ゲスト
(ka0000)
赤い実を、妹に
マスター:一要・香織

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在7人 / 5~7人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/12/30 19:00
- リプレイ完成予定
- 2018/01/08 19:00
オープニング
山間にはしんしんと雪が降り、辺り一面を白銀に変えた。
墨絵の様なモノクロの世界に、その村はひっそりと存在していた。
いくつもの家は寄り添う様に並び、暖かな光が窓から溢れて、凍える様な寒さに僅かな温もりを与える。
家の中では薪ストーブの上に乗せられたヤカンが、シュンシュンと音をさせて湯気を立ち登らせ、部屋の中を温めている。
その部屋の片隅で、1人の少女が横たわっていた。
沢山の布団をかけているにも関わらず、身体はカタカタと震え、苦しげに息をしている。
コホ、ゴホ、コホ……。
小さな口から聞こえる乾いた咳。
少女の顔を覗き込んだ少年は、キッチンに立つ母親を振り返った。
「ママー! リリア、また苦しそうだよ」
眉を下げ不安げに瞳を揺らした少年は、リリアの兄、キール。
2人はとても仲の良い兄妹で、元気で活発なキールの後を、病弱で内気なリリアが追いかける様にしていつも遊んでいた。
しかし、数日前からリリアが熱を出し寝込んでいるのだ。
「ねえママ、薬飲ませてあげようよ」
キールは今にも泣きだしそうな顔で母親に頼む。
しかし、
「飲ませてあげたいけど、薬に使う薬草が無いのよ……」
母親も痛ましいほどに落ち込んだ顔でそう応えた。
「……薬草ってあれでしょ? あの赤い実のなる木」
「そうよ、この辺だと西の崖上にしかないわ……」
薬を飲ませようにも、その薬が無い。
村を出て山を歩き、崖の上にある薬に使う実がなる木まで行かないと手に入らない。
今年は降雪の時期が早く、薬草を取りに行く前に雪に閉ざされてしまったのだ。
コホ、ゴホ、ゴホ……。
再び乾いた咳がリリアの口から響いた。
苦しそうに小さく唸り、寝返りを打つ妹。
その姿を見たキールは、大きな声で言った。
「僕、場所分かるよ! だから、僕が取ってくる!」
雪山を歩くことが如何に大変か。それが子供であるなら尚更だ。
それを解っていながら、妹を助けてあげたい……その気持ちがキールを突き動かす。
「ダメよ、危ないわ! それにあの辺りで雑魔を目撃した人が居るらしいの、退治されてないならまだ居る可能性が高いわ」
母親は強い口調でキールを制する。
しかしそれで引き下がるキールではない。
「じゃあ、村の大人達全員で行けばいいじゃないか」
尖った声で言い返すが、母親は首を振るばかりだ。
「目撃された雑魔は大型の熊だったんですって……いくら村の猛者でも、敵いっこないわ……だから、皆嫌がっているのよ」
はぁ。母親は小さく溜息を吐いた。
自分だってキールと同じ思いだ。
リリアの咳が酷くなれば、また喘息を発症するかもしれない。
今すぐにでも薬草を取りに行きたいが……雪山の恐ろしさは身に染みて分かっている。しかも雑魔まで……。
だから、キールを行かせたくないのだ。
雪山に出て戻らない人が今までに何人居ただろうか……体力のあるハンターならまだしも、子供が一人でなんて……。
「っ!!」
母親はハッとした様に目を見開いた。
「そうだ、ハンターにお願いしてみましょうか?」
「うっ、うん!! 来てくれたら僕、ハンターを案内できるよ!」
●ハンターオフィス
「依頼が来てるッス。」
やけに威勢のいい受付の女性は依頼書をカウンターに置いた。
「依頼内容は、少年の護衛と雑魔の討伐ッス。なんでも薬草を取りに雪山に入りたいそうで……、道中はかなり大変そうッスね……。」
受付の女性はポリポリと頬を掻いた。
「その薬草は何に使うんだい?」
ハンターが尋ねると、
「依頼主の話では、病気の妹さんの薬を作るそうッス」
「まあ、なら早く行ってあげないと!」
ハンターは顔を見合わせ頷いた。
「討伐対象は大きな熊型の雑魔ッス。目撃されたのは随分前ッスがそこに留まっている可能性が高いらしいッス。よろしくお願いするッス」
受付の女性がサイン用の羽ペンを差し出すと、
「もちろん、力になるぜ!」
ハンターは口元に笑みを浮かべた。
墨絵の様なモノクロの世界に、その村はひっそりと存在していた。
いくつもの家は寄り添う様に並び、暖かな光が窓から溢れて、凍える様な寒さに僅かな温もりを与える。
家の中では薪ストーブの上に乗せられたヤカンが、シュンシュンと音をさせて湯気を立ち登らせ、部屋の中を温めている。
その部屋の片隅で、1人の少女が横たわっていた。
沢山の布団をかけているにも関わらず、身体はカタカタと震え、苦しげに息をしている。
コホ、ゴホ、コホ……。
小さな口から聞こえる乾いた咳。
少女の顔を覗き込んだ少年は、キッチンに立つ母親を振り返った。
「ママー! リリア、また苦しそうだよ」
眉を下げ不安げに瞳を揺らした少年は、リリアの兄、キール。
2人はとても仲の良い兄妹で、元気で活発なキールの後を、病弱で内気なリリアが追いかける様にしていつも遊んでいた。
しかし、数日前からリリアが熱を出し寝込んでいるのだ。
「ねえママ、薬飲ませてあげようよ」
キールは今にも泣きだしそうな顔で母親に頼む。
しかし、
「飲ませてあげたいけど、薬に使う薬草が無いのよ……」
母親も痛ましいほどに落ち込んだ顔でそう応えた。
「……薬草ってあれでしょ? あの赤い実のなる木」
「そうよ、この辺だと西の崖上にしかないわ……」
薬を飲ませようにも、その薬が無い。
村を出て山を歩き、崖の上にある薬に使う実がなる木まで行かないと手に入らない。
今年は降雪の時期が早く、薬草を取りに行く前に雪に閉ざされてしまったのだ。
コホ、ゴホ、ゴホ……。
再び乾いた咳がリリアの口から響いた。
苦しそうに小さく唸り、寝返りを打つ妹。
その姿を見たキールは、大きな声で言った。
「僕、場所分かるよ! だから、僕が取ってくる!」
雪山を歩くことが如何に大変か。それが子供であるなら尚更だ。
それを解っていながら、妹を助けてあげたい……その気持ちがキールを突き動かす。
「ダメよ、危ないわ! それにあの辺りで雑魔を目撃した人が居るらしいの、退治されてないならまだ居る可能性が高いわ」
母親は強い口調でキールを制する。
しかしそれで引き下がるキールではない。
「じゃあ、村の大人達全員で行けばいいじゃないか」
尖った声で言い返すが、母親は首を振るばかりだ。
「目撃された雑魔は大型の熊だったんですって……いくら村の猛者でも、敵いっこないわ……だから、皆嫌がっているのよ」
はぁ。母親は小さく溜息を吐いた。
自分だってキールと同じ思いだ。
リリアの咳が酷くなれば、また喘息を発症するかもしれない。
今すぐにでも薬草を取りに行きたいが……雪山の恐ろしさは身に染みて分かっている。しかも雑魔まで……。
だから、キールを行かせたくないのだ。
雪山に出て戻らない人が今までに何人居ただろうか……体力のあるハンターならまだしも、子供が一人でなんて……。
「っ!!」
母親はハッとした様に目を見開いた。
「そうだ、ハンターにお願いしてみましょうか?」
「うっ、うん!! 来てくれたら僕、ハンターを案内できるよ!」
●ハンターオフィス
「依頼が来てるッス。」
やけに威勢のいい受付の女性は依頼書をカウンターに置いた。
「依頼内容は、少年の護衛と雑魔の討伐ッス。なんでも薬草を取りに雪山に入りたいそうで……、道中はかなり大変そうッスね……。」
受付の女性はポリポリと頬を掻いた。
「その薬草は何に使うんだい?」
ハンターが尋ねると、
「依頼主の話では、病気の妹さんの薬を作るそうッス」
「まあ、なら早く行ってあげないと!」
ハンターは顔を見合わせ頷いた。
「討伐対象は大きな熊型の雑魔ッス。目撃されたのは随分前ッスがそこに留まっている可能性が高いらしいッス。よろしくお願いするッス」
受付の女性がサイン用の羽ペンを差し出すと、
「もちろん、力になるぜ!」
ハンターは口元に笑みを浮かべた。
解説
空からの白い贈り物……雪。
見ている分には綺麗で趣がありますが、自然の中で生活する者にとっては命を脅かす脅威となる時があるのですね。
雪に閉ざされた村で、少女が病気で苦しんでいます。
赤い実のなる木――。
クリムゾンウエストでは時々見かけるさほど珍しくもない木ですが、この村では昔から薬用植物として重宝してきました。
この木の葉と実から作る薬は、リリアの体質にもあっているようで、これを飲ませればきっと元気になるでしょう。
しかし、この木があるのは村から西に進んだ崖の上。そこまで続く小道を登らなければいけません。
雪山を歩くのは大変ですが、道のりはキールが案内してくれます。
道中の危険な場所ではキールが怪我をしないよう助けてあげて下さい。
雑魔との戦闘は雪の中で行われる見込みですので、雪に足を取られないよう気を付けましょう。
そしてキールが巻き込まれないようにしてあげて下さい。
熊型と言う事なので、攻撃は鋭い爪で引き裂いたり、近くに居れば噛みつかれたりするでしょう。力も強いはずです。
熊は動きが俊敏で走るのも早く、雪の上ならば慣れた熊の方が移動が容易いかも知れません。
雑魔を討伐し、崖上にある赤い実と葉を摘んで村に戻れば依頼完了です。
リリアがまた元気に遊びまわれるように、どうぞよろしくお願いします。
見ている分には綺麗で趣がありますが、自然の中で生活する者にとっては命を脅かす脅威となる時があるのですね。
雪に閉ざされた村で、少女が病気で苦しんでいます。
赤い実のなる木――。
クリムゾンウエストでは時々見かけるさほど珍しくもない木ですが、この村では昔から薬用植物として重宝してきました。
この木の葉と実から作る薬は、リリアの体質にもあっているようで、これを飲ませればきっと元気になるでしょう。
しかし、この木があるのは村から西に進んだ崖の上。そこまで続く小道を登らなければいけません。
雪山を歩くのは大変ですが、道のりはキールが案内してくれます。
道中の危険な場所ではキールが怪我をしないよう助けてあげて下さい。
雑魔との戦闘は雪の中で行われる見込みですので、雪に足を取られないよう気を付けましょう。
そしてキールが巻き込まれないようにしてあげて下さい。
熊型と言う事なので、攻撃は鋭い爪で引き裂いたり、近くに居れば噛みつかれたりするでしょう。力も強いはずです。
熊は動きが俊敏で走るのも早く、雪の上ならば慣れた熊の方が移動が容易いかも知れません。
雑魔を討伐し、崖上にある赤い実と葉を摘んで村に戻れば依頼完了です。
リリアがまた元気に遊びまわれるように、どうぞよろしくお願いします。
マスターより
こんにちは。一要・香織です。
めっきり寒くなりましたね。
風邪など引いていませんか?
体調を崩しやすい時期です。
一度風邪を引くとなかなか治らずに辛いですよね……。
リリアも薬がなく苦しんでいます。
どうか、キールの力になってあげて下さい。
寒さに負けない、熱いプレイングをお待ちしています。
どうぞよろしくお願いします。
めっきり寒くなりましたね。
風邪など引いていませんか?
体調を崩しやすい時期です。
一度風邪を引くとなかなか治らずに辛いですよね……。
リリアも薬がなく苦しんでいます。
どうか、キールの力になってあげて下さい。
寒さに負けない、熱いプレイングをお待ちしています。
どうぞよろしくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/01/07 02:41
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/12/26 23:20:07 |
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【相談版】 龍崎・カズマ(ka0178) 人間(リアルブルー)|20才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2017/12/30 16:47:38 |