ゲスト
(ka0000)
【虚動】踏みゆく先を公孫樹に閉ざし。
マスター:蓮華・水無月

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- サポート
- 現在0人 / 0~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/12/03 07:30
- リプレイ完成予定
- 2014/12/12 07:30
オープニング
5年前に起こった王国を襲う災厄、その再来たるイスルダ島の歪虚の襲来は、クリムゾンウェストの世界を駆け巡り、震撼させた。
異界より到来したラッツィオ島での戦い、そして帝国に再び姿を現した剣機の歪虚。
世界を覆ういくつもの邪悪の影は、各国、各地域の首脳陣をリゼリオへと呼び集める。
人類の明日を、如何に守るべきか。
異世界リアルブルーの人々も交えた会合により、人類の希望は二つの兵器に託される。
一つは、蒼き世界の機械の巨人、サルヴァトーレ・ロッソに眠る戦闘装甲機「CAM」。
だがそれは、必要な燃料の入手に苦慮し、動くことはあたわなかった。
一つは、帝国の練魔院にて研究されてきた魔導アーマー。
長年の研究の結果、稼働実験にまで漕ぎ着けた、新たなる力。
そして世界は、二つの力を合わせることを選択する。
魔導アーマーの動力をCAMに搭載する実験が提唱され、世界はそれに向けて動き出した。
仮に実験が成功すれば、人類は歪虚に対抗する大きな手段を得るだろう。
だが……。
●
ゾンネンシュトラール帝国の帝都バルトアンデルスには、錬魔院と呼ばれる場所がある。ワルプルギス錬魔院――国軍直下の研究機関らしいが、一介のハンターに過ぎないフリーダには今の所は縁もなく、正直な所は興味もない場所だ。
なのになぜ、彼女が今その錬魔院に所属する研究者と話しているのか、考えてみれば興味深い話だった。
(――いえ、やっぱりムカつくだけだわ)
己の数秒前の思考をあっさりと切り捨てて、フリーダは我ながら冷たい眼差しを目の前に居る2人に向ける。言っては悪いがどちらも、世間なんてものは知らなさそうな顔だ。
おまけに、片方は知らない相手ではない。錬魔院に所属する若手の研究員、アルノー。友人でもある彼が、見た目から受ける印象通り世間知らずであることを、不幸にしてフリーダは知っている。
「――で? アルノー、もう1回、あたしにも解るように言ってくれる?」
「うん、良いよ。つまり、僕らは辺境で行われるというCAM起動実験を見に行きたいんだ」
実の所、フリーダがこの説明を求めるのはすでに3回目だったのだが、アルノーは快く頷いてそう言った。その傍らに居る錬魔院の同僚研究員だという青年も、一緒にうんうん大きく頷いている。
同類の研究馬鹿かしら、とかなりひどい推察をするフリーダには気付かないまま、アルノーは実に3回目の説明を繰り返した。
近々、辺境地域では色々なお偉方を招いて内密に、CAMというリアルブルーのとても強力な兵器――機導人形みたいなものだとアルノーは言った――をクリムゾンウェストでも使えるかどうか、という実験をするのだという。何でもこちらではその機導人形を動かすのに十分な燃料――マテリアルのことだろうか――がないのだけれども、錬魔院の院長がそれを解決する装置を作ったのだとかなんとか。
専門用語が多すぎてフリーダにはやはり何のことだか分らなかったのだが、簡単にまとめるとそういうことらしかった。そしてこのアルノーは、その実験とやらを見に行きたいので自分達を辺境まで連れて行って欲しい、のだという。
そこまでを理解して、フリーダは冷たくこう言った。
「嫌よ、めんどくさい。自分で行けば良いじゃない」
「それが出来るなら、わざわざフリーダに頼まないよ。お金取られるし」
その言葉に、アルノーはまるで少年のように唇を尖らせて主張する。一応フリーダもハンターで食べているのだから報酬は支払ってもらわなければ困るのだが、このバカの頭の中にはそういう理論はないらしい。
何でもCAMという機導人形(フリーダの中ではもうこうなった)については錬魔院の中でも賛否両論があるらしく、おいそれと若手のアルノー達が『見に行ってみたいでーす♪』なんて言えない雰囲気なのだという。なので出来れば目に付きたくはないし、そもそもアルノー達は生まれも育ちも帝都で旅行すら行った事が殆どなく、辺境にどうやって行けば良いのかも全く判らない。
「でも面白そうだから見に行ってみたいし。だから、フリーダに頼めば出来るかな、って思ったんだ」
「あんた達2人だけなの? それなら馬車を借りて、あたし1人で行けなくも……」
「いえ、せっかくだから大型観測機も持っていきたいんです。絶対、二度とこんなチャンスないって思って! あ、僕はボリスと言います、よろしくお願いします」
「――フリーダよ」
やっぱこいつも絶対アルノーと同類の馬鹿だ、と確信しながらフリーダはにこにこ笑って手を差し出してくるボリスと握手した。大型観測装置、と胸の中で繰り返す。
そんなものを持っていくのなら、確実に自分だけでは手が足りない。仲間を集めない事には絶対に人手が足りない。
この2人に馬車を操るような技術はなさそうだし。幾つか目につかないルートは彼女も知っているけれど、馬車を連ねて進める様な道は限られてくるし、それでも人目に付かないような道には大抵、雑魔や追い剥ぎが出てくるものなのだ。
そんなことも、このバカどもの頭の中には絶対に入っていないのだろう。
「あと5人……いえ、せめて6人は呼ばせてもらうわよ。もちろん、費用はあんたが持ちなさいね」
「え~~~~~ッ!?」
ゆえにフリーダがそう宣言した瞬間、盛大に不満の声を上げたアルノーを、今度こそ彼女は容赦なく殴りつけた。
●
出立当日。
実に馬車5台分になった大荷物を見て、フリーダが怒り心頭になり、「こんなに大きかったっけ?」「さあ? 増えた気もするけど――行って荷ほどきして組み立ててみれば分かるんじゃないか?」「そうだね」「うん」ととぼけた会話をしているアルノーとボリスを殴りつけたのは、また別のお話である。
異界より到来したラッツィオ島での戦い、そして帝国に再び姿を現した剣機の歪虚。
世界を覆ういくつもの邪悪の影は、各国、各地域の首脳陣をリゼリオへと呼び集める。
人類の明日を、如何に守るべきか。
異世界リアルブルーの人々も交えた会合により、人類の希望は二つの兵器に託される。
一つは、蒼き世界の機械の巨人、サルヴァトーレ・ロッソに眠る戦闘装甲機「CAM」。
だがそれは、必要な燃料の入手に苦慮し、動くことはあたわなかった。
一つは、帝国の練魔院にて研究されてきた魔導アーマー。
長年の研究の結果、稼働実験にまで漕ぎ着けた、新たなる力。
そして世界は、二つの力を合わせることを選択する。
魔導アーマーの動力をCAMに搭載する実験が提唱され、世界はそれに向けて動き出した。
仮に実験が成功すれば、人類は歪虚に対抗する大きな手段を得るだろう。
だが……。
●
ゾンネンシュトラール帝国の帝都バルトアンデルスには、錬魔院と呼ばれる場所がある。ワルプルギス錬魔院――国軍直下の研究機関らしいが、一介のハンターに過ぎないフリーダには今の所は縁もなく、正直な所は興味もない場所だ。
なのになぜ、彼女が今その錬魔院に所属する研究者と話しているのか、考えてみれば興味深い話だった。
(――いえ、やっぱりムカつくだけだわ)
己の数秒前の思考をあっさりと切り捨てて、フリーダは我ながら冷たい眼差しを目の前に居る2人に向ける。言っては悪いがどちらも、世間なんてものは知らなさそうな顔だ。
おまけに、片方は知らない相手ではない。錬魔院に所属する若手の研究員、アルノー。友人でもある彼が、見た目から受ける印象通り世間知らずであることを、不幸にしてフリーダは知っている。
「――で? アルノー、もう1回、あたしにも解るように言ってくれる?」
「うん、良いよ。つまり、僕らは辺境で行われるというCAM起動実験を見に行きたいんだ」
実の所、フリーダがこの説明を求めるのはすでに3回目だったのだが、アルノーは快く頷いてそう言った。その傍らに居る錬魔院の同僚研究員だという青年も、一緒にうんうん大きく頷いている。
同類の研究馬鹿かしら、とかなりひどい推察をするフリーダには気付かないまま、アルノーは実に3回目の説明を繰り返した。
近々、辺境地域では色々なお偉方を招いて内密に、CAMというリアルブルーのとても強力な兵器――機導人形みたいなものだとアルノーは言った――をクリムゾンウェストでも使えるかどうか、という実験をするのだという。何でもこちらではその機導人形を動かすのに十分な燃料――マテリアルのことだろうか――がないのだけれども、錬魔院の院長がそれを解決する装置を作ったのだとかなんとか。
専門用語が多すぎてフリーダにはやはり何のことだか分らなかったのだが、簡単にまとめるとそういうことらしかった。そしてこのアルノーは、その実験とやらを見に行きたいので自分達を辺境まで連れて行って欲しい、のだという。
そこまでを理解して、フリーダは冷たくこう言った。
「嫌よ、めんどくさい。自分で行けば良いじゃない」
「それが出来るなら、わざわざフリーダに頼まないよ。お金取られるし」
その言葉に、アルノーはまるで少年のように唇を尖らせて主張する。一応フリーダもハンターで食べているのだから報酬は支払ってもらわなければ困るのだが、このバカの頭の中にはそういう理論はないらしい。
何でもCAMという機導人形(フリーダの中ではもうこうなった)については錬魔院の中でも賛否両論があるらしく、おいそれと若手のアルノー達が『見に行ってみたいでーす♪』なんて言えない雰囲気なのだという。なので出来れば目に付きたくはないし、そもそもアルノー達は生まれも育ちも帝都で旅行すら行った事が殆どなく、辺境にどうやって行けば良いのかも全く判らない。
「でも面白そうだから見に行ってみたいし。だから、フリーダに頼めば出来るかな、って思ったんだ」
「あんた達2人だけなの? それなら馬車を借りて、あたし1人で行けなくも……」
「いえ、せっかくだから大型観測機も持っていきたいんです。絶対、二度とこんなチャンスないって思って! あ、僕はボリスと言います、よろしくお願いします」
「――フリーダよ」
やっぱこいつも絶対アルノーと同類の馬鹿だ、と確信しながらフリーダはにこにこ笑って手を差し出してくるボリスと握手した。大型観測装置、と胸の中で繰り返す。
そんなものを持っていくのなら、確実に自分だけでは手が足りない。仲間を集めない事には絶対に人手が足りない。
この2人に馬車を操るような技術はなさそうだし。幾つか目につかないルートは彼女も知っているけれど、馬車を連ねて進める様な道は限られてくるし、それでも人目に付かないような道には大抵、雑魔や追い剥ぎが出てくるものなのだ。
そんなことも、このバカどもの頭の中には絶対に入っていないのだろう。
「あと5人……いえ、せめて6人は呼ばせてもらうわよ。もちろん、費用はあんたが持ちなさいね」
「え~~~~~ッ!?」
ゆえにフリーダがそう宣言した瞬間、盛大に不満の声を上げたアルノーを、今度こそ彼女は容赦なく殴りつけた。
●
出立当日。
実に馬車5台分になった大荷物を見て、フリーダが怒り心頭になり、「こんなに大きかったっけ?」「さあ? 増えた気もするけど――行って荷ほどきして組み立ててみれば分かるんじゃないか?」「そうだね」「うん」ととぼけた会話をしているアルノーとボリスを殴りつけたのは、また別のお話である。
解説
●目的
・辺境のCAM起動実験場までの依頼人2人を護衛して下さい。
・あまり人目を引かないようにしたい、というのが依頼人の意向です。
・用意された馬車5台のうち、4台には大型機導装置のパーツらしい包みが載せられています。依頼人は装置を大切にしているらしく、触られるのをあまり好みません。ただし、聞かれると楽しそうにしゃべり始めます(
辺境の実験場までのルートは、フリーダが選定済みです。
道中にはゴブリンの追い剥ぎ団が出るという情報があり、実際に幾らかの被害は出ているようです。
なお、フリーダが仕入れた情報によればゴブリンは6~8匹、剣や槍で武装しては居ますが、イチョウの林に隠れて数に任せて襲ってくるタイプで彼我の力量差には敏感です。
なお、フリーダは皆様のご自由に作戦に組み込んで頂いて構いません。
特になければ、彼女は依頼人の護衛を中心に皆様のフォローに回ります。
依頼人のアルノーとボリスは、基本的には何も考えずに己の興味のままに動き回ります。
ただし考えていないだけなので、頼めば静かにしていたり、動かないでいてくれる事は出来ます。
生まれも育ちも帝都、ほとんど外に出た事がなく、若手研究者ゆえなのかあらゆるものに対する好奇心に満ちた性格をしています。
関連NPCは以下の通り。
・フリーダ・ターナー 人間(紅)|20才|女性|聖導士
活動歴4年のそこそこ経験を積んだハンター。
クラスはクルセイダー、使用武器はメイスで、スキルはヒール、シールドバッシュ、メイスファインティング。
それではお気が向かれましたら、どうぞよろしくお願いいたします(深々と
※依頼参加上のご注意※
・依頼に参加なさいましたら、まずは『がんばる』の一言だけでも仮プレイングを送信される事を、強くお奨めいたします。
・所持品をご使用になる場合は、可能な限りプレイングにご明記頂けると助かります。
・称号は、希望と書いて頂いても対応出来ません。
・辺境のCAM起動実験場までの依頼人2人を護衛して下さい。
・あまり人目を引かないようにしたい、というのが依頼人の意向です。
・用意された馬車5台のうち、4台には大型機導装置のパーツらしい包みが載せられています。依頼人は装置を大切にしているらしく、触られるのをあまり好みません。ただし、聞かれると楽しそうにしゃべり始めます(
辺境の実験場までのルートは、フリーダが選定済みです。
道中にはゴブリンの追い剥ぎ団が出るという情報があり、実際に幾らかの被害は出ているようです。
なお、フリーダが仕入れた情報によればゴブリンは6~8匹、剣や槍で武装しては居ますが、イチョウの林に隠れて数に任せて襲ってくるタイプで彼我の力量差には敏感です。
なお、フリーダは皆様のご自由に作戦に組み込んで頂いて構いません。
特になければ、彼女は依頼人の護衛を中心に皆様のフォローに回ります。
依頼人のアルノーとボリスは、基本的には何も考えずに己の興味のままに動き回ります。
ただし考えていないだけなので、頼めば静かにしていたり、動かないでいてくれる事は出来ます。
生まれも育ちも帝都、ほとんど外に出た事がなく、若手研究者ゆえなのかあらゆるものに対する好奇心に満ちた性格をしています。
関連NPCは以下の通り。
・フリーダ・ターナー 人間(紅)|20才|女性|聖導士
活動歴4年のそこそこ経験を積んだハンター。
クラスはクルセイダー、使用武器はメイスで、スキルはヒール、シールドバッシュ、メイスファインティング。
それではお気が向かれましたら、どうぞよろしくお願いいたします(深々と
※依頼参加上のご注意※
・依頼に参加なさいましたら、まずは『がんばる』の一言だけでも仮プレイングを送信される事を、強くお奨めいたします。
・所持品をご使用になる場合は、可能な限りプレイングにご明記頂けると助かります。
・称号は、希望と書いて頂いても対応出来ません。
マスターより
いつもお世話になっております、または初めまして、蓮華・水無月です。
何やら西方世界がざわめき始めた今日この頃、こんなお願いでひっそりとお邪魔致します。
ふと気付けば、戦闘依頼(?)を出すのはファナティックブラッドでは初めてでした。
ついに動き始めた――わりにNPCの認知度はこんなものですが、そこはそれ、人には個人差があるものですから、はい。
それではどなた様もお気軽に、どうぞよろしくお願いいたします。
何やら西方世界がざわめき始めた今日この頃、こんなお願いでひっそりとお邪魔致します。
ふと気付けば、戦闘依頼(?)を出すのはファナティックブラッドでは初めてでした。
ついに動き始めた――わりにNPCの認知度はこんなものですが、そこはそれ、人には個人差があるものですから、はい。
それではどなた様もお気軽に、どうぞよろしくお願いいたします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/12/21 04:49
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談卓 ダイン(ka2873) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2014/12/03 00:04:50 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/12/01 08:22:17 |