ゲスト
(ka0000)
胸騒ぎに似たアルペジオ
マスター:紺堂 カヤ

- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 普通
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在16人 / 1~25人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/11/10 09:00
- リプレイ完成予定
- 2017/11/19 09:00
オープニング
●これは夢
小さな女の子が、母親に刺繍を教わっていた。
いとけない、やわらかな指で針を持ち、黄色の糸で小鳥の図案を丁寧に縫っている。
ハンカチだろうか。
部屋にはあたたかそうな光が満ちていて、母子はときどき何が面白いものか、額をくっつけるようにしてくすくすと笑い合っていた。笑うたび、女の子の栗色の巻き毛がふわふわと揺れる。
その光景はいつまでも見ていられそうな、絵本のような可愛らしさだった。
●これは現実――喫茶店にて
「夢追い人」と呼ばれる青年は、白いクロスのかかった喫茶店のテーブルの上に、ノートを広げて難しい顔をしていた。ノートには、青年がこれまでにみてきた夢が、絵と文で詳細に記録されている。青年のみる夢は、現在・過去にかかわらず必ず現実のものとなる。青年は自分がみた夢がいつ、どこで現実のものとなったのかを、確かめる旅をしているのだ。
(確認できていない夢は、まだまだたくさんある、が……。それよりも)
青年は、ポケットから緑色の宝石をふたつ、取り出した。どちらもビー玉ほどの大きさで、きらきらと澄んだ光を反射させている。
ひとつは、ある女性から譲り受けたものだ。絵のモデルをしていたことにより殺されかけ、逆に相手を殺してしまった、可哀想なひと。
もうひとつは、青年の幼いころの友人(とはいえ青年は彼のことを覚えていないのだが)、ピートが持っていたもの。
絵のモデルの女性も、ピートも、この石を「玉虫色の瞳の男」からもらった、と言っていた。夢で聞いたことではないから、忘れてしまわないようにしっかりノートに記してある。青年は夢のこと以外はすぐ忘れてしまうのだ。
(とても偶然とは、思えない……)
どちらも青年の夢に出てきて、事件の解決にかかわった。
(引き寄せられている……? いや、というよりは……)
青年は眉を寄せた。はあ、とひとつ、ため息をついて、コーヒーを飲む。と、視界の端に何か白いものがひらり、と落ちるのが見えた。ハンカチだ。落とし主であると思われる女性は、気が付かずに店の出口へむかってゆく。
「あの、落としましたよ」
青年はハンカチを拾い上げて、そのひとの背中に声をかけた。
(ん……? このハンカチ……)
ハンカチには、黄色い小鳥の刺繍があった。
「あら、ありがとうございます」
女性は振り返って、青年にお礼を言った。彼女の髪は、ふわふわした栗色の巻き毛。間違いない、と青年は確信した。三日前にみた夢は、彼女の幼少期のものに違いない。
「すみませんが、少し、お話する時間をいただけませんか」
青年は、ナンパに間違えられる危険性を自覚しつつ、女性にそう声をかけた。
ハンカチを落とした女性は、不審そうにしつつも、青年の話を聞いてくれた。
必ず現実となる夢を見る体質であること、夢を確かめる旅をしていること……。実直な態度が女性に伝わったのか、彼女は次第に警戒を解いて行った。そして、話が「玉虫色の瞳の男を探している」というところへ及ぶと。
「その方、私、会ったことあるわ。一週間くらい前に。道を尋ねられて、教えて差し上げたら、お礼に、と言ってその石と同じものをもらいました」
「! 本当ですか」
「ええ。ほら」
女性が差し出したのは、青年が持っているふたつとまったく同じ石だった。
「持っていると、いいことがあるよ、なんて言って。胡散臭いな、とは思ったんですけど、捨ててしまうのも怖かったので……。御入用でしたら差し上げます」
「ありがとうございます。それで、その男は他に何か言っていませんでしたか」
「何か? いいえ。コンサートホールへの道を尋ねられて、それだけですわ。今度そこで開催される、コンサートへ行くために道を確認したいんだ、と言って」
「コンサート?」
「ええ。そのコンサートホールの、オープン記念コンサートです。ああ、ちょうど、明日じゃないかしら」
青年は息を飲んだ。これは、チャンスか。それとも、罠か。
いずれにしても、行くしかない、と思った。
●これは現実――コンサートホールにて
そのコンサートのチケットを、なんとか入手し、青年はホールの前に立った。ホール入り口では、制服を着たスタッフが来客に対応し、制服ではないがスタッフ証をつけた男女が警備に立っていた。
「あのう、随分強そうな人たちが警備をしているみたいですけど、何かあったんですか?」
客に一人が、スタッフに尋ねている。
「いえいえ。何もないんですよ。警備は形式上のものです。ただ、スタッフの数が足らなくて、急遽、オーナーがハンターオフィスに依頼をしたんです。だから、あんなに強そうな人たちが揃っちゃって」
「そういうことですか」
客は安心したようにくすくす笑った。ハンターがいるのか、と青年はその話を漏れ聞いて、タイミングがいいかもしれない、と思った。
(できたら、あとで、彼らにも話を訊こう)
ホールは本日オープンの新施設。一階席のみだが、最大収容人数は一六〇名となかなかの規模だ。
プログラムには、五曲の案内が載り、出演者数は二十名だという。
(この中から、たった一人を探すのか……)
青年は、溜息のかわりに深呼吸をした。
小さな女の子が、母親に刺繍を教わっていた。
いとけない、やわらかな指で針を持ち、黄色の糸で小鳥の図案を丁寧に縫っている。
ハンカチだろうか。
部屋にはあたたかそうな光が満ちていて、母子はときどき何が面白いものか、額をくっつけるようにしてくすくすと笑い合っていた。笑うたび、女の子の栗色の巻き毛がふわふわと揺れる。
その光景はいつまでも見ていられそうな、絵本のような可愛らしさだった。
●これは現実――喫茶店にて
「夢追い人」と呼ばれる青年は、白いクロスのかかった喫茶店のテーブルの上に、ノートを広げて難しい顔をしていた。ノートには、青年がこれまでにみてきた夢が、絵と文で詳細に記録されている。青年のみる夢は、現在・過去にかかわらず必ず現実のものとなる。青年は自分がみた夢がいつ、どこで現実のものとなったのかを、確かめる旅をしているのだ。
(確認できていない夢は、まだまだたくさんある、が……。それよりも)
青年は、ポケットから緑色の宝石をふたつ、取り出した。どちらもビー玉ほどの大きさで、きらきらと澄んだ光を反射させている。
ひとつは、ある女性から譲り受けたものだ。絵のモデルをしていたことにより殺されかけ、逆に相手を殺してしまった、可哀想なひと。
もうひとつは、青年の幼いころの友人(とはいえ青年は彼のことを覚えていないのだが)、ピートが持っていたもの。
絵のモデルの女性も、ピートも、この石を「玉虫色の瞳の男」からもらった、と言っていた。夢で聞いたことではないから、忘れてしまわないようにしっかりノートに記してある。青年は夢のこと以外はすぐ忘れてしまうのだ。
(とても偶然とは、思えない……)
どちらも青年の夢に出てきて、事件の解決にかかわった。
(引き寄せられている……? いや、というよりは……)
青年は眉を寄せた。はあ、とひとつ、ため息をついて、コーヒーを飲む。と、視界の端に何か白いものがひらり、と落ちるのが見えた。ハンカチだ。落とし主であると思われる女性は、気が付かずに店の出口へむかってゆく。
「あの、落としましたよ」
青年はハンカチを拾い上げて、そのひとの背中に声をかけた。
(ん……? このハンカチ……)
ハンカチには、黄色い小鳥の刺繍があった。
「あら、ありがとうございます」
女性は振り返って、青年にお礼を言った。彼女の髪は、ふわふわした栗色の巻き毛。間違いない、と青年は確信した。三日前にみた夢は、彼女の幼少期のものに違いない。
「すみませんが、少し、お話する時間をいただけませんか」
青年は、ナンパに間違えられる危険性を自覚しつつ、女性にそう声をかけた。
ハンカチを落とした女性は、不審そうにしつつも、青年の話を聞いてくれた。
必ず現実となる夢を見る体質であること、夢を確かめる旅をしていること……。実直な態度が女性に伝わったのか、彼女は次第に警戒を解いて行った。そして、話が「玉虫色の瞳の男を探している」というところへ及ぶと。
「その方、私、会ったことあるわ。一週間くらい前に。道を尋ねられて、教えて差し上げたら、お礼に、と言ってその石と同じものをもらいました」
「! 本当ですか」
「ええ。ほら」
女性が差し出したのは、青年が持っているふたつとまったく同じ石だった。
「持っていると、いいことがあるよ、なんて言って。胡散臭いな、とは思ったんですけど、捨ててしまうのも怖かったので……。御入用でしたら差し上げます」
「ありがとうございます。それで、その男は他に何か言っていませんでしたか」
「何か? いいえ。コンサートホールへの道を尋ねられて、それだけですわ。今度そこで開催される、コンサートへ行くために道を確認したいんだ、と言って」
「コンサート?」
「ええ。そのコンサートホールの、オープン記念コンサートです。ああ、ちょうど、明日じゃないかしら」
青年は息を飲んだ。これは、チャンスか。それとも、罠か。
いずれにしても、行くしかない、と思った。
●これは現実――コンサートホールにて
そのコンサートのチケットを、なんとか入手し、青年はホールの前に立った。ホール入り口では、制服を着たスタッフが来客に対応し、制服ではないがスタッフ証をつけた男女が警備に立っていた。
「あのう、随分強そうな人たちが警備をしているみたいですけど、何かあったんですか?」
客に一人が、スタッフに尋ねている。
「いえいえ。何もないんですよ。警備は形式上のものです。ただ、スタッフの数が足らなくて、急遽、オーナーがハンターオフィスに依頼をしたんです。だから、あんなに強そうな人たちが揃っちゃって」
「そういうことですか」
客は安心したようにくすくす笑った。ハンターがいるのか、と青年はその話を漏れ聞いて、タイミングがいいかもしれない、と思った。
(できたら、あとで、彼らにも話を訊こう)
ホールは本日オープンの新施設。一階席のみだが、最大収容人数は一六〇名となかなかの規模だ。
プログラムには、五曲の案内が載り、出演者数は二十名だという。
(この中から、たった一人を探すのか……)
青年は、溜息のかわりに深呼吸をした。
解説
■成功条件
オーナーに任された仕事をきちんとこなす。
■仕事
あなた方は「コンサートホールオーナーに雇われたハンター」である。
仕事内容は以下の3種類。1つだけ選んで任務にあたること。
なお、参加人数の関係で各種類の最低人数を満たさなかった場合、一般職員が入る。
A.ホール入口の警備(最低6名)
西、中央、東の三か所にある入口の警備。
チケットのもぎりや案内役は、専用の職員がいるため不要。
ひとつの入り口に最低2名ずつは常駐すること。手の空いている者はホール内外の見回り等を行うために歩き回ってもよいが、コンサート開演中はロビーまでにしか立ち入りができず、楽屋への立ち入りも不可。
B.楽屋の警備および出演者サポート(最低6名)
ステージ裏にふたつ(男女ひとつずつ)の楽屋の警備と出演者の着替えやメイクの手伝い。
楽屋へは「通行証」を持った出演者しか入れない。
ひとつの楽屋に最低1名ずつは常駐すること。合計で6名いれば配置人数を揃えなくともよい(女性用楽屋に多めに配置、などとしてOK)。
手が空けば会場内を自由に出歩けるが、コンサート開演中は楽屋にいなければならない。
C.出演者(最低0名、上限8名)
ゲスト出演者としてステージに登場。
AとBの最低人数を満たしている場合のみ、選択可能とする。
披露可能なのは楽器の演奏、歌唱のみ。ダンス等その他のパフォーマンスは不可。
※何名かで組になって行う場合、その旨を記載してください。
(上限8名、に注意してください。「名」であって「組」ではありません)
■コンサートホール
一般的なコンサートホールと同じつくり。
手前から 入口→ロビー→客席→ステージ という構造。
ステージ裏に楽屋へ続く通路があり、通行には通行証が必要。なお、楽屋に裏口はない。
■夢追い人
コンサート一般客として来場。「玉虫色の瞳の男」を探している。
(その他の情報はNPC情報を参照のこと)
オーナーに任された仕事をきちんとこなす。
■仕事
あなた方は「コンサートホールオーナーに雇われたハンター」である。
仕事内容は以下の3種類。1つだけ選んで任務にあたること。
なお、参加人数の関係で各種類の最低人数を満たさなかった場合、一般職員が入る。
A.ホール入口の警備(最低6名)
西、中央、東の三か所にある入口の警備。
チケットのもぎりや案内役は、専用の職員がいるため不要。
ひとつの入り口に最低2名ずつは常駐すること。手の空いている者はホール内外の見回り等を行うために歩き回ってもよいが、コンサート開演中はロビーまでにしか立ち入りができず、楽屋への立ち入りも不可。
B.楽屋の警備および出演者サポート(最低6名)
ステージ裏にふたつ(男女ひとつずつ)の楽屋の警備と出演者の着替えやメイクの手伝い。
楽屋へは「通行証」を持った出演者しか入れない。
ひとつの楽屋に最低1名ずつは常駐すること。合計で6名いれば配置人数を揃えなくともよい(女性用楽屋に多めに配置、などとしてOK)。
手が空けば会場内を自由に出歩けるが、コンサート開演中は楽屋にいなければならない。
C.出演者(最低0名、上限8名)
ゲスト出演者としてステージに登場。
AとBの最低人数を満たしている場合のみ、選択可能とする。
披露可能なのは楽器の演奏、歌唱のみ。ダンス等その他のパフォーマンスは不可。
※何名かで組になって行う場合、その旨を記載してください。
(上限8名、に注意してください。「名」であって「組」ではありません)
■コンサートホール
一般的なコンサートホールと同じつくり。
手前から 入口→ロビー→客席→ステージ という構造。
ステージ裏に楽屋へ続く通路があり、通行には通行証が必要。なお、楽屋に裏口はない。
■夢追い人
コンサート一般客として来場。「玉虫色の瞳の男」を探している。
(その他の情報はNPC情報を参照のこと)
マスターより
ごきげんいかがでしょうか、紺堂でございます。
いろいろと細かい制約はございますがどれもそんなに大変なお仕事ではございませんので気楽に参加してください。
「夢追い人」を手伝うのかどうかは自由です。あくまでも「お仕事」を優先させたうえでお願いいたします。
もちろん、一切かかわらなくてもOKです。
質問は「夢追い人」が対応いたしますが、彼は一般客なのでたぶんホールのことはあまりわからないと思います。ご了承ください。
いろいろと細かい制約はございますがどれもそんなに大変なお仕事ではございませんので気楽に参加してください。
「夢追い人」を手伝うのかどうかは自由です。あくまでも「お仕事」を優先させたうえでお願いいたします。
もちろん、一切かかわらなくてもOKです。
質問は「夢追い人」が対応いたしますが、彼は一般客なのでたぶんホールのことはあまりわからないと思います。ご了承ください。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/11/16 20:01
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/11/09 18:13:51 |
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メインは警備の場所表明 星野 ハナ(ka5852) 人間(リアルブルー)|24才|女性|符術師(カードマスター) |
最終発言 2017/11/09 13:21:16 |