ゲスト
(ka0000)
容疑者X氏の風聞集
マスター:ムジカ・トラス

- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
アム・シェリタ―揺籃館―- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
1,500
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/12/23 22:00
- リプレイ完成予定
- 2018/01/01 22:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
●
この号外を愛する賢明なる読者諸君に、まずは心よりお詫び申し上げたい。
先だって執り行われたエリオット・ヴァレンタイン(kz0025)氏に対する異端審問についてのことである。
我々は王国に根ざす報道機関としてこれまでに数多の吉報――時には茶化した風刺もあったことは認めよう――を届けてきたが、それらを揺るがしたのが本件であり、同時に、読者諸君らの心の安寧もまた揺るがされたであろうと我々は考えている。
それが損なわれた要因の一つに、我々の記事も寄与していたことだろう。その点を、“報せる立場”としてお詫びしたい。
――しかし、我々は現時点で確定された事実のみを号外として報せた自負がある。
各社の報じた内容を見る限り“若干"のばらつきが見受けられるが、本件において確定された事実は以下の通りである。
・エリオット・ヴァレンタイン氏が異端審問にかけられたこと。
・それが異例の“公開”審問であったこと。
・ヴァレンタイン氏は歪虚から情報を得た事実を認めたが、途中で現れたヴァレンタイン氏の知己であるヘクス・シャルシェレット卿が直接ベリアルと接触していたと証言したこと。
・シャルシェレット卿の情報源は、黒大公ベリアルであったかどうかは明らかにはなっていない。
・ただ、その名を名乗ったものとして蛇の歪虚をシャルシェレット卿が示してみせたこと。
・そして、審議中のヘクス氏の昏睡により、混乱のうちに審議が中断となったこと。
これらの真実全てが明らかになるには時間が掛かることだろう。
肝心の審問会も、真実重要な“第二幕”は未だ執り行われてすらいないのだから、我々は本件において語るべき言葉を持ち得ない。
――だからこそ、我々は、彼について記したい。
自ら、教会の定める異端行為を自供したヘクス・シャルシェレット卿。
彼の為人について。それは、歴史の幕間ともいうべき今だからこそ可能なことだ。
賢明なるの読者諸君。どうか、しばし、お付き合い頂きたい。
言葉には力がある。そして、知ることは力となり、数もまた、力である。
この記事がいつか、我々に何かが問われた時――その一助になれば、幸いだ。
●
「我々は、伝えることを恐れてはいけない」
ハンターたちの前に立った、黒髪眼鏡の男の言葉である。丁寧に撫で付けられた髪に、スリーピースのスーツ。細長い眼裂に小さな瞳が、彼の人相の悪さを装飾している。室内は暖炉からの温かな熱で満たされているが、その恩恵はかの人物にはどうやら届かないらしく、底冷えする視線がハンターたちを巡っていく。
「しかし、我々はそれを悪用してはならない。我々は扇動者ではない。扇動者に与することも、厳しく戒めるべきだ。もちろん、世が乱れることを回避せよというわけではなく、それは正しく"真実"によってなされるべきものだと私は思う。
だが、あの件について、未だ真実は明らかではない。しかし、風説は口端を渡り歩き、有象無象に形を変えながら巡っている。そこには、何らかの力学が働いていることは明白だ。各紙は刷っただけ捌けていく。我々もそれに追従するべきだろうか?」
男は、ヘルメス通信局の人間だった。只者ならぬ雰囲気からは相応の役職についていると思われるのだがそれは明かされなかった。だだ、言葉が続いていく。
「否だ。ゴシップも扱う我々ではあるが、“見えざる手”に国民共々踊らされるなど愚の骨頂。……以上が私の考え、だが」
そこで、男は初めて表情を緩めた。尤も、険しい目つきが僅かに細められたぐらいで、全体の印象は大きくは変わらなかったのだが。
「それを諸君らに聞いてもらったのは、“これからの仕事”に関わるからだ。これからの動勢次第では、この国は大きく変わる。ばかりか、歴史上――尤もそれは続きさえすれば、だが――の転換点につきものの、対岸からの評価が下されることになる。シャルシェレット卿は文字通りの人類の裏切り者として名を残し、本件の決着のしようによっては王国の腐敗へと続き得る」
誤解をしないでくれ、と男は小さく言うと、視線を後方の扉へと移す。
「王政が崩壊しようが、それはそれで構わない。それもまた歴史のあり方だ。……だが、私としては情報が変質する前にその記録を残しておきたい。情報は――とくにゴシップの類は時勢と世論の影響を強くうけるものだからな。だからこそ、諸君らにはシャルシェレット卿についての意見を語って欲しい。我々はそれを記事にする。もちろん、個人の特定はされることのないように配慮しよう。君らが語ることが眉唾もののフィクションであったとしても構いはしない。そういう風説もあったのだ、ということになろう。ああ、そうだ。この企画は、君たちに限らず多種多様な人物に行っているものでね」
では、と男は言うと、後方の扉へと向かっていく。開かれた扉は厚く、重たげだ。暗にその部屋の静音性を示したのだろうか、男は僅かな間をおくと、こう結んだのだった。
「準備が出来た者から中へどうぞ。順番に取材をさせていただこう。――ああ。水気があったほうが舌が動くことだろう。簡単な飲食物はこちらで手配をしておくよ」
言葉を最後に、扉が締められた。残ったのは、重たい沈黙。
――この静けさの中で、ハンターたちはそれぞれに語るべき言葉を考えてもいいし、頼みたい食事に思いを馳せるのもよいだろう。
静けさの中で、時が過ぎていく……。
●
この号外を愛する賢明なる読者諸君に、まずは心よりお詫び申し上げたい。
先だって執り行われたエリオット・ヴァレンタイン(kz0025)氏に対する異端審問についてのことである。
我々は王国に根ざす報道機関としてこれまでに数多の吉報――時には茶化した風刺もあったことは認めよう――を届けてきたが、それらを揺るがしたのが本件であり、同時に、読者諸君らの心の安寧もまた揺るがされたであろうと我々は考えている。
それが損なわれた要因の一つに、我々の記事も寄与していたことだろう。その点を、“報せる立場”としてお詫びしたい。
――しかし、我々は現時点で確定された事実のみを号外として報せた自負がある。
各社の報じた内容を見る限り“若干"のばらつきが見受けられるが、本件において確定された事実は以下の通りである。
・エリオット・ヴァレンタイン氏が異端審問にかけられたこと。
・それが異例の“公開”審問であったこと。
・ヴァレンタイン氏は歪虚から情報を得た事実を認めたが、途中で現れたヴァレンタイン氏の知己であるヘクス・シャルシェレット卿が直接ベリアルと接触していたと証言したこと。
・シャルシェレット卿の情報源は、黒大公ベリアルであったかどうかは明らかにはなっていない。
・ただ、その名を名乗ったものとして蛇の歪虚をシャルシェレット卿が示してみせたこと。
・そして、審議中のヘクス氏の昏睡により、混乱のうちに審議が中断となったこと。
これらの真実全てが明らかになるには時間が掛かることだろう。
肝心の審問会も、真実重要な“第二幕”は未だ執り行われてすらいないのだから、我々は本件において語るべき言葉を持ち得ない。
――だからこそ、我々は、彼について記したい。
自ら、教会の定める異端行為を自供したヘクス・シャルシェレット卿。
彼の為人について。それは、歴史の幕間ともいうべき今だからこそ可能なことだ。
賢明なるの読者諸君。どうか、しばし、お付き合い頂きたい。
言葉には力がある。そして、知ることは力となり、数もまた、力である。
この記事がいつか、我々に何かが問われた時――その一助になれば、幸いだ。
●
「我々は、伝えることを恐れてはいけない」
ハンターたちの前に立った、黒髪眼鏡の男の言葉である。丁寧に撫で付けられた髪に、スリーピースのスーツ。細長い眼裂に小さな瞳が、彼の人相の悪さを装飾している。室内は暖炉からの温かな熱で満たされているが、その恩恵はかの人物にはどうやら届かないらしく、底冷えする視線がハンターたちを巡っていく。
「しかし、我々はそれを悪用してはならない。我々は扇動者ではない。扇動者に与することも、厳しく戒めるべきだ。もちろん、世が乱れることを回避せよというわけではなく、それは正しく"真実"によってなされるべきものだと私は思う。
だが、あの件について、未だ真実は明らかではない。しかし、風説は口端を渡り歩き、有象無象に形を変えながら巡っている。そこには、何らかの力学が働いていることは明白だ。各紙は刷っただけ捌けていく。我々もそれに追従するべきだろうか?」
男は、ヘルメス通信局の人間だった。只者ならぬ雰囲気からは相応の役職についていると思われるのだがそれは明かされなかった。だだ、言葉が続いていく。
「否だ。ゴシップも扱う我々ではあるが、“見えざる手”に国民共々踊らされるなど愚の骨頂。……以上が私の考え、だが」
そこで、男は初めて表情を緩めた。尤も、険しい目つきが僅かに細められたぐらいで、全体の印象は大きくは変わらなかったのだが。
「それを諸君らに聞いてもらったのは、“これからの仕事”に関わるからだ。これからの動勢次第では、この国は大きく変わる。ばかりか、歴史上――尤もそれは続きさえすれば、だが――の転換点につきものの、対岸からの評価が下されることになる。シャルシェレット卿は文字通りの人類の裏切り者として名を残し、本件の決着のしようによっては王国の腐敗へと続き得る」
誤解をしないでくれ、と男は小さく言うと、視線を後方の扉へと移す。
「王政が崩壊しようが、それはそれで構わない。それもまた歴史のあり方だ。……だが、私としては情報が変質する前にその記録を残しておきたい。情報は――とくにゴシップの類は時勢と世論の影響を強くうけるものだからな。だからこそ、諸君らにはシャルシェレット卿についての意見を語って欲しい。我々はそれを記事にする。もちろん、個人の特定はされることのないように配慮しよう。君らが語ることが眉唾もののフィクションであったとしても構いはしない。そういう風説もあったのだ、ということになろう。ああ、そうだ。この企画は、君たちに限らず多種多様な人物に行っているものでね」
では、と男は言うと、後方の扉へと向かっていく。開かれた扉は厚く、重たげだ。暗にその部屋の静音性を示したのだろうか、男は僅かな間をおくと、こう結んだのだった。
「準備が出来た者から中へどうぞ。順番に取材をさせていただこう。――ああ。水気があったほうが舌が動くことだろう。簡単な飲食物はこちらで手配をしておくよ」
言葉を最後に、扉が締められた。残ったのは、重たい沈黙。
――この静けさの中で、ハンターたちはそれぞれに語るべき言葉を考えてもいいし、頼みたい食事に思いを馳せるのもよいだろう。
静けさの中で、時が過ぎていく……。
解説
●目的
ヘクス・シャルシェレットについて、思うところを語ってください。
●解説
ヘルメス通信局からのインタビュー依頼になります。
事件の渦中の人物である「ヘクス・シャルシェレット」について、それぞれに思うところをお答えください。
デタラメな内容でもOKですし、思いの丈をぶちまけてくださっても構いません。ラブレターも歓迎です。何でも良いです。
また、たとえば、『この記者との雑談』も可能です。それなりの立場の人物だと思われる言動で強面ですが、インタビューから離れたところで特別嫌な顔はしないでしょう。
これらの都合上、リプレイの中身は雑多になりえますが、大凡以下のような形を組み合わせる形で想定しています。
―――――――
●『PC名』の場合 →実際の記事としては公開されません。
●記事パート
●記者との交流パート
●ソロパート
―――――――
ご参考になれば幸いです。
※リプレイの性質上、『PL情報と判断されるものについては曖昧に処理します』。たとえば、推測や推察、噂で聞いた、というような類の処理が成されます。
推測であるならばその上でお書き頂ければそういった描写が積極的に(相互に共有したうえで)可能であるため望ましく、その点でやや難しいかもしれませんが、ご考慮いただけると幸いです。
※過去に類似の依頼をリリースしていますが、今回の依頼の記事もまた王国全土に号外として流通します。
ヘクス・シャルシェレットについて、思うところを語ってください。
●解説
ヘルメス通信局からのインタビュー依頼になります。
事件の渦中の人物である「ヘクス・シャルシェレット」について、それぞれに思うところをお答えください。
デタラメな内容でもOKですし、思いの丈をぶちまけてくださっても構いません。ラブレターも歓迎です。何でも良いです。
また、たとえば、『この記者との雑談』も可能です。それなりの立場の人物だと思われる言動で強面ですが、インタビューから離れたところで特別嫌な顔はしないでしょう。
これらの都合上、リプレイの中身は雑多になりえますが、大凡以下のような形を組み合わせる形で想定しています。
―――――――
●『PC名』の場合 →実際の記事としては公開されません。
●記事パート
●記者との交流パート
●ソロパート
―――――――
ご参考になれば幸いです。
※リプレイの性質上、『PL情報と判断されるものについては曖昧に処理します』。たとえば、推測や推察、噂で聞いた、というような類の処理が成されます。
推測であるならばその上でお書き頂ければそういった描写が積極的に(相互に共有したうえで)可能であるため望ましく、その点でやや難しいかもしれませんが、ご考慮いただけると幸いです。
※過去に類似の依頼をリリースしていますが、今回の依頼の記事もまた王国全土に号外として流通します。
マスターより
お世話になっております、ムジカ・トラスです。
あらためまして、【転臨】、お疲れ様でした。
しばしの幕間として、王国社会の中に皆様のご意見などをそっと紛れ込ませる、そんな依頼です。
事態の裏で蠢くあれやこれ。王国が今後向き合っていくべきものも大事ではありますが、皆様にとってもある意味で身近なテーマ……になったらいいなあと思いつつ、プレイングをお待ちさせていただきますね。
それでは、よろしくお願いします。
あらためまして、【転臨】、お疲れ様でした。
しばしの幕間として、王国社会の中に皆様のご意見などをそっと紛れ込ませる、そんな依頼です。
事態の裏で蠢くあれやこれ。王国が今後向き合っていくべきものも大事ではありますが、皆様にとってもある意味で身近なテーマ……になったらいいなあと思いつつ、プレイングをお待ちさせていただきますね。
それでは、よろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/01/09 07:46