ゲスト
(ka0000)
オレより強いやつに愛を伝える
マスター:御影堂

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/11/28 07:30
- リプレイ完成予定
- 2014/12/07 07:30
オープニング
●
「好きだぁああああああ!」
練兵場に響く間違いな叫び。声の主は、身長2メートル近い大男、ガハムサである。
気合の叫びを繰り返しながら、ガハムサは大剣を振り回す。
対峙するのは、長い黒髪をうなじでまとめあげている女性だった。
「ふん」
一息で、ガハムサの大剣を捌いた女性は、そのままの勢いで懐に潜り込む。
密着するような距離から、真っ直ぐにレイピアを突き立てた。
「訓練用の模造刀でなければ、死んでいましたね」
鈴を転がしたような、愛らしい声で女性は告げる。
ガハムサの肩に頭頂部がくるぐらいの小柄な女性だ。
「これで、何度目でしたっけ」
「今月は12回目、通算99回だ」
ガハムサはゆっくりと後退し、レイピアの射程から外れながら答える。
クスクスと笑い声を上げながら、女性はレイピアを収めた。
「100回挑戦してもダメなら、本格的に私への愛が足りないのではないでしょうか」
「ぐ、ぐぬぬ。しかし、愛する相手に本気で刃を向けるというのは……」
臆面もなく言い放つガハムサの言葉に、女性は顔を背ける。
しまった、とガハムサが思った時には遅かった。
「私のほうが強い、と周りから思われたままでいいのですか?」
鈴なく声が冷ややかになる。
説教モードに切り替わったのだとガハムサは悟った。
条件反射的に、正座をして待つ。
「そもそも、あなたは私が出した条件を飲むといったのです。男に二言はない、約束を曲げるはずがないとあなたはおっしゃいましたよね」
こうなると、長くなる。
いつもながらの光景だなぁと傍から見ていた、同僚はしみじみと思った。
女性の名前は、シヨリュ。
この街の警備隊に所属する女性隊員だ。小柄で尻尾のような長い黒髪をパタパタさせているのが、トレードマーク。説教されたい隊員ナンバーワンという声もある。
が、レイピアをもたせれば別人のように鋭い目つきになる。
軽い身体から繰り出される連撃は、暴風雨のようだと揶揄されていた。
防戦に回れば、捌ききれなくなるときが必ず来る。かといって、攻撃を当てることもまた難しいほどに身軽なのだった。
それが、シヨリュという女性である。
そして、ガハムサが惚れ込んだ女性でもあった。
ガハムサもまた、この街の警備隊に籍を置く剣士であった。
高い身長から繰り出される、重たい一撃は相手の武器を破壊することもあるという。
シヨリュとは真逆のパワーファイターである。
反面、性格は純情で柔和。一度、彼と話をすればほんわかするといわれるほどに、やや天然が入ってたりする。
そんな彼が、シヨリュに告白したのは三ヶ月ほど前に遡る。
出された条件が、「一騎打ちの模擬戦で勝つこと」だった。
これでも警備隊の中では上位だという自負があった、ガハムサ。
快く引き受け、サッとシヨリュとのデートでも取り付けようと思っていたのだったが、結果は惨敗。
その時の様子を、同僚Aは「子供にあしらわれる大人の図」と語っていた。
●
「どうすれば……いいんだ」
「100敗は、さすがにマズイよね。シヨリュちゃんも、呆れるかも」
「あき……れる?」
「いや、もしかしたら、そんな軟弱モノは嫌いかもしれないなぁ」
「きら……われる?」
街にある酒場の一つで、同僚Aはガハムサをからかっていた。
シヨリュのことになると、頭が回らなくなるらしい。
「いやはや、困ったものだねぇ」
「どどど、どうしよう。嫌われたら、オレ、生きていけねぇよぉ」
半べそをかきながら、同僚に訴えかける大柄な男がそこにいた。
同僚は、やりすぎたかなと思う反面、あらゆる意味で100戦目は節目だとも思っていた。こういうとき、自分には何も出来はしない。
自分ができないのならば、他力本願だ。
「外野のアドバイザーを招いたらどうだ?」
「アドバイザー?」
「そう。シヨリュに勝つために、お前がどうしたらいいのか考えてくれる人だな」
「そんな人がいるのか!」
天啓を得たといわんばかりの驚きを顔ににじませ、ガハムサは同僚の肩を掴んだ。
「まぁ、どう転ぶかはわからないが任せておけ」
何を任せろというのかは、わからないが、なんとかなるだろうと同僚は構える。
頼んだと何度も頭を下げる、ガハムサを裏切れないなとぼんやり思うのだった。
●
「ねえ、ガハムサと付き合うのは別にいいんでしょ?」
「……うん」
「なんで、また、やっちゃったのよ……」
「……うん」
一方コチラは、警備隊女子寮。
シヨリュもまた、同僚に慰められていた。
ガハムサのことは嫌いじゃない、むしろ、好ましくすら思っている。
あれだけ自分のことを一途に思ってくれるのだから、これほど嬉しい事もない。
で、あるのにも関わらず今日も説教してしまった。
「あんたが勝負に負けたくないってのもわかるけど、そろそろ潮時かもね」
「ふぇ!?」
「だって、100戦目でしょ? これでだめなら、ガハムサも諦めるんじゃない?」
「それは、困ります! 彼に勝ってもらわないと!」
「だったら、手加減しなよ」
それはできないと強く頭を振る。
そりゃそうかと友人も諦めムードだ。それができていれば、とっくにがハムサと付き合っているはずなのだから。
「まぁ、とにかく、どう転んでもうまくいくように考えておきな」
「……うん」
その顔は悩める恋する乙女のソレであったという。
リア充爆発しろ!というには、まだ早い。
●
「と、いうわけでガハムサさんを勝たせよう!という依頼です」
スタッフは黒い笑顔で告げる。
「相思相愛なのに、すれ違ってんですね、畜生うらやましくねぇぞ、こんちくしょう」
本音が駄々漏れであった。
「一応、シヨリュさんからもどう転んでもいいようにアドバイス欲しいとのことでした。ハハッ、友人にも恵まれていて羨ましいデスね」
このままではスタッフの精神に重大な影響が与えられかねない。
黒い笑顔のままスタッフは手短に内容を確認する。
「ガハムサさんがシヨリュさんと一騎打ちしても勝てるように鍛えたり、アドバイスしたり、武器を整えたりですかね。武器は模造刀なので、あまり大きな改造はできませんが」
それから、と告げて飲み物を一口。
「シヨリュさんがどう転んでも彼と付き合えるように、恋する乙女にアドバイスってところでしょうか。こっちはおまけみたいなものですが」
アフターケアも大事なお仕事である。
できれば、このスタッフにもアフターケアを……と同僚は思うのだった。
「リア充暴発しろ」
小さなスタッフの呟きは聞こえないことにした。
「好きだぁああああああ!」
練兵場に響く間違いな叫び。声の主は、身長2メートル近い大男、ガハムサである。
気合の叫びを繰り返しながら、ガハムサは大剣を振り回す。
対峙するのは、長い黒髪をうなじでまとめあげている女性だった。
「ふん」
一息で、ガハムサの大剣を捌いた女性は、そのままの勢いで懐に潜り込む。
密着するような距離から、真っ直ぐにレイピアを突き立てた。
「訓練用の模造刀でなければ、死んでいましたね」
鈴を転がしたような、愛らしい声で女性は告げる。
ガハムサの肩に頭頂部がくるぐらいの小柄な女性だ。
「これで、何度目でしたっけ」
「今月は12回目、通算99回だ」
ガハムサはゆっくりと後退し、レイピアの射程から外れながら答える。
クスクスと笑い声を上げながら、女性はレイピアを収めた。
「100回挑戦してもダメなら、本格的に私への愛が足りないのではないでしょうか」
「ぐ、ぐぬぬ。しかし、愛する相手に本気で刃を向けるというのは……」
臆面もなく言い放つガハムサの言葉に、女性は顔を背ける。
しまった、とガハムサが思った時には遅かった。
「私のほうが強い、と周りから思われたままでいいのですか?」
鈴なく声が冷ややかになる。
説教モードに切り替わったのだとガハムサは悟った。
条件反射的に、正座をして待つ。
「そもそも、あなたは私が出した条件を飲むといったのです。男に二言はない、約束を曲げるはずがないとあなたはおっしゃいましたよね」
こうなると、長くなる。
いつもながらの光景だなぁと傍から見ていた、同僚はしみじみと思った。
女性の名前は、シヨリュ。
この街の警備隊に所属する女性隊員だ。小柄で尻尾のような長い黒髪をパタパタさせているのが、トレードマーク。説教されたい隊員ナンバーワンという声もある。
が、レイピアをもたせれば別人のように鋭い目つきになる。
軽い身体から繰り出される連撃は、暴風雨のようだと揶揄されていた。
防戦に回れば、捌ききれなくなるときが必ず来る。かといって、攻撃を当てることもまた難しいほどに身軽なのだった。
それが、シヨリュという女性である。
そして、ガハムサが惚れ込んだ女性でもあった。
ガハムサもまた、この街の警備隊に籍を置く剣士であった。
高い身長から繰り出される、重たい一撃は相手の武器を破壊することもあるという。
シヨリュとは真逆のパワーファイターである。
反面、性格は純情で柔和。一度、彼と話をすればほんわかするといわれるほどに、やや天然が入ってたりする。
そんな彼が、シヨリュに告白したのは三ヶ月ほど前に遡る。
出された条件が、「一騎打ちの模擬戦で勝つこと」だった。
これでも警備隊の中では上位だという自負があった、ガハムサ。
快く引き受け、サッとシヨリュとのデートでも取り付けようと思っていたのだったが、結果は惨敗。
その時の様子を、同僚Aは「子供にあしらわれる大人の図」と語っていた。
●
「どうすれば……いいんだ」
「100敗は、さすがにマズイよね。シヨリュちゃんも、呆れるかも」
「あき……れる?」
「いや、もしかしたら、そんな軟弱モノは嫌いかもしれないなぁ」
「きら……われる?」
街にある酒場の一つで、同僚Aはガハムサをからかっていた。
シヨリュのことになると、頭が回らなくなるらしい。
「いやはや、困ったものだねぇ」
「どどど、どうしよう。嫌われたら、オレ、生きていけねぇよぉ」
半べそをかきながら、同僚に訴えかける大柄な男がそこにいた。
同僚は、やりすぎたかなと思う反面、あらゆる意味で100戦目は節目だとも思っていた。こういうとき、自分には何も出来はしない。
自分ができないのならば、他力本願だ。
「外野のアドバイザーを招いたらどうだ?」
「アドバイザー?」
「そう。シヨリュに勝つために、お前がどうしたらいいのか考えてくれる人だな」
「そんな人がいるのか!」
天啓を得たといわんばかりの驚きを顔ににじませ、ガハムサは同僚の肩を掴んだ。
「まぁ、どう転ぶかはわからないが任せておけ」
何を任せろというのかは、わからないが、なんとかなるだろうと同僚は構える。
頼んだと何度も頭を下げる、ガハムサを裏切れないなとぼんやり思うのだった。
●
「ねえ、ガハムサと付き合うのは別にいいんでしょ?」
「……うん」
「なんで、また、やっちゃったのよ……」
「……うん」
一方コチラは、警備隊女子寮。
シヨリュもまた、同僚に慰められていた。
ガハムサのことは嫌いじゃない、むしろ、好ましくすら思っている。
あれだけ自分のことを一途に思ってくれるのだから、これほど嬉しい事もない。
で、あるのにも関わらず今日も説教してしまった。
「あんたが勝負に負けたくないってのもわかるけど、そろそろ潮時かもね」
「ふぇ!?」
「だって、100戦目でしょ? これでだめなら、ガハムサも諦めるんじゃない?」
「それは、困ります! 彼に勝ってもらわないと!」
「だったら、手加減しなよ」
それはできないと強く頭を振る。
そりゃそうかと友人も諦めムードだ。それができていれば、とっくにがハムサと付き合っているはずなのだから。
「まぁ、とにかく、どう転んでもうまくいくように考えておきな」
「……うん」
その顔は悩める恋する乙女のソレであったという。
リア充爆発しろ!というには、まだ早い。
●
「と、いうわけでガハムサさんを勝たせよう!という依頼です」
スタッフは黒い笑顔で告げる。
「相思相愛なのに、すれ違ってんですね、畜生うらやましくねぇぞ、こんちくしょう」
本音が駄々漏れであった。
「一応、シヨリュさんからもどう転んでもいいようにアドバイス欲しいとのことでした。ハハッ、友人にも恵まれていて羨ましいデスね」
このままではスタッフの精神に重大な影響が与えられかねない。
黒い笑顔のままスタッフは手短に内容を確認する。
「ガハムサさんがシヨリュさんと一騎打ちしても勝てるように鍛えたり、アドバイスしたり、武器を整えたりですかね。武器は模造刀なので、あまり大きな改造はできませんが」
それから、と告げて飲み物を一口。
「シヨリュさんがどう転んでも彼と付き合えるように、恋する乙女にアドバイスってところでしょうか。こっちはおまけみたいなものですが」
アフターケアも大事なお仕事である。
できれば、このスタッフにもアフターケアを……と同僚は思うのだった。
「リア充暴発しろ」
小さなスタッフの呟きは聞こえないことにした。
解説
●目的
ガハムサを勝たせ、恋愛を成就させる。
●ガハムサとシヨリュ
互いの戦いのスタイルはオープニングのとおりです。
パワーファイタータイプのガハムサとテクニカル重視のシヨリュ。
相反する戦闘スタイルだからこそ、ガハムサは苦慮しているともいえます。
使用するのは、訓練用の模擬武器です。
変わらずシヨリュはレイピアを使用します。
ガハムサについては、アドバイス内で変更・多少の改造は可能とします。
戦場は訓練場です。
いわゆる道場のようなものを想起してください。
●恋するアドバイス
シヨリュは勝つつもりで戦いに挑みます。
故に彼女も悩んでいます。
何か乙女なアドバイスしてあげると、より戦いに集中できるでしょう。
ガハムサにとってそれがよいのかは謎ですが。
ガハムサを勝たせ、恋愛を成就させる。
●ガハムサとシヨリュ
互いの戦いのスタイルはオープニングのとおりです。
パワーファイタータイプのガハムサとテクニカル重視のシヨリュ。
相反する戦闘スタイルだからこそ、ガハムサは苦慮しているともいえます。
使用するのは、訓練用の模擬武器です。
変わらずシヨリュはレイピアを使用します。
ガハムサについては、アドバイス内で変更・多少の改造は可能とします。
戦場は訓練場です。
いわゆる道場のようなものを想起してください。
●恋するアドバイス
シヨリュは勝つつもりで戦いに挑みます。
故に彼女も悩んでいます。
何か乙女なアドバイスしてあげると、より戦いに集中できるでしょう。
ガハムサにとってそれがよいのかは謎ですが。
マスターより
リア充暴発しろ、御影堂です。
今回は、自分が戦うのではなく、戦う人を鍛えるシナリオです。
ガハムサさんとシヨリュさんの実際の戦闘シーンは、ちゃちゃや反応を入れていただければ拾います。ここについてはダイジェスト気味になる予定です。
あくまでアドバイスや鍛えることが主眼で、あと、シヨリュへの恋愛アドヴァイス(ネイティブ発音)。
素敵なプレイングを、ぜひともお待ちしております。
今回は、自分が戦うのではなく、戦う人を鍛えるシナリオです。
ガハムサさんとシヨリュさんの実際の戦闘シーンは、ちゃちゃや反応を入れていただければ拾います。ここについてはダイジェスト気味になる予定です。
あくまでアドバイスや鍛えることが主眼で、あと、シヨリュへの恋愛アドヴァイス(ネイティブ発音)。
素敵なプレイングを、ぜひともお待ちしております。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/12/06 03:43
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/11/27 10:35:58 |
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相談卓 エリシャ・カンナヴィ(ka0140) エルフ|13才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2014/11/27 14:07:31 |