ゲスト
(ka0000)
南海の島を探れ
マスター:KINUTA

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- イベント
関連ユニオン
魔術師協会広報室- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在17人 / 1~25人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 7日
- プレイング締切
- 2018/01/21 22:00
- リプレイ完成予定
- 2018/02/04 22:00
オープニング
●マゴイ、ソルジャー、ワーカー、そして。
深夜。白い町角。白い花が咲く小さな花壇の中に黒い染みが現れた。
染みは人の形をとる。
背の高いすらりとした男。髪は銀色、瞳も銀色、着ている服は闇に溶けそうな深い青。うなじには以下の文字が刻まれている。
α・M・8658236・ステーツマン
「あのわずかな遺物からここまでユニオンを再現出来るとは……μ・F・92756471・マゴイ。君は相変わらず有能だ」
大儀そうな欠伸。倦怠感によどんだ目。
月明かりに照らされる彼の足元には影がない。
「あー、働きたくない。死ぬほど。死んでるけど」
とりとめない独り言をうだうだ呟きつつ彼は、また染みに戻っていく。
「まあ、ちょっと寝ようか……星の反対側まで移動するのも疲れるものだ……しかし君もここの連中に大分影響されているね……君は昔、歌など歌わなかった……」
彼が立っていた場所に咲いていた花は、くしゃくしゃに枯れていた。
翌朝。ワーカー・コボルドたちが、花壇の枯れた花を見つけた。
「……かれてる?」
「かれてる」
「うん、かれてる」
顔を見合わせすぐさま枯れた花を掘り出す。
予備の苗を持ってきて、植え替える。
「これでもとどおり」
「よかった」
「よかった」
コボルドたちは納得し満足した。そして昼ごろにはもうその一件を忘れてしまっていた。近々島にお客さんが来るというという話で、頭がいっぱいだったので。
●通商開始
グリーク商会が保養所建設のための土地を確保し提供してから数日後、マゴイは商会に寄港を許可する旨を伝えてきた。今後継続的な商業契約を結んでいいということも。
その上で第一回目の入港時、以下の人々を同船させるようにとの条件を出してきた。
1:ユニオンの保養所建設勤務者である、11人の市民候補者。
2:ハンターオフィス・ジェオルジ支局のコボルドコボちゃん。
理由はと聞くと、ユニオンの社会見学をしてもらいたいのだという。
もちろんグリーク商会は提示された条件を飲んだ。
商会からその報告を受けた魔術師協会は、ただちに調査隊の編成に取り掛かった。
●操舵手確保
予想通り操舵手としての召喚を受けたナルシスは、ここぞとばかり姉に言った。
「姉さん、僕さあ、正直正規の社員以上に貢献してるよね。これまでの分含めて、貰うもの貰っていい頃じゃないかと思うんだけど危険手当含めて。出してくれない? じゃなきゃ協力しないからね」
金の問題を持ち出せば相手が引くかと思ったのだ。何しろけち臭い姉だからして。
しかしニケは予想外にも、感心したような眼差しを向けてきた。
「……ふうん。あんたもどうやら労働の価値というものについて理解出来るようになってきたみたいね。いいわよ、相場に照らしてこれまでの分払ってあげる」
「え? なんて」
「給料を払ってあげるって言ってるのよ、ナルシス。ただしそれには条件があるわ――もう一度だけ操舵手をして。そしたら以降、私からは強制しないわ。あんた自身がやりたいって言ってくるなら話は別だけど」
●ぴょこの気持ち
『そうか、スペット、マゴイの島に行くのかの』
「せや。グリーク商会に便乗して魔術師協会が、調査団を派遣するちゅうことになってな。お前についても来てくれるように言うてくれて言われたんやけどな……まあ、断ってもええで。英霊の仕事があるんやちゅうたら、魔術師協会いうたてそれ以上無理は言えんし」
耳をゆらゆらさせスペットの彼の話を聞いていたぴょこは、不意に手を挙げた。
『わし、一緒に行ってもいいのじゃ』
「え――、ええんか? マゴイがおるんやぞ」
『うむ。そこはのう、なるべく近づかんようにすれば大丈夫じゃと思うで。わしものう、ユニオン見てみたいのじゃ。見ればもしかして何か思い出すこともあるかもしれんで』
そこで言葉を切ったぴょこは、スペットの頭を綿の詰まった手でぽふぽふ叩いた。
『わしのう、ずっと思っとったんじゃ。スペットが昔のわしのこと覚えておるのに、わしが昔のスペットのこと覚えてないのは、ふこーへいではないかとのう。βじゃった時おぬしがどんな顔しとったのか思い出してみたいのじゃ、わしがθじゃった時のことも思い出してみたいのじゃ』
スペットはふん、と鼻の詰まったような声を出した。それ以外の言葉がちょっと出せなかったのだ。胸が一杯になってしまって。真ん丸になった猫の目は少々潤んでいるように見えた。
●準備万端
島の大きい側には港湾が作られている。その一角に商業区がある。白くて四角い建物、碁盤目の舗装道。樽のような幹をした木が街路樹として植えられている。花壇もある。花壇の花はすべて白だ。マゴイの好きな色。
コボルド・ワーカーの一団は島の港に集い、商会の船がやってくるのを今か今かと待ち構えていた。
なにしろ仲間のコボが初めて訪ねて来るのだ。
「こぼにいろんなもの、みせよう」
「りっぱなすあな、りっぱなきのこあな」
「みせたらきっとびっくりするー」
楽しそうに笑いさざめく彼らの中心にいたマゴイは、時折不審そうに周囲へ首を巡らせる。
昨日から島の中に誰かがいるような感じがするのだ。ワーカーと自分以外の誰かが。
でもウォッチャーの島内監視網に異状を知らせるシグナルは出ていない。
なんにしても妙に落ち着かない気分。
島に外部者が来るからだろうかとも考えてみるが、すっきりしない。何にしても今自分はちょっと不安定になっているみたいだ。不安定なのはよくないことだ。後で生産機関に戻ってセルフ調整でもかけてみようか。
そんなことを思っているところ、コボルドたちがわっと歓声を上げた。
船が見えたのである。
●ようこそ島へ
「あれがマゴイ島?」
カチャは前方に見えてきた島影に目をこらす。
それは、大小二つの小山が連なったような形をしていた。
島の周囲は切り立った断崖。断崖の裾には木が密生していた。根は海水に浸かっているはずだが、皆平然と分厚い葉を茂らせている。
船は島との距離を縮めていく。
――断崖は自然に出来たものではないらしい。あちこちに窓のような穴が空き、外階段や通路が作られている。
垂直に切り立った切れ込みがあった。船の行き来が出来るほど大きな切れ込みが。
切れ込みの左右には以下の記号が、これまた大きく彫り込まれている。
→←
←→
とりあえず、ここが島の出入り口ということらしい。
深夜。白い町角。白い花が咲く小さな花壇の中に黒い染みが現れた。
染みは人の形をとる。
背の高いすらりとした男。髪は銀色、瞳も銀色、着ている服は闇に溶けそうな深い青。うなじには以下の文字が刻まれている。
α・M・8658236・ステーツマン
「あのわずかな遺物からここまでユニオンを再現出来るとは……μ・F・92756471・マゴイ。君は相変わらず有能だ」
大儀そうな欠伸。倦怠感によどんだ目。
月明かりに照らされる彼の足元には影がない。
「あー、働きたくない。死ぬほど。死んでるけど」
とりとめない独り言をうだうだ呟きつつ彼は、また染みに戻っていく。
「まあ、ちょっと寝ようか……星の反対側まで移動するのも疲れるものだ……しかし君もここの連中に大分影響されているね……君は昔、歌など歌わなかった……」
彼が立っていた場所に咲いていた花は、くしゃくしゃに枯れていた。
翌朝。ワーカー・コボルドたちが、花壇の枯れた花を見つけた。
「……かれてる?」
「かれてる」
「うん、かれてる」
顔を見合わせすぐさま枯れた花を掘り出す。
予備の苗を持ってきて、植え替える。
「これでもとどおり」
「よかった」
「よかった」
コボルドたちは納得し満足した。そして昼ごろにはもうその一件を忘れてしまっていた。近々島にお客さんが来るというという話で、頭がいっぱいだったので。
●通商開始
グリーク商会が保養所建設のための土地を確保し提供してから数日後、マゴイは商会に寄港を許可する旨を伝えてきた。今後継続的な商業契約を結んでいいということも。
その上で第一回目の入港時、以下の人々を同船させるようにとの条件を出してきた。
1:ユニオンの保養所建設勤務者である、11人の市民候補者。
2:ハンターオフィス・ジェオルジ支局のコボルドコボちゃん。
理由はと聞くと、ユニオンの社会見学をしてもらいたいのだという。
もちろんグリーク商会は提示された条件を飲んだ。
商会からその報告を受けた魔術師協会は、ただちに調査隊の編成に取り掛かった。
●操舵手確保
予想通り操舵手としての召喚を受けたナルシスは、ここぞとばかり姉に言った。
「姉さん、僕さあ、正直正規の社員以上に貢献してるよね。これまでの分含めて、貰うもの貰っていい頃じゃないかと思うんだけど危険手当含めて。出してくれない? じゃなきゃ協力しないからね」
金の問題を持ち出せば相手が引くかと思ったのだ。何しろけち臭い姉だからして。
しかしニケは予想外にも、感心したような眼差しを向けてきた。
「……ふうん。あんたもどうやら労働の価値というものについて理解出来るようになってきたみたいね。いいわよ、相場に照らしてこれまでの分払ってあげる」
「え? なんて」
「給料を払ってあげるって言ってるのよ、ナルシス。ただしそれには条件があるわ――もう一度だけ操舵手をして。そしたら以降、私からは強制しないわ。あんた自身がやりたいって言ってくるなら話は別だけど」
●ぴょこの気持ち
『そうか、スペット、マゴイの島に行くのかの』
「せや。グリーク商会に便乗して魔術師協会が、調査団を派遣するちゅうことになってな。お前についても来てくれるように言うてくれて言われたんやけどな……まあ、断ってもええで。英霊の仕事があるんやちゅうたら、魔術師協会いうたてそれ以上無理は言えんし」
耳をゆらゆらさせスペットの彼の話を聞いていたぴょこは、不意に手を挙げた。
『わし、一緒に行ってもいいのじゃ』
「え――、ええんか? マゴイがおるんやぞ」
『うむ。そこはのう、なるべく近づかんようにすれば大丈夫じゃと思うで。わしものう、ユニオン見てみたいのじゃ。見ればもしかして何か思い出すこともあるかもしれんで』
そこで言葉を切ったぴょこは、スペットの頭を綿の詰まった手でぽふぽふ叩いた。
『わしのう、ずっと思っとったんじゃ。スペットが昔のわしのこと覚えておるのに、わしが昔のスペットのこと覚えてないのは、ふこーへいではないかとのう。βじゃった時おぬしがどんな顔しとったのか思い出してみたいのじゃ、わしがθじゃった時のことも思い出してみたいのじゃ』
スペットはふん、と鼻の詰まったような声を出した。それ以外の言葉がちょっと出せなかったのだ。胸が一杯になってしまって。真ん丸になった猫の目は少々潤んでいるように見えた。
●準備万端
島の大きい側には港湾が作られている。その一角に商業区がある。白くて四角い建物、碁盤目の舗装道。樽のような幹をした木が街路樹として植えられている。花壇もある。花壇の花はすべて白だ。マゴイの好きな色。
コボルド・ワーカーの一団は島の港に集い、商会の船がやってくるのを今か今かと待ち構えていた。
なにしろ仲間のコボが初めて訪ねて来るのだ。
「こぼにいろんなもの、みせよう」
「りっぱなすあな、りっぱなきのこあな」
「みせたらきっとびっくりするー」
楽しそうに笑いさざめく彼らの中心にいたマゴイは、時折不審そうに周囲へ首を巡らせる。
昨日から島の中に誰かがいるような感じがするのだ。ワーカーと自分以外の誰かが。
でもウォッチャーの島内監視網に異状を知らせるシグナルは出ていない。
なんにしても妙に落ち着かない気分。
島に外部者が来るからだろうかとも考えてみるが、すっきりしない。何にしても今自分はちょっと不安定になっているみたいだ。不安定なのはよくないことだ。後で生産機関に戻ってセルフ調整でもかけてみようか。
そんなことを思っているところ、コボルドたちがわっと歓声を上げた。
船が見えたのである。
●ようこそ島へ
「あれがマゴイ島?」
カチャは前方に見えてきた島影に目をこらす。
それは、大小二つの小山が連なったような形をしていた。
島の周囲は切り立った断崖。断崖の裾には木が密生していた。根は海水に浸かっているはずだが、皆平然と分厚い葉を茂らせている。
船は島との距離を縮めていく。
――断崖は自然に出来たものではないらしい。あちこちに窓のような穴が空き、外階段や通路が作られている。
垂直に切り立った切れ込みがあった。船の行き来が出来るほど大きな切れ込みが。
切れ込みの左右には以下の記号が、これまた大きく彫り込まれている。
→←
←→
とりあえず、ここが島の出入り口ということらしい。
解説
補足説明
これはマゴイさんとコボルドワーカーズが開発した島に赴き、現地調査を行う事を目的とするシナリオです。
一度でもマゴイさんと接触しているPCさんが当依頼に参加する場合は、『魔術師協会に頼まれて』という前提がつきます。
そうでない場合は『グリーク商会から頼まれて』という前提がつきます。
PCはNPCともども、島に数日滞在することになります。その際、港湾区にある外部者専用の宿泊所に泊まることになります。ユニットバスあり(お湯が出る)。ベッドあり。食事付。
ただしこの宿泊所は全部屋に監視カメラであるウォッチャーが設置されています。宿泊所内の行動、並びに会話はすべて筒抜けと思ってください。といってもマゴイ側に悪意があるわけではありません。ユニオンの慣習としてやっているだけです。
そういうのはちょっと・・・という方は船で寝泊まりするか、野宿するかして下さい。
PCが制限なく見て回れるのは港湾地区、農業地区、工業地区のみです。他のところに入ろうとすると注意されます。
島にはステーツマンが入ってきています。どう見ても人間以外の何かになっているので、滞在中にひと騒ぎ起きそうです。
皆様、武器はきちんと携帯してきてください。
マゴイさん関連の主な依頼。参考までに。下に行くほど新しい話です。
「呼ばれて飛び出て」
「あの指輪はどこかしら」
「猫とマゴイと迷宮と」
「マゴイと黒い箱」
「マゴイの猫面談」
「歪虚お届けです」
「コボルドたちがどこかに消えた」
「マゴイ、ソルジャー、ワーカー」
「マゴイの夏休み」
「南海に進路を取れ」
「外注してもいいですか」
「南海の島を探せ」
「【郷祭】これが祭りというものさ」
「立ち退いていただきます」
これはマゴイさんとコボルドワーカーズが開発した島に赴き、現地調査を行う事を目的とするシナリオです。
一度でもマゴイさんと接触しているPCさんが当依頼に参加する場合は、『魔術師協会に頼まれて』という前提がつきます。
そうでない場合は『グリーク商会から頼まれて』という前提がつきます。
PCはNPCともども、島に数日滞在することになります。その際、港湾区にある外部者専用の宿泊所に泊まることになります。ユニットバスあり(お湯が出る)。ベッドあり。食事付。
ただしこの宿泊所は全部屋に監視カメラであるウォッチャーが設置されています。宿泊所内の行動、並びに会話はすべて筒抜けと思ってください。といってもマゴイ側に悪意があるわけではありません。ユニオンの慣習としてやっているだけです。
そういうのはちょっと・・・という方は船で寝泊まりするか、野宿するかして下さい。
PCが制限なく見て回れるのは港湾地区、農業地区、工業地区のみです。他のところに入ろうとすると注意されます。
島にはステーツマンが入ってきています。どう見ても人間以外の何かになっているので、滞在中にひと騒ぎ起きそうです。
皆様、武器はきちんと携帯してきてください。
マゴイさん関連の主な依頼。参考までに。下に行くほど新しい話です。
「呼ばれて飛び出て」
「あの指輪はどこかしら」
「猫とマゴイと迷宮と」
「マゴイと黒い箱」
「マゴイの猫面談」
「歪虚お届けです」
「コボルドたちがどこかに消えた」
「マゴイ、ソルジャー、ワーカー」
「マゴイの夏休み」
「南海に進路を取れ」
「外注してもいいですか」
「南海の島を探せ」
「【郷祭】これが祭りというものさ」
「立ち退いていただきます」
マスターより
KINUTAです。
この先のために提示しなければならない情報量を考えると、どうしてもショートシナリオに出来なかったン……。
それにしてもこの島、マゴイ島と呼ぶべきか、ユニオン島と呼ぶべきか。
この先のために提示しなければならない情報量を考えると、どうしてもショートシナリオに出来なかったン……。
それにしてもこの島、マゴイ島と呼ぶべきか、ユニオン島と呼ぶべきか。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/01/27 22:47
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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入国?前に ソラス(ka6581) エルフ|20才|男性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2018/01/21 18:16:30 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/01/21 22:01:21 |