ゲスト
(ka0000)
霧に覆われた収穫祭
マスター:虚現亭九楽

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/12/03 15:00
- リプレイ完成予定
- 2014/12/12 15:00
オープニング
●
小さな農村で、野菜の収穫が最盛期を迎えていた。今年も例年通り、豊富な実りを授けてくれた大地に感謝するため、週末に収穫祭が行われる予定だった。収穫作業に祭りの準備が重なるため、一年のうちでも特に忙しい季節だ。
広場の中央では、祭りのシンボルである櫓の完成が近い。ぐるりと囲うように屋台も並び始めた。祭りが始まれば、歌あり踊りありの大騒ぎがここで行われる。屋台ではこれでもかというほどのごちそうと酒が振る舞われるはずだ。
今は日暮れ時、作業に勤しんでいた村人たちはすでに引き上げていた。静かな広場にぽつんと、櫓を見上げる少年がいた。少年は毎年の祭りを何よりも楽しみにしていた。特に、今年は初めて櫓に上がらせてもらえることになっている。少年の目は、期待に満ちていた。
●
村の北に、手付かずの小さな森がある。常緑樹が多く、今の季節でも鈍い緑に覆われている。地形と気候の影響か、季節を問わず靄がかかっている事が多く、村人が立ち寄ることは少ない。特に寒い季節になると、北の森から風に運ばれてきた濃い霧が、村を覆う事もある。そのため村では北の森を『霧の森』あるいは単に『霧』と呼んでいた。
この日も、足元からじわじわと、靄が立ち上がった。靄はみるみるうちに森を覆い隠す霧となった。吹きすさぶ寒風に乗って、霧は村へと近づいていった。
村にとっては珍しい現象ではない。ただし、この日の霧は、黒く大きな影を孕んでいた。
●
「霧が来てるみたいだから、とっとと帰るぞ」
父に声をかけられて、櫓を見上げていた少年が振り返った。父の言うとおり、村は輪郭を薄ぼんやりとさせていた。少年が父のもとへ走りだそうとした時、冷たい風と共に濃い霧の塊が広場に流れ込んできた。
視界が、真っ白になった。
真っ白な、渦巻く霧の中に、真っ黒な影があるのを見た。
霧をかき分けて、一直線に自分の方へ向かってくる黒く大きな影を、少年は見た。
「うわっ」
少年はその場に倒れこんだ。幸いにも影は、少年のすぐ脇を通りすぎて行っただけであった。
後ろから、大きな衝突音が聞こえた。
「どうした! 大丈夫か!」
父が叫んだ。霧の切れ目に、倒れこんだ少年を見つけた父は、すぐさま駆け寄った。
「大丈夫か。怪我は?」
「あ、あれ」
少年が指す方、そこには、黒く、大きなイノシシがいた。口の両脇からは立派な牙が生えている。
「ああ、櫓が!」
イノシシの激突により、櫓が無残にも崩れ落ちていた。
「危ない!」
イノシシが再び突進しようと構えたのを見て、父が少年に覆いかぶさった。
凄まじい音が、広場に谺した。
音がやみ、ようやく顔を上げた少年が見たのは、惨状だった。
●
「これじゃ今年の祭りは無理だなあ」
翌朝、広場に集まった村人を前に、村長が言った。広場には、櫓と屋台の残骸が、そこかしこに散らばっていた。ただでさえ忙しい時期に、これだけの被害を受けてはさすがに人手が足りない。残骸を片付けるだけで精一杯だろう。
「それで、そのイノシシはどうなったんだ」
村長の問いかけに、一人の村人が答えた。
「散々暴れた後、『霧』の方へ行ったのを見たよ」
「怪我人は?」
「瓦礫に当たって軽く怪我したのが何人か。幸い、それだけだ」
「ふう、やれやれ、どうしたものかな」
頭を抱えた村長に、寄ってきたのは婆やだった。
「祭りを中止させてはならん」
「婆や、何言ってるんだ。こんな状況だっていうのに」
婆やは村長の母である。明晰で感性が鋭く、隠居してからも村のご意見番として重宝されている。
「わしらみたいな農村はな、大地への感謝を忘れたらおしまいじゃ。災いは連鎖する。今年祭りができなければきっと来年また災いが来るぞ」
「そんなこと言われたって、さすがに無理だ」
村人たちは、消沈していた。
●
混み合うハンターオフィスの受付窓口に、小さな頭が、ひょこりと現れた。あどけない顔立ちだが、その目は強い。
「村を、救って欲しいんです!」
小さな農村で、野菜の収穫が最盛期を迎えていた。今年も例年通り、豊富な実りを授けてくれた大地に感謝するため、週末に収穫祭が行われる予定だった。収穫作業に祭りの準備が重なるため、一年のうちでも特に忙しい季節だ。
広場の中央では、祭りのシンボルである櫓の完成が近い。ぐるりと囲うように屋台も並び始めた。祭りが始まれば、歌あり踊りありの大騒ぎがここで行われる。屋台ではこれでもかというほどのごちそうと酒が振る舞われるはずだ。
今は日暮れ時、作業に勤しんでいた村人たちはすでに引き上げていた。静かな広場にぽつんと、櫓を見上げる少年がいた。少年は毎年の祭りを何よりも楽しみにしていた。特に、今年は初めて櫓に上がらせてもらえることになっている。少年の目は、期待に満ちていた。
●
村の北に、手付かずの小さな森がある。常緑樹が多く、今の季節でも鈍い緑に覆われている。地形と気候の影響か、季節を問わず靄がかかっている事が多く、村人が立ち寄ることは少ない。特に寒い季節になると、北の森から風に運ばれてきた濃い霧が、村を覆う事もある。そのため村では北の森を『霧の森』あるいは単に『霧』と呼んでいた。
この日も、足元からじわじわと、靄が立ち上がった。靄はみるみるうちに森を覆い隠す霧となった。吹きすさぶ寒風に乗って、霧は村へと近づいていった。
村にとっては珍しい現象ではない。ただし、この日の霧は、黒く大きな影を孕んでいた。
●
「霧が来てるみたいだから、とっとと帰るぞ」
父に声をかけられて、櫓を見上げていた少年が振り返った。父の言うとおり、村は輪郭を薄ぼんやりとさせていた。少年が父のもとへ走りだそうとした時、冷たい風と共に濃い霧の塊が広場に流れ込んできた。
視界が、真っ白になった。
真っ白な、渦巻く霧の中に、真っ黒な影があるのを見た。
霧をかき分けて、一直線に自分の方へ向かってくる黒く大きな影を、少年は見た。
「うわっ」
少年はその場に倒れこんだ。幸いにも影は、少年のすぐ脇を通りすぎて行っただけであった。
後ろから、大きな衝突音が聞こえた。
「どうした! 大丈夫か!」
父が叫んだ。霧の切れ目に、倒れこんだ少年を見つけた父は、すぐさま駆け寄った。
「大丈夫か。怪我は?」
「あ、あれ」
少年が指す方、そこには、黒く、大きなイノシシがいた。口の両脇からは立派な牙が生えている。
「ああ、櫓が!」
イノシシの激突により、櫓が無残にも崩れ落ちていた。
「危ない!」
イノシシが再び突進しようと構えたのを見て、父が少年に覆いかぶさった。
凄まじい音が、広場に谺した。
音がやみ、ようやく顔を上げた少年が見たのは、惨状だった。
●
「これじゃ今年の祭りは無理だなあ」
翌朝、広場に集まった村人を前に、村長が言った。広場には、櫓と屋台の残骸が、そこかしこに散らばっていた。ただでさえ忙しい時期に、これだけの被害を受けてはさすがに人手が足りない。残骸を片付けるだけで精一杯だろう。
「それで、そのイノシシはどうなったんだ」
村長の問いかけに、一人の村人が答えた。
「散々暴れた後、『霧』の方へ行ったのを見たよ」
「怪我人は?」
「瓦礫に当たって軽く怪我したのが何人か。幸い、それだけだ」
「ふう、やれやれ、どうしたものかな」
頭を抱えた村長に、寄ってきたのは婆やだった。
「祭りを中止させてはならん」
「婆や、何言ってるんだ。こんな状況だっていうのに」
婆やは村長の母である。明晰で感性が鋭く、隠居してからも村のご意見番として重宝されている。
「わしらみたいな農村はな、大地への感謝を忘れたらおしまいじゃ。災いは連鎖する。今年祭りができなければきっと来年また災いが来るぞ」
「そんなこと言われたって、さすがに無理だ」
村人たちは、消沈していた。
●
混み合うハンターオフィスの受付窓口に、小さな頭が、ひょこりと現れた。あどけない顔立ちだが、その目は強い。
「村を、救って欲しいんです!」
解説
【目的】
村で収穫祭を開催できるよう、巨大イノシシ型の雑魔の退治と、広場の復旧及び祭りの準備を手伝って欲しいとの依頼です。
【イノシシ型雑魔】
突進して攻撃してくる巨大な雑魔です。大きな二本の牙を持っていて、まともに衝突すればひとたまりもありませんが、攻撃はワンパターンです。
普段は村の北にある通称『霧の森』に潜んでいると思われますが、日が暮れると外へ出てくるようです。
【霧の森】
それほど広い森ではないため、ハンターの皆様ならそれほど苦もなく捜索活動を行えると思います。
ただし手付かずの森なので足元が悪く、霧がかかっていて見通しもよくありません。
【収穫祭】
壊された広場の櫓、屋台を復旧し、祭りを開催できるよう手伝って欲しいとのことです。
特に、ハンターオフィスに訪れた少年は櫓の復旧を何より願っているそうです。
祭りで振る舞われる料理などの手伝いも可能です。
無事に祭りが開催の運びとなった場合、ハンターの皆様もぜひご参加くださいとのことです。歌や踊りなど、出し物も歓迎します。
村で収穫祭を開催できるよう、巨大イノシシ型の雑魔の退治と、広場の復旧及び祭りの準備を手伝って欲しいとの依頼です。
【イノシシ型雑魔】
突進して攻撃してくる巨大な雑魔です。大きな二本の牙を持っていて、まともに衝突すればひとたまりもありませんが、攻撃はワンパターンです。
普段は村の北にある通称『霧の森』に潜んでいると思われますが、日が暮れると外へ出てくるようです。
【霧の森】
それほど広い森ではないため、ハンターの皆様ならそれほど苦もなく捜索活動を行えると思います。
ただし手付かずの森なので足元が悪く、霧がかかっていて見通しもよくありません。
【収穫祭】
壊された広場の櫓、屋台を復旧し、祭りを開催できるよう手伝って欲しいとのことです。
特に、ハンターオフィスに訪れた少年は櫓の復旧を何より願っているそうです。
祭りで振る舞われる料理などの手伝いも可能です。
無事に祭りが開催の運びとなった場合、ハンターの皆様もぜひご参加くださいとのことです。歌や踊りなど、出し物も歓迎します。
マスターより
お初にお目にかかります。
虚現亭九楽(きょげんていくらく)と申します。
収穫祭の季節は過ぎ去ろうとしておりますが、まだまだいけるお祭りシナリオです。
盛大なお祭りの開催を願っております。
虚現亭九楽(きょげんていくらく)と申します。
収穫祭の季節は過ぎ去ろうとしておりますが、まだまだいけるお祭りシナリオです。
盛大なお祭りの開催を願っております。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/12/08 23:29
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/12/01 18:36:54 |
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相談卓 ティーナ・ウェンライト(ka0165) 人間(リアルブルー)|28才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2014/12/02 23:59:36 |