ゲスト
(ka0000)
ご注文は温泉ですか?
マスター:草之佑人

- シナリオ形態
- イベント
関連ユニオン
APV- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在25人 / 1~25人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 7日
- プレイング締切
- 2014/06/19 07:30
- リプレイ完成予定
- 2014/06/28 07:30
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
●皇帝陛下のお言葉
「単刀直入に言おう。風呂を作ってほしい」
ヴィルヘルミナ・ウランゲル(kz0021)が執務室の椅子に凭れ、一息つきながら言った。
執務室に入ってきて挨拶もそこそこに書類の承認に追われるヴィルヘルミナを横目に茶菓子をリスの様に頬張っていたタングラム(kz0016)は、ほっぺに菓子の欠片をくっつけながらきょとんとした顔をしていた。
まじまじとヴィルヘルミナの顔を見るように自分の顔を向けながら、もう一個、と茶菓子を口に放り込んだ。
「もう一度言った方がいいか?」
「んぐ……いえ、聞いてましたよ。お風呂を作ればいいんですよね」
「そうだ。帝国には風呂に浸かるという習慣がない。サウナやシャワーのみだな。だが、リアルブルーから来た人々の、中でもニホンジンという民族には、毎日のように風呂に浸かる習慣があるという。気になるだろう?」
「いえ、シャワーで十分なので気になりません」
「風呂上りに飲む牛の乳は、それはもう絶品の味がするらしい。イモと合わせて食ってみたらどうなるか。気になるだろう?」
「いえ、気に――」
「――気になるだろう?」
交錯する視線と仮面。
タングラムの方が引いた。
「……分かりましたよ。頑固者なところは冒険者の頃から少しも変わりませんね」
「ふっ。では、風呂を作ってくれ」
口の端に僅かな笑みを浮かべる。
「どこに作ればいいんですか? ユニオンの方に作ればよろしいんで?」
「いや、場所はすでに空けている。カールスラーエ地方の温泉が湧く地域だ」
「あの地域ですか。それなら、風呂の代わりに既に温泉があるのでは?」
頭の中に帝国地図を思い浮かべる。
カールスラーエ地方は、帝国の北部にあり温泉が湧いている。帝国でほぼ唯一入浴の慣習が根付いている地域である。
「なに、帝国に風呂を広めるためにテストケースを見てみたいのだ。クリムゾンウェスト出身のものであれこれ模索するだけでもいい。まあ、リアルブルー出身のニホンジンから話を聞けるのが一番ではあるがな」
「ああ、そういうことですか」
納得して一つ頷くと、菓子に添えられた茶を飲む。ちなみに三杯目だ。
「それと、私からの依頼ではあるが、匿名での依頼としておいてくれ」
「まあ、そうですね。帝国の皇帝からの依頼などとなればソサエティの上の方に変な印象を与えかねませんし」
追加で淹れた四杯目の茶を飲み干してカップを置く。
「さて、私も用事がありますし、これで失礼しますよ。風呂の件はフクカン(kz0035)に手紙でも送っておきます」
「ああ、そのあたりは任せよう。頼んだ」
タングラムは口元に微笑を浮かべて答えとすると、立ち上がる。
扉から出ていく小さな背から目を外し、ヴィルヘルミナは手元の書類の処理へと戻っていく。
●フクカンの苦悩
「むぅ」
今、フクカンの前に置かれているのは一枚の手紙である。
書かれた日付は、ちょっと前。
「要するに、お風呂というのを作ればいいんです、よね」
手紙とにらめっこ。
「むぅ」
腕を組んで、小首を傾げた。
やらなければいけないことはわかるのだけれど。
「んんん……?」
目を細め、身体ごと頭を横に傾けて唸る。
……お風呂というものがよくわからなかった。
リアルブルーの人から何度か聞いたことがあるようには思うのだけど……。
手紙とにらめっこしながら悩んでいると、――ふにゅん。
頭の上に何か柔らかくて大きいものが二つ乗っかってきた。
む。このパターンは……、
「オトリさん、胸を頭に乗っけるのはやめてくださいっていつも言ってるじゃないですか」
「やーん、フクカンくんには、オトリおねーさんって呼んでほしーい」
そのままぎゅっと抱きしめられて慌てて逃げ出す。顔が赤くなってるような気がする。
……タングラム様以外の女性ってなんとなく苦手だ。
「あ、はい。オトリお姉さん。それで何か御用ですか?」
「んーぅ、フクカンくんがなんか悩んでるふーだったからー、」
ちょっとオトリさんの喋りって苦手だなあ。ぼんやりとそんなことを考えながら、オトリを見やる。
「あー、いまなんかしつれーなこと考えたでしょーぉ」
「え? いえ、そんなことはないですよ? それより、オトリお姉さんに聞きたいことがあるんですが」
「なんかはぐらかされた気がすーるー。でも、まいっかー。なにかなーぁ?」
目線と話を逸らして尋ねるフクカンに、オトリは頬を膨らましながらもにんまりと笑った。
「カールスラーエ地方の方にテストケースとして風呂を作成して欲しいと、帝国の貴族筋からタングラム様の方に依頼があったそうです。リアルブルーにある風呂について、オトリお姉さんの部署では、詳細情報をまとめ終わってますか?」
「んー、まだだねー。確か、ニホンって地域で発達してるんだよねー? リアルブルーの情報でも一地域の慣習まで詳しくはないよー」
「そうですか。となると、やっぱりハンターに依頼を出して直接意見を聞く段階からですね」
ノートを取り出して、計画とスケジュールを書き出していく。
一度、顔を上げてオトリをみやった。
「ひとまず依頼をソサエティに出しておきます。あまり予算もないので、職員に手伝ってもらう部分も多くなると思いますので、各員に通達お願いします」
「おっけーぇ、じゃーぁ声かけとくねー。お姉さんたちにまっかせなさーい」
オトリは手を振り振り柔らかな笑みを残して部屋を出ていった。
「私の方が年上なのになぁ」
APVでの自分の立場ってどうなってるのだろうと思い、ため息を吐く。
吐いた息を再度吸い込む。
「さてと」
タングラムに良いところを見せるため、それと、ちょっとAPVでの自分の立場向上のため、がんばろうと依頼の申請書作成に取り掛かった。
●皇帝陛下のお言葉
「単刀直入に言おう。風呂を作ってほしい」
ヴィルヘルミナ・ウランゲル(kz0021)が執務室の椅子に凭れ、一息つきながら言った。
執務室に入ってきて挨拶もそこそこに書類の承認に追われるヴィルヘルミナを横目に茶菓子をリスの様に頬張っていたタングラム(kz0016)は、ほっぺに菓子の欠片をくっつけながらきょとんとした顔をしていた。
まじまじとヴィルヘルミナの顔を見るように自分の顔を向けながら、もう一個、と茶菓子を口に放り込んだ。
「もう一度言った方がいいか?」
「んぐ……いえ、聞いてましたよ。お風呂を作ればいいんですよね」
「そうだ。帝国には風呂に浸かるという習慣がない。サウナやシャワーのみだな。だが、リアルブルーから来た人々の、中でもニホンジンという民族には、毎日のように風呂に浸かる習慣があるという。気になるだろう?」
「いえ、シャワーで十分なので気になりません」
「風呂上りに飲む牛の乳は、それはもう絶品の味がするらしい。イモと合わせて食ってみたらどうなるか。気になるだろう?」
「いえ、気に――」
「――気になるだろう?」
交錯する視線と仮面。
タングラムの方が引いた。
「……分かりましたよ。頑固者なところは冒険者の頃から少しも変わりませんね」
「ふっ。では、風呂を作ってくれ」
口の端に僅かな笑みを浮かべる。
「どこに作ればいいんですか? ユニオンの方に作ればよろしいんで?」
「いや、場所はすでに空けている。カールスラーエ地方の温泉が湧く地域だ」
「あの地域ですか。それなら、風呂の代わりに既に温泉があるのでは?」
頭の中に帝国地図を思い浮かべる。
カールスラーエ地方は、帝国の北部にあり温泉が湧いている。帝国でほぼ唯一入浴の慣習が根付いている地域である。
「なに、帝国に風呂を広めるためにテストケースを見てみたいのだ。クリムゾンウェスト出身のものであれこれ模索するだけでもいい。まあ、リアルブルー出身のニホンジンから話を聞けるのが一番ではあるがな」
「ああ、そういうことですか」
納得して一つ頷くと、菓子に添えられた茶を飲む。ちなみに三杯目だ。
「それと、私からの依頼ではあるが、匿名での依頼としておいてくれ」
「まあ、そうですね。帝国の皇帝からの依頼などとなればソサエティの上の方に変な印象を与えかねませんし」
追加で淹れた四杯目の茶を飲み干してカップを置く。
「さて、私も用事がありますし、これで失礼しますよ。風呂の件はフクカン(kz0035)に手紙でも送っておきます」
「ああ、そのあたりは任せよう。頼んだ」
タングラムは口元に微笑を浮かべて答えとすると、立ち上がる。
扉から出ていく小さな背から目を外し、ヴィルヘルミナは手元の書類の処理へと戻っていく。
●フクカンの苦悩
「むぅ」
今、フクカンの前に置かれているのは一枚の手紙である。
書かれた日付は、ちょっと前。
「要するに、お風呂というのを作ればいいんです、よね」
手紙とにらめっこ。
「むぅ」
腕を組んで、小首を傾げた。
やらなければいけないことはわかるのだけれど。
「んんん……?」
目を細め、身体ごと頭を横に傾けて唸る。
……お風呂というものがよくわからなかった。
リアルブルーの人から何度か聞いたことがあるようには思うのだけど……。
手紙とにらめっこしながら悩んでいると、――ふにゅん。
頭の上に何か柔らかくて大きいものが二つ乗っかってきた。
む。このパターンは……、
「オトリさん、胸を頭に乗っけるのはやめてくださいっていつも言ってるじゃないですか」
「やーん、フクカンくんには、オトリおねーさんって呼んでほしーい」
そのままぎゅっと抱きしめられて慌てて逃げ出す。顔が赤くなってるような気がする。
……タングラム様以外の女性ってなんとなく苦手だ。
「あ、はい。オトリお姉さん。それで何か御用ですか?」
「んーぅ、フクカンくんがなんか悩んでるふーだったからー、」
ちょっとオトリさんの喋りって苦手だなあ。ぼんやりとそんなことを考えながら、オトリを見やる。
「あー、いまなんかしつれーなこと考えたでしょーぉ」
「え? いえ、そんなことはないですよ? それより、オトリお姉さんに聞きたいことがあるんですが」
「なんかはぐらかされた気がすーるー。でも、まいっかー。なにかなーぁ?」
目線と話を逸らして尋ねるフクカンに、オトリは頬を膨らましながらもにんまりと笑った。
「カールスラーエ地方の方にテストケースとして風呂を作成して欲しいと、帝国の貴族筋からタングラム様の方に依頼があったそうです。リアルブルーにある風呂について、オトリお姉さんの部署では、詳細情報をまとめ終わってますか?」
「んー、まだだねー。確か、ニホンって地域で発達してるんだよねー? リアルブルーの情報でも一地域の慣習まで詳しくはないよー」
「そうですか。となると、やっぱりハンターに依頼を出して直接意見を聞く段階からですね」
ノートを取り出して、計画とスケジュールを書き出していく。
一度、顔を上げてオトリをみやった。
「ひとまず依頼をソサエティに出しておきます。あまり予算もないので、職員に手伝ってもらう部分も多くなると思いますので、各員に通達お願いします」
「おっけーぇ、じゃーぁ声かけとくねー。お姉さんたちにまっかせなさーい」
オトリは手を振り振り柔らかな笑みを残して部屋を出ていった。
「私の方が年上なのになぁ」
APVでの自分の立場ってどうなってるのだろうと思い、ため息を吐く。
吐いた息を再度吸い込む。
「さてと」
タングラムに良いところを見せるため、それと、ちょっとAPVでの自分の立場向上のため、がんばろうと依頼の申請書作成に取り掛かった。
解説
●目的
帝国の都市にお風呂を作る
●概要
皇帝から帝国にお風呂を普及させてほしいという密命?が下る。
カールスラーエ地方には温泉が湧く地域があり、入浴の慣習もある。
テストケースとして、半島の都市に温泉施設を作ることとなる。
●行動の流れ
(1)ユニオンでの作業
⇒例:温泉施設の提案。資材調達の手配。差入れ料理を作る。
上記3つは例示です。その他の作業・具体的作業内容は各自で相談の上、分担下さい。
(2)現場での作業
⇒例:温泉施設の建設。大型資材の現地調達。差入れ料理を食べる。
上記3つは例示です。その他の作業・具体的作業内容は各自で相談の上、分担下さい。
(3)入浴
⇒自由行動
温泉に入る、宴会をする、フクカンを弄るなど各自で好きに行動ください。
(1)と(2)のいずれかを手伝ってもらい、(3)については、全員が入浴を行う。
※プレイングについて
『(1)か(2)での行動』と『(3)での行動』の両方をお書きください。
●PL情報
皇帝陛下からの依頼ということは、PC側に伝えられておりません。
帝国の都市にお風呂を作る
●概要
皇帝から帝国にお風呂を普及させてほしいという密命?が下る。
カールスラーエ地方には温泉が湧く地域があり、入浴の慣習もある。
テストケースとして、半島の都市に温泉施設を作ることとなる。
●行動の流れ
(1)ユニオンでの作業
⇒例:温泉施設の提案。資材調達の手配。差入れ料理を作る。
上記3つは例示です。その他の作業・具体的作業内容は各自で相談の上、分担下さい。
(2)現場での作業
⇒例:温泉施設の建設。大型資材の現地調達。差入れ料理を食べる。
上記3つは例示です。その他の作業・具体的作業内容は各自で相談の上、分担下さい。
(3)入浴
⇒自由行動
温泉に入る、宴会をする、フクカンを弄るなど各自で好きに行動ください。
(1)と(2)のいずれかを手伝ってもらい、(3)については、全員が入浴を行う。
※プレイングについて
『(1)か(2)での行動』と『(3)での行動』の両方をお書きください。
●PL情報
皇帝陛下からの依頼ということは、PC側に伝えられておりません。
マスターより
お世話になっております。草之です。
解説の最後にも記載させていただいておりますが、
※プレイングについて
『(1)か(2)での行動』と『(3)での行動』の両方をお書きください。
PCの登場シーンは、作業と入浴の2シーンになります。
分量はプレイングを見て判断させていただきますので、活躍したいシーンの方に力を入れてプレイングをお書きください。
それでは、行ってらっしゃいませ。
解説の最後にも記載させていただいておりますが、
※プレイングについて
『(1)か(2)での行動』と『(3)での行動』の両方をお書きください。
PCの登場シーンは、作業と入浴の2シーンになります。
分量はプレイングを見て判断させていただきますので、活躍したいシーンの方に力を入れてプレイングをお書きください。
それでは、行ってらっしゃいませ。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/07/10 17:55
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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温泉計画 イーディス・ノースハイド(ka2106) 人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2014/06/19 04:16:31 |
|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/06/16 12:36:13 |
|
![]() |
質問受付用カウンター フクカン(kz0035) エルフ|12才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2014/06/13 23:10:14 |