ゲスト
(ka0000)
【虚動】滅ばざる者
マスター:神宮寺飛鳥

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/11/30 07:30
- リプレイ完成予定
- 2014/12/09 07:30
オープニング
「CAM……だっけ? 辺境の実験場で起動実験を行うんだよね?」
帝都バルトアンデルスを出発した輸送団は陸路で辺境との堺であるノアーラ・クンタウを目指していた。
錬魔院直下の兵士養成機関であるイルリヒト機関から輸送団の護衛を任されたベルフラウとゲルト・デーニッツはトラックの荷台に揺られながら流れる景色を眺めている。
「そうだ。部族側と協議の上、ノアーラ・クンタウの駐留軍が場所を手配すると聞いている」
「つまり、結局は帝国本位だよね。各国共同とは言え、辺境部族の人達はいい気がしないんじゃないかな……」
愛用の剣を抱くようにして座るベルフラウは憂いに瞳を細める。ゲルトは腕を組んだ姿勢のまま、表情を買えずに頷いた。
「当然反発はあるだろうな。錬魔院が絡む実験だ。それが大規模であればあるほど危険は伴う。お前も聞いた事があるだろう? 二十年程前に帝国領内で起きた爆発事故の件」
「えっと……確か、森の中の実験施設で、新型のマテリアル兵器を開発していたら、暴走して爆発したっていう……?」
「爆心地であった研究所は今も高濃度の汚染で閉鎖され、周囲にあった森も今や雑魔ひしめく立入禁止区域だ」
「そんな事にはならないよね……?」
「各国の前でそんな失態を晒せば帝国への風当たりは今以上に強くなる。部族との調和路線も瓦解するだろうな」
ぎゅっと膝を抱えるベルフラウ。ゲルトは頬を掻き、友人であり同僚でもあるエルガー・ウンターゲーエンの言葉を思い返していた。
『ベルフラウには危なっかしいところがある。精神的にも肉体的にもな。お前も仲間として、支えられる部分はフォローしてやれ』
そんな事を言われて送り出された以上、全く無視というわけにはいかない。
それに人に言われたからというだけではない。どちらにせよゲルトはベルフラウがどのような人間なのか、少し興味を持ち始めていたから。
何か声をかけようかと思案していた時だ。トラックが急停車し、軍人の騒ぎ声が聞こえてくる。外を見ると、進路を一体のスケルトンが妨害していた。
「スケルトン一体か。どうという事はない。ベルフラウ、俺達で始末するぞ」
「あ、うん!」
荷台から飛び降りた二人。同行していたハンターも後を追い飛び降りたが、ゲルトは首を横に振る。
「スケルトンに手こずるほど俺達は弱くない。あんた達は周辺の警戒を頼む」
それもそうだと頷くハンター。ゲルトとベルフラウは得物を取り出しスケルトンと対峙する。
「何しに出てきたんだろう、この子……?」
「一体で何が出来る。行くぞ、ベルフラウ」
駆け出すゲルト。ベルフラウは聖機剣を起動。淡い光を纏った剣を振るうようにして光弾を放つ。
追撃し、距離を詰め骨の顎にトンファーをねじ込み、ガントンファーの引き金を引く。ゲルトの一撃で頭は吹き飛び、尚スケルトンは腕を振り上げる。
「遅い」
回し蹴りで骨を吹き飛ばすと、大剣を引きずったベルフラウが追いつき、下から振り上げるような一撃でスケルトンをバラバラに粉砕した。
「あれっ!? なんか凄く弱い……!?」
「雑魔だからな」
眼鏡を光らせながら息を吐くゲルト。仕事は終わったと二人が引き返し始めた瞬間、ハンターの叫び声が響いた。
振り返った二人の前で倒した筈のスケルトンが立ち上がろうとしていた。バラバラの状態から再生し、更に形状を変化させていく。
「え……何!?」
再びトンファーで殴りかかるゲルト。しかしスケルトンはその一撃を片手で受け止め、先ほどのゲルトと全く同じ動作で蹴りを放った。
吹っ飛ぶゲルトだが受け身を取り銃撃する。ベルフラウも魔法で攻撃するが、スケルトンの瞳があるべき窪みが輝くと、二人の遠距離攻撃は弾き飛ばされてしまった。
「何をした……?」
そしてスケルトンは二人を無視してトラックへと向かう。まるでその動きは積み荷を狙っているかのようだ。
慌てて間に立ちふさがるハンター。スケルトンは体当たりで突っ込んでくるが、とてもその重みは骨とは思えない。
動きが止まった刹那、左右からゲルトとベルフラウが挟撃する。しかしスケルトンが紫色に発光した直後、ハンターもゲルトもベルフラウも、大きく背後へ吹き飛ばされてしまった。
「ぐっ!?」
「さっきから……何がどうなってるの!?」
触れられたわけではないのに身体が浮いて衝撃で吹き飛ぶ。防げないし何が起きているのかもわからない。
受け身を取って立ち上がるハンター。やはりスケルトンの狙いは積み荷のようで、護衛の帝国兵の銃撃を浴びても無視して荷台に熱い視線を送っている。
「積み荷を狙っているのか……魔導エンジンが輸送されていると理解しているのか?」
「どうしてスケルトンが魔導エンジンを狙うの!?」
「わからん……それにまともなスケルトンとも思えん。まさかとは思うが……」
ゲルトはハンターに駆け寄る。そして肩を並べると落ち着いた声で告げる。
「俺の間違いなら良い。だが、噂で聞いたことがある。倒しても倒れないスケルトン、倒せば倒すだけ強くなる敵……」
「もしかして……」
「「 “剣魔”クリピクロウズ 」」
ゲルトとベルフラウの声が重なる。スケルトンは自らの骨の一部を引き抜き、形状を変化させまるで剣のようにして瞳を輝かせる。
「ほ、本当に剣魔なの? 確かに変だけど、そこまで強いって感じじゃないよ?」
「そういう敵だと聞いている。油断はするな。悪いがあんた達にも手を貸してもらうぞ」
頷くハンター。改めて得物を握り締め、仲間と共に剣魔へと走り出した。
帝都バルトアンデルスを出発した輸送団は陸路で辺境との堺であるノアーラ・クンタウを目指していた。
錬魔院直下の兵士養成機関であるイルリヒト機関から輸送団の護衛を任されたベルフラウとゲルト・デーニッツはトラックの荷台に揺られながら流れる景色を眺めている。
「そうだ。部族側と協議の上、ノアーラ・クンタウの駐留軍が場所を手配すると聞いている」
「つまり、結局は帝国本位だよね。各国共同とは言え、辺境部族の人達はいい気がしないんじゃないかな……」
愛用の剣を抱くようにして座るベルフラウは憂いに瞳を細める。ゲルトは腕を組んだ姿勢のまま、表情を買えずに頷いた。
「当然反発はあるだろうな。錬魔院が絡む実験だ。それが大規模であればあるほど危険は伴う。お前も聞いた事があるだろう? 二十年程前に帝国領内で起きた爆発事故の件」
「えっと……確か、森の中の実験施設で、新型のマテリアル兵器を開発していたら、暴走して爆発したっていう……?」
「爆心地であった研究所は今も高濃度の汚染で閉鎖され、周囲にあった森も今や雑魔ひしめく立入禁止区域だ」
「そんな事にはならないよね……?」
「各国の前でそんな失態を晒せば帝国への風当たりは今以上に強くなる。部族との調和路線も瓦解するだろうな」
ぎゅっと膝を抱えるベルフラウ。ゲルトは頬を掻き、友人であり同僚でもあるエルガー・ウンターゲーエンの言葉を思い返していた。
『ベルフラウには危なっかしいところがある。精神的にも肉体的にもな。お前も仲間として、支えられる部分はフォローしてやれ』
そんな事を言われて送り出された以上、全く無視というわけにはいかない。
それに人に言われたからというだけではない。どちらにせよゲルトはベルフラウがどのような人間なのか、少し興味を持ち始めていたから。
何か声をかけようかと思案していた時だ。トラックが急停車し、軍人の騒ぎ声が聞こえてくる。外を見ると、進路を一体のスケルトンが妨害していた。
「スケルトン一体か。どうという事はない。ベルフラウ、俺達で始末するぞ」
「あ、うん!」
荷台から飛び降りた二人。同行していたハンターも後を追い飛び降りたが、ゲルトは首を横に振る。
「スケルトンに手こずるほど俺達は弱くない。あんた達は周辺の警戒を頼む」
それもそうだと頷くハンター。ゲルトとベルフラウは得物を取り出しスケルトンと対峙する。
「何しに出てきたんだろう、この子……?」
「一体で何が出来る。行くぞ、ベルフラウ」
駆け出すゲルト。ベルフラウは聖機剣を起動。淡い光を纏った剣を振るうようにして光弾を放つ。
追撃し、距離を詰め骨の顎にトンファーをねじ込み、ガントンファーの引き金を引く。ゲルトの一撃で頭は吹き飛び、尚スケルトンは腕を振り上げる。
「遅い」
回し蹴りで骨を吹き飛ばすと、大剣を引きずったベルフラウが追いつき、下から振り上げるような一撃でスケルトンをバラバラに粉砕した。
「あれっ!? なんか凄く弱い……!?」
「雑魔だからな」
眼鏡を光らせながら息を吐くゲルト。仕事は終わったと二人が引き返し始めた瞬間、ハンターの叫び声が響いた。
振り返った二人の前で倒した筈のスケルトンが立ち上がろうとしていた。バラバラの状態から再生し、更に形状を変化させていく。
「え……何!?」
再びトンファーで殴りかかるゲルト。しかしスケルトンはその一撃を片手で受け止め、先ほどのゲルトと全く同じ動作で蹴りを放った。
吹っ飛ぶゲルトだが受け身を取り銃撃する。ベルフラウも魔法で攻撃するが、スケルトンの瞳があるべき窪みが輝くと、二人の遠距離攻撃は弾き飛ばされてしまった。
「何をした……?」
そしてスケルトンは二人を無視してトラックへと向かう。まるでその動きは積み荷を狙っているかのようだ。
慌てて間に立ちふさがるハンター。スケルトンは体当たりで突っ込んでくるが、とてもその重みは骨とは思えない。
動きが止まった刹那、左右からゲルトとベルフラウが挟撃する。しかしスケルトンが紫色に発光した直後、ハンターもゲルトもベルフラウも、大きく背後へ吹き飛ばされてしまった。
「ぐっ!?」
「さっきから……何がどうなってるの!?」
触れられたわけではないのに身体が浮いて衝撃で吹き飛ぶ。防げないし何が起きているのかもわからない。
受け身を取って立ち上がるハンター。やはりスケルトンの狙いは積み荷のようで、護衛の帝国兵の銃撃を浴びても無視して荷台に熱い視線を送っている。
「積み荷を狙っているのか……魔導エンジンが輸送されていると理解しているのか?」
「どうしてスケルトンが魔導エンジンを狙うの!?」
「わからん……それにまともなスケルトンとも思えん。まさかとは思うが……」
ゲルトはハンターに駆け寄る。そして肩を並べると落ち着いた声で告げる。
「俺の間違いなら良い。だが、噂で聞いたことがある。倒しても倒れないスケルトン、倒せば倒すだけ強くなる敵……」
「もしかして……」
「「 “剣魔”クリピクロウズ 」」
ゲルトとベルフラウの声が重なる。スケルトンは自らの骨の一部を引き抜き、形状を変化させまるで剣のようにして瞳を輝かせる。
「ほ、本当に剣魔なの? 確かに変だけど、そこまで強いって感じじゃないよ?」
「そういう敵だと聞いている。油断はするな。悪いがあんた達にも手を貸してもらうぞ」
頷くハンター。改めて得物を握り締め、仲間と共に剣魔へと走り出した。
解説
●目的
剣魔クリピクロウズの撃退。
●概要
CAM起動実験の為に必要な魔導エンジンを輸送中、剣魔クリピクロウズの襲撃を受けた。
ハンターは必要な物資を帝都から辺境まで輸送する輸送団の護衛を引き受けており、帝都からノアーラ・クンタウ手前、第二師団駐留のカールスラーエ要塞まで同行する手筈だった。
輸送途中、剣魔クリピクロウズと思しき敵と遭遇。ハンターにはこの撃退を任せたい。
剣魔クリピクロウズに関する情報は少ない。が、既に何度も撃破報告があがっており、ある程度の外見や能力は判明している。
この個体が本物の剣魔かどうかは不明だが、通常のスケルトンとは異なっているのも事実。
敵の正体がどうあれ、積み荷を破壊、或いは奪わせる訳にはいかない。
護衛に同行する兵士、イルリヒト機関の生徒と協力し、安全を確保せよ。
●敵情報
『剣魔クリピクロウズ』
一見すると普通のスケルトン。黒いボロ布を纏っており、「人一人分以上の骨」を体中に継ぎ足している。
これまでに何度も遭遇、撃破報告がなされているが、その後も何故か定期的に出現する正体不明の敵。
その戦闘力はさほどではなく、四霊剣最弱と呼ばれる。が、強い時と弱い時があり、真の実力については不明。
最も不気味で最も底の知れない、「長期に渡って帝国に被害を与える存在」として四霊剣に名を連ねている。
自らの身体の一部を飛ばしたり武器にする他、触れずに視界にある物体を吹き飛ばしたりする能力を持つが、詳細は不明。
●特筆
イルリヒト機関より闘狩人のゲルト・デーニッツ、聖導士のベルフラウが同行。
ゲルトはガントンファーという試作武器を持つ、近、中距離戦闘型。
ベルフラウは聖機剣という試作武器を持ち、支援、回復型。
一般兵も護衛に複数名同行しており、銃等で武装している。
トラックはこの輸送団は三台。うち一台に新型魔導エンジンを搭載しており、剣魔はこれを狙っている模様。
剣魔クリピクロウズの撃退。
●概要
CAM起動実験の為に必要な魔導エンジンを輸送中、剣魔クリピクロウズの襲撃を受けた。
ハンターは必要な物資を帝都から辺境まで輸送する輸送団の護衛を引き受けており、帝都からノアーラ・クンタウ手前、第二師団駐留のカールスラーエ要塞まで同行する手筈だった。
輸送途中、剣魔クリピクロウズと思しき敵と遭遇。ハンターにはこの撃退を任せたい。
剣魔クリピクロウズに関する情報は少ない。が、既に何度も撃破報告があがっており、ある程度の外見や能力は判明している。
この個体が本物の剣魔かどうかは不明だが、通常のスケルトンとは異なっているのも事実。
敵の正体がどうあれ、積み荷を破壊、或いは奪わせる訳にはいかない。
護衛に同行する兵士、イルリヒト機関の生徒と協力し、安全を確保せよ。
●敵情報
『剣魔クリピクロウズ』
一見すると普通のスケルトン。黒いボロ布を纏っており、「人一人分以上の骨」を体中に継ぎ足している。
これまでに何度も遭遇、撃破報告がなされているが、その後も何故か定期的に出現する正体不明の敵。
その戦闘力はさほどではなく、四霊剣最弱と呼ばれる。が、強い時と弱い時があり、真の実力については不明。
最も不気味で最も底の知れない、「長期に渡って帝国に被害を与える存在」として四霊剣に名を連ねている。
自らの身体の一部を飛ばしたり武器にする他、触れずに視界にある物体を吹き飛ばしたりする能力を持つが、詳細は不明。
●特筆
イルリヒト機関より闘狩人のゲルト・デーニッツ、聖導士のベルフラウが同行。
ゲルトはガントンファーという試作武器を持つ、近、中距離戦闘型。
ベルフラウは聖機剣という試作武器を持ち、支援、回復型。
一般兵も護衛に複数名同行しており、銃等で武装している。
トラックはこの輸送団は三台。うち一台に新型魔導エンジンを搭載しており、剣魔はこれを狙っている模様。
マスターより
お世話になっております、神宮寺でございます。
CAM起動実験用資材を積んだトラックを剣魔から護衛する任務です。
剣魔は四霊剣の一体として数えられていますが、その詳細はよくわかっておらず、何のために現れたのかも不明です。
戦闘力は先に出現した剣機よりも大幅に弱いとされています。ハンターとイルリヒト生徒だけでも撃退可能でしょう。しかし……?
ちなみに帝都でバカ騒ぎしてる陛下とワカメとは別の輸送団です。
それでは宜しくお願い致します。
CAM起動実験用資材を積んだトラックを剣魔から護衛する任務です。
剣魔は四霊剣の一体として数えられていますが、その詳細はよくわかっておらず、何のために現れたのかも不明です。
戦闘力は先に出現した剣機よりも大幅に弱いとされています。ハンターとイルリヒト生徒だけでも撃退可能でしょう。しかし……?
ちなみに帝都でバカ騒ぎしてる陛下とワカメとは別の輸送団です。
それでは宜しくお願い致します。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/12/06 05:15
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/11/25 23:32:32 |
|
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四霊剣『剣魔』撃退【相談卓】 エイル・メヌエット(ka2807) 人間(クリムゾンウェスト)|23才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2014/11/30 07:12:32 |