ゲスト
(ka0000)
度胸試しはほどほどに
マスター:サトー

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/11/29 15:00
- リプレイ完成予定
- 2014/12/08 15:00
オープニング
日が落ちて幾刻が過ぎただろうか。
辺りはしんと静まりかえり、たまに吹く風に揺られた草木の音がやけに響いて聞こえる。草をはむ足音すら、耳元で囁かれているかのようだ。
「ね、ねえ。やっぱり止めにしない?」
でっぷりと太った少年が周囲をきょろきょろと見回しながら言った。その顔は先ほどから血の気が引いて、青ざめている。
「おいおい、もうギブアップか? エドモンド」
応じたのは、松明を持った中肉中背の平凡そうな少年。
「エドモンドは臆病ですからねぇ」
続いて、ひっひと長身の痩せた少年があざ笑った。
「まあまあ、ロメオ。エドモンドだって好きで臆病やってんじゃないんだからよ」
ロメオと呼ばれた長身の少年が引きつったような笑い声を強めた。
「そうですねぇ、ピーノ。あんまり責めてやっては、意地悪というものでしょうか」
二人の嘲笑に、エドモンドと呼ばれた太っちょの少年は怒ったように顔を赤くして、二人の前に出た。
「そ、そんなことないや! ぼ、ぼくが先頭に立ってやる!」
そう言って前に踏み出したエドモンドを、ピーノとロメオがはやし立てる。
「おうおう、かっこいいね、エドモンド!」
「その意気ですよ、エドモンド」
丘の頂上に至る道を、エドモンドを先頭にして、三人は進んでゆく。
程なくして着いたのは、打ち捨てられ、廃れてしまった墓地の跡。
かつては農場を見渡せる恵まれた風景にあった墓地も、現在はぼろっちい木の柵で申し訳程度に囲まれているくらいだ。
手入れのされなくなった墓石は、そこここが欠け落ち、中には真っ二つに割れ地面に倒れているものや、雑草に覆われて見えなくなってしまっているものもある。
草木はてんでばらばらに散りばめられ、放棄されて久しい無情さを匂わせていた。
「ひゅ~。想像以上にやばそうな雰囲気だな」
ピーノの声色は、愉快そうなの半分、にわかにもたげてきた恐怖ゆえのが半分だった。
「そ、そうですねぇ。これは、なんとも……」
ロメオもさすがに怖くなってきたのか、常日頃から青紫の色をした唇を一層曇らせていた。
エドモンドに至っては、先ほどの威勢もどこへやら、言葉をつむぐ余裕すら無く明らかにガタガタと膝が震えている。
『度胸試し』――それが今三人がこうして、わざわざこんな薄気味の悪い場所へやってきた理由だ。
町から一キロほど離れた旧墓地で、一人ずつ一番奥にある墓石を削って欠片を入手してくる。それが三人の定めたルールだった。
けれど――。
「なあなあ、やっぱり一人ずつっていうのは止めて、三人で行かないか?」
「それがいいですねぇ。うん、そうです」
エドモンドに意見を言う余裕は欠片もない。
ピーノとロメオの二人の言葉により、三人は墓地の中へと足を進める。
先頭は変わらずエドモンド。ピーノとロメオの二人はエドモンドを半ば後ろから押し出すようにして、無言で前に進む。三人とも恐怖で口が固まってきていた。
木枯らしが通り抜ける。ぶるっと体が震えたのはきっとそのせいだろう。
ふと、何か物音のようなものがして、ピーノとロメオは後ろを振り返った。
ピーノは松明を掲げて、何とか先を見通そうとする。
そして――、地面が何やらぼこりと浮き上がろうとしているのが見えた。
ごくりと喉が鳴る。
一体何が――。
二人の見つめる先に、それは頭をのぞかせた。
地面から現れたのは、明らかに人と分かる骸骨の成れの果て。
「うわあああああああああああああああああ」
ピーノとロメオは絶叫を上げて、来た道を全力で引き返した。途中地面からのぞいた骸骨の頭を蹴り飛ばしてしまったのにも気づかないほどに、無我夢中の走りだった。
だが、恐怖と焦燥に駆られた足は思うように動いてくれない。
夜空を飾る三日月の下、二人はもつれるように丘を転げ落ちると、町へとたどり着いた頃には息絶え絶えになっていた。
どうやら骸骨は追っかけてきてはいないようだった。
「な、なんだよ、あれ。やべえってもんじゃねえぞ……」
息を切らせながら呟くピーノに、ロメオも無言でうなずく。
体力の乏しいロメオには、もう喋る気力さえ残っていなかった。
そして、二人は気付いた。
「あ、あれ? エドモンドは……?」
辺りはしんと静まりかえり、たまに吹く風に揺られた草木の音がやけに響いて聞こえる。草をはむ足音すら、耳元で囁かれているかのようだ。
「ね、ねえ。やっぱり止めにしない?」
でっぷりと太った少年が周囲をきょろきょろと見回しながら言った。その顔は先ほどから血の気が引いて、青ざめている。
「おいおい、もうギブアップか? エドモンド」
応じたのは、松明を持った中肉中背の平凡そうな少年。
「エドモンドは臆病ですからねぇ」
続いて、ひっひと長身の痩せた少年があざ笑った。
「まあまあ、ロメオ。エドモンドだって好きで臆病やってんじゃないんだからよ」
ロメオと呼ばれた長身の少年が引きつったような笑い声を強めた。
「そうですねぇ、ピーノ。あんまり責めてやっては、意地悪というものでしょうか」
二人の嘲笑に、エドモンドと呼ばれた太っちょの少年は怒ったように顔を赤くして、二人の前に出た。
「そ、そんなことないや! ぼ、ぼくが先頭に立ってやる!」
そう言って前に踏み出したエドモンドを、ピーノとロメオがはやし立てる。
「おうおう、かっこいいね、エドモンド!」
「その意気ですよ、エドモンド」
丘の頂上に至る道を、エドモンドを先頭にして、三人は進んでゆく。
程なくして着いたのは、打ち捨てられ、廃れてしまった墓地の跡。
かつては農場を見渡せる恵まれた風景にあった墓地も、現在はぼろっちい木の柵で申し訳程度に囲まれているくらいだ。
手入れのされなくなった墓石は、そこここが欠け落ち、中には真っ二つに割れ地面に倒れているものや、雑草に覆われて見えなくなってしまっているものもある。
草木はてんでばらばらに散りばめられ、放棄されて久しい無情さを匂わせていた。
「ひゅ~。想像以上にやばそうな雰囲気だな」
ピーノの声色は、愉快そうなの半分、にわかにもたげてきた恐怖ゆえのが半分だった。
「そ、そうですねぇ。これは、なんとも……」
ロメオもさすがに怖くなってきたのか、常日頃から青紫の色をした唇を一層曇らせていた。
エドモンドに至っては、先ほどの威勢もどこへやら、言葉をつむぐ余裕すら無く明らかにガタガタと膝が震えている。
『度胸試し』――それが今三人がこうして、わざわざこんな薄気味の悪い場所へやってきた理由だ。
町から一キロほど離れた旧墓地で、一人ずつ一番奥にある墓石を削って欠片を入手してくる。それが三人の定めたルールだった。
けれど――。
「なあなあ、やっぱり一人ずつっていうのは止めて、三人で行かないか?」
「それがいいですねぇ。うん、そうです」
エドモンドに意見を言う余裕は欠片もない。
ピーノとロメオの二人の言葉により、三人は墓地の中へと足を進める。
先頭は変わらずエドモンド。ピーノとロメオの二人はエドモンドを半ば後ろから押し出すようにして、無言で前に進む。三人とも恐怖で口が固まってきていた。
木枯らしが通り抜ける。ぶるっと体が震えたのはきっとそのせいだろう。
ふと、何か物音のようなものがして、ピーノとロメオは後ろを振り返った。
ピーノは松明を掲げて、何とか先を見通そうとする。
そして――、地面が何やらぼこりと浮き上がろうとしているのが見えた。
ごくりと喉が鳴る。
一体何が――。
二人の見つめる先に、それは頭をのぞかせた。
地面から現れたのは、明らかに人と分かる骸骨の成れの果て。
「うわあああああああああああああああああ」
ピーノとロメオは絶叫を上げて、来た道を全力で引き返した。途中地面からのぞいた骸骨の頭を蹴り飛ばしてしまったのにも気づかないほどに、無我夢中の走りだった。
だが、恐怖と焦燥に駆られた足は思うように動いてくれない。
夜空を飾る三日月の下、二人はもつれるように丘を転げ落ちると、町へとたどり着いた頃には息絶え絶えになっていた。
どうやら骸骨は追っかけてきてはいないようだった。
「な、なんだよ、あれ。やべえってもんじゃねえぞ……」
息を切らせながら呟くピーノに、ロメオも無言でうなずく。
体力の乏しいロメオには、もう喋る気力さえ残っていなかった。
そして、二人は気付いた。
「あ、あれ? エドモンドは……?」
解説
◎スケルトンの生まれた墓地に一人取り残された少年を救出せよ!
依頼は緊急で、ハンターオフィスに駆けこんできた少年によってもたらされ、その場にいたあなたたちが応じたものだ。
目的:第一に少年の保護、第二に可能ならばスケルトンの殲滅。
敵:スケルトン(雑魔)。
数は不明(視認されたものは少なくとも四体とのこと)。
普段の動きは鈍いが、獲物を見つけると途端に機敏になり、全速力(成人の一般男性程度)で追いかけてくる
生まれたてのため、通常より脆く、足腰もあまり強くない。
視覚と聴覚(人間と同程度)で獲物を探す。腕力もちょっと鍛えた成人男性程度。
防具は無し。武器はこん棒や錆びた剣、中には無手のものもいる。
状況:墓地は五十メートル四方程度の広さ。
月明かりは頼りなく、辺りは暗くて視界が悪い。
少年は墓石の裏に隠れてじっとしているが、暗くて場所は分かりづらい。
魔法や道具で明かりをつければ簡単に見つけられるが、そうすると敵も気付いて一斉に襲いかかってくるだろう。
町まで引き連れてきては駄目。
スケルトンは獲物を見失うと再び墓地に戻っていくので、予期せぬ二次災害を心配する必要はない。
備考:頼めば村の馬を貸してくれますが、ハンターが購入できる乗用馬ほど速くはありません。
丘はそれほど急ではないが、全速力で駆け降りると転んでしまうかも?
少年たちには、これに懲りて危ない真似は止めて貰えれば良いのですが……。
依頼は緊急で、ハンターオフィスに駆けこんできた少年によってもたらされ、その場にいたあなたたちが応じたものだ。
目的:第一に少年の保護、第二に可能ならばスケルトンの殲滅。
敵:スケルトン(雑魔)。
数は不明(視認されたものは少なくとも四体とのこと)。
普段の動きは鈍いが、獲物を見つけると途端に機敏になり、全速力(成人の一般男性程度)で追いかけてくる
生まれたてのため、通常より脆く、足腰もあまり強くない。
視覚と聴覚(人間と同程度)で獲物を探す。腕力もちょっと鍛えた成人男性程度。
防具は無し。武器はこん棒や錆びた剣、中には無手のものもいる。
状況:墓地は五十メートル四方程度の広さ。
月明かりは頼りなく、辺りは暗くて視界が悪い。
少年は墓石の裏に隠れてじっとしているが、暗くて場所は分かりづらい。
魔法や道具で明かりをつければ簡単に見つけられるが、そうすると敵も気付いて一斉に襲いかかってくるだろう。
町まで引き連れてきては駄目。
スケルトンは獲物を見失うと再び墓地に戻っていくので、予期せぬ二次災害を心配する必要はない。
備考:頼めば村の馬を貸してくれますが、ハンターが購入できる乗用馬ほど速くはありません。
丘はそれほど急ではないが、全速力で駆け降りると転んでしまうかも?
少年たちには、これに懲りて危ない真似は止めて貰えれば良いのですが……。
マスターより
はじめまして、サトーと申します。
MS初作品となります。
拙い文章ではありますが、どうかご寛恕のほどよろしくお願いいたします。
MS初作品となります。
拙い文章ではありますが、どうかご寛恕のほどよろしくお願いいたします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/12/01 20:42
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 リンカ・エルネージュ(ka1840) 人間(クリムゾンウェスト)|17才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2014/11/29 13:27:04 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/11/24 14:51:23 |