ゲスト
(ka0000)
大きすぎるカブ
マスター:樹シロカ

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/06/22 09:00
- リプレイ完成予定
- 2014/07/01 09:00
オープニング
●領主の館
爽やかな風が緑の葉を揺らして吹き抜ける。
あちらを見ればよく太った牛や羊が牧草を食み、こちらを見れば黄金色の小麦が重そうに頭を垂れている。
「クリムゾンウェストの食卓を支える」という壮大な目標を掲げた、農耕推進地域ジェオルジの美しい風景だ。
セスト・ジェオルジ(kz0034)は書類から目を離し、窓の外に広がる風景を眺める。
彼はまだ若いが、このジェオルジの領主という立場にあった。
先代の領主は彼の父であるルーベン・ジェオルジ。領主の仕事よりも農業の発展に心血を注ぎ、その分野においては「稀代の天才」とも呼ばれる人物だ。
が、一方で領民からはある種の親しみを籠めて「自由都市一のダメ人間」とも呼ばれている。
農業研究の為ならばどんな僻地にも冒険に出かけ、死にかけたことも一度や二度ではないという。
果ては農業に専念するために、息子のセストが15歳になった日、「後は任せた」と晴れ晴れとした表情で後継に指名したのだ。
突然、上品ながら有無を言わせぬ調子でドアがノックされ、返事も待たずに開かれた。
「セスト、ちょっといいかしら」
「どうかなさいましたか、母上」
振り向いたセストが、少女のようにも見える細い眉を僅かに動かす。
セストと似た美しい顔立ちに、強い意志の光を湛えた瞳。まだ年若く未熟なセストに代わり、事実上の領主職を務める母・バルバラだ。
「例のカブなのだけれど。流石にもう、限界だわ」
怒りを押し籠めた低い声だった。
●畑の珍事
依頼を受けて集まったハンターたちに、セストは丁寧に挨拶した。
「この度はどうぞ宜しくお願い致します。早速ですが、こちらへ」
先に立って歩き出す。一見して華奢な印象にそぐわぬ、歩き慣れたしっかりとした足取りだ。
「既にお話は行っていると思うのですが、お願いしたいのはこのカブです」
セストが指さすのを待つまでもなく、尋常でない物体が目に飛び込んできた。
それはカブだった。
確かに、カブだった。
白い根は充分に栄養を溜めこんで地上に丸く盛り上がり、みずみずしい葉は光を受けて生き生きと輝いている。
だが、その大きさが尋常ではなかった。すぐ隣に建っている家畜小屋と並ぶほどである。
呆気にとられるハンターたちに、セストは淡々と説明を続ける。
「私の父が交配で作りだした実の大きくなる品種のカブを、特殊な肥料を使って育てていたのですが。もう成長が止まるだろう、明日には止まるだろうと思っているうちに、先日の雨で益々肥大化してしまったようです」
どんな交配だ。どんな肥料だ。
突っ込みを入れる前に、セストがカブの側面を指さす。
「どうやらこんな大きさでも味は良いようで、家畜は喜んで食べます。その為に、かなり危険な状態になりました」
見ると、カブが傾いた側が大きく抉れている。家畜がかじり続けた跡らしい。
確かにこのままでは、カブが家畜小屋に倒れかかり押しつぶすのは時間の問題だろう。よく見ると、心なしか揺れているようにも思える。
「このカブの処理をお願い致します。何かご入り用の物があれば、なるべく用意させますので」
セストはそう言って礼儀正しく頭を下げた。
爽やかな風が緑の葉を揺らして吹き抜ける。
あちらを見ればよく太った牛や羊が牧草を食み、こちらを見れば黄金色の小麦が重そうに頭を垂れている。
「クリムゾンウェストの食卓を支える」という壮大な目標を掲げた、農耕推進地域ジェオルジの美しい風景だ。
セスト・ジェオルジ(kz0034)は書類から目を離し、窓の外に広がる風景を眺める。
彼はまだ若いが、このジェオルジの領主という立場にあった。
先代の領主は彼の父であるルーベン・ジェオルジ。領主の仕事よりも農業の発展に心血を注ぎ、その分野においては「稀代の天才」とも呼ばれる人物だ。
が、一方で領民からはある種の親しみを籠めて「自由都市一のダメ人間」とも呼ばれている。
農業研究の為ならばどんな僻地にも冒険に出かけ、死にかけたことも一度や二度ではないという。
果ては農業に専念するために、息子のセストが15歳になった日、「後は任せた」と晴れ晴れとした表情で後継に指名したのだ。
突然、上品ながら有無を言わせぬ調子でドアがノックされ、返事も待たずに開かれた。
「セスト、ちょっといいかしら」
「どうかなさいましたか、母上」
振り向いたセストが、少女のようにも見える細い眉を僅かに動かす。
セストと似た美しい顔立ちに、強い意志の光を湛えた瞳。まだ年若く未熟なセストに代わり、事実上の領主職を務める母・バルバラだ。
「例のカブなのだけれど。流石にもう、限界だわ」
怒りを押し籠めた低い声だった。
●畑の珍事
依頼を受けて集まったハンターたちに、セストは丁寧に挨拶した。
「この度はどうぞ宜しくお願い致します。早速ですが、こちらへ」
先に立って歩き出す。一見して華奢な印象にそぐわぬ、歩き慣れたしっかりとした足取りだ。
「既にお話は行っていると思うのですが、お願いしたいのはこのカブです」
セストが指さすのを待つまでもなく、尋常でない物体が目に飛び込んできた。
それはカブだった。
確かに、カブだった。
白い根は充分に栄養を溜めこんで地上に丸く盛り上がり、みずみずしい葉は光を受けて生き生きと輝いている。
だが、その大きさが尋常ではなかった。すぐ隣に建っている家畜小屋と並ぶほどである。
呆気にとられるハンターたちに、セストは淡々と説明を続ける。
「私の父が交配で作りだした実の大きくなる品種のカブを、特殊な肥料を使って育てていたのですが。もう成長が止まるだろう、明日には止まるだろうと思っているうちに、先日の雨で益々肥大化してしまったようです」
どんな交配だ。どんな肥料だ。
突っ込みを入れる前に、セストがカブの側面を指さす。
「どうやらこんな大きさでも味は良いようで、家畜は喜んで食べます。その為に、かなり危険な状態になりました」
見ると、カブが傾いた側が大きく抉れている。家畜がかじり続けた跡らしい。
確かにこのままでは、カブが家畜小屋に倒れかかり押しつぶすのは時間の問題だろう。よく見ると、心なしか揺れているようにも思える。
「このカブの処理をお願い致します。何かご入り用の物があれば、なるべく用意させますので」
セストはそう言って礼儀正しく頭を下げた。
解説
●依頼内容
高さ×幅=5m×5m程もあるカブを畑から撤去してください。
カブの北側から三分の一ぐらいは高さ1mまで大きく抉れていて、いつ崩れるかわからない状態です。
撤去したカブは細かく砕いていただければ家畜の餌になりますのでとても喜ばれます。
カブの味は良いようですので、その場で調理して食べていただいても結構です。食べても害はありません。
その場合は鍋やこんろ、食材など、必要な材料はおおむね揃います。ただし珍しい香辛料や調味料、高価すぎる食材はありません。
●周囲の状況
家畜小屋が並んだ一角に実験用の畑があり、カブはそこに植わっています。
現在他の作物はありませんが、土は柔らかくふかふかです。
子供や野生動物が入って来ないよう、周囲は一応柵と網が張り巡らされています。
依頼に必要な物は農村に普通にありそうな物でしたら揃います。プレイングでご指定ください。
家畜小屋には牛や羊、ヤギが飼われていますが、今は放牧地に連れ出されています。ですが家畜小屋が壊れてしまうと、大変困ります。
●セスト・ジェオルジについて
ハンターではなく一般人です。
領主の仕事よりもどちらかと言えば農業研究の方に興味を持っていますが、今は母・バルバラの元、厳しい領主教育を受けている身です。
かと言って自分のやるべきことは心得ており、母に対し特に反抗心などは持っていません。でもちょっとだけ女性(特に強い女性)は苦手かもしれません。
●推奨テンプレート:ほのぼの系
高さ×幅=5m×5m程もあるカブを畑から撤去してください。
カブの北側から三分の一ぐらいは高さ1mまで大きく抉れていて、いつ崩れるかわからない状態です。
撤去したカブは細かく砕いていただければ家畜の餌になりますのでとても喜ばれます。
カブの味は良いようですので、その場で調理して食べていただいても結構です。食べても害はありません。
その場合は鍋やこんろ、食材など、必要な材料はおおむね揃います。ただし珍しい香辛料や調味料、高価すぎる食材はありません。
●周囲の状況
家畜小屋が並んだ一角に実験用の畑があり、カブはそこに植わっています。
現在他の作物はありませんが、土は柔らかくふかふかです。
子供や野生動物が入って来ないよう、周囲は一応柵と網が張り巡らされています。
依頼に必要な物は農村に普通にありそうな物でしたら揃います。プレイングでご指定ください。
家畜小屋には牛や羊、ヤギが飼われていますが、今は放牧地に連れ出されています。ですが家畜小屋が壊れてしまうと、大変困ります。
●セスト・ジェオルジについて
ハンターではなく一般人です。
領主の仕事よりもどちらかと言えば農業研究の方に興味を持っていますが、今は母・バルバラの元、厳しい領主教育を受けている身です。
かと言って自分のやるべきことは心得ており、母に対し特に反抗心などは持っていません。でもちょっとだけ女性(特に強い女性)は苦手かもしれません。
●推奨テンプレート:ほのぼの系
マスターより
自由都市同盟の農耕推進地域ジェオルジからお届けします、樹シロカです。
有名な童話に「大きなカブ」というのがありますが、件のカブは抜くだけでは済みそうもないため、ハンターの出番となりました。
セストは一般人ですので、邪魔にならないところで見ています。
何か御用がありましたら声をかけてください。
また母のバルバラは、この件はセストに全て任せていますので、皆様の前には出てきません。
皆様のご参加、お待ちしております!
有名な童話に「大きなカブ」というのがありますが、件のカブは抜くだけでは済みそうもないため、ハンターの出番となりました。
セストは一般人ですので、邪魔にならないところで見ています。
何か御用がありましたら声をかけてください。
また母のバルバラは、この件はセストに全て任せていますので、皆様の前には出てきません。
皆様のご参加、お待ちしております!
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/06/30 18:07
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼内容相談スレッド リケ・アルカトゥラ(ka1593) エルフ|13才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2014/06/22 08:17:07 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/06/17 09:00:49 |