ゲスト
(ka0000)
立ち退いていただきます
マスター:KINUTA

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在5人 / 3~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2017/12/18 22:00
- リプレイ完成予定
- 2017/12/27 22:00
オープニング
●マゴイの仕事
マゴイは市民生産機関の最奥にいた。
彼女の前にはチューブに取り巻かれた5メートルほどの建造物がある。
これこそはウテルス――市民生産機関の神聖なる心臓部。共同体社会の子宮。
部外者にとってはグロテスクにも見えるが、マゴイにとってはいかにも小さくか弱げで、守ってやらなければならないという気持ちにさせるもの。
実際の大きさがどうこうという問題ではない。確かにこのウテルスはユニオンで通常使用されていたものに比べれば、おもちゃのような大きさなのだが――たとえこれが100メートル規模のものだとしても、彼女は、やっぱり同じ感想を抱いただろう。
『……早くあなたが動かせるようになるといいのだけれど……』
呟いてマゴイは、そうっと場を後にする。眠っている子を起こすまいとするかのように。
亜空間から戻ってきたばかりだが、やることはたくさんある。
ワーカーたちの視察から得た情報を分析してみた結果、収穫が幾つかあった。
ハンターたちはワーカーたちに絵を見せて意思を伝えようとしていた。ワーカーたちは、一定の割合でそれを理解していた。『コボちゃん』という個体の助けもあるが、それでもとにかく意味を解していた。
あのやり方はいい。彼らに文字を覚えさせるのに役立ちそうだ。
それと輪を投げる遊び。あの程度のものならすぐ設置出来る。休日の際のよいレクリエーションになるだろう。
この世界の文化レベルについて言えば、一部はなんとか資本主義に到達しているが、大半は封建制を脱する段階に届いていない。社会意識が技術向上に追いついていない印象を受ける。
(……これでは家族も……なかなかなくならないわね……何かあった場合頼るべき公的機関がないのだから……)
つらつら考えながら地上に出てきたマゴイは、いつものように見回りを始めた。
そこにコボルドたちが走ってくる。
「まごーい」
「まごーい、にんぎょきた」
「すいろのぼってきた」
水路へ行ってみれば確かに、人魚たちが来ていた。
「ああ、精霊様おられましたか。実はあなた様へ手紙を預かっていまして――」
と言いながら、閉じた二枚貝を差し出てくる。
二枚貝がぱかりと口を開けた。その中には、巻かれた書簡が入っていた。
●魔術師協会の仕事
その日魔術師協会職員のタモンは休日だったのだが、上司から以下の呼び出しを受け、急ぎ出勤することになった。
「タモンくん、悪いが出てきてくれ。スペットくんも呼んでくれたまえ。グリーク商会というところがだね、マゴイの住んでいる場所を見つけたと言って来たんだ。資料も持ち込んできたんだが、我々だけでは真偽の判別がつきがたくて」
「間違いなくマゴイさんの島であるということでよろしいですね?」
「あー、間違いないわ。こんな分かりやすいもん作るのあいつしかおらへんわ」
と言ってスペットは、海中から突き出た柱の写真に半眼を向けた。
グリーク商会次期会長ニケ・グリークは満足げに両手を組み、椅子の背もたれに身を預ける。
「よかった。これで話を次に進められそうです」
タモンは彼女が持ってきた海図を見ている。
そこには点線で瓢箪が描かれていた。海にそびえている柱の周囲を巡って測定し図に表してみた結果、そのような形となったらしい――海賊の地図に描かれている宝島と、ほぼ同じ形状だ。
どうも違和感が拭えない。これまでマゴイは、現在地に関しての情報公開を拒んでいたように思えるのに、こうも存在を誇示するものを設置するというのは……。
「どういうことなんでしょうか、スペットさん」
「んー、誇示するつもりはないけど、背に腹は変えられんちゅう感じやと思うで。これだけの規模の結界作ろうと思うたら、どうしたって発動の触媒を巨大化せんとあかんし」
「あ、この柱そうすると……護符みたいなものですか?」
「まあ、そんな感じや」
ニケは2人の会話を逐一頭に入れつつ、言う。
「警戒心の強い方なんですね」
「マゴイちゅうたらそんなもんや。で、あんたの話てなんやねん」
その問にたいしてニケは、一つの書状を取り出す。それは彼女がマゴイに当てて送ったものの写しだった。
内容を読んだタモンとスペットは驚愕する。
「保養所建設の土地を提供するやと!」
「本気ですか!?」
「本気です。我がグリーク商会は、マゴイさんと商取引がしたいと思っています。そのためにはまず先方の望むところを提供し、信用してもらいませんと。そうすれば、寄港の許可もいただきやすくなりますでしょう? つきましては、以前から彼女と交流があるあなたがたとも協力関係を築きたいと思っています。取引を通じて商会が得た情報はあなたがたに渡します。その代わり彼女から物質的援助を求められた場合、その調達と配送を私たちに一任していただければと――」
●ハンターの仕事
ハンターたちが訪れたのは、とある鉱山町――いや、もう町と呼べるかどうかも分からないほど廃れ切った町だった。
以前は良質な鉄などが取れていたのだが、近年鉱脈が尽きてしまった。これまで鉱山一本で成り立ってきた町はうまく他路線への切り替えが出来なかった。揚げ句、鉱山の跡地と施設とその周辺の土地を全て(それは、町が有している土地の大半となるのだが)ポルトワールの業者に売り払ったのだとか。
「いやもう、有り難いことでした。困っておったんです。財政難のおり片付けようにも片付けられませんで……立ち退かせることもままならず」
禿げ散らかした町長はそう言って、住宅区を指さした。道はゴミだらけ、壁は落書きだらけ。すさんだ空気が満ち満ちている。
目の端が赤く爛れた男がつかつか近づいてきた。町長目がけ、唾を飛ばす勢いでどなった。
「俺たちは出ていかねえからな! 帰れ! こうなったのは何もかもてめえのせいだ!」
男がわめくだけわめいて戻って行くのを横目に、1人のハンターが聞く。
「で、どうしたらいいんですか」
「この一帯の住人を追い出してください。目ぼしい建物を全て壊してください。建物があるからいかんのです。彼らもいつまでも、ここを離れられないのです。住むところがなくなれば、きれいに諦めがつくでしょうよ」
町長の心情は、言葉ほどに冷たいものでは無さそうだった。丸いおでこには幾重もしわが刻まれ、厚ぼったい目はうっすら潤んでいる。
「金はもう貰っているんです。生活再建資金として彼らに渡す分も――あなたがたへの依頼料も含めて」
近づいてくる車輪の音が聞こえた。
車体に青十字のマークが記されている馬車だった。
ハンターたちの近くまで来て停車し、1人の娘が降りてくる。黒い引っ詰め髪をし眼鏡をかけた、いかにも頭の回転の良さそうな娘が。
「まだ整地が出来てないんですか? 困りますね町長さん」
解説
補足説明
これは、寂れた町の一角を更地に戻すお仕事です。
立ち退きを拒否しているのはおよそ50名。皆他に行くあてのない貧困者です。元は鉱夫としてちゃんと生活出来ていたのですが、鉱山が閉じてからは仕事らしい仕事もなく落ちぶれる一方です。
最後に出てきた娘は町を買い取った業者、ニケ・グリーク。
彼女に対して、または町長に対して質問等ある方は、遠慮なくどうぞ。聞いたことに全て答えられるとは限りませんが。
これは、寂れた町の一角を更地に戻すお仕事です。
立ち退きを拒否しているのはおよそ50名。皆他に行くあてのない貧困者です。元は鉱夫としてちゃんと生活出来ていたのですが、鉱山が閉じてからは仕事らしい仕事もなく落ちぶれる一方です。
最後に出てきた娘は町を買い取った業者、ニケ・グリーク。
彼女に対して、または町長に対して質問等ある方は、遠慮なくどうぞ。聞いたことに全て答えられるとは限りませんが。
マスターより
KINUTAです。
年越しの前に家屋整理が待っております。
再開発は出来るのでしょうか。
年越しの前に家屋整理が待っております。
再開発は出来るのでしょうか。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/12/23 22:20
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談場所 ソフィア =リリィホルム(ka2383) ドワーフ|14才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2017/12/18 19:38:42 |
|
![]() |
質問所 ソフィア =リリィホルム(ka2383) ドワーフ|14才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2017/12/18 19:34:49 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/12/17 08:57:40 |