ゲスト
(ka0000)
捻くれお嬢様と星の丘
マスター:ゆくなが

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/01/13 12:00
- リプレイ完成予定
- 2018/01/27 12:00
オープニング
あの星空を、今でも覚えている。
お父様と喧嘩して、夜中に屋敷を飛び出して。
走って、走って、走り続けて、肺が痛くなっても走り続けてたどり着いた、丘からみた星空。
あの丘は、どこかしら。
遮二無二走ったから、場所はよく覚えていない。
そこで眠ってしまって、気がついたら屋敷のベッドに寝かされていた。
お父様に聞けばわかるのだろう。でも、ぜひ自分の力でもう一度。
あの丘にたどり着きたいものだわ……
「アメルお嬢様、危険なことはもうおやめくださいまし」
屋敷の門で家令が言った。
「こんな夜更けでなくても、お散歩はできるじゃありませんか」
口うるさいことである。私はすかさず反論する。
「放って置いてください。私だってもう16歳ですよ? 自分の身ぐらい自分で守れます」
「しかし、お嬢様はハンターではありませんし、お体も強くはありません。もし今後夜中の散歩を続けられるというのなら、護衛のものをどうぞつけてくださいまし」
ハンターではない。
そう、私は覚醒者ではない。
でも、それがなんだというのだろう?
体は弱かったけれど、頑張って鍛錬して、強くなったつもりだ。だから、何かあっても自分でなんとかできるはずだ。
にしても、こう毎回家令にぐちぐち言われていてはせっかくの深夜の逍遥もまったくつまらない。
「わかりました。護衛をつければいいのですね?」
私は落ち着け払って、物分かりのいい娘のようにいう。
「左様でございます。お父様が選りすぐった抜群のハンターたちを……」
「じゃ、私が直接見繕います。それで構いませんね」
「は?」
家令はきょとんとした。
「ですから、父の直属の部下は嫌だと言ったのです。私は自由に散歩したいのです。なので、私が直接ハンターオフィスに依頼を出します。そこでハンターを雇います。それで構いませんね」
「しかし、それでは……」
「なにが問題だというのです。これであなたとお父様の思惑通りじゃなくって? いいでしょう。今日は家にいてあげます。さっそく明日依頼を出しますからね。それまではおとなしくしてあげます。それではおやすみなさい。いい夢をご覧になって」
●
かくして、あなたたちハンターは令嬢アメル・ボルコンスの夜の逍遥のための護衛を引き受けることになった。
「来ましたね。早速行きますよ」
アメルは屋敷前できっちり防寒具をまとって、ランタンそして地図を持って待っていた。
栗色の豊かな髪に、つり上がった目元。いかにも気の強そうな少女である。
「きっと、あなたたちは夜を歩くことなんて慣れてらっしゃるのでしょう。私、探している場所があるの。ですので、あなたたちは黙ってついてきてくだされば結構です」
高圧的な態度でアメルは言う。
もし何かがあったらハンターたちの指示に従うようにと注意するが、彼女は鼻で笑った。
「ふん。覚醒者だからっていい気にならないで。私だって武芸の心得くらい――ひっ!」
アメルは情けない声を立てて、ハンターたちの後ろに隠れた。
がさがさと音がして、木陰から鳥が飛んでいったのだ。
気まずい時間が流れる。
アメルは姿勢を正して、ひとつ咳払いをした。
「えーと、このように私は大変聞き分けのいい娘です。あなたたちがハンターだか知りませんが、何かあったら言うことを聞いてあげなくもないので、よく覚えておくように」
アメルの父親は、有名なハンターだ。
しかし、そのひとり娘であるアメルは覚醒者の素質を持たなかった上に体も弱かった。
父親が有名であるがゆえに、小さい頃から彼女はハンターとしての素質を吟味され、また落胆されて来たのだ。
それが、もともと高かったアメルのプライドを捻じ曲げてしまった。
人に会えば高圧的な態度を取り、ハンターと聞けばまず辛辣に値踏みする。そんなとげとげしい殻を纏うようになってしまった。
大きくなって体も丈夫になり、多少は武芸も身についたが、それは一般人と比較すると多少強いという程度。
夜の散歩も、そんな劣等感を払拭したくてわざわざ怖いのに敢行している節があるのだ。
そんな捻くれた彼女であるが、根は優しいと信じたい。
アメルは持参した地図を元に道を探しているらしかった。
「きっと、この道です。いえ、この道で間違いありません」
アメルは前方の道を指差す。
その道は、木々が高く茂った、星光の届かない、鬱蒼とした不気味な道だった。
「さ、行きますよ?」
そう言いつつ、アメルはどう見てもおっかなびっくり歩いていくのだった。
街道は上り坂だった。
「け、結構な雰囲気じゃありません? 歪虚でも出て来そうで、大変スリリングです。護衛のしがいがあるで――ひゃっ!?」
きりりと空気が引き締まる。
歪虚の気配だ。
あなたたちは警戒を強める。
「な、なんですの? なにかあったんですの?」
アメルは、異状を察したが具体的な危機まではわからない。ただ、あなたたちが武器を構えるのをおろおろして見ている。
そして、暗がりから、矢が飛んで来た。
アメルに向かって飛んで来た矢を、ひとりのハンターが弾き返す。
「え、矢? じゃ、本当に歪虚が?」
アメルはパニックのあまり、手近なハンターにしがみついた。
左右の街道からスケルトンがわらわらとあなたたちを囲むように現れた。
その数11体。
手には、安物らしい剣や弓を持っている。大方、この辺りを根城にしていた山賊か何かの成れの果てであろう。
「数が、多いんじゃありません? 大丈夫ですよね? 大丈夫ですよね?」
アメルはしきりに確認してくる。
「お願いです。言うことを聞きますから、私を守ってください……え? 動いにくいから離せですって? い、嫌です、だって、怖いじゃありませんか! いえ、怖くなんかないんですけど、怖いじゃありませんか!」
アメルは完全に支離滅裂なことを言い、ひとりのハンターにしがみついていた。
ついに、スケルトンたちは歯をガチガチならして襲いかかって来た。
「助けて、お父様――――!」
アメルはただ叫ぶばかりだった。
お父様と喧嘩して、夜中に屋敷を飛び出して。
走って、走って、走り続けて、肺が痛くなっても走り続けてたどり着いた、丘からみた星空。
あの丘は、どこかしら。
遮二無二走ったから、場所はよく覚えていない。
そこで眠ってしまって、気がついたら屋敷のベッドに寝かされていた。
お父様に聞けばわかるのだろう。でも、ぜひ自分の力でもう一度。
あの丘にたどり着きたいものだわ……
「アメルお嬢様、危険なことはもうおやめくださいまし」
屋敷の門で家令が言った。
「こんな夜更けでなくても、お散歩はできるじゃありませんか」
口うるさいことである。私はすかさず反論する。
「放って置いてください。私だってもう16歳ですよ? 自分の身ぐらい自分で守れます」
「しかし、お嬢様はハンターではありませんし、お体も強くはありません。もし今後夜中の散歩を続けられるというのなら、護衛のものをどうぞつけてくださいまし」
ハンターではない。
そう、私は覚醒者ではない。
でも、それがなんだというのだろう?
体は弱かったけれど、頑張って鍛錬して、強くなったつもりだ。だから、何かあっても自分でなんとかできるはずだ。
にしても、こう毎回家令にぐちぐち言われていてはせっかくの深夜の逍遥もまったくつまらない。
「わかりました。護衛をつければいいのですね?」
私は落ち着け払って、物分かりのいい娘のようにいう。
「左様でございます。お父様が選りすぐった抜群のハンターたちを……」
「じゃ、私が直接見繕います。それで構いませんね」
「は?」
家令はきょとんとした。
「ですから、父の直属の部下は嫌だと言ったのです。私は自由に散歩したいのです。なので、私が直接ハンターオフィスに依頼を出します。そこでハンターを雇います。それで構いませんね」
「しかし、それでは……」
「なにが問題だというのです。これであなたとお父様の思惑通りじゃなくって? いいでしょう。今日は家にいてあげます。さっそく明日依頼を出しますからね。それまではおとなしくしてあげます。それではおやすみなさい。いい夢をご覧になって」
●
かくして、あなたたちハンターは令嬢アメル・ボルコンスの夜の逍遥のための護衛を引き受けることになった。
「来ましたね。早速行きますよ」
アメルは屋敷前できっちり防寒具をまとって、ランタンそして地図を持って待っていた。
栗色の豊かな髪に、つり上がった目元。いかにも気の強そうな少女である。
「きっと、あなたたちは夜を歩くことなんて慣れてらっしゃるのでしょう。私、探している場所があるの。ですので、あなたたちは黙ってついてきてくだされば結構です」
高圧的な態度でアメルは言う。
もし何かがあったらハンターたちの指示に従うようにと注意するが、彼女は鼻で笑った。
「ふん。覚醒者だからっていい気にならないで。私だって武芸の心得くらい――ひっ!」
アメルは情けない声を立てて、ハンターたちの後ろに隠れた。
がさがさと音がして、木陰から鳥が飛んでいったのだ。
気まずい時間が流れる。
アメルは姿勢を正して、ひとつ咳払いをした。
「えーと、このように私は大変聞き分けのいい娘です。あなたたちがハンターだか知りませんが、何かあったら言うことを聞いてあげなくもないので、よく覚えておくように」
アメルの父親は、有名なハンターだ。
しかし、そのひとり娘であるアメルは覚醒者の素質を持たなかった上に体も弱かった。
父親が有名であるがゆえに、小さい頃から彼女はハンターとしての素質を吟味され、また落胆されて来たのだ。
それが、もともと高かったアメルのプライドを捻じ曲げてしまった。
人に会えば高圧的な態度を取り、ハンターと聞けばまず辛辣に値踏みする。そんなとげとげしい殻を纏うようになってしまった。
大きくなって体も丈夫になり、多少は武芸も身についたが、それは一般人と比較すると多少強いという程度。
夜の散歩も、そんな劣等感を払拭したくてわざわざ怖いのに敢行している節があるのだ。
そんな捻くれた彼女であるが、根は優しいと信じたい。
アメルは持参した地図を元に道を探しているらしかった。
「きっと、この道です。いえ、この道で間違いありません」
アメルは前方の道を指差す。
その道は、木々が高く茂った、星光の届かない、鬱蒼とした不気味な道だった。
「さ、行きますよ?」
そう言いつつ、アメルはどう見てもおっかなびっくり歩いていくのだった。
街道は上り坂だった。
「け、結構な雰囲気じゃありません? 歪虚でも出て来そうで、大変スリリングです。護衛のしがいがあるで――ひゃっ!?」
きりりと空気が引き締まる。
歪虚の気配だ。
あなたたちは警戒を強める。
「な、なんですの? なにかあったんですの?」
アメルは、異状を察したが具体的な危機まではわからない。ただ、あなたたちが武器を構えるのをおろおろして見ている。
そして、暗がりから、矢が飛んで来た。
アメルに向かって飛んで来た矢を、ひとりのハンターが弾き返す。
「え、矢? じゃ、本当に歪虚が?」
アメルはパニックのあまり、手近なハンターにしがみついた。
左右の街道からスケルトンがわらわらとあなたたちを囲むように現れた。
その数11体。
手には、安物らしい剣や弓を持っている。大方、この辺りを根城にしていた山賊か何かの成れの果てであろう。
「数が、多いんじゃありません? 大丈夫ですよね? 大丈夫ですよね?」
アメルはしきりに確認してくる。
「お願いです。言うことを聞きますから、私を守ってください……え? 動いにくいから離せですって? い、嫌です、だって、怖いじゃありませんか! いえ、怖くなんかないんですけど、怖いじゃありませんか!」
アメルは完全に支離滅裂なことを言い、ひとりのハンターにしがみついていた。
ついに、スケルトンたちは歯をガチガチならして襲いかかって来た。
「助けて、お父様――――!」
アメルはただ叫ぶばかりだった。
解説
成功条件はアメルの護衛とスケルトンの殲滅
●敵のスペック
+剣を使うものが8体
+弓矢を使うものが2体
+リーダースケルトン(装備大剣)1体
=合計11体
リーダーは任意の味方一体の威力を1ターン上昇させるスキルを持つ。
リーダーが倒されると、スケルトンたちは指揮系統を失い、弱体化します。しかし、逃走する敵も出てくるので倒すタイミングは考えた方が良いでしょう。
●戦場について
幅6スクエアの街道。
敵の配置は、ハンターたちの進路を塞ぐように剣のスケルトンが4体、
退路を塞ぐように剣のスケルトンがまた4体、
リーダースケルトンは退路側の、手下たちを盾にするよに陣取っています。
また、弓矢のスケルトンだけは街道を挟む左右の森の中にそれぞれいます。
●アメルについて
今回の依頼主。つんけんしたお嬢様。16歳。
ハンターに対する劣等感を抱えている。
この戦闘中、ずっと誰かにしがみついています。
システム的に言えば、強度高めの行動阻害が誰かに付与されます。
仮に振り払っても別の誰かに抱きつきます。
リプレイ当初の段階で誰に抱きついているかは、プレイングで指定があればそれを優先。なければ、マスターの側でランダムに決めます。
●敵のスペック
+剣を使うものが8体
+弓矢を使うものが2体
+リーダースケルトン(装備大剣)1体
=合計11体
リーダーは任意の味方一体の威力を1ターン上昇させるスキルを持つ。
リーダーが倒されると、スケルトンたちは指揮系統を失い、弱体化します。しかし、逃走する敵も出てくるので倒すタイミングは考えた方が良いでしょう。
●戦場について
幅6スクエアの街道。
敵の配置は、ハンターたちの進路を塞ぐように剣のスケルトンが4体、
退路を塞ぐように剣のスケルトンがまた4体、
リーダースケルトンは退路側の、手下たちを盾にするよに陣取っています。
また、弓矢のスケルトンだけは街道を挟む左右の森の中にそれぞれいます。
●アメルについて
今回の依頼主。つんけんしたお嬢様。16歳。
ハンターに対する劣等感を抱えている。
この戦闘中、ずっと誰かにしがみついています。
システム的に言えば、強度高めの行動阻害が誰かに付与されます。
仮に振り払っても別の誰かに抱きつきます。
リプレイ当初の段階で誰に抱きついているかは、プレイングで指定があればそれを優先。なければ、マスターの側でランダムに決めます。
マスターより
こんにちは、あるいはこんばんは。ゆくながです。
今回は護衛依頼となっております。
捻くれちゃったお嬢様を守って、敵を殲滅してください。
また、お嬢様アメルへのいじりは大歓迎です。
それでは皆様のご参加をお待ちしております。
今回は護衛依頼となっております。
捻くれちゃったお嬢様を守って、敵を殲滅してください。
また、お嬢様アメルへのいじりは大歓迎です。
それでは皆様のご参加をお待ちしております。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/01/18 20:34
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/01/07 22:47:18 |
|
![]() |
護衛&骸骨退治! 相談卓 アルフィ(ka3254) エルフ|12才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2018/01/11 22:25:17 |