ゲスト
(ka0000)
【東幕】苦労する身は厭わねど
マスター:猫又ものと

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/12/07 19:00
- リプレイ完成予定
- 2017/12/16 19:00
オープニング
●
土壁を覆う苔。薄暗がりの中、漏れる淡い光。それは地面を焦がし……元の静けさが戻る。
「……失敗したみたいですね。まあ、いいでしょう。それも概ね予想通りですし」
ため息をつく人影。集まって来た鎧を着た骸骨を一瞥する。
「あなた達いらしたんですね。丁度良かった。私は留守にしますから、引き続き皆を集めて下さいな」
こくりと頷く骸骨。人影は優雅な動きで闇へと消えて行った。
●
「……それでは真美様。今一度確認致しますが……このお話は一旦保留ということで宜しゅう御座いますな?」
「はい。スメラギ様に協力したいとは思いますが……私の為に身を挺して下さっている人がいます。きちんとお話をしてから決めたいのです」
「畏まりました。それではそのように取り計らいましょう」
「お願いします」
1通の書状を挟むようにして向かい合う三条家軍師、水野 武徳(kz0196)と九代目詩天、三条 真美(kz0198)。
2人が話し合っているのは幕府上層部――それも、立花院 紫草(kz0126)を代表者とした届いた書状で……内容は、スメラギ(kz0158)との見合いを打診する内容である。
あくまでも『打診』という形ではあるが、幕府からの正式な書状となれば事実上の『命令』に近い。
余程の事情がない限り、断りを入れるのは角が立つ結果になる。
真美は『見合いをしてから断れば良い』というが外交というものはそんなに甘いものではない。
――正直、武徳としては己の主とエトファリカの帝の見合いは喜ばしいとは言えないものだった。
幕府や朝廷の繋がりが強くなれば、三条家の繁栄は盤石のものとなるだろう。
だが逆に言えば幕府の直接の介入を許し、『詩天』そのものが吸収、統合と言った結果を生む可能性もあるのだ。
そういう意味で、真美が『現時点において保留』という決断を下したことは、武徳にとっては渡りに船だった。
時間を稼いでる間に、対策を考えることが出来る。
……これも真美様に関わるハンター殿のお陰か。感謝せねばなるまいな。
――これを機に、あのお方と繋ぎを取らねば……。
それから真美と幾つか話し合いをし、席を辞した武徳。そのまま執務室に籠り、筆を執った。
●
幕府の勅命が詩天に下ったのは、十日ほど前の事だ。
詩天の南、長江近くに存在する廃城――須藤城。
情報によれば、この近くで多くの憤怒残党が目撃されているという。
今回、この真偽について調査を命じられていた。
「憤怒残党ならば、エトファリカ各地でも目撃されておる。それをわざわざ調べよと命じてきたという事は、何か意図があると見るべきか……」
武徳は勅命を不審がっていた。
憤怒残党ならば東方各地で目撃されている。珍しいものでもない。
わざわざ勅命をしたならば、裏の意図があるのではないか。
考え込む軍師を、真美は苦笑して見上げる。
「考えすぎですよ、武徳。天ノ都も復興している最中です。きっと人手が足りないのでしょう」
「……は。拙者は疑ってかかるのが仕事でございますゆえ、何卒ご容赦を」
「そうですね。武徳が詩天のことを考えてくれているのは理解しています。私が出来ないことを、武徳がしてくれていることも」
「……勿体ないお言葉に存じます。して、須藤城を調査せよとのことですが……ハンター殿を派遣されますか?」
「そうですね。依頼を出してください。私も同行します」
「真美様……? それはいけません。廃城の調査など危険極まりない!」
「幕府からの勅命ですよ。当主が出ずしてどうするのですか」
「当主だからこそ出てはならぬので御座います! こういう時はどっしりと構えているのが王というものです」
「王は民を守れるくらい強くあらねばなりません。私はまだ未熟です。こういう時に修行しておかないと!」
「ダメと言ったらダメです! 修行であれば他の方法が……」
「嫌です! ハンターさんと一緒に修行したいんです!!」
譲る様子を見せない真美に、ため息を漏らす武徳。
本当であれば若峰でおとなしくしていて欲しいところではあるが……そろそろ、帝との見合い話のも噂として各所に届き始めているかもしれない。
武徳の不在をついて真美に何か良からぬことを企む輩が出て来ることも考えられる。
そうなれば、確かに中立を保っているハンター達の近くにいて貰った方が安全なのかもしれない。
「……止めても無駄、ということでございますな?」
「そうです。止められても行きます」
「畏まりました。同行するハンター達から離れないよう注意なさってください。くれぐれも御身を優先し、無理はなさいませんように」
武徳のいつもの言葉に、真美はこくんと頷いた。
●
「今回は随分少数精鋭なんだな」
「はい。潜入調査ですので、あまり人数が多いと目立ってしまいますから」
「えっと……潜入する場所は廃城って聞いたですけど、本丸しかないです……」
「はい。須藤城は元々立派なお城だったと聞いています」
依頼を受けたハンター達は依頼主である真美と合流し、依頼の詳細の説明を受けていた。
――詩天の南に存在する須藤城。
小高い丘の上に築城されており、周りを取り囲むように空堀が存在する。
丘の上には土塁が高く盛られ、その上に本丸があり、そこに沿うようにして二の丸、三の丸が作られていた。
遥か昔に歪虚に攻め落とされ、須藤城城主とその一族は滅亡。
現在は二の丸、三の丸は風化してほぼ消え去り、崩れた本丸のみが残っている状況だった。
「二の丸、三の丸はもう殆どないってことは気にしないで大丈夫そうだね」
「土塁も高いみたいだし、外から見ても歪虚が集まってるかどうかわかりそうにないね」
「はい。ですので、潜入する形になります。ただ、須藤城が大分前に滅んでいますので、本丸に関する資料も残っていないんです」
「……ということは、道を探しながらの探索になりますかしら」
「そうなると、念のため灯りも用意した方がいいだろうか……。多くの憤怒歪虚が集まっている可能性があるんだったか?」
「はい。その真偽を確かめるのが目的です。もし集まっている場合は、憤怒の歪虚が何故集まっているのか、というのまで調査出来るといいんですが……」
「了解だよ。歪虚が沢山いるかもしれないから、真美さんは僕達から離れないでね」
「はい」
どことなく心配そうなハンター達に、素直に頷く真美。
――色々な思惑と事情を乗せて、須藤城の潜入調査は開始となった。
土壁を覆う苔。薄暗がりの中、漏れる淡い光。それは地面を焦がし……元の静けさが戻る。
「……失敗したみたいですね。まあ、いいでしょう。それも概ね予想通りですし」
ため息をつく人影。集まって来た鎧を着た骸骨を一瞥する。
「あなた達いらしたんですね。丁度良かった。私は留守にしますから、引き続き皆を集めて下さいな」
こくりと頷く骸骨。人影は優雅な動きで闇へと消えて行った。
●
「……それでは真美様。今一度確認致しますが……このお話は一旦保留ということで宜しゅう御座いますな?」
「はい。スメラギ様に協力したいとは思いますが……私の為に身を挺して下さっている人がいます。きちんとお話をしてから決めたいのです」
「畏まりました。それではそのように取り計らいましょう」
「お願いします」
1通の書状を挟むようにして向かい合う三条家軍師、水野 武徳(kz0196)と九代目詩天、三条 真美(kz0198)。
2人が話し合っているのは幕府上層部――それも、立花院 紫草(kz0126)を代表者とした届いた書状で……内容は、スメラギ(kz0158)との見合いを打診する内容である。
あくまでも『打診』という形ではあるが、幕府からの正式な書状となれば事実上の『命令』に近い。
余程の事情がない限り、断りを入れるのは角が立つ結果になる。
真美は『見合いをしてから断れば良い』というが外交というものはそんなに甘いものではない。
――正直、武徳としては己の主とエトファリカの帝の見合いは喜ばしいとは言えないものだった。
幕府や朝廷の繋がりが強くなれば、三条家の繁栄は盤石のものとなるだろう。
だが逆に言えば幕府の直接の介入を許し、『詩天』そのものが吸収、統合と言った結果を生む可能性もあるのだ。
そういう意味で、真美が『現時点において保留』という決断を下したことは、武徳にとっては渡りに船だった。
時間を稼いでる間に、対策を考えることが出来る。
……これも真美様に関わるハンター殿のお陰か。感謝せねばなるまいな。
――これを機に、あのお方と繋ぎを取らねば……。
それから真美と幾つか話し合いをし、席を辞した武徳。そのまま執務室に籠り、筆を執った。
●
幕府の勅命が詩天に下ったのは、十日ほど前の事だ。
詩天の南、長江近くに存在する廃城――須藤城。
情報によれば、この近くで多くの憤怒残党が目撃されているという。
今回、この真偽について調査を命じられていた。
「憤怒残党ならば、エトファリカ各地でも目撃されておる。それをわざわざ調べよと命じてきたという事は、何か意図があると見るべきか……」
武徳は勅命を不審がっていた。
憤怒残党ならば東方各地で目撃されている。珍しいものでもない。
わざわざ勅命をしたならば、裏の意図があるのではないか。
考え込む軍師を、真美は苦笑して見上げる。
「考えすぎですよ、武徳。天ノ都も復興している最中です。きっと人手が足りないのでしょう」
「……は。拙者は疑ってかかるのが仕事でございますゆえ、何卒ご容赦を」
「そうですね。武徳が詩天のことを考えてくれているのは理解しています。私が出来ないことを、武徳がしてくれていることも」
「……勿体ないお言葉に存じます。して、須藤城を調査せよとのことですが……ハンター殿を派遣されますか?」
「そうですね。依頼を出してください。私も同行します」
「真美様……? それはいけません。廃城の調査など危険極まりない!」
「幕府からの勅命ですよ。当主が出ずしてどうするのですか」
「当主だからこそ出てはならぬので御座います! こういう時はどっしりと構えているのが王というものです」
「王は民を守れるくらい強くあらねばなりません。私はまだ未熟です。こういう時に修行しておかないと!」
「ダメと言ったらダメです! 修行であれば他の方法が……」
「嫌です! ハンターさんと一緒に修行したいんです!!」
譲る様子を見せない真美に、ため息を漏らす武徳。
本当であれば若峰でおとなしくしていて欲しいところではあるが……そろそろ、帝との見合い話のも噂として各所に届き始めているかもしれない。
武徳の不在をついて真美に何か良からぬことを企む輩が出て来ることも考えられる。
そうなれば、確かに中立を保っているハンター達の近くにいて貰った方が安全なのかもしれない。
「……止めても無駄、ということでございますな?」
「そうです。止められても行きます」
「畏まりました。同行するハンター達から離れないよう注意なさってください。くれぐれも御身を優先し、無理はなさいませんように」
武徳のいつもの言葉に、真美はこくんと頷いた。
●
「今回は随分少数精鋭なんだな」
「はい。潜入調査ですので、あまり人数が多いと目立ってしまいますから」
「えっと……潜入する場所は廃城って聞いたですけど、本丸しかないです……」
「はい。須藤城は元々立派なお城だったと聞いています」
依頼を受けたハンター達は依頼主である真美と合流し、依頼の詳細の説明を受けていた。
――詩天の南に存在する須藤城。
小高い丘の上に築城されており、周りを取り囲むように空堀が存在する。
丘の上には土塁が高く盛られ、その上に本丸があり、そこに沿うようにして二の丸、三の丸が作られていた。
遥か昔に歪虚に攻め落とされ、須藤城城主とその一族は滅亡。
現在は二の丸、三の丸は風化してほぼ消え去り、崩れた本丸のみが残っている状況だった。
「二の丸、三の丸はもう殆どないってことは気にしないで大丈夫そうだね」
「土塁も高いみたいだし、外から見ても歪虚が集まってるかどうかわかりそうにないね」
「はい。ですので、潜入する形になります。ただ、須藤城が大分前に滅んでいますので、本丸に関する資料も残っていないんです」
「……ということは、道を探しながらの探索になりますかしら」
「そうなると、念のため灯りも用意した方がいいだろうか……。多くの憤怒歪虚が集まっている可能性があるんだったか?」
「はい。その真偽を確かめるのが目的です。もし集まっている場合は、憤怒の歪虚が何故集まっているのか、というのまで調査出来るといいんですが……」
「了解だよ。歪虚が沢山いるかもしれないから、真美さんは僕達から離れないでね」
「はい」
どことなく心配そうなハンター達に、素直に頷く真美。
――色々な思惑と事情を乗せて、須藤城の潜入調査は開始となった。
解説
遥か昔に滅びた須藤城に憤怒の歪虚が集結しているという情報が入りました。
その真偽を確かめてください。
ハンターの皆様は、幕府の勅命を受けた真美に同行している形となります。
なお、皆さんは武徳からこっそり真美の護衛もお願いされております。
このことは真美自身は知りません。
●成功条件:廃城の調査結果を持ち帰る。
●失敗条件:廃城を調査出来ずに帰る。真美の重体、死亡
■地形について
須藤城。詩天の南、長江近くに存在する廃城です。
小高い丘の上に築城されており、周りを取り囲むように空堀が存在しています
丘の上には土塁が高く盛られ、その上に本丸があり、そこに沿うようにして二の丸、三の丸が作られていました
遥か昔に歪虚に攻め落とされ、須藤城城主とその一族は滅亡
現在は二の丸、三の丸は風化してほぼ消え去り、崩れた本丸のみが残っている状況です
城の資料も残っていないため、探索しながらの調査となります
■NPCの同行
今回は真美が同行しています。
戦わせることも出来ますが戦闘の経験は浅いです。
■敵について
廃城の内部はどういう状況か分かりませんが、周辺で目撃されている歪虚は以下の通りです
化け提灯
浮遊する提灯で火を吐きかける。スピードは人が歩く程度。
塗壁
2メートルを超える壁。物理攻撃を吸収する。
歩行スピードは人が歩く程度。
骸骨武者
侍の亡骸が骸骨となって彷徨っている。手にした刀で攻撃する。
歩行スピードは歩く程度。
■情報について
OPに出てきている人影の状況はプレイヤー情報となり、PCさんは知りません。
取り扱いにはご注意下さい。
■その他
白紙は描写しません。
分からない事がありましたら、質問板にてご質問下さい。
質問は依頼出発24時間前までにお願いします。
その真偽を確かめてください。
ハンターの皆様は、幕府の勅命を受けた真美に同行している形となります。
なお、皆さんは武徳からこっそり真美の護衛もお願いされております。
このことは真美自身は知りません。
●成功条件:廃城の調査結果を持ち帰る。
●失敗条件:廃城を調査出来ずに帰る。真美の重体、死亡
■地形について
須藤城。詩天の南、長江近くに存在する廃城です。
小高い丘の上に築城されており、周りを取り囲むように空堀が存在しています
丘の上には土塁が高く盛られ、その上に本丸があり、そこに沿うようにして二の丸、三の丸が作られていました
遥か昔に歪虚に攻め落とされ、須藤城城主とその一族は滅亡
現在は二の丸、三の丸は風化してほぼ消え去り、崩れた本丸のみが残っている状況です
城の資料も残っていないため、探索しながらの調査となります
■NPCの同行
今回は真美が同行しています。
戦わせることも出来ますが戦闘の経験は浅いです。
■敵について
廃城の内部はどういう状況か分かりませんが、周辺で目撃されている歪虚は以下の通りです
化け提灯
浮遊する提灯で火を吐きかける。スピードは人が歩く程度。
塗壁
2メートルを超える壁。物理攻撃を吸収する。
歩行スピードは人が歩く程度。
骸骨武者
侍の亡骸が骸骨となって彷徨っている。手にした刀で攻撃する。
歩行スピードは歩く程度。
■情報について
OPに出てきている人影の状況はプレイヤー情報となり、PCさんは知りません。
取り扱いにはご注意下さい。
■その他
白紙は描写しません。
分からない事がありましたら、質問板にてご質問下さい。
質問は依頼出発24時間前までにお願いします。
マスターより
お世話になっております。猫又です。
今回の【東幕】連動は近藤SDとのぷち連動となります。
エトファリカ・ボート探索の裏で行われている歪虚の不審な動き。
復興が進む東方、そして詩天の行く末……様々な事情が入り組んでおりますが、皆様の行動次第で未来が変わります。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
今回の【東幕】連動は近藤SDとのぷち連動となります。
エトファリカ・ボート探索の裏で行われている歪虚の不審な動き。
復興が進む東方、そして詩天の行く末……様々な事情が入り組んでおりますが、皆様の行動次第で未来が変わります。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/12/16 16:51
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
【質問】真美ちゃんに聞きます エステル・ソル(ka3983) 人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2017/12/04 21:22:25 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/12/02 23:37:25 |
|
![]() |
相談卓 本多 七葵(ka4740) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|男性|舞刀士(ソードダンサー) |
最終発言 2017/12/06 22:39:32 |