ゲスト
(ka0000)
モグラ横丁の事件
マスター:韮瀬隈則

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- サポート
- 現在0人 / 0~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/12/01 22:00
- リプレイ完成予定
- 2014/12/10 22:00
オープニング
●
異界の船が転移して以来、リゼリオとその周辺はハンター景気に後押しされ街は賑わいを日々増している。
だが──
そんな中でも取り残された一角というのは存在するものだ。街外れも大概な、うらぶれた小さな盛り場のさらに外れ。日中に見ても開いているかわからない日用品店、少しいかがわしさを漂わせる落ちそうな看板、濁った小さな窓はさび付いて開けそうにない。
盛り場の従業員の狭く煤けたねぐら。数十mほどの古ぼけた鍵型の袋小路の渾名は、誰がつけたかモグラ横丁という。
●
「まずトラブルを疑ったんですがね。初動がマズかったのは認めます」
最初の被害者は横丁にねぐらを持つ酒乱の男で、よく暴れては酔いつぶれておりましたので。この地区の治安担当は言い訳じみた経緯を話す。
2日前。横丁の路上で初老の男が殺された。爪のついたショベルのようなもので、上段から力任せに殴られたらしき傷が致命傷だ。
事件のあった深夜、たまたま横丁入り口近くで作業中だった大工が、袋小路への出入りは無かったと証言。現場には凶器に合致するシャベルが放置されていた。だから役人は、横丁の住人を疑った。犬を飼い、力持ちで大柄で、酒乱の男とトラブルがあった者。
「犬、とは?」
ハンターの問いに、役人は被害者の服を指し示す。血のついた毛皮でこすったような跡。迂闊だった。犬がトラブルの原因だったと聞いて飛びついてしまった。人ではない痕跡を見つけた時点で歪虚を疑うべきだった。
まる1日、無駄足をふんだのだ。
進展があったのは昨夜。
珍しく悪い酒に酔った飲み屋の女将が、吐き気に耐えかねてねぐらから這い出し、横丁にできたばかりの空き地に蹲った。事を済ませその場所が事件現場と気づき、思わずあたりを見回したのち、簡単な後始末をして立ち去ろうとした。
「最初は誰もなにも居なかった。けれど、自分の他にも土を掘るような音がして、照明を掲げてみたの。そしたら、ああ! あのバケモノどもが土の中から出てきて……」
照明が直立したバケモノを照らし出した瞬間、慌てたように目を覆い硬直した隙を逃さず、ランタンを投げつけてねぐらのある建物に駆け込み扉を家具で塞いで夜が明けるまで震えていたと女将は供述。
1体は、大柄な男ほどの図体で大きな爪の生えた前足を持っていた。明かりも無い状態で追いかけてこられたら助からなかったろう。大きなバケモノだけに気をとられていたけれど、足元を絡みつくように小さな獣が擦り寄ってきていた。足が絡まって転んでいたら……
さらなる調書によれば、ランタンが当たって襲撃が止まり、おそらく硬直が解けて早々に土中に逃げたと推測された。しかし、翌朝の捜査では土の表面の数箇所に柔らかい箇所が見受けられただけで、通路も巣穴も形状を保ったものは見つけられなかった。
●
現場のつくりはこうです。と、ハンターが求める前に資料が差し出された。
もともとの横丁を上から見ればL字を回転させた鍵型の様だろう。
道は汚れ磨り減った石畳、両脇に連なる煤けたレンガや漆喰造りの二階建て。
そのL字の一辺の中ごろに、数日前、建物を取り壊してそこだけ柔らかい土が露出する狭い空き地ができていた。
「横丁の形は元のL字がF字になった、と考えてください。横丁の入り口はFの下部。突き当たりを右に折れる袋小路の手前に、細長い空き地があるわけです」
道幅はおおよそ4m。F字の縦辺、全長40m。F字の横辺、20m。
問題の空き地は縦辺中央あたり。間口が約6m、奥行きが12m程だろうか。
たぶん、最初の酒乱の男も、ここで酒臭さを撒き散らして潰れているところに奇禍にあったのだ。
つくづく。本当につくづく初動ミスが悔やまれる。
「この失敗に住人達は冷ややかでね。全面協力が得られる余裕はせいぜい1晩です」
侘しい場末の住人達だ。行く場所も無く、悠長に数日間を退避に回せる身分ではない。
本当に申し訳ない。早く解決しろとせっつかれた勇み足がこれです。
オフィスのミーティングルームで、役人は深々と頭を下げた。
異界の船が転移して以来、リゼリオとその周辺はハンター景気に後押しされ街は賑わいを日々増している。
だが──
そんな中でも取り残された一角というのは存在するものだ。街外れも大概な、うらぶれた小さな盛り場のさらに外れ。日中に見ても開いているかわからない日用品店、少しいかがわしさを漂わせる落ちそうな看板、濁った小さな窓はさび付いて開けそうにない。
盛り場の従業員の狭く煤けたねぐら。数十mほどの古ぼけた鍵型の袋小路の渾名は、誰がつけたかモグラ横丁という。
●
「まずトラブルを疑ったんですがね。初動がマズかったのは認めます」
最初の被害者は横丁にねぐらを持つ酒乱の男で、よく暴れては酔いつぶれておりましたので。この地区の治安担当は言い訳じみた経緯を話す。
2日前。横丁の路上で初老の男が殺された。爪のついたショベルのようなもので、上段から力任せに殴られたらしき傷が致命傷だ。
事件のあった深夜、たまたま横丁入り口近くで作業中だった大工が、袋小路への出入りは無かったと証言。現場には凶器に合致するシャベルが放置されていた。だから役人は、横丁の住人を疑った。犬を飼い、力持ちで大柄で、酒乱の男とトラブルがあった者。
「犬、とは?」
ハンターの問いに、役人は被害者の服を指し示す。血のついた毛皮でこすったような跡。迂闊だった。犬がトラブルの原因だったと聞いて飛びついてしまった。人ではない痕跡を見つけた時点で歪虚を疑うべきだった。
まる1日、無駄足をふんだのだ。
進展があったのは昨夜。
珍しく悪い酒に酔った飲み屋の女将が、吐き気に耐えかねてねぐらから這い出し、横丁にできたばかりの空き地に蹲った。事を済ませその場所が事件現場と気づき、思わずあたりを見回したのち、簡単な後始末をして立ち去ろうとした。
「最初は誰もなにも居なかった。けれど、自分の他にも土を掘るような音がして、照明を掲げてみたの。そしたら、ああ! あのバケモノどもが土の中から出てきて……」
照明が直立したバケモノを照らし出した瞬間、慌てたように目を覆い硬直した隙を逃さず、ランタンを投げつけてねぐらのある建物に駆け込み扉を家具で塞いで夜が明けるまで震えていたと女将は供述。
1体は、大柄な男ほどの図体で大きな爪の生えた前足を持っていた。明かりも無い状態で追いかけてこられたら助からなかったろう。大きなバケモノだけに気をとられていたけれど、足元を絡みつくように小さな獣が擦り寄ってきていた。足が絡まって転んでいたら……
さらなる調書によれば、ランタンが当たって襲撃が止まり、おそらく硬直が解けて早々に土中に逃げたと推測された。しかし、翌朝の捜査では土の表面の数箇所に柔らかい箇所が見受けられただけで、通路も巣穴も形状を保ったものは見つけられなかった。
●
現場のつくりはこうです。と、ハンターが求める前に資料が差し出された。
もともとの横丁を上から見ればL字を回転させた鍵型の様だろう。
道は汚れ磨り減った石畳、両脇に連なる煤けたレンガや漆喰造りの二階建て。
そのL字の一辺の中ごろに、数日前、建物を取り壊してそこだけ柔らかい土が露出する狭い空き地ができていた。
「横丁の形は元のL字がF字になった、と考えてください。横丁の入り口はFの下部。突き当たりを右に折れる袋小路の手前に、細長い空き地があるわけです」
道幅はおおよそ4m。F字の縦辺、全長40m。F字の横辺、20m。
問題の空き地は縦辺中央あたり。間口が約6m、奥行きが12m程だろうか。
たぶん、最初の酒乱の男も、ここで酒臭さを撒き散らして潰れているところに奇禍にあったのだ。
つくづく。本当につくづく初動ミスが悔やまれる。
「この失敗に住人達は冷ややかでね。全面協力が得られる余裕はせいぜい1晩です」
侘しい場末の住人達だ。行く場所も無く、悠長に数日間を退避に回せる身分ではない。
本当に申し訳ない。早く解決しろとせっつかれた勇み足がこれです。
オフィスのミーティングルームで、役人は深々と頭を下げた。
解説
●依頼内容
巨大モグラ型雑魔1体、ならびに付随する小型雑魔の、迅速な殲滅
●敵情報
大柄な男ほどの巨大モグラ型の雑魔1体
小型犬ほどの小型モグラ型雑魔2体
襲撃事例の2例ともが泥酔者
巨大モグラ雑魔は、工事用の手持ち爪型シャベル程度の大きさの発達した爪と前足を持ち、怪力での殴打により人間を襲う
人間襲撃時には直立歩行を多用、四足歩行は地中逃亡時などに行われる
敏捷性は直立時で人間と同等、地中逃亡時の動作は元のモグラ以上に機敏
小型モグラ雑魔は、一般的なモグラと同等の能力しかないが襲撃対象の足元を阻害する
後足ならびに牙などが攻撃に使われた形跡は無い
石などで覆われた地面・壁面を突破するほどの威力は持たない
両型とも、暗所に特化した生態のため、強力な光に弱い
照明が顔面に直射された場合、数秒の硬直の後に暗所を探し逃亡を試みる
●現地情報
場末の横丁
建物は古い石かレンガ製、路面は石畳
元はL字型の袋小路だったが、一辺中間部の建物が取り壊されF字型を形成する
道幅4m、F字縦辺40m、F字横辺上20m、F字横辺下が空き地に相当
空き地はF字縦辺中央付近、間口6m、奥行き12m
□□ →袋小路へ
□
□■ 空き地
□
↑ 横丁入り口
●捜査・住民情報
治安担当者は負い目からか全面協力を約束
横丁の住人は面倒と長期化を嫌うが、早期解決を約束に1晩は完全にハンターの指示に従う
巨大モグラ型雑魔1体、ならびに付随する小型雑魔の、迅速な殲滅
●敵情報
大柄な男ほどの巨大モグラ型の雑魔1体
小型犬ほどの小型モグラ型雑魔2体
襲撃事例の2例ともが泥酔者
巨大モグラ雑魔は、工事用の手持ち爪型シャベル程度の大きさの発達した爪と前足を持ち、怪力での殴打により人間を襲う
人間襲撃時には直立歩行を多用、四足歩行は地中逃亡時などに行われる
敏捷性は直立時で人間と同等、地中逃亡時の動作は元のモグラ以上に機敏
小型モグラ雑魔は、一般的なモグラと同等の能力しかないが襲撃対象の足元を阻害する
後足ならびに牙などが攻撃に使われた形跡は無い
石などで覆われた地面・壁面を突破するほどの威力は持たない
両型とも、暗所に特化した生態のため、強力な光に弱い
照明が顔面に直射された場合、数秒の硬直の後に暗所を探し逃亡を試みる
●現地情報
場末の横丁
建物は古い石かレンガ製、路面は石畳
元はL字型の袋小路だったが、一辺中間部の建物が取り壊されF字型を形成する
道幅4m、F字縦辺40m、F字横辺上20m、F字横辺下が空き地に相当
空き地はF字縦辺中央付近、間口6m、奥行き12m
□□ →袋小路へ
□
□■ 空き地
□
↑ 横丁入り口
●捜査・住民情報
治安担当者は負い目からか全面協力を約束
横丁の住人は面倒と長期化を嫌うが、早期解決を約束に1晩は完全にハンターの指示に従う
マスターより
はじめまして。韮瀬と申します。
やはり最初の事件はポーのひそみに倣って、と頑張ったのですが似ても似つかぬシナリオになりました。
一見、情報が多く見えますが、実質は単純な討伐物です。
敵が人間に反応する要因は、状態よりも五感のひとつを優先で設定しています。
やはり最初の事件はポーのひそみに倣って、と頑張ったのですが似ても似つかぬシナリオになりました。
一見、情報が多く見えますが、実質は単純な討伐物です。
敵が人間に反応する要因は、状態よりも五感のひとつを優先で設定しています。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/12/08 03:15
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 カエデ・グリーンフィールド(ka3568) 人間(クリムゾンウェスト)|13才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2014/12/01 21:06:41 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/11/29 21:32:24 |