ゲスト
(ka0000)
【郷祭】これが祭りというものさ
マスター:KINUTA

- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
魔術師協会広報室- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在5人 / 3~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2017/11/17 19:00
- リプレイ完成予定
- 2017/11/26 19:00
オープニング
●a past event
等間隔に並ぶ机と席。膝に手を置きお行儀よく座っているのは、小さなマゴイたち。同じ服を着た同じ年頃の、ほぼ見分けがつかないほど似通った容姿の子供たち。
「皆さん、想像してみてください。『親』を持つということがどんなものか、『家族』と暮らすというのがどういうものか」
マゴイたちは言われた通り想像しようとした。しかし、うまくいかなかった。誰もそんなものを見たことがなかったからだ。
ただそれに対する漠然とした忌避と嫌悪は、誰しも習得していた。出生時から始まる社会化教育によって。
「それは、社会を不幸にするものだったのです」
家庭。1人の男と、女と、あらゆる年齢層の子供。それが一つところに押し込められている。お互い同士に課せられる異常な独占関係。密集生活の摩擦により煮詰まった感情は発酵し、悪臭を放ち始める――私だけの母親、私だけの父親、私だけの赤ちゃん、私だけの――
●now 市民生産機関会議室
環境整備の仕事は一区切り。これから取り組むべきは。
1:新しいエネルギー炉の建造。
2:保養施設の建造。
3:ワーカーの教育。
である。
1、2は島の中にある資源だけでは出来ない。特に保養所となれば、どこかよそに敷地を確保する必要がある。
歪虚ブロック処理の外注請負についても、定期的に続ける必要があるだろう。少なくとも、エネルギー炉が完成して、生産機関の本格的な稼動が出来るようになるまでは。
そのためにはこの世界の社会事情や仕組みについてもうちょっとよく調べなくてはいけないだろう。
共同体社会への不適合化が著しく進んでいるβ、θについても同様である。彼らがどうしてああなっているのか、そこを分析すればこれからのワーカーの教育のため、役立つに違いない。
しかしあの2人、特にθの方だが、不安定化が本当にひどい。実はこれまで数度接触を行ってみたのだが、こちらの姿を見ただけで飛び逃げてしまい、まともな会話が出来なかった。
ではどうするか。
長々考えてマゴイは、以下の結論に達した。
『……ワーカーに……任せるしかなさそうね……』
●レター・フロム・ユニオン
郷祭がやってきた。
バシリア刑務所は春郷祭と同様、ペリニョン村と提携し、出店を出す。
内容は昨年と同様だ。刑務所のブースは犬猫譲渡会と作業作品の販売。ペリニョン村のブースは燻製品。
開催目前に迫ったイベントの準備に精を出していた最中スペットは、魔術師協会職員から呼び出しを受けた。
「おー、全快したんかタモンはん」
「ええ、おかげさまで……」
「今日は何の用や。受信機の改良出来たんか?」
「いえ、それはまだ、もう少し時間がかかりそうでして――それより、ちょっと確かめてもらいたいものがあるんですがね」
と言ってタモンは、箱を持ってきた。
縦20センチ横30センチ幅10センチ。
色は淡い赤。前後に方形を基礎にした幾何学模様が記されている。
上部には縦3センチ、横20センチの細長い穴。
「これ――なんだか分かりますか? 前回の通信の後、マゴイさんから送られてきたんですが……」
箱を見たスペットは、鼻回りに生えた髭をひくひく動かした。
「あー、これは書簡送信機やな」
彼がそう言ったとき、幾何学模様がほんのり光った。
トースターからトーストが飛び出すような具合で、穴から封筒がはね出てきた。
「!?」
タモンは恐る恐るそれを引き出し、開いてみる。
書類が出てきた。
読んでみる。
――――――――
ユニオン労働基準法第112条 【ユニオン外部者との間における契約についての適用】を根拠としてユニオンは、民営団体ハンターオフィスに、10名のワーカーにおける視察業務について、一時契約締結を希望者に求めるよう、通告を出す旨を要請する。
*当契約において依頼引き受け人はワーカーが視察業務を負えるまでの間、その身体生命財産の保護、安全の維持に当たることを求められる。
*当契約において依頼引受人は、ワーカーが視察業務を終えるまでの間、その行動を妨害しないことを求められる。
*当契約において依頼引き受け人は労働に対する対価を、貨幣によって全額支払われる。
*当契約において依頼引き受け人は下記労働条件で働くことを求められる。
1、労働時間:6時間
2、労働開始時刻並びに労働終了時刻:9:00~16:00
3、休憩時間:12:00~13:00
4、所定労働時間を超える労働の有無:無
――――――――
以下10ページに渡って目が滑るような契約文章が延々続くのだが、要約すれば、『ワーカーを郷祭に参加させようと思うのだが、自分は一緒に行けない。だから、その間彼らを引率してくれる人間を募集する。参加者はこの書類にサインして送り返してくるように。』とのこと。
内容はともかくとして、タモンは一番に以下のことが気になった。
「ユニオンにも、書類をやり取りする習慣があるんですか?」
「ああ、あんで」
「データを直にやり取りとかでなく?」
「それもするけど、同時に書面でもやり取りせなあかんねん」
「……二度手間では?」
「……まあ俺も時々そう思わんでもなかったけどな、そういう決まりやってんや」
「なるほど。ところでこの書類、どうやって送り返したらいいんですか?」
「その穴に入れ直したらええねん」
●郷祭
郷祭会場。
コボルドコボちゃんとハンターたちは、スペットの陣取る刑務所屋台の前で待っていた。マゴイとワーカーたちが現れるのを。
そろそろ時間だ。
「何でここが待ち合わせ場所になっとんねん」
ぶつくさスペットがぼやいた所で、展示品である箪笥の戸が開いた。
そこからコボルドたちが飛び出してくる。10匹全員おそろいの白ネクタイを身につけて。
「わん、わんわんわん」
「おう、わう」
コボちゃんは早速鼻をくっつけてのご挨拶。
「わっしー! わしわしわっしー!」
その後、もそもそマゴイが出てくる。
カチャは早速彼女に、今回の依頼についての仔細を確かめた。
「えーと、このコボルドたちを今日一日預かればいいんですね?」
『……そう……彼らに危険がないように保護して頂戴……』
そこに華やかな楽隊の音が聞こえてきた。目を向ければ、新郎新婦の行列が通りがかるところだった。
そういえば最近数箇所の村が合同で、婚活パーティーを開催したとか。そのとき成立したカップルの結婚式だろうか――と微笑ましく思うハンターたち。
カチャはふとマゴイに顔を向けた。
そして気づいた。マゴイがうとましげな目で行列を見ていることに。
等間隔に並ぶ机と席。膝に手を置きお行儀よく座っているのは、小さなマゴイたち。同じ服を着た同じ年頃の、ほぼ見分けがつかないほど似通った容姿の子供たち。
「皆さん、想像してみてください。『親』を持つということがどんなものか、『家族』と暮らすというのがどういうものか」
マゴイたちは言われた通り想像しようとした。しかし、うまくいかなかった。誰もそんなものを見たことがなかったからだ。
ただそれに対する漠然とした忌避と嫌悪は、誰しも習得していた。出生時から始まる社会化教育によって。
「それは、社会を不幸にするものだったのです」
家庭。1人の男と、女と、あらゆる年齢層の子供。それが一つところに押し込められている。お互い同士に課せられる異常な独占関係。密集生活の摩擦により煮詰まった感情は発酵し、悪臭を放ち始める――私だけの母親、私だけの父親、私だけの赤ちゃん、私だけの――
●now 市民生産機関会議室
環境整備の仕事は一区切り。これから取り組むべきは。
1:新しいエネルギー炉の建造。
2:保養施設の建造。
3:ワーカーの教育。
である。
1、2は島の中にある資源だけでは出来ない。特に保養所となれば、どこかよそに敷地を確保する必要がある。
歪虚ブロック処理の外注請負についても、定期的に続ける必要があるだろう。少なくとも、エネルギー炉が完成して、生産機関の本格的な稼動が出来るようになるまでは。
そのためにはこの世界の社会事情や仕組みについてもうちょっとよく調べなくてはいけないだろう。
共同体社会への不適合化が著しく進んでいるβ、θについても同様である。彼らがどうしてああなっているのか、そこを分析すればこれからのワーカーの教育のため、役立つに違いない。
しかしあの2人、特にθの方だが、不安定化が本当にひどい。実はこれまで数度接触を行ってみたのだが、こちらの姿を見ただけで飛び逃げてしまい、まともな会話が出来なかった。
ではどうするか。
長々考えてマゴイは、以下の結論に達した。
『……ワーカーに……任せるしかなさそうね……』
●レター・フロム・ユニオン
郷祭がやってきた。
バシリア刑務所は春郷祭と同様、ペリニョン村と提携し、出店を出す。
内容は昨年と同様だ。刑務所のブースは犬猫譲渡会と作業作品の販売。ペリニョン村のブースは燻製品。
開催目前に迫ったイベントの準備に精を出していた最中スペットは、魔術師協会職員から呼び出しを受けた。
「おー、全快したんかタモンはん」
「ええ、おかげさまで……」
「今日は何の用や。受信機の改良出来たんか?」
「いえ、それはまだ、もう少し時間がかかりそうでして――それより、ちょっと確かめてもらいたいものがあるんですがね」
と言ってタモンは、箱を持ってきた。
縦20センチ横30センチ幅10センチ。
色は淡い赤。前後に方形を基礎にした幾何学模様が記されている。
上部には縦3センチ、横20センチの細長い穴。
「これ――なんだか分かりますか? 前回の通信の後、マゴイさんから送られてきたんですが……」
箱を見たスペットは、鼻回りに生えた髭をひくひく動かした。
「あー、これは書簡送信機やな」
彼がそう言ったとき、幾何学模様がほんのり光った。
トースターからトーストが飛び出すような具合で、穴から封筒がはね出てきた。
「!?」
タモンは恐る恐るそれを引き出し、開いてみる。
書類が出てきた。
読んでみる。
――――――――
ユニオン労働基準法第112条 【ユニオン外部者との間における契約についての適用】を根拠としてユニオンは、民営団体ハンターオフィスに、10名のワーカーにおける視察業務について、一時契約締結を希望者に求めるよう、通告を出す旨を要請する。
*当契約において依頼引き受け人はワーカーが視察業務を負えるまでの間、その身体生命財産の保護、安全の維持に当たることを求められる。
*当契約において依頼引受人は、ワーカーが視察業務を終えるまでの間、その行動を妨害しないことを求められる。
*当契約において依頼引き受け人は労働に対する対価を、貨幣によって全額支払われる。
*当契約において依頼引き受け人は下記労働条件で働くことを求められる。
1、労働時間:6時間
2、労働開始時刻並びに労働終了時刻:9:00~16:00
3、休憩時間:12:00~13:00
4、所定労働時間を超える労働の有無:無
――――――――
以下10ページに渡って目が滑るような契約文章が延々続くのだが、要約すれば、『ワーカーを郷祭に参加させようと思うのだが、自分は一緒に行けない。だから、その間彼らを引率してくれる人間を募集する。参加者はこの書類にサインして送り返してくるように。』とのこと。
内容はともかくとして、タモンは一番に以下のことが気になった。
「ユニオンにも、書類をやり取りする習慣があるんですか?」
「ああ、あんで」
「データを直にやり取りとかでなく?」
「それもするけど、同時に書面でもやり取りせなあかんねん」
「……二度手間では?」
「……まあ俺も時々そう思わんでもなかったけどな、そういう決まりやってんや」
「なるほど。ところでこの書類、どうやって送り返したらいいんですか?」
「その穴に入れ直したらええねん」
●郷祭
郷祭会場。
コボルドコボちゃんとハンターたちは、スペットの陣取る刑務所屋台の前で待っていた。マゴイとワーカーたちが現れるのを。
そろそろ時間だ。
「何でここが待ち合わせ場所になっとんねん」
ぶつくさスペットがぼやいた所で、展示品である箪笥の戸が開いた。
そこからコボルドたちが飛び出してくる。10匹全員おそろいの白ネクタイを身につけて。
「わん、わんわんわん」
「おう、わう」
コボちゃんは早速鼻をくっつけてのご挨拶。
「わっしー! わしわしわっしー!」
その後、もそもそマゴイが出てくる。
カチャは早速彼女に、今回の依頼についての仔細を確かめた。
「えーと、このコボルドたちを今日一日預かればいいんですね?」
『……そう……彼らに危険がないように保護して頂戴……』
そこに華やかな楽隊の音が聞こえてきた。目を向ければ、新郎新婦の行列が通りがかるところだった。
そういえば最近数箇所の村が合同で、婚活パーティーを開催したとか。そのとき成立したカップルの結婚式だろうか――と微笑ましく思うハンターたち。
カチャはふとマゴイに顔を向けた。
そして気づいた。マゴイがうとましげな目で行列を見ていることに。
解説
補足説明。
これはコボルドを引き連れながら郷祭に参加する依頼です。
コボルドたちは今回、休暇で来ているのではありません。仕事の延長、視察業務として現地を訪れています(本人達にはあまり区別が出来てないですが)。10名はいわば選抜チーム。なるべく物事に臆しないものが選ばれています。
マゴイはクリムゾンウェストの文化レベルについてもう少し詳しく知りたいと思っています。
その情報収集のために、今回コボルドたちを派遣しました。
コボルドたちのネクタイにはピンの形をしたレコーダーがついています。今日一日彼らが見たもの聞いたもの、全て映像、音声資料として残ります(万一の事故対策、ドライブレコーダー的な意味合いで付けさせています)。
今回ハンターにおいて求められるのは、コボルドたちになるべく色んなことをさせること、見せること。それは最終的にマゴイの知識となりますので。
マゴイはお昼の休憩時間に、1回戻ってきます。契約通り休憩しているかどうか確かめるためです。
それが確認出来たらまた一旦島に戻って、夕方再度コボルドたちを迎えに来ます。
彼女と話がしたい方は、そのタイミングを見計らってしてください。
これはコボルドを引き連れながら郷祭に参加する依頼です。
コボルドたちは今回、休暇で来ているのではありません。仕事の延長、視察業務として現地を訪れています(本人達にはあまり区別が出来てないですが)。10名はいわば選抜チーム。なるべく物事に臆しないものが選ばれています。
マゴイはクリムゾンウェストの文化レベルについてもう少し詳しく知りたいと思っています。
その情報収集のために、今回コボルドたちを派遣しました。
コボルドたちのネクタイにはピンの形をしたレコーダーがついています。今日一日彼らが見たもの聞いたもの、全て映像、音声資料として残ります(万一の事故対策、ドライブレコーダー的な意味合いで付けさせています)。
今回ハンターにおいて求められるのは、コボルドたちになるべく色んなことをさせること、見せること。それは最終的にマゴイの知識となりますので。
マゴイはお昼の休憩時間に、1回戻ってきます。契約通り休憩しているかどうか確かめるためです。
それが確認出来たらまた一旦島に戻って、夕方再度コボルドたちを迎えに来ます。
彼女と話がしたい方は、そのタイミングを見計らってしてください。
マスターより
KINUTAです。
われらえらばれし10にんのコボルド。おしごと、する。
わしわし。
ちがった、こぼもいれて11にんいる。えらばれしこぼるど、11にん。
われらえらばれし10にんのコボルド。おしごと、する。
わしわし。
ちがった、こぼもいれて11にんいる。えらばれしこぼるど、11にん。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/11/22 23:27
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/11/17 06:40:08 |
|
![]() |
質問卓だよ 天竜寺 詩(ka0396) 人間(リアルブルー)|18才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2017/11/12 11:39:35 |
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![]() |
相談卓だよ 天竜寺 詩(ka0396) 人間(リアルブルー)|18才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2017/11/17 19:00:11 |