内部に侵入した。名古屋クラスタの資料映像を見た者、あるいは実地で攻略戦に参加した者はその差異に違和感を持っただろう。歪に横に広がるクラスタ内部は閑散としていて、まともな迎撃はほとんどない。出会い頭の弾幕で事足りるような戦力しか出てこなかった。内部は歪虚の生物じみた肉か土か金属か不明瞭な壁が続くが、時折土砂に埋もれた区画が唐突に姿を現すことがあった。爆撃の余波を修復しきれていないことが素人目にもわかった。
一行はほどなくして広い空間に出る。速度と移動方向から、そこが鉄拐山の内陸部付近とあたりは付いた。内部はドーム状の空間となっており、中央の巨大な支柱が1本、それを囲むように円形に支柱が8本均等に配され、柱からはそれぞれ枝のようなものが四方に伸ばされていた。中央の柱には緑の巨大な球体が肉に埋もれるように配され、弱く明滅を繰り返していた。資料の通りならあれこそがクラスタの核であると推測された。
クラスタを要する柱の周囲には機影が複数。CAMと同等のサイズが3、小さい物が数十。これが最後の防衛機構と目された。
「なるほど、これはわかりやすい。高機動型のCAMを真似たか。それに……魔導アーマーとかいう異世界の機体も参考にしたらしいな。節操がない」
白川の評価した通り、護衛の3機はこれまで自衛隊やハンターの配置したCAMの特化した機体に外観が酷似していた。前回の戦闘ヘリの性能を見るのならば、一部機能では本物を凌駕する性能だろう。対峙した同型機を一方的に撃破するだけの性能を有する可能性もある。
クラスタ側も侵入者を感知したのか、柱が鳴動しながらその巨体を開いていく。巨大な柱の上部はまるで翼か手のような外観の腕となって、侵入者を威嚇した。
「そんなに怖いのか。そんなに死にたくないのか」
松前の声に怒りが滲み出した。逃げるのか、ただその1点が彼女には許せなかった。
最初の2ヵ月、CAM隊は廃墟の街を踏み荒らした。戦車が道を開くのでも攻撃機が爆撃するのでもなく、踏みつけにしたのだ。まだ生存者が残っているかもしれない家屋を、思い出の詰まった街並みを。そして、戦場で死んだ仲間達を。守るべきものを踏みつけて、それでもCAM隊は走り続けた。
続いて松前の怒声が響くかと思われたが、続く声は白川の物であった。
「各機、兵器使用自由。俺達の事は気にするな」
白川の声は落ち着いている。松前も冷静さを取り戻したのか言葉を発しない。
「俺達は軍人だ。役割を果たす」
冷静な声には悲しみの気配があった。最初にハンターがこの地に呼ばれた時と同じように、彼らは自分の想いを深く沈みこませていく。失った者を弔うのは、全てを終えた後にするしかない。悲しみを共にするには、軍人という生き方は不器用にすぎるのだ。
「攻撃開始!」
白川の号令でもって、全ての機体が行動を開始した。同時に歪虚も動き出す。鉄拐山最後の戦いが幕開けた。
解説
●依頼
鉄拐山クラスタ攻略戦への参加
●敵戦力
・鉄拐山クラスタコア
本体は淡く緑に光る球体のような形状。
柱周囲の小物はコアの子機で、コアの攻撃や防御を補助する。
毎ターン敵全てに光線による射撃攻撃。翼や子機による受け可。回避不可。
毎ターン自身含む全ての歪虚の生命点を回復。撃破した歪虚は復活出来ない。
・大型歪虚×3
デュミナス型(闘狩人)
長大な槍と盾を装備。闘狩人のスキルに類似した機能を装備。タンク役
デュミナス型(霊闘士)
巨大な斧を装備。 霊闘士のスキルに類似した機能を装備。火力役
アラクネ型(魔導アーマーに酷似)
蜘蛛の胴体と人型の上半身、腕の代わりに銃を装備。高い移動力が特徴。支援役
・戦場
半径30マス程度のドーム型の広間
柱は中央に一本と円形に8本。あとは障害物の無い平地
天井はCAM基準ではそんなに高くありません。ジャンプに差し支えない高さです
ブースターを使えばすぐに天井に到達します
●味方戦力
・エクスシア×2(盾と斧と突撃銃。高機動のエグゼクターカスタム。松前機込み)
・エクスシア×2(盾と剣と機関銃。重装甲のフォートレスカスタム。白川機込み)
・PC6名
●注意点
この依頼はCAM・魔導アーマー推奨の依頼です
生身参加も可能ですが、バイクなどでの移動力の確保を推奨します
騎乗動物(幻獣以外)の使用は禁止します(連れていくとVOIDの汚染で死にます)
鉄拐山クラスタ攻略戦への参加
●敵戦力
・鉄拐山クラスタコア
本体は淡く緑に光る球体のような形状。
柱周囲の小物はコアの子機で、コアの攻撃や防御を補助する。
毎ターン敵全てに光線による射撃攻撃。翼や子機による受け可。回避不可。
毎ターン自身含む全ての歪虚の生命点を回復。撃破した歪虚は復活出来ない。
・大型歪虚×3
デュミナス型(闘狩人)
長大な槍と盾を装備。闘狩人のスキルに類似した機能を装備。タンク役
デュミナス型(霊闘士)
巨大な斧を装備。 霊闘士のスキルに類似した機能を装備。火力役
アラクネ型(魔導アーマーに酷似)
蜘蛛の胴体と人型の上半身、腕の代わりに銃を装備。高い移動力が特徴。支援役
・戦場
半径30マス程度のドーム型の広間
柱は中央に一本と円形に8本。あとは障害物の無い平地
天井はCAM基準ではそんなに高くありません。ジャンプに差し支えない高さです
ブースターを使えばすぐに天井に到達します
●味方戦力
・エクスシア×2(盾と斧と突撃銃。高機動のエグゼクターカスタム。松前機込み)
・エクスシア×2(盾と剣と機関銃。重装甲のフォートレスカスタム。白川機込み)
・PC6名
●注意点
この依頼はCAM・魔導アーマー推奨の依頼です
生身参加も可能ですが、バイクなどでの移動力の確保を推奨します
騎乗動物(幻獣以外)の使用は禁止します(連れていくとVOIDの汚染で死にます)
マスターより
遅れたのは火星が原因じゃなくてMSの都合ですね!(秒で土下座)
それはそれとして3話連作最後の1話をリリースします
難易度がほどほどで危険フラグがついていないのは、ここまでの結果によるものです
ラスト1戦、気持ちよく戦っていただければ幸いです
それはそれとして3話連作最後の1話をリリースします
難易度がほどほどで危険フラグがついていないのは、ここまでの結果によるものです
ラスト1戦、気持ちよく戦っていただければ幸いです
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/12/05 06:10
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 アニス・テスタロッサ(ka0141) 人間(リアルブルー)|18才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2017/11/09 19:40:33 |
|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/11/05 13:31:38 |