ゲスト
(ka0000)
鬼火の機体と錬魔の異端
マスター:火乃寺

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 3~8人
- ユニット参加人数
- 現在8 / 0~8
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/12/06 15:00
- リプレイ完成予定
- 2017/12/15 15:00
オープニング
先だっての帝国皇帝の宣言から、混迷を深める帝国の民。
しかしそれに構う事無く、暴食王ハヴァマールと、配下の歪虚軍勢は迫り来る。士官候補養成機関であるイルリヒト機関でも、錬魔院の下部組織として様々な下準備に借り出されていた。普段は余り仲がよろしくなくとも、帝国の存亡を賭けた一戦となれば私情を捨て公の為に協力し合う事に否を唱える者などいない。彼らは、国を想い、或いは家族を想い、護る為に機関の門を叩いたのだから。
そんな慌しい雰囲気の中で、教官室の一つを訪ねる候補生の姿がある。
「入りたまえ」
ノックに応じて扉越しに声をかけたブラワー教導官は、礼を持って入室する教え子の姿を確認すると、立ち上がって応接セットの方へ歩む。その足元で、義足の輾む音が小さく鳴り響く。
「クワンナイン・オヒム候補生、お呼びと伺い、参りました」
「うむ、まずは掛けたまえ。忙しい中、呼びたててすまんな」
「いえ、構いませんわ。忙しいとは言っても、私たち候補生は正規の軍属では在りませんから」
『卒業』すれば即座に何れかの師団に士官として配属されるとはいえ、現状は正規兵未満の半端者というのが公的な立場である。例え実力で並みの師団兵を上回る者がいるとしても、軍隊、組織としては彼らに重要な任務を任せる様な真似はしない。それが軍規というものである。
「そうだな。だが、実験部隊は戦闘力を持った集団。此度の決戦に置いても、敵歪虚に対する配置がされている」
「正規軍の、露払いとしてですから……そこまで心配頂く事はありませんわ」
「いや、確かにそうなのだが……いかんな、教え子たちがいざ戦場に出ると思うと、老婆心がつい、な」
「ふふ……、教官の教えを実践する機会だと、皆張り切っておりますわよ?」
「そ、そうか、……ごほん。本題に入ろう。現在、暴食王の軍勢侵攻が確認されているが、それに刺激されてか各地で雑魔や下級歪虚の活動が活発化しだしているのは知っているか?」
「ソサエティに出入りしている中で、多少は耳に」
王が動くとなれば、何らかの影響があるのだろう。普段よりも雑魔討伐の依頼が確かにソサエティでは増えていた。
「その中でも、緊急性が高く、割とデカブツがな。地図で言うと……ここだ」
あらかじめ、互いの間に合った卓子に広げてあった地図の一転を指差し、ブラワーが子細を語る。
「目撃されたのは、この町に近接する針葉樹林の中だ。狩人たちから警備兵に齎された証言から、相手は大蛇型が数体……と、恐らくは多頭が一体」
「はっきりとはしませんでしたのね?」
「流石に、魔導アーマーも配備されておらん小さな町の兵に、直接確認せよとは命じられんよ。その後、軍の斥候兵が派遣されて大体の事は掴めたが、全てとは行かなかったらしい」
「なる程……。軍は帝都の守りを固める為、戦力が割きがたい。ならば私達半端者を、という所ですかしら?」
「そうだ。しかし、問題は別にあってな……」
若干、怒気を含んで顔を歪めた教官の様子に、色々と可能性を考えた上で、一つの可能性を訪ねる」
「はらぐ……いえ、錬魔院辺りが何かを?」
「……ふぅ、緊急性が高いと言うのに、実戦があるのなら試作技術のテストをとねじ込んできおった」
「またですの……」
候補生はハンターの身分を持つ者が多く、『卒業』の為にその方面で実績を積むのが手っ取り早い手段の一つでもあった。それゆえか、実戦に出る彼らの情報を何処からか嗅ぎ付け、こうやって上から押し付ける案件が少なくない。だから嫌われるのである。
「依頼者は錬魔院でも『異端』と呼ばれる……まあ、要はあそこですら変わり者扱いの博士、シュワッザー・ザイヴァイ氏。試作技術の資料は、これだ」
「拝見致しますわ」
暫らくの間、資料に目を通すオヒム候補生。やがてその一部に目を止め、その周辺を幾度と読み返す。彼女が何処に目を止めたのか自身でもよく分かる為、急かしたりはせず、喉を潤す為の紅茶を淹れようとブラワーは席を離れるのだった。
「教官、資料として纏められている以上は疑惑う訳ではありませんが……本当に、これは『安全』な技術ですの?」
「少なくとも『彼は』そう言っているな。パイロットに悪影響は無い、何度も実験し、実証したそうだ」
「……ですが、破損率が」
「対象にした兵装は、全て例外なく破損してしまう、だな。正直、継戦能力を考えれば役に立つかは微妙な技術だろう」
「それに、一時的にですが、その他の出力も」
互いに眉を蹙めて、問題の資料を見下ろす。下部組織としては、候補生に明確な『危険』が無いのなら、この依頼を拒絶するのは難しいと両者も理解していた。明確ではなくとも、少々『危険かもしれない』の範囲であれば、将来の士官として臆するなどあってはならない。それでは養成機関としての存在意義が疑惑われる。
「戦力として、部隊その物を向わせたくはあるが、知っているように各所への協力に人員を派遣している為、難しい」
「依頼として、ハンターを募るという訳ですわね」
「そう云う事だ。試作技術の搭載に関しては、貴官の機体にまず一基、予備に二基ある。雇った者の中に協力してくれる機体があれば、君の権限で搭載の判断を許可する。最低、君の機体での試験運用結果だけでも構わん」
資料の要綱はレベルは低いが一応軍機扱いの為、余り広く知られるのも望ましくない。技術情報の開示は禁止とするという一文もあった。
その上無理矢理ねじ込まれた案件である。多少なりとデータを取ったという体裁が繕えればいいと、教官は考えているようだった。
「了解致しました。……しかし、この名称は他にも機能がある、ということかしらね?」
試作システム『トレス・ヴォタ』――「三つの願い」という意味を持つその名を見つめ、オヒムは小さく呟いた。
しかしそれに構う事無く、暴食王ハヴァマールと、配下の歪虚軍勢は迫り来る。士官候補養成機関であるイルリヒト機関でも、錬魔院の下部組織として様々な下準備に借り出されていた。普段は余り仲がよろしくなくとも、帝国の存亡を賭けた一戦となれば私情を捨て公の為に協力し合う事に否を唱える者などいない。彼らは、国を想い、或いは家族を想い、護る為に機関の門を叩いたのだから。
そんな慌しい雰囲気の中で、教官室の一つを訪ねる候補生の姿がある。
「入りたまえ」
ノックに応じて扉越しに声をかけたブラワー教導官は、礼を持って入室する教え子の姿を確認すると、立ち上がって応接セットの方へ歩む。その足元で、義足の輾む音が小さく鳴り響く。
「クワンナイン・オヒム候補生、お呼びと伺い、参りました」
「うむ、まずは掛けたまえ。忙しい中、呼びたててすまんな」
「いえ、構いませんわ。忙しいとは言っても、私たち候補生は正規の軍属では在りませんから」
『卒業』すれば即座に何れかの師団に士官として配属されるとはいえ、現状は正規兵未満の半端者というのが公的な立場である。例え実力で並みの師団兵を上回る者がいるとしても、軍隊、組織としては彼らに重要な任務を任せる様な真似はしない。それが軍規というものである。
「そうだな。だが、実験部隊は戦闘力を持った集団。此度の決戦に置いても、敵歪虚に対する配置がされている」
「正規軍の、露払いとしてですから……そこまで心配頂く事はありませんわ」
「いや、確かにそうなのだが……いかんな、教え子たちがいざ戦場に出ると思うと、老婆心がつい、な」
「ふふ……、教官の教えを実践する機会だと、皆張り切っておりますわよ?」
「そ、そうか、……ごほん。本題に入ろう。現在、暴食王の軍勢侵攻が確認されているが、それに刺激されてか各地で雑魔や下級歪虚の活動が活発化しだしているのは知っているか?」
「ソサエティに出入りしている中で、多少は耳に」
王が動くとなれば、何らかの影響があるのだろう。普段よりも雑魔討伐の依頼が確かにソサエティでは増えていた。
「その中でも、緊急性が高く、割とデカブツがな。地図で言うと……ここだ」
あらかじめ、互いの間に合った卓子に広げてあった地図の一転を指差し、ブラワーが子細を語る。
「目撃されたのは、この町に近接する針葉樹林の中だ。狩人たちから警備兵に齎された証言から、相手は大蛇型が数体……と、恐らくは多頭が一体」
「はっきりとはしませんでしたのね?」
「流石に、魔導アーマーも配備されておらん小さな町の兵に、直接確認せよとは命じられんよ。その後、軍の斥候兵が派遣されて大体の事は掴めたが、全てとは行かなかったらしい」
「なる程……。軍は帝都の守りを固める為、戦力が割きがたい。ならば私達半端者を、という所ですかしら?」
「そうだ。しかし、問題は別にあってな……」
若干、怒気を含んで顔を歪めた教官の様子に、色々と可能性を考えた上で、一つの可能性を訪ねる」
「はらぐ……いえ、錬魔院辺りが何かを?」
「……ふぅ、緊急性が高いと言うのに、実戦があるのなら試作技術のテストをとねじ込んできおった」
「またですの……」
候補生はハンターの身分を持つ者が多く、『卒業』の為にその方面で実績を積むのが手っ取り早い手段の一つでもあった。それゆえか、実戦に出る彼らの情報を何処からか嗅ぎ付け、こうやって上から押し付ける案件が少なくない。だから嫌われるのである。
「依頼者は錬魔院でも『異端』と呼ばれる……まあ、要はあそこですら変わり者扱いの博士、シュワッザー・ザイヴァイ氏。試作技術の資料は、これだ」
「拝見致しますわ」
暫らくの間、資料に目を通すオヒム候補生。やがてその一部に目を止め、その周辺を幾度と読み返す。彼女が何処に目を止めたのか自身でもよく分かる為、急かしたりはせず、喉を潤す為の紅茶を淹れようとブラワーは席を離れるのだった。
「教官、資料として纏められている以上は疑惑う訳ではありませんが……本当に、これは『安全』な技術ですの?」
「少なくとも『彼は』そう言っているな。パイロットに悪影響は無い、何度も実験し、実証したそうだ」
「……ですが、破損率が」
「対象にした兵装は、全て例外なく破損してしまう、だな。正直、継戦能力を考えれば役に立つかは微妙な技術だろう」
「それに、一時的にですが、その他の出力も」
互いに眉を蹙めて、問題の資料を見下ろす。下部組織としては、候補生に明確な『危険』が無いのなら、この依頼を拒絶するのは難しいと両者も理解していた。明確ではなくとも、少々『危険かもしれない』の範囲であれば、将来の士官として臆するなどあってはならない。それでは養成機関としての存在意義が疑惑われる。
「戦力として、部隊その物を向わせたくはあるが、知っているように各所への協力に人員を派遣している為、難しい」
「依頼として、ハンターを募るという訳ですわね」
「そう云う事だ。試作技術の搭載に関しては、貴官の機体にまず一基、予備に二基ある。雇った者の中に協力してくれる機体があれば、君の権限で搭載の判断を許可する。最低、君の機体での試験運用結果だけでも構わん」
資料の要綱はレベルは低いが一応軍機扱いの為、余り広く知られるのも望ましくない。技術情報の開示は禁止とするという一文もあった。
その上無理矢理ねじ込まれた案件である。多少なりとデータを取ったという体裁が繕えればいいと、教官は考えているようだった。
「了解致しました。……しかし、この名称は他にも機能がある、ということかしらね?」
試作システム『トレス・ヴォタ』――「三つの願い」という意味を持つその名を見つめ、オヒムは小さく呟いた。
解説
町の防衛戦、ということになりますが、昼間で見通しよく、森と町の間にある平坦な荒地が戦場となる為、難易度はそれほどでもありません。
ただ、森に侵入して対処するとなると、視界の確保や障害物の影響で難易度が上昇します。防衛を考えれば、森の中で処理できれば町への被害の心配も少なくなるのですが。
戦場は100×100Sで下方を南として北へ30Sまで全てが針葉樹林、その他全てが荒地で、町は北端にそって中央の40×40Sの外壁に囲まれたエリアとなります。
外壁内部に侵入された時点で被害発生が確定しますので、お気をつけください。
試験運用案件
名称:試作システム『トレス・ヴォタ』
特徴:上記の機能の一部が、今回の試験運用対象。それ以外に干渉する事は出来ない。
効果:3Rの間、生命と装備力以外のステータスを半減し、装備する武器を対象に宣言する。機体各部に回されるマテリアルを制限して専用カートリッジにチャージ後、攻撃を放つ武器に過充填させ威力を増大させる(最終ダメージ三倍化)機能を持つ。ただし、対象となった兵装は3R後に必ず破損する為、以後はシナリオ内で使用不可能となる。
*使用法と効果と破損率に関してはハンターに伝えられるが、名称その他の情報は非公開とされる。
PC情報
歪虚:大蛇型(サイズ3)・全長10m、胴体直径2m・10体ほど確認
特徴:黒と緑の保護色らしい斑な外皮を持つ大蛇
攻撃:咀み付き、体当たり、巻き付き、尾撃、毒(腐食:生身だと毒、機体だと腐食による性能低下)
歪虚:三頭大蛇(サイズ3)・全長15m、胴体直径2.5m・一体のみ・初期時点で未確定情報
特徴:三頭を持つ大蛇、外皮は通常型と同じ
攻撃:通常型とほぼ変わらず、ただし三連撃が乗る
NPC戦力として『クワンナイン・オヒム(kz0244)と機体【ディアブロ】が同行します。
ただ、森に侵入して対処するとなると、視界の確保や障害物の影響で難易度が上昇します。防衛を考えれば、森の中で処理できれば町への被害の心配も少なくなるのですが。
戦場は100×100Sで下方を南として北へ30Sまで全てが針葉樹林、その他全てが荒地で、町は北端にそって中央の40×40Sの外壁に囲まれたエリアとなります。
外壁内部に侵入された時点で被害発生が確定しますので、お気をつけください。
試験運用案件
名称:試作システム『トレス・ヴォタ』
特徴:上記の機能の一部が、今回の試験運用対象。それ以外に干渉する事は出来ない。
効果:3Rの間、生命と装備力以外のステータスを半減し、装備する武器を対象に宣言する。機体各部に回されるマテリアルを制限して専用カートリッジにチャージ後、攻撃を放つ武器に過充填させ威力を増大させる(最終ダメージ三倍化)機能を持つ。ただし、対象となった兵装は3R後に必ず破損する為、以後はシナリオ内で使用不可能となる。
*使用法と効果と破損率に関してはハンターに伝えられるが、名称その他の情報は非公開とされる。
PC情報
歪虚:大蛇型(サイズ3)・全長10m、胴体直径2m・10体ほど確認
特徴:黒と緑の保護色らしい斑な外皮を持つ大蛇
攻撃:咀み付き、体当たり、巻き付き、尾撃、毒(腐食:生身だと毒、機体だと腐食による性能低下)
歪虚:三頭大蛇(サイズ3)・全長15m、胴体直径2.5m・一体のみ・初期時点で未確定情報
特徴:三頭を持つ大蛇、外皮は通常型と同じ
攻撃:通常型とほぼ変わらず、ただし三連撃が乗る
NPC戦力として『クワンナイン・オヒム(kz0244)と機体【ディアブロ】が同行します。
マスターより
毎回使いっ走り担当のオヒムさん(´・ω・`)
優秀だと買われているからだけれども、貧乏くじとしか思えませんね!
優秀だと買われているからだけれども、貧乏くじとしか思えませんね!
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/05/15 11:18
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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相談卓 鬼塚 陸(ka0038) 人間(リアルブルー)|22才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2017/12/06 13:42:16 |
|
![]() |
質問卓 鬼塚 陸(ka0038) 人間(リアルブルー)|22才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2017/12/03 00:36:33 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/12/02 15:30:52 |