ゲスト
(ka0000)
宵闇に梟は舞う
マスター:近藤豊

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在4人 / 3~4人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/11/18 19:00
- リプレイ完成予定
- 2017/11/27 19:00
オープニング
赤き大地に陽は沈み、周囲に闇が訪れる。
昼間に活動する動物は巣穴へと帰っていくが、同時に深夜に活動する動物が巣穴から顔を出す。
闇の中を見渡せば、虫の鳴き声と風の囁きが聞こえてくる。
鼻腔には湿り気を十分に含んだ空気が入ってくる。
今日も良い狩りができそうだ。
だが、まずは仲間達に恒例の挨拶をしなければ――。
「今日もみんな居るホー? 元気よく点呼するホー」
その声を受けて一斉に鳴き出す仲間達。
森に響き渡る鳴き声が、平和な一日を予感させる。
「では早速狩りを始めるホー」
●
話は、数日前に遡る。
「悪いけど、何とかしてくれない?」
ヴェルナー・ブロスフェルト(kz0032)がイクタサ(kz0246)の住むシンタチャシへ呼び出されたのは今朝の事だ。
イクタサにとってヴェルナーは厄介な相手。ヴェルナー自身もその事を知っているが、その上でヴェルナーを呼び出したという事は余程の事情があるとみていた。
だが、蓋を開ければ肩透かしも良いところだ。
「えー、整理させていただきますね」
「ああ、いいよ」
「イクタサさんはこのシンタチャシの小屋でお休みになっている。これに間違いはないですね」
「うん。そうだよ」
「で、夜になると何処からホーホーと鳴き声が一晩中続く」
イクタサによれば、陽が落ちてから一定時間大量のモフロウが鳴き続けているらしい。今までのシンタチャシでこのような事がなかった為、モフロウはこの辺境に生息していた存在と考えるのが自然だ。おそらく居心地が良くてシンタチャシに住み着いてしまったのだろう。
「そうそう。毎日夜遅くまで鳴き続けるだ。ボクにとっては迷惑なんだよね」
「そのモフロウを私に何とかして欲しい……これが私への依頼でよろしいですか?」
ヴェルナーはわざわざ聞き返した。
部族会議の補佐役に要塞ノアーラクンタウ管理者。
こう見えてもヴェルナーは多忙だ。
その合間を縫ってシンタチャシまでやってきたのだが、モフロウを自分の森から追い出せというイクタサの願い。
嫌味である事を承知の上で、ヴェルナーは敢えて依頼内容を再度口にしたのだ。
だが、そんなヴェルナーの嫌味に反応する事無く、イクタサは疲れた顔で言葉を返す。
「そう。さすがにボクも参っているんだよね」
「あの。お言葉ですが精霊のあなたなら自分でモフロウを追い払えば良いのではないですか?」
「ボクの力を無闇に使えば歪虚も黙ってないでしょ。それにファリフもボクが力を多用するのは好きじゃないみたいなんだ」
ファリフ――ファリフ・スコール(kz0009)がお気に入りのイクタサは、とにかくファリフに甘い。
そのファリフは最近イクタサが自分の力を多用するのを好まないという話を聞きつけたようだ。確かにイクタサの力は強大だ。森を一晩で現出させる能力がある精霊なら当然だが、その力を多用すれば自分の成長を望まなくなる。ファリフはイクタサからのアドヴァイスは受けても力を極力借りないようにしている。
「それは感心ですね」
「そうなんだよ。そこがまたファリフの良いところなんだ。それでいて周りにも気を使う優しさがいいんだ。この間も森にやってきてボクの様子を見に来てくれたんだよ。一人でいるのは寂しくないかって。いやー、ボクにも優しく接してくれるファリフはきっと女神や天女なんじゃないかな。きっと将来は……」
ファリフの事になると饒舌になるイクタサ。
本当に気に入っているのは良く分かるが、今の話し出されても困る話題だ。
「失礼。話を戻します。イクタサさんは自分の力を使いたくない。ですが、安眠は確保したい。
……正直に申し上げます。我が侭ですね」
「そう。ボクは我が侭なんだ。別にいいでしょ」
子供っぽくぷいっと顔を背けるイクタサ。
人に物を態度ではないのだが、精霊の中でも気難しいイクタサが相手だ。ヴェルナーもその辺は熟知している。
「そうですか。ですが、実は今からバタルトゥさんの代わりにリアルブルーへ赴かなければなりません。代わりに対処いただけるハンターへ依頼しています」
「えー」
「そう仰ると思ってました。ですので、会話ができる大幻獣を連れてきました。大幻獣を介せばハンターもモフロウと会話できます」
「なるほど。それなら君よりも適任だ。確か、幻獣王って名乗っている幻獣がいたよね? あの丸いのを連れてきたの?」
イクタサは床を見回した。
以前、イクタサの小屋に現れたチューダは散々飯を食べた後、どでかい腹を突きだして自らの威厳を自慢していった。
ただの穀潰しなのだが――チューダが好き勝手に行動した為、イクタサの記憶にも残っていたようだ。
だが、チューダの姿はそこになく――。
「うぉい! あいつと一緒にするんじゃねぇよ、べらぼうめっ!」
ヴェルナーの足下にいたのは幻獣王ではなく、テルル(kz0218)。
飛行帽子を被った可愛らしい姿であるが、短気である事が玉に瑕だ。
「なにこの鳥」
「テルルさんです。古代文明や魔導に興味をお持ちの幻獣さんです」
「おい、ヴェルナー! 面白いもんが見られるっていうから来たのに、なんでこの汚い小屋にいないといけねぇんだ」
「……キミ、ボクの家を馬鹿にしてるの?」
殺気を放つイクタサ。
自分の家を馬鹿にされているのだから無理もない。
あまりの異様な雰囲気に戦くテルル。
「ちょ、待てよっ! 冗談だってぇの!」
「テルルさん。ここで協力してもらえたなら、帝国の錬魔院に紹介しても良いですよ」
「……えっ。ま、まじか!!」
目を輝かせるテルル。
魔導研究の最前線を見学できると聞けば、興奮を隠せない。
テルルは俄然やる気を出し始める。
「やってくれるそうです。ですから気を静めて下さい」
「ふん。あっそ。それならそれでいいや。
……あ、キミ。表のピリカはここでは使用禁止だから。ボクの森を荒らされたら困るからね」
昼間に活動する動物は巣穴へと帰っていくが、同時に深夜に活動する動物が巣穴から顔を出す。
闇の中を見渡せば、虫の鳴き声と風の囁きが聞こえてくる。
鼻腔には湿り気を十分に含んだ空気が入ってくる。
今日も良い狩りができそうだ。
だが、まずは仲間達に恒例の挨拶をしなければ――。
「今日もみんな居るホー? 元気よく点呼するホー」
その声を受けて一斉に鳴き出す仲間達。
森に響き渡る鳴き声が、平和な一日を予感させる。
「では早速狩りを始めるホー」
●
話は、数日前に遡る。
「悪いけど、何とかしてくれない?」
ヴェルナー・ブロスフェルト(kz0032)がイクタサ(kz0246)の住むシンタチャシへ呼び出されたのは今朝の事だ。
イクタサにとってヴェルナーは厄介な相手。ヴェルナー自身もその事を知っているが、その上でヴェルナーを呼び出したという事は余程の事情があるとみていた。
だが、蓋を開ければ肩透かしも良いところだ。
「えー、整理させていただきますね」
「ああ、いいよ」
「イクタサさんはこのシンタチャシの小屋でお休みになっている。これに間違いはないですね」
「うん。そうだよ」
「で、夜になると何処からホーホーと鳴き声が一晩中続く」
イクタサによれば、陽が落ちてから一定時間大量のモフロウが鳴き続けているらしい。今までのシンタチャシでこのような事がなかった為、モフロウはこの辺境に生息していた存在と考えるのが自然だ。おそらく居心地が良くてシンタチャシに住み着いてしまったのだろう。
「そうそう。毎日夜遅くまで鳴き続けるだ。ボクにとっては迷惑なんだよね」
「そのモフロウを私に何とかして欲しい……これが私への依頼でよろしいですか?」
ヴェルナーはわざわざ聞き返した。
部族会議の補佐役に要塞ノアーラクンタウ管理者。
こう見えてもヴェルナーは多忙だ。
その合間を縫ってシンタチャシまでやってきたのだが、モフロウを自分の森から追い出せというイクタサの願い。
嫌味である事を承知の上で、ヴェルナーは敢えて依頼内容を再度口にしたのだ。
だが、そんなヴェルナーの嫌味に反応する事無く、イクタサは疲れた顔で言葉を返す。
「そう。さすがにボクも参っているんだよね」
「あの。お言葉ですが精霊のあなたなら自分でモフロウを追い払えば良いのではないですか?」
「ボクの力を無闇に使えば歪虚も黙ってないでしょ。それにファリフもボクが力を多用するのは好きじゃないみたいなんだ」
ファリフ――ファリフ・スコール(kz0009)がお気に入りのイクタサは、とにかくファリフに甘い。
そのファリフは最近イクタサが自分の力を多用するのを好まないという話を聞きつけたようだ。確かにイクタサの力は強大だ。森を一晩で現出させる能力がある精霊なら当然だが、その力を多用すれば自分の成長を望まなくなる。ファリフはイクタサからのアドヴァイスは受けても力を極力借りないようにしている。
「それは感心ですね」
「そうなんだよ。そこがまたファリフの良いところなんだ。それでいて周りにも気を使う優しさがいいんだ。この間も森にやってきてボクの様子を見に来てくれたんだよ。一人でいるのは寂しくないかって。いやー、ボクにも優しく接してくれるファリフはきっと女神や天女なんじゃないかな。きっと将来は……」
ファリフの事になると饒舌になるイクタサ。
本当に気に入っているのは良く分かるが、今の話し出されても困る話題だ。
「失礼。話を戻します。イクタサさんは自分の力を使いたくない。ですが、安眠は確保したい。
……正直に申し上げます。我が侭ですね」
「そう。ボクは我が侭なんだ。別にいいでしょ」
子供っぽくぷいっと顔を背けるイクタサ。
人に物を態度ではないのだが、精霊の中でも気難しいイクタサが相手だ。ヴェルナーもその辺は熟知している。
「そうですか。ですが、実は今からバタルトゥさんの代わりにリアルブルーへ赴かなければなりません。代わりに対処いただけるハンターへ依頼しています」
「えー」
「そう仰ると思ってました。ですので、会話ができる大幻獣を連れてきました。大幻獣を介せばハンターもモフロウと会話できます」
「なるほど。それなら君よりも適任だ。確か、幻獣王って名乗っている幻獣がいたよね? あの丸いのを連れてきたの?」
イクタサは床を見回した。
以前、イクタサの小屋に現れたチューダは散々飯を食べた後、どでかい腹を突きだして自らの威厳を自慢していった。
ただの穀潰しなのだが――チューダが好き勝手に行動した為、イクタサの記憶にも残っていたようだ。
だが、チューダの姿はそこになく――。
「うぉい! あいつと一緒にするんじゃねぇよ、べらぼうめっ!」
ヴェルナーの足下にいたのは幻獣王ではなく、テルル(kz0218)。
飛行帽子を被った可愛らしい姿であるが、短気である事が玉に瑕だ。
「なにこの鳥」
「テルルさんです。古代文明や魔導に興味をお持ちの幻獣さんです」
「おい、ヴェルナー! 面白いもんが見られるっていうから来たのに、なんでこの汚い小屋にいないといけねぇんだ」
「……キミ、ボクの家を馬鹿にしてるの?」
殺気を放つイクタサ。
自分の家を馬鹿にされているのだから無理もない。
あまりの異様な雰囲気に戦くテルル。
「ちょ、待てよっ! 冗談だってぇの!」
「テルルさん。ここで協力してもらえたなら、帝国の錬魔院に紹介しても良いですよ」
「……えっ。ま、まじか!!」
目を輝かせるテルル。
魔導研究の最前線を見学できると聞けば、興奮を隠せない。
テルルは俄然やる気を出し始める。
「やってくれるそうです。ですから気を静めて下さい」
「ふん。あっそ。それならそれでいいや。
……あ、キミ。表のピリカはここでは使用禁止だから。ボクの森を荒らされたら困るからね」
解説
目的:シンタチャシに住むモフロウたちを調査する
場所:イクタサの小屋から北に向かった場所から夜に幻獣「モフロウ」の鳴き声が多数聞こえてきます。何故モフロウが増加したのかはまったく不明ですが、毎日鳴く事でイクタサは眠れない毎日を送っています。現場は木々が生える森の中で夜は月明かりのみとなりますので、何らかの光源が必要となります。
備考:ヴェルナーの情報によればテルルならばモフロウと会話する事が可能です。敵意がない事を示した上で親愛の意を示せば心を開いてくれるはずです。反面、モフロウを傷つける行為をすれば臨戦態勢を取ってきます。元々、交戦的な性格ですので攻撃されるだけではく、ますます夜に鳴き続ける事になるでしょう。
まずはモフロウの群れと交流を深めた上で事情を聞いてみるのが最善です。なお、モフロウは肉食で肉や昆虫が好物です。
なお、今回は幻獣のテルルが同行します。愛機の魔導アーマー「カマキリ」は持ち込まず、自身で製作したテルル専用『ローラージェット』と呼ばれる改造ローラースケートを履いて移動します(木の根に転ぶ可能性はあります)。
<PL情報>
モフロウの群れを率いるのは大幻獣です。
親交を深めれば大幻獣が顔を出すかもしれません。
場所:イクタサの小屋から北に向かった場所から夜に幻獣「モフロウ」の鳴き声が多数聞こえてきます。何故モフロウが増加したのかはまったく不明ですが、毎日鳴く事でイクタサは眠れない毎日を送っています。現場は木々が生える森の中で夜は月明かりのみとなりますので、何らかの光源が必要となります。
備考:ヴェルナーの情報によればテルルならばモフロウと会話する事が可能です。敵意がない事を示した上で親愛の意を示せば心を開いてくれるはずです。反面、モフロウを傷つける行為をすれば臨戦態勢を取ってきます。元々、交戦的な性格ですので攻撃されるだけではく、ますます夜に鳴き続ける事になるでしょう。
まずはモフロウの群れと交流を深めた上で事情を聞いてみるのが最善です。なお、モフロウは肉食で肉や昆虫が好物です。
なお、今回は幻獣のテルルが同行します。愛機の魔導アーマー「カマキリ」は持ち込まず、自身で製作したテルル専用『ローラージェット』と呼ばれる改造ローラースケートを履いて移動します(木の根に転ぶ可能性はあります)。
<PL情報>
モフロウの群れを率いるのは大幻獣です。
親交を深めれば大幻獣が顔を出すかもしれません。
マスターより
近藤豊です。
今回はペットとして存在する幻獣「モフロウ」が鍵になります。
モフロウは好戦的ですが仲良くなれば懐いてくれるペットです。モフロウと仲良くなってモフモフしまくる事ができるかもしれません。でも、今回はちょっと事情が違うようです。
それでは、湯豆腐を肴にお待ちしています。
今回はペットとして存在する幻獣「モフロウ」が鍵になります。
モフロウは好戦的ですが仲良くなれば懐いてくれるペットです。モフロウと仲良くなってモフモフしまくる事ができるかもしれません。でも、今回はちょっと事情が違うようです。
それでは、湯豆腐を肴にお待ちしています。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/11/20 20:49
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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大精霊の安眠、モフロウの生態 エルティア・ホープナー(ka0727) エルフ|21才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2017/11/18 00:19:10 |
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![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/11/17 22:30:46 |