ゲスト
(ka0000)
とある畑のミミズ退治
マスター:柏木雄馬

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/12/01 12:00
- リプレイ完成予定
- 2014/12/10 12:00
オープニング
『傲慢』の歪虚、ベリアルが復活し、王都イルダーナに対して攻撃を仕掛けている──
グラズヘイムの大手新聞社『ヘルメス情報局』によって出された号外による速報は、それまでにない早さでもって王国中に知らしめられた。
王国北部──俗に北部亜人地帯と呼ばれる王国辺境部にその報せが届いたのは、事件の発生より10日後。その事実は北部の村々に住む人々に衝撃と共に迎えられた。酒場で、或いは井戸端で── 語られる話題は噂話を呼び、無責任な流言飛語を生んだ。
王都は既に陥落し、この北部にもすぐに歪虚の群れが押し寄せてくるらしい──
いや、亡き先王アレクシウス・グラハム陛下の威霊が現れ、五年前の様にベリアルを追い払って王都と王女殿下を守りたもうたそうだ──
顔面を蒼白にして避難の準備を始める者。或いは、酔った赤ら顔で酒の肴に語り合う者── 村長ら『有力者』たちが『対策会議』とやらに小田原評定を繰り返す。
そんな騒然とした雰囲気の中── 辺境の村落には似つかわしくない紳士が二人。村唯一の宿屋のテラス──庭先に放置されていたテーブルと椅子を彼らが勝手にそう呼んでいる──に座り、落ち着き払った態度で紅茶を飲みながら、人々の狂態を眺めていた。
「村人たちが騒いでおるな。なんでも王都に歪虚が攻め寄せて来たとか」
「ふむ。だからどうした、という話ではないかね。王都が陥ちれば王国自体が終わる。王都が持ち堪えればこの村には何の影響もない。どちらにせよ、ここの人々が騒いだ所で出来ることは何もないのだ。それならば常と変わらぬ日々を粛々と過ごせばよいではないか。村人たちの騒ぎようは、まったくもって論理的ではない」
そう語る2人の紳士(然とした男たち)は、とある実験の為に古都アークエルスよりやって来た『農学者』と『生物学者』だった。
実験内容は『村の畑の土壌の改良』。王国北部は荒地や痩せた土地が多く、耕作にはなかなか適さない。これをなんとか出来ないか、というのが彼らの研究テーマだった。
「予定では、昨晩は馳走でもてなされるはずだったのだがな。騒がしいことだ」
「まったくだ。我らは変わらぬ日々を過ごすとしよう」
呟き、椅子から立ち上がる学者たち。騒然とする村の中を落ち着き払った態度で歩き…… やがて、村外れの小さな畑へ辿り着く。そこが彼らの実験場──村から貸与された、耕作放棄された畑だった。かつての耕作者は開拓を諦め、家族ぐるみで王都へ移住したという話だったが、歪虚に襲われた王都で今頃、彼らがどうしているか、などという話は、村人たちなどならともかく、とりあえず学者たちには関係ない。
「荒れ切っておるな。畑の表面はヒビが割れ、生えた野草すら枯れておる」
「これをなんとかするのは手間であるな。本来、土壌改良は長い年月をかけて行うものであるが……」
「だからこそ、私たちの実験が役に立とうというもの」
学者たちは下働きに雇った村人たちに命じ、畑を耕せさせた。さらに、農学者がアークエルスから持参して来た『肥料』をそこに撒き。貯水池から運んで来た水を蓄え、農学者が研究・開発している『栄養剤』を混ぜ、散水にはこの水を撒くよう指示を出す。
一方、生物学者は、アークエルスから運んで来たミミズを満遍なく畑に放った。
「ミミズは畑の土壌を改良する。しかも、土壌改良を効率良く行えるよう、それ用に私が改良を重ねた実験種だ」
「私の開発した肥料と栄養剤も、痩せた土地を劇的に改善する効果があるはずだ。本来ならその栄養も一~数作で失われるものだが、君の実験ミミズと合わせることでその効果は大幅に延長されるはず」
はっ、はっ、はっ、と紳士的に高笑いする学者先生2人。本当に大丈夫か、あの人たち…… と顔を見合わせる大人たちに混ざって、子供たちが興味津々な顔をして作業の手伝いを買って出る。──田舎の村に娯楽は少ない。大人たちが難しい顔して歪虚の話で持ちきりの昨今、外から来た教授たちの『実験』は、子供たちにとって新たな娯楽の一種であった。
数日後──
学者たちの実験の成果が出たのか、畑に最初の芽が生えた。
それは異様な光景であった。畑はまるで緑の絨毯を敷き詰めたかのように新芽で多い尽くされていた。
それは異様な光景であった…… その畑には、夥しい数の新芽だけでなく── 巨大なミミズも生えていた。
全長数mにも届かんとする──胴回りだけで優に子供の腰回りを超える──その巨大なミミズは、集まり、その威容にあっけにとられる村人たちを高みから睥睨していた。そこへやって来る通りすがりの猪が1匹。新芽を喰らおうと畑に立ち入り…… 次の瞬間、目にも留まらぬ速さで振り降りてきたミミズの頭に丸呑みにされた。
呑み込まれ、ゴクリとミミズの『腹』へと落ちる猪。どよめき、後ずさる村人たちをよそにその『頭』がガパッと4つに開き、牙だらけの口中を広げながら。そこから4本の触手をうねらせつつ声にならない哄笑を上げる。
「どうしてこうなったっ!?」
慌てて走り寄る農学者──もとい。アークエルスの『魔法農学者』が叫ぶ。彼が作った肥料と栄養剤は、『あの』とんでも都市、アークエルスで研究、開発された物。
生物学者──もとい、なんちゃら生物学者の彼もまた同様。彼が実験を繰り返したミミズも、アークエルスで育ち、獲ったもの。つまり、『何が起こっても不思議ではない』。
「ぬぅ。様々な要因が複合的に絡み合った結果、巨大化したか? 土壌改良効果も何十倍! まさに劇的な改善であるな!」
いや、確かに劇的ではあるけれども。村人は無言で畑に指を差した。その差す先で、通りすがりの猿の集団が畑に入ろうとしてミミズに威嚇されて追い払われていた。どうやら畑に入る存在を攻撃するらしい。縄張りを守っているつもりなのかなんなのか、あれでは自分たちも収穫もできない。
「いっそアレを名物にして観光名所にでもすればどうかね?」
「嫌ですよ。今は畑で大人しいですけど、いつ暴れだすか分からないじゃないですか」
「むぅ、そうか、惜しいのぉ。今度、同じことをしたとしても、今回のこの現象が再現できるかわからんというのに……」
学者たちは惜しみつつもすぐに頭を切り替えた。どちらのせよ、今回の『失敗』を次に繋げる為には、あのミミズや畑を解析する必要がある。
「よし、では、ハンターたちにあのミミズの打倒を依頼しよう」
おお~、と湧く村人たち。繰り返しになるが、田舎の村に娯楽は少ないのだ──
グラズヘイムの大手新聞社『ヘルメス情報局』によって出された号外による速報は、それまでにない早さでもって王国中に知らしめられた。
王国北部──俗に北部亜人地帯と呼ばれる王国辺境部にその報せが届いたのは、事件の発生より10日後。その事実は北部の村々に住む人々に衝撃と共に迎えられた。酒場で、或いは井戸端で── 語られる話題は噂話を呼び、無責任な流言飛語を生んだ。
王都は既に陥落し、この北部にもすぐに歪虚の群れが押し寄せてくるらしい──
いや、亡き先王アレクシウス・グラハム陛下の威霊が現れ、五年前の様にベリアルを追い払って王都と王女殿下を守りたもうたそうだ──
顔面を蒼白にして避難の準備を始める者。或いは、酔った赤ら顔で酒の肴に語り合う者── 村長ら『有力者』たちが『対策会議』とやらに小田原評定を繰り返す。
そんな騒然とした雰囲気の中── 辺境の村落には似つかわしくない紳士が二人。村唯一の宿屋のテラス──庭先に放置されていたテーブルと椅子を彼らが勝手にそう呼んでいる──に座り、落ち着き払った態度で紅茶を飲みながら、人々の狂態を眺めていた。
「村人たちが騒いでおるな。なんでも王都に歪虚が攻め寄せて来たとか」
「ふむ。だからどうした、という話ではないかね。王都が陥ちれば王国自体が終わる。王都が持ち堪えればこの村には何の影響もない。どちらにせよ、ここの人々が騒いだ所で出来ることは何もないのだ。それならば常と変わらぬ日々を粛々と過ごせばよいではないか。村人たちの騒ぎようは、まったくもって論理的ではない」
そう語る2人の紳士(然とした男たち)は、とある実験の為に古都アークエルスよりやって来た『農学者』と『生物学者』だった。
実験内容は『村の畑の土壌の改良』。王国北部は荒地や痩せた土地が多く、耕作にはなかなか適さない。これをなんとか出来ないか、というのが彼らの研究テーマだった。
「予定では、昨晩は馳走でもてなされるはずだったのだがな。騒がしいことだ」
「まったくだ。我らは変わらぬ日々を過ごすとしよう」
呟き、椅子から立ち上がる学者たち。騒然とする村の中を落ち着き払った態度で歩き…… やがて、村外れの小さな畑へ辿り着く。そこが彼らの実験場──村から貸与された、耕作放棄された畑だった。かつての耕作者は開拓を諦め、家族ぐるみで王都へ移住したという話だったが、歪虚に襲われた王都で今頃、彼らがどうしているか、などという話は、村人たちなどならともかく、とりあえず学者たちには関係ない。
「荒れ切っておるな。畑の表面はヒビが割れ、生えた野草すら枯れておる」
「これをなんとかするのは手間であるな。本来、土壌改良は長い年月をかけて行うものであるが……」
「だからこそ、私たちの実験が役に立とうというもの」
学者たちは下働きに雇った村人たちに命じ、畑を耕せさせた。さらに、農学者がアークエルスから持参して来た『肥料』をそこに撒き。貯水池から運んで来た水を蓄え、農学者が研究・開発している『栄養剤』を混ぜ、散水にはこの水を撒くよう指示を出す。
一方、生物学者は、アークエルスから運んで来たミミズを満遍なく畑に放った。
「ミミズは畑の土壌を改良する。しかも、土壌改良を効率良く行えるよう、それ用に私が改良を重ねた実験種だ」
「私の開発した肥料と栄養剤も、痩せた土地を劇的に改善する効果があるはずだ。本来ならその栄養も一~数作で失われるものだが、君の実験ミミズと合わせることでその効果は大幅に延長されるはず」
はっ、はっ、はっ、と紳士的に高笑いする学者先生2人。本当に大丈夫か、あの人たち…… と顔を見合わせる大人たちに混ざって、子供たちが興味津々な顔をして作業の手伝いを買って出る。──田舎の村に娯楽は少ない。大人たちが難しい顔して歪虚の話で持ちきりの昨今、外から来た教授たちの『実験』は、子供たちにとって新たな娯楽の一種であった。
数日後──
学者たちの実験の成果が出たのか、畑に最初の芽が生えた。
それは異様な光景であった。畑はまるで緑の絨毯を敷き詰めたかのように新芽で多い尽くされていた。
それは異様な光景であった…… その畑には、夥しい数の新芽だけでなく── 巨大なミミズも生えていた。
全長数mにも届かんとする──胴回りだけで優に子供の腰回りを超える──その巨大なミミズは、集まり、その威容にあっけにとられる村人たちを高みから睥睨していた。そこへやって来る通りすがりの猪が1匹。新芽を喰らおうと畑に立ち入り…… 次の瞬間、目にも留まらぬ速さで振り降りてきたミミズの頭に丸呑みにされた。
呑み込まれ、ゴクリとミミズの『腹』へと落ちる猪。どよめき、後ずさる村人たちをよそにその『頭』がガパッと4つに開き、牙だらけの口中を広げながら。そこから4本の触手をうねらせつつ声にならない哄笑を上げる。
「どうしてこうなったっ!?」
慌てて走り寄る農学者──もとい。アークエルスの『魔法農学者』が叫ぶ。彼が作った肥料と栄養剤は、『あの』とんでも都市、アークエルスで研究、開発された物。
生物学者──もとい、なんちゃら生物学者の彼もまた同様。彼が実験を繰り返したミミズも、アークエルスで育ち、獲ったもの。つまり、『何が起こっても不思議ではない』。
「ぬぅ。様々な要因が複合的に絡み合った結果、巨大化したか? 土壌改良効果も何十倍! まさに劇的な改善であるな!」
いや、確かに劇的ではあるけれども。村人は無言で畑に指を差した。その差す先で、通りすがりの猿の集団が畑に入ろうとしてミミズに威嚇されて追い払われていた。どうやら畑に入る存在を攻撃するらしい。縄張りを守っているつもりなのかなんなのか、あれでは自分たちも収穫もできない。
「いっそアレを名物にして観光名所にでもすればどうかね?」
「嫌ですよ。今は畑で大人しいですけど、いつ暴れだすか分からないじゃないですか」
「むぅ、そうか、惜しいのぉ。今度、同じことをしたとしても、今回のこの現象が再現できるかわからんというのに……」
学者たちは惜しみつつもすぐに頭を切り替えた。どちらのせよ、今回の『失敗』を次に繋げる為には、あのミミズや畑を解析する必要がある。
「よし、では、ハンターたちにあのミミズの打倒を依頼しよう」
おお~、と湧く村人たち。繰り返しになるが、田舎の村に娯楽は少ないのだ──
解説
1.状況と目的
状況はOP本文の通りです。
王国北部のとある村。複合的な魔法公害的原因により魔法生物と化して巨大化・怪物化した巨大ミミズを退治してください。
2.戦場
実験に使われた村の外れの畑。広さは50m×50m。なんか巨大な草の新芽がびっしり生えており、根っこもびっちり。
ミミズによって程よくふわふわに耕されており、色んな意味で足場は良くない。根のつまった畝の部分は比較的固くなっているよう。
3.敵
魔法生物『巨大ミミズ』×1 (※OPの画像はイメージです)
なんか色んな複合的要因により巨大化したミミズ……っぽいモンスター。全長10m。胴回りは子供の腰回りくらいある。
その頭部はバイ○ハザードっぽく4つに割れ、牙だらけの口中でもってガブリと噛み付き、喰らいついてはゴリゴリ削る。
また、その口中からはキャリ○ンクロウラーばりに4本の長い触手が生えていて、そこに生えた無数の棘から麻痺毒を注入してくる。
他の攻撃方法は『尻尾』や『胴』の巻きつきやら薙ぎ払いやら弾き飛ばしやら。胴を縮めてから矢の様に跳んで来たりも。
また、高速で土を『食べる』ことにより地中に潜ったり地中を移動したりも出来る。通った後の土は程よく空気が混じってふわふわのもこもこに。
状況はOP本文の通りです。
王国北部のとある村。複合的な魔法公害的原因により魔法生物と化して巨大化・怪物化した巨大ミミズを退治してください。
2.戦場
実験に使われた村の外れの畑。広さは50m×50m。なんか巨大な草の新芽がびっしり生えており、根っこもびっちり。
ミミズによって程よくふわふわに耕されており、色んな意味で足場は良くない。根のつまった畝の部分は比較的固くなっているよう。
3.敵
魔法生物『巨大ミミズ』×1 (※OPの画像はイメージです)
なんか色んな複合的要因により巨大化したミミズ……っぽいモンスター。全長10m。胴回りは子供の腰回りくらいある。
その頭部はバイ○ハザードっぽく4つに割れ、牙だらけの口中でもってガブリと噛み付き、喰らいついてはゴリゴリ削る。
また、その口中からはキャリ○ンクロウラーばりに4本の長い触手が生えていて、そこに生えた無数の棘から麻痺毒を注入してくる。
他の攻撃方法は『尻尾』や『胴』の巻きつきやら薙ぎ払いやら弾き飛ばしやら。胴を縮めてから矢の様に跳んで来たりも。
また、高速で土を『食べる』ことにより地中に潜ったり地中を移動したりも出来る。通った後の土は程よく空気が混じってふわふわのもこもこに。
マスターより
伯父の葬儀から帰宅しました。柏木雄馬です。
私事の事情で色々あって最近、ダウナー(?)な柏木ですが、また心機一転、やっていければなー、と思っております。
まぁ、その落ち着いてから初めの1作目がこんな感じというのが柏木的というかなんというか。
柏木分類『戦闘系』。敵を倒すことが目的のシナリオとなっております。
私事の事情で色々あって最近、ダウナー(?)な柏木ですが、また心機一転、やっていければなー、と思っております。
まぁ、その落ち着いてから初めの1作目がこんな感じというのが柏木的というかなんというか。
柏木分類『戦闘系』。敵を倒すことが目的のシナリオとなっております。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/12/09 07:36
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/11/28 21:21:34 |
|
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相談用 アデリシア・R・時音(ka0746) 人間(クリムゾンウェスト)|26才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2014/12/01 01:38:13 |