ゲスト
(ka0000)
演想─出会いの物語【界冥】
マスター:凪池シリル

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在4人 / 3~4人
- サポート
- 現在0人 / 0~4人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/11/16 19:00
- リプレイ完成予定
- 2017/11/25 19:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
「──俺たちは、突然、見知らぬ世界に放り出されたんだ」
思い出すように。視線は、俯き加減。誰に向けるわけでもない独り言のように。
そんなモノローグから、舞台は幕を開けた。
懐かしいという感覚は、すぐに薄れていった。断たれたと思っていた糸が、すっと繋がっていく感覚。短くはない年月の遠くに消えたと思っていた己の影は、手を伸ばしてみれば思っていた以上に今の自分にピタリと寄り添った。
ああ、やっぱり。こうしているのが、俺だ、と。
それでも、かつてと比べれば足りないものだらけで。不安要素を数え上げればきりがないほどだけれども。
こうして、ここに立った以上、今この時は、それを、ここには持ち込まない。
「忘れようとしてもできない鮮烈な記憶だ。その日、その瞬間まではいつも通りだった。次の舞台の稽古の帰り、暗くなり始めた街角を歩いていたところで、絶っていられないほどの眩暈に襲われて、俺は膝をついた」
言葉とともに、身体が崩れ落ちる。倒れ込むようにひざと両手を地について、ゆっくりと顔を上げていくと同時に表情が驚愕へと変わっていく。
「……そうして顔を上げたら、街並みが消えて、草木がまばらに生えるだけの荒野がそこに広がっていた──」
立ち上がる。呆けた様子で、力なく、二、三歩前へと進む。
……と。そこで、不意に動きが機敏になった。くるりと身体を反転させながら立ち位置と向きを変える。しゃんと背筋を伸ばして立ち、表情も明るいものへと一瞬で変わった。その急激な変化が客へと印象付ける。『役が変わった』のだと。
「一つ目の出会いの物語だ! 『彼』こそが、『俺』がはじめてであったクリムゾンウェストの住民。彼は、彼の方からしたら変わった服装だろう、そして明らかに挙動不審な俺に、戸惑うでも無く話しかけてきた──そう、
『おひけえなすって! 手前どもはズヴォー族の戦士が一人、チィ=ズヴォーと申しやす。そちらのご様子、お前様は異界より来られし転移者殿とお見受けいたしやした! なれば手前ども、仁義と古き約束に従いお迎えにと馳せ参じたわけでさぁ!』」
高らかに。朗らかな声で、大きな身振りでそう言って、動きを止める。そのまま、十分に間を取って……また、位置を変える。彼が、『俺』として立っていた、元の位置へ。
そうして、困り切った表情で、客席の方を向いて。
「なんだこれ……」
笑いが起きた。
「『おっと、みなまで言わねえで下せえ分かってまさあ。お前様は今、突如見知らぬ場所に放り出された状態だ、さぞ戸惑っておられましょう!』
『まあなんか、そんな戸惑いもあったが、今はちょっと違うかな……』
『なんと! もう状況を受け入れつつある!? 流石転移者殿はご立派であられまさあ!』
『うん。何でか言葉は通じてるみたいだけど、話は通じるのかこれ!』」
くるくると、目まぐるしく声音と表情、立ち位置を変えながら一人会話劇が繰り広げられる。
そんな風に、モノローグと小芝居を交えながら、物語は演じられた。当てもないのでついていった先に居たのは、遊牧民の生活を送る部族。彼らは口調こそ奇妙に感じたが、基本的には素朴で善良な人たちであったこと。暫く世話になって……かつての生活に比べての不便さはあったがそれ以上に、やはりここにはなじめないと思ったこと。
「いつまでもこれを夢と思い込み続けることも出来なくて、俺は帰る方法を知りたいと申し出た。受け入れてくれた時と同様に、彼らは離れたいという願いもあっさりと聞き入れてくれた。……彼らは教えてくれた。リゼリオに行け、と。帰還方法は分からないが、同じ立場の者がそこにいると。それを聞いて、出立の準備を整えてもらった、矢先に……」
この世界の、敵と出会った。それは雑魔と呼ばれる存在ではあったが。
族長の号令。戦士の咆哮。緊迫した状況が演技で伝えられる。
「ここは異世界だった。俺がいたのとは違う世界。当たり前のように対応していく戦士たちを見て、俺はやっと理解した。……つもりだった」
振り返る。
「振り向くと、世話になった人たちがいた。怯える少女を覆い隠すように老婆が抱きしめていた。泣き叫ぶ赤子を、少年が、彼も恐怖に声を震わせながらあやしていた。当たり前のように恐怖して、当たり前のように支え合う姿がそこにあった。……俺たちが、苦難に対し、そうするように」
……モノローグが、ここで止まる。一度照明が落とされて、また、灯る。
照らされた役者は、舞台中央で、真っ直ぐ観客に向き合う位置に立っていた。
「色々な想いの末に、俺は、向こうの世界で、武器を手に取り、戦う生き方を選んだ。そんな俺は今、貴方たちにどう見えているんだろうか」
彼はすらりと刀を抜く。観客席のどこからか聞こえてくる。畏敬の溜息。身を竦める小さな音。喉の奥で潰された悲鳴。
「俺は気がついたら突然、違う場所にいた。でもそれなら。俺たちが今帰ってきたこの場所は、どうなんだろう。ここもまた、VOIDの恐怖に晒され、そして、──俺たちが、居る」
もと居た場所が、信じられる場所ではなくなっている。それは、突然見覚えのない場所にいる、などという事よりもよほど──。
「──俺たちは、突然、見知らぬ世界に放り出されたんだ」
暴投と同じセリフを、告げる。今度は、己の内面へ向けて言うように俯いてではなく、はっきりと観客席へと向けて。
「だから俺は、この物語を伝えようと思った。俺たちが飛ばされた世界で、俺たちが何と出会い、感じて、立ち向かっていったのかを。
そして、どうか。
──貴方たちに。出会ってほしい。覚醒者(俺たち)と」
「──俺たちは、突然、見知らぬ世界に放り出されたんだ」
思い出すように。視線は、俯き加減。誰に向けるわけでもない独り言のように。
そんなモノローグから、舞台は幕を開けた。
懐かしいという感覚は、すぐに薄れていった。断たれたと思っていた糸が、すっと繋がっていく感覚。短くはない年月の遠くに消えたと思っていた己の影は、手を伸ばしてみれば思っていた以上に今の自分にピタリと寄り添った。
ああ、やっぱり。こうしているのが、俺だ、と。
それでも、かつてと比べれば足りないものだらけで。不安要素を数え上げればきりがないほどだけれども。
こうして、ここに立った以上、今この時は、それを、ここには持ち込まない。
「忘れようとしてもできない鮮烈な記憶だ。その日、その瞬間まではいつも通りだった。次の舞台の稽古の帰り、暗くなり始めた街角を歩いていたところで、絶っていられないほどの眩暈に襲われて、俺は膝をついた」
言葉とともに、身体が崩れ落ちる。倒れ込むようにひざと両手を地について、ゆっくりと顔を上げていくと同時に表情が驚愕へと変わっていく。
「……そうして顔を上げたら、街並みが消えて、草木がまばらに生えるだけの荒野がそこに広がっていた──」
立ち上がる。呆けた様子で、力なく、二、三歩前へと進む。
……と。そこで、不意に動きが機敏になった。くるりと身体を反転させながら立ち位置と向きを変える。しゃんと背筋を伸ばして立ち、表情も明るいものへと一瞬で変わった。その急激な変化が客へと印象付ける。『役が変わった』のだと。
「一つ目の出会いの物語だ! 『彼』こそが、『俺』がはじめてであったクリムゾンウェストの住民。彼は、彼の方からしたら変わった服装だろう、そして明らかに挙動不審な俺に、戸惑うでも無く話しかけてきた──そう、
『おひけえなすって! 手前どもはズヴォー族の戦士が一人、チィ=ズヴォーと申しやす。そちらのご様子、お前様は異界より来られし転移者殿とお見受けいたしやした! なれば手前ども、仁義と古き約束に従いお迎えにと馳せ参じたわけでさぁ!』」
高らかに。朗らかな声で、大きな身振りでそう言って、動きを止める。そのまま、十分に間を取って……また、位置を変える。彼が、『俺』として立っていた、元の位置へ。
そうして、困り切った表情で、客席の方を向いて。
「なんだこれ……」
笑いが起きた。
「『おっと、みなまで言わねえで下せえ分かってまさあ。お前様は今、突如見知らぬ場所に放り出された状態だ、さぞ戸惑っておられましょう!』
『まあなんか、そんな戸惑いもあったが、今はちょっと違うかな……』
『なんと! もう状況を受け入れつつある!? 流石転移者殿はご立派であられまさあ!』
『うん。何でか言葉は通じてるみたいだけど、話は通じるのかこれ!』」
くるくると、目まぐるしく声音と表情、立ち位置を変えながら一人会話劇が繰り広げられる。
そんな風に、モノローグと小芝居を交えながら、物語は演じられた。当てもないのでついていった先に居たのは、遊牧民の生活を送る部族。彼らは口調こそ奇妙に感じたが、基本的には素朴で善良な人たちであったこと。暫く世話になって……かつての生活に比べての不便さはあったがそれ以上に、やはりここにはなじめないと思ったこと。
「いつまでもこれを夢と思い込み続けることも出来なくて、俺は帰る方法を知りたいと申し出た。受け入れてくれた時と同様に、彼らは離れたいという願いもあっさりと聞き入れてくれた。……彼らは教えてくれた。リゼリオに行け、と。帰還方法は分からないが、同じ立場の者がそこにいると。それを聞いて、出立の準備を整えてもらった、矢先に……」
この世界の、敵と出会った。それは雑魔と呼ばれる存在ではあったが。
族長の号令。戦士の咆哮。緊迫した状況が演技で伝えられる。
「ここは異世界だった。俺がいたのとは違う世界。当たり前のように対応していく戦士たちを見て、俺はやっと理解した。……つもりだった」
振り返る。
「振り向くと、世話になった人たちがいた。怯える少女を覆い隠すように老婆が抱きしめていた。泣き叫ぶ赤子を、少年が、彼も恐怖に声を震わせながらあやしていた。当たり前のように恐怖して、当たり前のように支え合う姿がそこにあった。……俺たちが、苦難に対し、そうするように」
……モノローグが、ここで止まる。一度照明が落とされて、また、灯る。
照らされた役者は、舞台中央で、真っ直ぐ観客に向き合う位置に立っていた。
「色々な想いの末に、俺は、向こうの世界で、武器を手に取り、戦う生き方を選んだ。そんな俺は今、貴方たちにどう見えているんだろうか」
彼はすらりと刀を抜く。観客席のどこからか聞こえてくる。畏敬の溜息。身を竦める小さな音。喉の奥で潰された悲鳴。
「俺は気がついたら突然、違う場所にいた。でもそれなら。俺たちが今帰ってきたこの場所は、どうなんだろう。ここもまた、VOIDの恐怖に晒され、そして、──俺たちが、居る」
もと居た場所が、信じられる場所ではなくなっている。それは、突然見覚えのない場所にいる、などという事よりもよほど──。
「──俺たちは、突然、見知らぬ世界に放り出されたんだ」
暴投と同じセリフを、告げる。今度は、己の内面へ向けて言うように俯いてではなく、はっきりと観客席へと向けて。
「だから俺は、この物語を伝えようと思った。俺たちが飛ばされた世界で、俺たちが何と出会い、感じて、立ち向かっていったのかを。
そして、どうか。
──貴方たちに。出会ってほしい。覚醒者(俺たち)と」
解説
●状況
神奈川県はとある都市の一角で、現在、鎌倉復興のためのチャリティー企画が催されています。
祭りや展示、そして芸術などがあちこちで披露され、人と金を集めて復興への希望としようという趣旨で、現在、人類を救う希望として英雄視され迎えられつつあるハンターにも協力が要請されました。
●本依頼の目的
OPで描かれているのは、上記呼びかけにより企画が立ち上がった芝居の風景となります。主演は僭越ながら、NPC伊佐美 透(kz0243)。
そして、脚本が、貴方がた、です。貴方自身の「出会いの物語」を、舞台脚本として提供してください。
難しく考えることはありません。貴方方が実際に体験し、伝えたいことをプレイングに記載していただければいいです。
覚醒者たちは度重なるクラスタ戦での活躍により、リアルブルーの世界に「英雄」として受け入れられつつあります。
ただ、企画主である伊佐美 透としては、「英雄」という存在ではまだ遠い、少しずつ、もっと近しい存在として自分たちを受け入れて欲しいと考え、そのための第一歩としてこの芝居を考えました。いきなりの交流ではなく、芝居と言うワンクッションを置いて自分たちが良き隣人となりうることを伝えたい、と。
そのため、VOIDの恐怖に晒されるリアルブルーの世界の人たちの不安を和らげるとともに、覚醒者たちの特別でない姿を伝えられるような話を望んでおります。
また、
(1)あなた自身も舞台に立つ
(2)話のみ提供し、貴方という役をNPCが演じる
何れかを選べます。存在をアピールしたい理由があるか、それとも舞台に立つのは不自然と考えるかなどで決めてください。女性だろうがギャグキャラだろうがそこはプロとして衒いなく演じますよ。
出会いの物語に不可欠な他PC様がいらっしゃる場合に備え、サポート枠をご用意しました。同時参加が適わなかった場合ご利用ください。NPCを指名して登場させることは不可とします。
神奈川県はとある都市の一角で、現在、鎌倉復興のためのチャリティー企画が催されています。
祭りや展示、そして芸術などがあちこちで披露され、人と金を集めて復興への希望としようという趣旨で、現在、人類を救う希望として英雄視され迎えられつつあるハンターにも協力が要請されました。
●本依頼の目的
OPで描かれているのは、上記呼びかけにより企画が立ち上がった芝居の風景となります。主演は僭越ながら、NPC伊佐美 透(kz0243)。
そして、脚本が、貴方がた、です。貴方自身の「出会いの物語」を、舞台脚本として提供してください。
難しく考えることはありません。貴方方が実際に体験し、伝えたいことをプレイングに記載していただければいいです。
覚醒者たちは度重なるクラスタ戦での活躍により、リアルブルーの世界に「英雄」として受け入れられつつあります。
ただ、企画主である伊佐美 透としては、「英雄」という存在ではまだ遠い、少しずつ、もっと近しい存在として自分たちを受け入れて欲しいと考え、そのための第一歩としてこの芝居を考えました。いきなりの交流ではなく、芝居と言うワンクッションを置いて自分たちが良き隣人となりうることを伝えたい、と。
そのため、VOIDの恐怖に晒されるリアルブルーの世界の人たちの不安を和らげるとともに、覚醒者たちの特別でない姿を伝えられるような話を望んでおります。
また、
(1)あなた自身も舞台に立つ
(2)話のみ提供し、貴方という役をNPCが演じる
何れかを選べます。存在をアピールしたい理由があるか、それとも舞台に立つのは不自然と考えるかなどで決めてください。女性だろうがギャグキャラだろうがそこはプロとして衒いなく演じますよ。
出会いの物語に不可欠な他PC様がいらっしゃる場合に備え、サポート枠をご用意しました。同時参加が適わなかった場合ご利用ください。NPCを指名して登場させることは不可とします。
マスターより
いやー…。なんか、OPに淡々と状況書くのも寂しいから適当にでっち上げただけのNPCだったんですが…。鎌倉クラスタ戦やら先だってのイベシナやらでPC様方に色々感化されて思っても無い方向に成長とげやがりました。
そんなわけで、えー、改めてよろしくお願いします。伊佐美 透、正式にNPC登録と共に、彼の物語を連作として企画させていただくことになりましたー。いえーい。
やー、まじでイベシナのオチああなる予定はなくって。ほんとこういうことがあるからWTRPGは楽しいですね。まあこのシナリオが流れたらそれも没なんですが(
あ、解説に書ききれなかったのですが、チャリティーと言う状況なんで報酬ないです。お気をつけて。
そんなわけで、えー、改めてよろしくお願いします。伊佐美 透、正式にNPC登録と共に、彼の物語を連作として企画させていただくことになりましたー。いえーい。
やー、まじでイベシナのオチああなる予定はなくって。ほんとこういうことがあるからWTRPGは楽しいですね。まあこのシナリオが流れたらそれも没なんですが(
あ、解説に書ききれなかったのですが、チャリティーと言う状況なんで報酬ないです。お気をつけて。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/11/18 18:35
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/11/12 15:43:14 |
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相談卓 大伴 鈴太郎(ka6016) 人間(リアルブルー)|22才|女性|格闘士(マスターアームズ) |
最終発言 2017/11/15 21:17:53 |