ゲスト
(ka0000)
オモチャは箱を飛び出して
マスター:一要・香織

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在5人 / 5~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/12/12 22:00
- リプレイ完成予定
- 2017/12/21 22:00
オープニング
街の通りにはキラキラと光る飾りに、色とりどりのリース。
クリスマスツリーにはプレゼントにトナカイ、靴下に蝋燭の形のたくさんのオーナメントが飾られ、雪に見立てた綿がふんわりと枝に積もっている。見上げた先端には眩しいくらいの星の飾りが存在を主張するように輝いていた。
煌びやかな赤と緑の飾りが賑やかな街の通りを更に明るく彩っている。
間もなく、クリスマスがやってくる!
子供も大人も浮き足立つイベントだ。
クリムゾンウエストではエクラ教を信仰する者が殆どだが、この異郷のお祭りはこの辺りではすっかり定着しているようだ。
子供たちはオモチャ屋の窓に張り付き、店内を見回しては、あれが欲しい、これが欲しいと顔を見合わせその顔に笑顔を浮かべている。
しかし、そのオモチャ屋の主人は少し浮かない顔をしていた。
なんでも、今年はオモチャの仕入れが思う様に出来ていないらしいのだ。
子供たちの笑顔を楽しみに、主人は楽しいオモチャ、可愛いオモチャ、かっこいいオモチャを大きな街の外れにある工場から仕入れていた。
しかし毎年オモチャを買っていたその工場が……突然閉鎖してしまった。
倒産したのではなく、閉鎖だ。
●少し時を遡ったオモチャ工場では
従業員が居なくなった深夜の工場は静寂に包まれていた。
見回りをしていた男はライトを手に工場内を歩いている。
昼間のざわめきが嘘のように、今はコツンコツンという足音だけが広い廊下に響く。
「カタカタカタ……」
自分の足音以外聞こえるはずのない工場内で、確かに今、何かが聞こえた。
「ネズミか?」
男は疑問に思いながらも再び足を動かした。
しかしまた、
「カタカタカタ……」「カシャカシャカシャ……」
今度は音が重なって、先ほどより大きく聞こえる。
耳を澄ませば、それはいくつもいくつも重なり合いざわめきとなって男の元に届いた。
不気味さに男は眉を寄せ、恐る恐るその音の出所を探し始める。
そして、その音が完成したオモチャを置く倉庫から聞こえていることを突き止めた。
「ギィーー」
重い扉をゆっくりと開きライトを向け―――目にした光景に男の足は震えた。
そこには、自らの意思を持ったように動き回る、オモチャがあった。
カタカタと音をさせ走り回る車のオモチャ。
ヒラヒラと軽やかになびくスカートを履き、クルクルと踊る人形。
ジジジジジ……ゼンマイを唸らせて動く船のオモチャ。
それらがいくつも動き回り、刹那、男のライトに反応した様にピタリと動きを止め、一斉に男に向かって飛び掛かった。
男は間一髪で扉を閉めが、
「ガンガン、ドンドン」
「バン、ガン!」
と、扉を乱暴に叩く音が続く。
あのまま扉を閉めなければどうなっていただろう。
男は恐怖に息を飲んだ。
翌日、男から話を聞いた工場長は彼を笑ったが、その次の日も、その次の日も、夜の見回りをした者が一様に怯えた顔で同じ事を話す。
しかし、ただひとつ違うのは、そのオモチャの大きさだ……。
それは重なりくっつき合い、大きなオモチャの塊となっているらしい。
そしてその夜見回りをした工場長自らが、オモチャ達が重なり合い動き回っているのを目撃した。
ぼんやりと不気味に光るオモチャを守る様にその周りにいくつものオモチャが張り付き、巨大な造形のロボットの様にそこに佇んでいる。
「なんだ、これは……」
呟きは静かな室内に思いがけぬ程の大きな音となって響いた。
それに気付いたオモチャは獲物を見つけた獣の様に工場長を睨み付け、ぼんやりと光っていたオモチャはギラリと鋭く光を放つ。
目を見開いた工場長を目掛け、大きなオモチャの塊はオモチャの剣を振り下ろした。
「ぎゃぁーー」
肩に走る激痛に、工場長は悲鳴を上げた。
何だと言うのだ。オモチャの剣が当たっただけだというのに……。
ゆっくりと肩に視線を向けると、薄明りでも見えるほどに、そこは赤く染まっていた。
再び剣が振り上げられそうになり、工場長は慌てて重い鉄の扉を閉める。
「ガン、ドン、バン」
乱暴に扉を叩く音が響き渡る―――。
その恐怖に痛みさえ忘れ工場長は逃げ出した。
こうして、工場は閉鎖となった。
クリスマスツリーにはプレゼントにトナカイ、靴下に蝋燭の形のたくさんのオーナメントが飾られ、雪に見立てた綿がふんわりと枝に積もっている。見上げた先端には眩しいくらいの星の飾りが存在を主張するように輝いていた。
煌びやかな赤と緑の飾りが賑やかな街の通りを更に明るく彩っている。
間もなく、クリスマスがやってくる!
子供も大人も浮き足立つイベントだ。
クリムゾンウエストではエクラ教を信仰する者が殆どだが、この異郷のお祭りはこの辺りではすっかり定着しているようだ。
子供たちはオモチャ屋の窓に張り付き、店内を見回しては、あれが欲しい、これが欲しいと顔を見合わせその顔に笑顔を浮かべている。
しかし、そのオモチャ屋の主人は少し浮かない顔をしていた。
なんでも、今年はオモチャの仕入れが思う様に出来ていないらしいのだ。
子供たちの笑顔を楽しみに、主人は楽しいオモチャ、可愛いオモチャ、かっこいいオモチャを大きな街の外れにある工場から仕入れていた。
しかし毎年オモチャを買っていたその工場が……突然閉鎖してしまった。
倒産したのではなく、閉鎖だ。
●少し時を遡ったオモチャ工場では
従業員が居なくなった深夜の工場は静寂に包まれていた。
見回りをしていた男はライトを手に工場内を歩いている。
昼間のざわめきが嘘のように、今はコツンコツンという足音だけが広い廊下に響く。
「カタカタカタ……」
自分の足音以外聞こえるはずのない工場内で、確かに今、何かが聞こえた。
「ネズミか?」
男は疑問に思いながらも再び足を動かした。
しかしまた、
「カタカタカタ……」「カシャカシャカシャ……」
今度は音が重なって、先ほどより大きく聞こえる。
耳を澄ませば、それはいくつもいくつも重なり合いざわめきとなって男の元に届いた。
不気味さに男は眉を寄せ、恐る恐るその音の出所を探し始める。
そして、その音が完成したオモチャを置く倉庫から聞こえていることを突き止めた。
「ギィーー」
重い扉をゆっくりと開きライトを向け―――目にした光景に男の足は震えた。
そこには、自らの意思を持ったように動き回る、オモチャがあった。
カタカタと音をさせ走り回る車のオモチャ。
ヒラヒラと軽やかになびくスカートを履き、クルクルと踊る人形。
ジジジジジ……ゼンマイを唸らせて動く船のオモチャ。
それらがいくつも動き回り、刹那、男のライトに反応した様にピタリと動きを止め、一斉に男に向かって飛び掛かった。
男は間一髪で扉を閉めが、
「ガンガン、ドンドン」
「バン、ガン!」
と、扉を乱暴に叩く音が続く。
あのまま扉を閉めなければどうなっていただろう。
男は恐怖に息を飲んだ。
翌日、男から話を聞いた工場長は彼を笑ったが、その次の日も、その次の日も、夜の見回りをした者が一様に怯えた顔で同じ事を話す。
しかし、ただひとつ違うのは、そのオモチャの大きさだ……。
それは重なりくっつき合い、大きなオモチャの塊となっているらしい。
そしてその夜見回りをした工場長自らが、オモチャ達が重なり合い動き回っているのを目撃した。
ぼんやりと不気味に光るオモチャを守る様にその周りにいくつものオモチャが張り付き、巨大な造形のロボットの様にそこに佇んでいる。
「なんだ、これは……」
呟きは静かな室内に思いがけぬ程の大きな音となって響いた。
それに気付いたオモチャは獲物を見つけた獣の様に工場長を睨み付け、ぼんやりと光っていたオモチャはギラリと鋭く光を放つ。
目を見開いた工場長を目掛け、大きなオモチャの塊はオモチャの剣を振り下ろした。
「ぎゃぁーー」
肩に走る激痛に、工場長は悲鳴を上げた。
何だと言うのだ。オモチャの剣が当たっただけだというのに……。
ゆっくりと肩に視線を向けると、薄明りでも見えるほどに、そこは赤く染まっていた。
再び剣が振り上げられそうになり、工場長は慌てて重い鉄の扉を閉める。
「ガン、ドン、バン」
乱暴に扉を叩く音が響き渡る―――。
その恐怖に痛みさえ忘れ工場長は逃げ出した。
こうして、工場は閉鎖となった。
解説
子供たちが楽しみにしているクリスマスプレゼント。
そのオモチャが大変な事になっています。
他の街の倒産した工場で長い間仕舞われ、負のマテリアルに汚染されたオモチャが部品と共にこの工場に運ばれてきました。
動き出す原因は、この運ばれてきたオモチャが歪虚になってしまったからなのです。
オモチャ工場は街から随分離れた所にあり、負のマテリアルに影響されやすい立地だった事も関係しているようです。
周りにあるオモチャも次第に汚染され始め、それは段々と広がっています。
夜毎に形を変え、日に日に大きな塊となっては工場内を荒らし、人に出くわすと襲っているようです。
オモチャの剣は形を変え、本物の剣同様の切れ味に……。
しかし、昼間はそんな気配をまるで見せず、どれが原因のオモチャなのか突き止められずにいます。
まるで子供たちの間で歌われる歌になぞらえているかのように、夜の間だけオモチャ達は動き回るのです。
そんな危険な物が子供たちに渡っては大変です。
核となるオモチャの歪虚を撃破出来れば、塊の一部となっていたオモチャ達は動かなくなるでしょう。
工場長は、ぼんやりと光っているオモチャが怪しいと話しています。
核となるオモチャは複数存在します。
どうか、オモチャの歪虚を見極め、倒してください。
他のオモチャになるべく被害がない様にお願いします。
今から再び工場が動き出せば、クリスマスのプレゼントに間に合いそうです。
よろしくお願いします。
そのオモチャが大変な事になっています。
他の街の倒産した工場で長い間仕舞われ、負のマテリアルに汚染されたオモチャが部品と共にこの工場に運ばれてきました。
動き出す原因は、この運ばれてきたオモチャが歪虚になってしまったからなのです。
オモチャ工場は街から随分離れた所にあり、負のマテリアルに影響されやすい立地だった事も関係しているようです。
周りにあるオモチャも次第に汚染され始め、それは段々と広がっています。
夜毎に形を変え、日に日に大きな塊となっては工場内を荒らし、人に出くわすと襲っているようです。
オモチャの剣は形を変え、本物の剣同様の切れ味に……。
しかし、昼間はそんな気配をまるで見せず、どれが原因のオモチャなのか突き止められずにいます。
まるで子供たちの間で歌われる歌になぞらえているかのように、夜の間だけオモチャ達は動き回るのです。
そんな危険な物が子供たちに渡っては大変です。
核となるオモチャの歪虚を撃破出来れば、塊の一部となっていたオモチャ達は動かなくなるでしょう。
工場長は、ぼんやりと光っているオモチャが怪しいと話しています。
核となるオモチャは複数存在します。
どうか、オモチャの歪虚を見極め、倒してください。
他のオモチャになるべく被害がない様にお願いします。
今から再び工場が動き出せば、クリスマスのプレゼントに間に合いそうです。
よろしくお願いします。
マスターより
こんにちは。一要・香織です。
もうすぐクリスマスですね。
楽しい楽しいイベントが歪虚のせいで大変な事になっています。
どうか子供たちの夢を守ってあげて下さい。
舞台は夜の工場です。薄暗いのでライトの準備などした方がいいかもしれません。
また撃破後は、他に歪虚が居ないか探索する傍ら工場内を見学するのもいいかもしれませんね。
どんなオモチャがあるのでしょう?
皆さんはどんなクリスマスプレゼントをもらっていましたか?
楽しいクリスマスを迎えられるよう、どうぞよろしくお願いします。
もうすぐクリスマスですね。
楽しい楽しいイベントが歪虚のせいで大変な事になっています。
どうか子供たちの夢を守ってあげて下さい。
舞台は夜の工場です。薄暗いのでライトの準備などした方がいいかもしれません。
また撃破後は、他に歪虚が居ないか探索する傍ら工場内を見学するのもいいかもしれませんね。
どんなオモチャがあるのでしょう?
皆さんはどんなクリスマスプレゼントをもらっていましたか?
楽しいクリスマスを迎えられるよう、どうぞよろしくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/12/19 21:00
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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玩具箱の探索 穂積 智里(ka6819) 人間(リアルブルー)|18才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2017/12/12 18:54:26 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/12/12 18:40:27 |