ゲスト
(ka0000)
【天誓】End of Calamity3
マスター:神宮寺飛鳥

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
APV- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/11/15 12:00
- リプレイ完成予定
- 2017/11/29 12:00
オープニング
※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
――ヒトの世界に、正義などあるのだろうか?
正しいことをしたつもりだった。間違わないように、真っすぐに歩いたつもりだった。
なのに、気づけば自分を信じられなくなっている。その罪の重さに耐えられない。
この世界のどんな場所にいても。どんな時代を生きても。どんなに崇高な目的を掲げても、正義はいつも何かを傷つける。
何かを護るということは、何かを護らないということ。
有限の世界はいつも小さな幸せを奪い合い、殺しあう。
誰かに望まれて、誰かを望んで立った舞台の上で、英雄は膝を着き、自分の物語の終わりを知った。
同じ道を歩いて、そこに辿り着いた者は何人もいた。
数え切れないほどの英雄たちが、喝采と称賛の中で自分を見失っていく。
なぜ? どうして? なんのために? ――正義はどこにある?
同じように倒れた者たちの無念は、悔恨は、世界に焼き付いて染みを作る。
それは一番大きな染みに吸い寄せられて、いつしか英雄の名を冠した怪物は生まれた。
「私達って、結局のところ“誰”なのかしら」
女は不意にそんなことを言う。騎士は整然と立ったまま、夜空に浮かぶ月を見ていた。
「私もハルトも、突然降って沸いたわけじゃない。何代にも、何人にも渡って継承されてしまった“問題”でしょ。じゃあ、今の私たちを突き動かすものは何なのかしら?」
『……知らん。どうでも良い事だ』
「あんたは自分が最初に抱いた願望を憶えてる?」
そっぽを向きながらも、騎士は考える。でも、もう何も思い出せなかった。
怪物の存在に動機などない。あったとしても曖昧で、もう思い出すことはない。
「なのにね。たまぁに、自分でも矛盾したような行動をとる瞬間があるの。それって私が覚えていないだけで、本当は持っていた目的なんじゃないかなって」
『下らん』
「私達歪虚がいなくなった時、この世界はどうなると思う?」
それだけは騎士にはわかっていた。単純な事だ。
『知れた事よ。戦う相手が同族に変わる。それだけだ』
結局、ヒトは……血の宿業からは逃れられないのだから。
「よう。久しぶりだな、ナイトハルト」
暴食王ハヴァマールと共に帝国領を駆け回り、ナイトハルトは手当たり次第に精霊に襲い掛かっていた。
その日も英霊の気配を追って、とうに滅んだ人間の村に足を踏み入れたナイトハルトだったが、そこには意外な客人が先回りしていた。
『貴様は……ヒルデブラント・ウランゲル!?』
ヒルデブラント・ウランゲル。
彼は先代の帝国皇帝にして、北伐作戦で失踪し、その後記憶喪失となっていた男。
何度もナイトハルトと激突した、まさに命を賭けたライバルと言える人物だ。それがハンターを率いて待ち受けているとは。
『フッ、やはり生きていたか……!』
「あんまり驚かねぇのな?」
『刀鬼が何かコソコソしていたのでな。それに貴様の事だ、生きていても不思議ではない。……いつぞやの決着をつけに来たか』
「いや。時間稼ぎに来た」
剣を抜いて身構えるナイトハルトに対し、ヒルデブラントは両腕を高々と掲げる。
『何のつもりだ』
「今のお前と戦っても勝ち目はないんでな。しかし、お前を倒すために時間稼ぎをせにゃならん」
『ほう? まるで時を稼げば勝算があるかのような口ぶりだな?』
「まあ、娘と息子がそう言ってるんでな。それに俺は前から話がしてみたかったのよ」
ヒルデブラントは地べたにどっかりと座り込む。そうして酒瓶を取り出した。
「心配せずともお前さんとの決着はつける。だがその前に、一度腹を割って話をしてみねぇか?」
『ほう……面白い事を言うではないか、ニンゲン』
その言葉に反応したのは暴食王ハヴァマールの方だった。
3m近い巨躯をのしのしと揺らし、そしてヒルデブラントを真似てか、地べたに胡坐をかいてみせる。
『我が王……!?』
『わしも疑問を抱いておったのよ。一度、ヒトの強者と話をしてみたかった』
「意外だねぇ~。暴食って連中は、みんな見境なしに襲い掛かってくると相場が決まってんだが、親玉のアンタがそんな感じなのか?」
『わしは最終的に死という救いを与える事を目的としている。争いはその手段に過ぎぬわ。言葉で説いて貴様らが死を選ぶのであれば、いくらでもそうしよう』
「いや選ばんけどな」
『ふむ。では、我らと対話し何を望む?』
「だから時間稼ぎだって。娘と息子がなんか準備するまでの間、な」
あっけらかんと言い放つヒルデブラントを、ハヴァマールは顎を撫でながら見つめる。
『剣王様、このような者の戯言に付き合う必要はございません』
『そうは言うが、お前も感じているのではないか? この国での戦いが、終わりに近づいている事を……』
帝国がナイトハルトへの対抗手段を見つけ出すにしろ、そうでないにしろ、この国での戦いはそう遠くなく終わりを迎えるだろう。
この戦いの先に何があるのか。それはナイトハルトにもハヴァマールにもわからない。
『これは最期の機会。もう二度と、我らが言葉を交わす事はあるまい』
ナイトハルトは王の言葉にしばし思案し、それから刃を納める。
『さて、時間稼ぎというからには、当然わしを楽しませてくれるのであろうな? その言葉、退屈で無意味なものであれば……その時は、わかっているな?』
ハヴァマールの何気ない言葉と共に発される強烈な負のマテリアルに晒されながら、ハンターはその場に座り込む。
こうして建設的な時間稼ぎのための対話が火蓋を切ったのだ。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
――ヒトの世界に、正義などあるのだろうか?
正しいことをしたつもりだった。間違わないように、真っすぐに歩いたつもりだった。
なのに、気づけば自分を信じられなくなっている。その罪の重さに耐えられない。
この世界のどんな場所にいても。どんな時代を生きても。どんなに崇高な目的を掲げても、正義はいつも何かを傷つける。
何かを護るということは、何かを護らないということ。
有限の世界はいつも小さな幸せを奪い合い、殺しあう。
誰かに望まれて、誰かを望んで立った舞台の上で、英雄は膝を着き、自分の物語の終わりを知った。
同じ道を歩いて、そこに辿り着いた者は何人もいた。
数え切れないほどの英雄たちが、喝采と称賛の中で自分を見失っていく。
なぜ? どうして? なんのために? ――正義はどこにある?
同じように倒れた者たちの無念は、悔恨は、世界に焼き付いて染みを作る。
それは一番大きな染みに吸い寄せられて、いつしか英雄の名を冠した怪物は生まれた。
「私達って、結局のところ“誰”なのかしら」
女は不意にそんなことを言う。騎士は整然と立ったまま、夜空に浮かぶ月を見ていた。
「私もハルトも、突然降って沸いたわけじゃない。何代にも、何人にも渡って継承されてしまった“問題”でしょ。じゃあ、今の私たちを突き動かすものは何なのかしら?」
『……知らん。どうでも良い事だ』
「あんたは自分が最初に抱いた願望を憶えてる?」
そっぽを向きながらも、騎士は考える。でも、もう何も思い出せなかった。
怪物の存在に動機などない。あったとしても曖昧で、もう思い出すことはない。
「なのにね。たまぁに、自分でも矛盾したような行動をとる瞬間があるの。それって私が覚えていないだけで、本当は持っていた目的なんじゃないかなって」
『下らん』
「私達歪虚がいなくなった時、この世界はどうなると思う?」
それだけは騎士にはわかっていた。単純な事だ。
『知れた事よ。戦う相手が同族に変わる。それだけだ』
結局、ヒトは……血の宿業からは逃れられないのだから。
「よう。久しぶりだな、ナイトハルト」
暴食王ハヴァマールと共に帝国領を駆け回り、ナイトハルトは手当たり次第に精霊に襲い掛かっていた。
その日も英霊の気配を追って、とうに滅んだ人間の村に足を踏み入れたナイトハルトだったが、そこには意外な客人が先回りしていた。
『貴様は……ヒルデブラント・ウランゲル!?』
ヒルデブラント・ウランゲル。
彼は先代の帝国皇帝にして、北伐作戦で失踪し、その後記憶喪失となっていた男。
何度もナイトハルトと激突した、まさに命を賭けたライバルと言える人物だ。それがハンターを率いて待ち受けているとは。
『フッ、やはり生きていたか……!』
「あんまり驚かねぇのな?」
『刀鬼が何かコソコソしていたのでな。それに貴様の事だ、生きていても不思議ではない。……いつぞやの決着をつけに来たか』
「いや。時間稼ぎに来た」
剣を抜いて身構えるナイトハルトに対し、ヒルデブラントは両腕を高々と掲げる。
『何のつもりだ』
「今のお前と戦っても勝ち目はないんでな。しかし、お前を倒すために時間稼ぎをせにゃならん」
『ほう? まるで時を稼げば勝算があるかのような口ぶりだな?』
「まあ、娘と息子がそう言ってるんでな。それに俺は前から話がしてみたかったのよ」
ヒルデブラントは地べたにどっかりと座り込む。そうして酒瓶を取り出した。
「心配せずともお前さんとの決着はつける。だがその前に、一度腹を割って話をしてみねぇか?」
『ほう……面白い事を言うではないか、ニンゲン』
その言葉に反応したのは暴食王ハヴァマールの方だった。
3m近い巨躯をのしのしと揺らし、そしてヒルデブラントを真似てか、地べたに胡坐をかいてみせる。
『我が王……!?』
『わしも疑問を抱いておったのよ。一度、ヒトの強者と話をしてみたかった』
「意外だねぇ~。暴食って連中は、みんな見境なしに襲い掛かってくると相場が決まってんだが、親玉のアンタがそんな感じなのか?」
『わしは最終的に死という救いを与える事を目的としている。争いはその手段に過ぎぬわ。言葉で説いて貴様らが死を選ぶのであれば、いくらでもそうしよう』
「いや選ばんけどな」
『ふむ。では、我らと対話し何を望む?』
「だから時間稼ぎだって。娘と息子がなんか準備するまでの間、な」
あっけらかんと言い放つヒルデブラントを、ハヴァマールは顎を撫でながら見つめる。
『剣王様、このような者の戯言に付き合う必要はございません』
『そうは言うが、お前も感じているのではないか? この国での戦いが、終わりに近づいている事を……』
帝国がナイトハルトへの対抗手段を見つけ出すにしろ、そうでないにしろ、この国での戦いはそう遠くなく終わりを迎えるだろう。
この戦いの先に何があるのか。それはナイトハルトにもハヴァマールにもわからない。
『これは最期の機会。もう二度と、我らが言葉を交わす事はあるまい』
ナイトハルトは王の言葉にしばし思案し、それから刃を納める。
『さて、時間稼ぎというからには、当然わしを楽しませてくれるのであろうな? その言葉、退屈で無意味なものであれば……その時は、わかっているな?』
ハヴァマールの何気ない言葉と共に発される強烈な負のマテリアルに晒されながら、ハンターはその場に座り込む。
こうして建設的な時間稼ぎのための対話が火蓋を切ったのだ。
解説
●目的
暴食王ハヴァマールと不破の剣豪ナイトハルトから時間を稼げ。
●概要
現在帝国で繰り広げられている、精霊をめぐる歪虚と帝国軍による争奪戦。
その中でも鍵を握る存在である四霊剣ナイトハルトに対抗するべき準備が進められている。
しかし、その間ナイトハルトに自由な行動を許せば、準備が整う前に戦闘となってしまう可能性が高い。
このため、皇帝ヴィルヘルミナはある男をハンターと同行させ、ナイトハルトへの接触を試みた。
以前ナサニエル・カロッサの開発した特定の高位歪虚の負の波動を感知する装置を用い、地道な探索によりナイトハルトを発見したハンターに求められるのは、時間稼ぎ。
それもその場限りのものではなく、数日間ナイトハルトの動きを止めるような内容であることが望ましい。
今のナイトハルトと交戦しても勝利することは極めて困難である。
故に諸君らにはそれ以外の方法で、ナイトハルトを数日間拘束する手段を見つけ出して欲しい。
●敵情報
『ナイトハルト』
不破の剣豪。四霊剣。
帝国領内で戦闘する限り絶対的な力を発揮する。
少なくとも少人数で撃破するのは不可能と考えてよい。
ハヴァマールが対話をすると言い出さなくても、以前より精神的に落ち着いている。
『ハヴァマール』
不死の剣王。暴食王。
当たり前だが尋常ではなく強いので、絶対に戦ってはいけない。
強欲王と人類の戦いを見てから人類に興味を持っており、一度話をしてみたいと考えていた。
●友軍情報
『ヒルデブラント』
先代皇帝にしてヴィルヘルミナの父親。
ナイトハルトに瀕死の重傷を負わされ、記憶喪失となっていた。
ハンターの助力で自分の立場を理解し、現在は帝都に身を寄せている。
記憶喪失が治ったという話は聞いていないが、まるで記憶が戻っているような態度をとっている。
暴食王ハヴァマールと不破の剣豪ナイトハルトから時間を稼げ。
●概要
現在帝国で繰り広げられている、精霊をめぐる歪虚と帝国軍による争奪戦。
その中でも鍵を握る存在である四霊剣ナイトハルトに対抗するべき準備が進められている。
しかし、その間ナイトハルトに自由な行動を許せば、準備が整う前に戦闘となってしまう可能性が高い。
このため、皇帝ヴィルヘルミナはある男をハンターと同行させ、ナイトハルトへの接触を試みた。
以前ナサニエル・カロッサの開発した特定の高位歪虚の負の波動を感知する装置を用い、地道な探索によりナイトハルトを発見したハンターに求められるのは、時間稼ぎ。
それもその場限りのものではなく、数日間ナイトハルトの動きを止めるような内容であることが望ましい。
今のナイトハルトと交戦しても勝利することは極めて困難である。
故に諸君らにはそれ以外の方法で、ナイトハルトを数日間拘束する手段を見つけ出して欲しい。
●敵情報
『ナイトハルト』
不破の剣豪。四霊剣。
帝国領内で戦闘する限り絶対的な力を発揮する。
少なくとも少人数で撃破するのは不可能と考えてよい。
ハヴァマールが対話をすると言い出さなくても、以前より精神的に落ち着いている。
『ハヴァマール』
不死の剣王。暴食王。
当たり前だが尋常ではなく強いので、絶対に戦ってはいけない。
強欲王と人類の戦いを見てから人類に興味を持っており、一度話をしてみたいと考えていた。
●友軍情報
『ヒルデブラント』
先代皇帝にしてヴィルヘルミナの父親。
ナイトハルトに瀕死の重傷を負わされ、記憶喪失となっていた。
ハンターの助力で自分の立場を理解し、現在は帝都に身を寄せている。
記憶喪失が治ったという話は聞いていないが、まるで記憶が戻っているような態度をとっている。
マスターより
お世話になっております。神宮寺です。
これから先、当然ながらナイトハルトとの決戦が控えているわけですが……。
それが始まる前に、いわば最後に言葉を交わせる場となります。
ちなみに戦いになってしまったらもうどうにもならんので、ダッシュで逃げてください。
それではよろしくお願いいたします。
これから先、当然ながらナイトハルトとの決戦が控えているわけですが……。
それが始まる前に、いわば最後に言葉を交わせる場となります。
ちなみに戦いになってしまったらもうどうにもならんので、ダッシュで逃げてください。
それではよろしくお願いいたします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/11/27 02:43
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/11/10 21:44:08 |
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作戦相談所 カナタ・ハテナ(ka2130) 人間(リアルブルー)|12才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2017/11/14 20:33:25 |