• 戦闘

汝らは氷結を望む者か、否か

マスター:文ノ字律丸

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在8人 / 6~8人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2017/11/18 07:30
リプレイ完成予定
2017/11/27 07:30

オープニング

 始まりの異変は、世にも美しい花が咲いたことだった。
 その花は『氷』で出来ていた――。


「こちら、アルニカ。これより『城』に潜入したいと思います」
 ハンターオフィスへの連絡を終えたアルニカは、長く伸ばした黒髪をうっとうしげにかき上げ、一つ息を吐く。吐いた息は瞬く間に白くなって消えた。その息を確認するなり肌寒くなり、露出していた二の腕をさすって暖を取ろうとする。
 この辺りは温暖な気候のはずだ。
 彼女は地面を見る。さっきまで緑が生い茂っていた地面は、いつの間にか土が目立ち、気にせずそのまま進むと氷で出来た花が咲くようになった。
 これは間違いなく――何らかの魔法。
 あるいは、マテリアルのバランスが崩れている。
 氷の花を摘むとパキンと茎が折れ、バラのように八重咲きの花びらが一枚、はらりと落ちる。
 それは地面に落下するとガラスのような音を立てて、バラバラに砕け散った。
 自然的に生成したものではない。どこか作り物のようだった。 
「やはり、魔法公害事件なのかしら?」
 事前情報では、この近辺で大規模な魔法を使ったという事実はなかったはずだ。であるとするならば、精霊が影響しているのか、それとも使用済み鉱物マテリアルの不法投棄か。
 いや、最近では歪虚の動きも活発化している。
 それらが影響して、この土地を変えてしまったのかもしれない。
 一番大きな変化は、あの『城』だろう。
 アルニカは目的地であるそれを見上げた。
 開けた草原に忽然と現れたその『氷の城』だ。
 調査に向かうため、彼女は火の精霊の加護を得る。
「さて、行きましょうか」
 凍り付いた地面を踏みしめて、ザクザクと進んでいく。
 城は門が開け放たれていた。まるで餌を待つ食虫植物だと思う。
「気味が悪いわね」
 中は靴音が響くほど密度の高い氷で作られていた。床も壁も柱もみな氷だ。
 ためしに、炎を操り、床を溶かそうと試みた。しかし、溶けない。どうやらなにかしらの魔法で守られた『絶対に溶けない氷』のようだ。
 ふん、と鼻を鳴らして、アルニカは城を進んでいく。
 途中で凍りづけにされた人間の遺体は何体か発見できたが、それ以外に人っ子どころか、幻獣も歪虚とも出会わない。そして、最奥の間へとたどり着いた。
 そこには大きな氷の花が咲いていた。
「これがこの城の主……」
 キーン。
 突然聞こえてきた甲高い音に、アルニカはびくりと反応してしまった。武器を構える。
 氷の花が蕾から花開き、その花の中央に女性の姿をした、綺麗な彫像が現れたのだ。
 その氷の彫像は、悲鳴のようなものを上げる。
「ギヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」
 何らかの魔法で作られた魔法生物だと、アルニカは長年の経験で悟った。
 逃げるか、戦うか、その二択に迷っていたところ、
「なっ」
 その魔法生物がもう一体、近くに現れたことに気づいた。
 それの吹きかけてきた息を絶妙のタイミングでかわして、逃げる。あれを浴びたら最後、氷漬けにされる。そんな予感があった。
 アルニカは、あれは、一人で戦えるような相手ではないと判断した。情報を持ち帰るのが先決だろう。
 長年、探索を専門にしてきたアルニカは、それを瞬時に計算できた。
 逃げようと転じた。地面で蠢く何かに気づく。それは氷の茨だった。茨が片足にまとわりついてこようとしている。その茨には凶悪な棘が生えていた。
 ……絡みつかれたら、脱出も難しいな。
 彼女は、その茨を避けきって、なんとか氷の城から逃げ帰ったのだった。

●ハンターオフィス

 ――緊急依頼。
 そう喧伝された依頼に集まったハンター達の前で、アルニカは自分のしてきた体験を話す。
「あれは、ほとんど雑魔と化した魔法生物です。城の奥の間からは動けないようですが、ここで手を打たなければ、いずれ大規模な災害の芽となるでしょう。今のうちに討伐しないといけない」
 アルニカの話を聞いて、ハンター達は意気込みながら、オフィスを出立した。

解説

●目的
 
・魔法生物『ウィンディア=イタカ』の討伐

●敵情報

・ウィンディア=イタカ

データ:
 魔法で作られた疑似生命体。古くに作られ、未完成のまま放棄されていたところ、マテリアルバランスの崩れによって復活する。人間へ恨みを持っているが、氷の城の奥の間からは一歩も出られないため、城に入ってきた人間を無差別に殺戮している。
 別名・氷の花の女王

攻撃方法:
 氷の息で凍り漬けにする。
 本体は動けないので分身体を作り、氷の刃にて一掃する。
 また、氷の茨が絡みついてくる。

スキル:
・氷の化身 氷の分身体を生み出す。(1ターンに生成できるのは2体のみ。上限6体)
※本体を倒さなければ、分身体は次のターンで復活。
※部屋に突入した際の分身体は4体。
・氷の剣身 氷で作った剣で切り裂く。
・氷の茨  氷で作った茨によって動きを封じる。またその棘でダメージを与える。

弱点:
 本体は動けません。分身体のみが攻撃してきます。

●フィールド

・氷の魔境

 草原に突如として発生した氷に閉ざされた場所。
 そこでは自生していた植物が死に枯れ、野生動物は近寄らない。

・氷の城

 氷の魔境の中央にある巨大な城。
 氷で作られており門は開け放たれているため来る者は拒まないが、中に入った瞬間、その凍える空気に命を落とす。(非覚醒者は文字通り命を落とし、対策をしていない覚醒者はダメージを負います)

※氷の城内では、1ターンごとに5ダメージが発生します。
 なお、OP本文のアルニカのようになにかしらの対策をした場合、そのダメージを緩和することが可能です。
 
城の構造:
 開け放たれた門から長い廊下があり、大きな階段を上った突き当たりが、奥の間です。
 その廊下には氷漬けにされた死体がゴロゴロしています。(興味本位や盗掘目的で中に入った非覚醒者)

奥の間:
 ウィンディア=イタカのいる部屋。
 高さは40メートル。広さは100メートル四方。
 イタカは部屋の一番奥にいる。

マスターより

こんにちは、文ノ字です。

氷の城での戦闘になります。
氷の城内への対策に関して、マスター基準で考えますので、単に『マフラーで防寒する』という文言があっただけでもフィールドダメージ軽減に加味したいと思います。防寒のスキルなんてないよ、という方は是非ご参考になさってください。

ちなみに、アルニカさんは、クールなお姉様系の綺麗な女性です。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2017/11/23 06:20

参加者一覧

  • 茨の王
    アルト・ヴァレンティーニ(ka3109
    人間(紅)|21才|女性|疾影士
  • 師岬の未来をつなぐ
    ミオレスカ(ka3496
    エルフ|18才|女性|猟撃士
  • ヒトとして生きるもの
    蜜鈴=カメーリア・ルージュ(ka4009
    エルフ|22才|女性|魔術師
  • ゾファル怠極拳
    ゾファル・G・初火(ka4407
    人間(蒼)|16才|女性|闘狩人

  • シェイス(ka5065
    人間(蒼)|22才|男性|疾影士
  • 雨垂れ石の理
    久延毘 羽々姫(ka6474
    人間(蒼)|19才|女性|格闘士
  • 狂える牙
    冷泉 緋百合(ka6936
    オートマトン|13才|女性|格闘士
  • 白銀の審判人
    星空の幻(ka6980
    オートマトン|11才|女性|猟撃士
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/11/15 01:40:00
アイコン 相談卓
久延毘 羽々姫(ka6474
人間(リアルブルー)|19才|女性|格闘士(マスターアームズ)
最終発言
2017/11/17 23:14:32